山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
山本文緒さんの魅力が詰まった6編の物語だ。
そこにあるのは冒険や成功や心揺さぶられるような恋愛物語ではなく、とても日常的な心模様。
幾つかの短編に登場人物の日記が記されているが、それがとても印象にのこります。
「毎日つまんないことで忙しくていやんなる」
この台詞が山本さんの本書に込めた気持ちを代表して、それを物語にするセンスが個人的には大好きだ。
「この人達はこの後どうなるんだろう?」と読書に余韻と想像力を与えてくれる。
そう、それは登場人物にも「この後の人生」があるから、、
この物語が主人公にとって「人生のほんの一部」だから、、
次に良い出会いがあるかもしれない、後悔しているかもしれない -
Posted by ブクログ
120日以上生きなくちゃ日記。正真正銘山本文緒さんの日記です。余命宣告を受けてからの日々。楽しい日、辛い日、リアルな毎日が山本文緒さんの言葉で書き連ねられています。
生と死を自分事のように感じ、山本文緒さんの夫と別れたくないという記述とその頃にはもう私はこの世に居ないという記述のギャップに涙腺を揺さぶられ、この作品を手放すことができず、一気読み。正直キツかったです。
タイトルの意味を知ったときなんてもう危ない。しかも日記であるため、日付を重ねるごとに辛く…。辛いのは本人なのに。
きっとこの先何度も何度も読み直すであろうこの作品を今は大切に保管したい。 -
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Posted by ブクログ
面白かった。すぐ読めちゃう。
残業なし事務仕事▶︎結婚▶︎寿退社▶︎子供産む が女性としての喜びだとされてる時代で、そのパッケージに対して疑問を持つ主人公の日常が描かれてるんだけど、1995年に世に出た本だとは思えないほど主人公の価値観が令和の今と重なってるのが山本文緒さん…凄い…と思った。
ただ、主人公の事はあまり好きじゃない。
プライドが高くうっすらと周りの人を馬鹿にする感じ、自分も浮気するくせに恋人への浮気は許せず被害者ぶる感じ、サバサバしてると見せかけて実は中身がめちゃめちゃドロドロしてる感じ、、気持ちよくない!嫌だ!
と思うけど、自分に当てはまらない所がまったくないわけでもなく、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ山本文緒の文体が好き、自分に合うな〜と思っていたのは、山本文緒の飾らない性格や、素直に感じていることに共感できる自分があるからなのだとわかった。別な小説たちもたくさん読みたい。
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二十代の頃は、花の咲く野原で遊んでいられた。野原のまわりにはいくつも美しい山がそびえたっている。いつか山に登ってみたいという願望はあったけれど、どの山に登っていいか決められなかったし、蜜蜂と遊んでいる方が楽で楽しかった。そうしているうちに、決断の早い人はもう山を選んで五合目あたりまで登っている。そろそろ山に登りはじめないと、頂上まで行きつく体力がなくなってしまう。それでもぐずぐず選択に迷っていたり、山に登っ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物の感情描写がものすごく好き。特に主人公の都が、自分がどうしたいのか、そもそも自分の感情さえも分からず、もがきながらグルグルしている描写が、とても秀逸で繊細で好き。恋人に対してこの人しかいないと確信したり、なのにすぐにこの人でいいのか不安になったり、心が揺れ動く感じがすごくリアルで共感した。
自分は、都に共感できるところがすごく多かった。感想を読む限り、都にイライラするなど感情移入できない人も多いみたいだが、実際に都と同じような状況に置かれたら、大半の人が都と同じような感情を抱くのではないだろうか。自分の人生に責任を持ち、他責から少しずつ自責へ移ろうとする過程がものすごくリアルだと感じ -
山本文緒さん、中学生のころに読んで以来大好きな作家さんです。
小説が素晴らしいのはもちろん、「そして私は一人になった」「再婚生活」などのエッセイも大好きで何回も読みました(再婚生活はメンタルの影響もあるので、気軽には読めませんが)
どの作品も自分の心の奥の気持ちを代弁してくれているような気持ちになる唯一の作家さんです。
まだまだたくさんの作品を読みたかった。
そんな方が最後に遺されたエッセイ。ずっと、死ぬ時ってどんな気持ちなんだろうって小さい頃から疑問でした。その答えの1パターンを、まだ生きている私たちに教えてくれたのがこの本です。
もしかしたら自分もそうなるかもしれない、未来の恐怖にたくさん