山本文緒のレビュー一覧
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人を好きになりすぎて自分がおかしくなっていることに気づかない。そして狂気的な行動を繰り返して…
恋人について悩む20代の井口が、同じ編集プロダクションに勤める謎めいた50代女性・水無月の、過去の恋愛遍歴について聞く。その遍歴の物語。
目の前に降ってきた恋愛やその相手を、毎回運命だと思う。そういう人っているよね、と思いながら読んだ。
ある意味でとても素直で純粋だから、人を愛しすぎる。愛しすぎて相手の手を強く握りすぎて、相手を苦しくさせて、破滅に向かう。相手が自分を同じように愛してくれないことは錯覚なのだと思い込む。そんなわけがない、運命なのだから、と。
主人公・水無月美雨が離婚してバツイチに -
Posted by ブクログ
今の私にとても響いた。
女性のお仕事のあれこれが書かれている。
1998年に書かれた本だが、その当時は山本文緒さんのような考えで仕事をしていた女性は少ないのではないだろうか。
令和の今文庫化された理由がよくわかる。
あとがきの文章がとても良いのでメモ。
どうして働いているのか。
何が欲しいのか。
あなたはいったいどうしたいのか。
私は時折自分に問うようにしている。
あなたの仕事が嫌いだとしたら、それがどんなにつまらない仕事でもそれをつまらないと思っているのはあなた自身です。
誰かから扶養されている人よりは何倍も自由であることを時々思い出してください。
あなたがあなたの仕事を好きになれま -
Posted by ブクログ
最近、いつか来る別れを考えて夜な夜な涙することが増えてしまった。
両親、夫、友人、推し。
今は進んでいるようで、進むということは終わりに向かっていく。
みんな、いってしまう。
本作のタイトルは、なぜ平仮名の「いってしまう」なのだろうか。解説を読んで、その対象が「人」だけではないと気付かされた。
行く、往く、逝く。
失われた感情や、かつての生活。物語には、物悲しさと懐かしさ、そして孤独が静かに漂っている。
たった1話20ページにも満たない短編集なのに
そこに映し出された心情には、
人が簡単には言語化できない絡まった心情を、一本ずつ解いて丁寧に解いて整理されている。
こんなに丁寧に、人間の -
Posted by ブクログ
ネタバレわたし29歳女性、自分のこと言われてるのかと思う描写が沢山あった。半分ぐらいまでしんどいシーンが多かったから、自分の気持ちまで落ち込みそうになった。
都が前の会社を辞めた理由、ずっと気になってたんだけど、途中で明かされて、自分も都に理由を内緒にされてた気分だった。
解説で都さすがに傲慢では?みたいなことが書いてあって、そうか、主観で読みすぎて、都はぜんぶ悪くないって思ってる自分がいた。
あと、最初の章があったから、ずっとニャンくんと結婚するのかとそわそわしながら読んだ。娘か、気付かなかった。
母ちゃんが家計の将来を見返す場面、けっこう唐突に自分ごととして向き合い始めたから少し違和感を感じた