山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
解説のすべてに共感をしてしまった
また名前のつけられない感情に「 知ってる! 」と思わされ、山本さんの作品を読んだな〜という気持ちに
表題作である紙婚式とおしどりは痛いほど共感しつつ、わたしの苦手なコミュニケーションの領域を言い当てられたかのような物語で恥ずかしくもなったし、大人になっても、結婚するまでの関係を育てても、人間関係に思い悩むのだと安心に似たような気持ちもしました
恋愛関係に限らず、相手が愛だと認識できる形で愛を渡すって難しいことだな〜と感じます
そういう意味では秋茄子がとくによかった、わたしもだいじな場面で向き合える強さを育てたい -
Posted by ブクログ
人間、誰一人として同じ価値観を持つ人はいない。恋愛、そして結婚、そして家族になればより深く、異なる価値観の人間同士が共に歩む(本書のワードを借りれば"連帯する")のは難しい。自分のことだって理解しきれないのに、相手を理解して、価値観をすり合わせる…ほとほと嫌になってしまいそうになる。何度もぶつかり合いながら、重なり合った・分かり合えたと思った次の瞬間には振り出しに戻るような出来事に振り回されながら、不思議な引力でまた引き合わされる…そういうすべてをひっくるめたものが、"好き"という心の作用なのかもしれない。振り回された力に抗えず、そのまま離れていく人、