山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一見すると「日常の文句や愚痴、冴えない人間関係」を描いた物語のように読ませておいて、ラストで前提そのものをガラリとひっくり返してくる構成が見事。まるで質の良い心理ミステリーを読んでいるかのような感覚に陥ります。
「ばにらさま」
お互いに致命的に噛み合っていない男と女のぬかるみ。決定的な衝突もしないまま不発のジャブを打ち合い、ぬるっと関係が擦り切れていくリアルさが秀逸。
「わたしは大丈夫」
「何が大丈夫なんだよ!」とツッコミを入れたくなる主人公の惨めな自己暗示と異常な金銭への執着。
ラストでタイトルの本当の意味が明かされた時のゾワッとする引っくり返しが見事です。
「菓子苑」
舞子と胡 -
Posted by ブクログ
ネタバレ愛するってなんだろう、恋愛ってなんだろう、と改めて考えさせられる作品だった。
結局、水無月は親との関係や離婚の経験から、相手に嫌われないこと=自分の価値であると思っていて、その自分の価値を損ねないために、相手に尽くしているように感じた。
愛は見返りなく与えるということにスポットが当たりがちで、もちろんそれも間違いではないと思うけれど、相手の善意や好意をそのまま受け取ることもまた愛だと思う。(ここは最近自分がバウンダリーの勉強をしている中で感じていること)
水無月は、嫌われないために献身的に相手に尽くすことこそが愛だと思っていて「受け取ることも愛」という視点が抜けていると思う。(創路からの「1 -
Posted by ブクログ
読んでいる途中も、読み終わった後も、タイトルの意味を考えていた。
地球が自転しているということは、多くの人が小さい時に学校で教わることかもしれない。1日の中で昼と夜があることも自転の影響だ。昼夜のように比較的長い時間のスパンであれば何となく自転していることにも納得がいくが、短いスパン(1秒など)では、地球が自転していることに気づきにくい。
公転だってそう。季節の移り変わりで何となく認識する程度であり、「今この瞬間も地球は太陽の周りを回っている」という実感はなかなか湧いてこない。
本書を読んで、私たちの日々の営みも全く同じだと感じた。仕事をしていればあっという間に1日が終わる。気がつけば金