山本文緒のレビュー一覧

  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    2年前に大好きな叔母が膵臓がんで亡くなった。
    たまたまこの本の紹介を見て、すぐに購入。
    だが、買ったものの、なかなか手に取れず、やっと開いてみる。
    数ページ読み涙する。
    これはやばい、読み進められるのか。
    少しほどをおいて、続きを読む。
    少し冷静になって読んでいく。

    叔母は見つかってちょうど3ヶ月でこの世を去った。
    最期までどうしたらいいのか、どうしてあげたらよかったのか、わからないまま毎日が過ぎた。
    文緒さんは余命宣告4ヶ月。
    よくぞこんなにも毎日を記されたものだ。
    こちらに苦しい負担を与えず、死に向かっていくというより、生きていくと感じさせる。
    こんな大変なことが起こっても大丈夫だよ、私こうやって生きてきたよ。って伝えてくれているようで。
    最後まで一気に読んだ。

    泣き言一つ言わずに去って行った叔母。
    会いたい。とても。
    読み終えてまた涙が出る。
    でも、前の涙とは少し違う、前向きな涙の気がする。

    こんなにたくさんの生きるを記してくれて、
    こちらこそありがとう文緒さん。

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    2026年10月10日
  • 恋愛中毒

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    愛着障害が少しでもある人は賛同は出来なくても共感は出来ると思いました。個人的にかなり面白かったですが、気持ち悪くてもう読みたくないです。

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    2026年10月10日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    『自転しながら公転する』というタイトルが、読み終えてとても腑に落ちた。

    目の前の悩みや、目まぐるしく変わる環境に右往左往していると、自分の人生が何も好転していないように感じる。でも、引いた目で見れば、私たちは少しずつ違う場所へ進んでいる。同じような毎日を繰り返しているようで、全く同じ場所には一度たりとも戻ってこない。そんなことが、この物語の根底にあるように感じた。

    都、貫一、母、父。それぞれに事情があり、それぞれの考え方がある。みんなが別々の惑星のように自転しながら、互いの周りを公転している。近づいたり離れたり、ときには今まで見えなかった相手の側面が見えたりする。人と生きていくというのは、そういうことなのかもしれない。

    人生が永遠に好転し続けることはない。でも、悪いことばかりが永遠に続くわけでもない。同じ場所には戻らず、必ず少しずつ変化していく。そこにこの物語の救いがあるように思った。

    そして、お宮と貫一を思わせる名前からは『金色夜叉』も連想する。お金はこの物語でも、人と人との距離を近づけたり遠ざけたりする強い力として存在している。

    ぐるぐる回っているだけに見える人生も、遠くから見ればちゃんとどこかへ進んでいる。タイトルそのものが、読み終えたあとに少し希望のある言葉に感じられた。

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    2026年10月01日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    ネタバレ

    『自転しながら公転する』を面白いと思ったのは、恋愛や結婚、自立、家族など、「幸せって何なんだろう」と考えさせられるからだと思う。

    主人公の都にすごく共感したけれど、最初はなぜこんなに共感するのか、うまく言葉にできなかった。たぶん、自分の人生をちゃんと生きたいと思いながらも、家族や恋愛、周りの人との関係を簡単には切り離せず、迷いながら生きているところが、自分の中にもあるからだと思う。自立したいけれど、誰かに頼りたい気持ちもある。自分で決めたいけれど、周りの期待や「普通はこう」という価値観にも揺れる。

    誰にも頼らず生きることだけが自立ではなくて、誰かと支え合いながら、それでも自分の人生を自分で選んでいくことも自立なのかもしれない。都の迷いや矛盾した気持ちがすごくリアルで、まるで自分の中にあるけれど、まだうまく言葉にできていない部分を見ているようだった。だから、都に強く共感したんだと思う。

    「こう生きれば幸せ」という答えを出すのではなく、登場人物たちの迷いや葛藤を通して、自分自身の幸せや生き方まで考えさせてくれる。そこが、この作品の面白さだと思った。

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    2026年09月30日
  • 残されたつぶやき

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    残されたつぶやき
    タイトルから悲しい。大好きな作家さんが残したつぶやき達。その中にはおばあちゃんになっても、とか未来の表現が何回かあって、それを目にしても悲しい。
    もう、亡くなって何年かたつのに、新たな本が生み出されないことをまた突きつけられた気がした。

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    2026年09月27日
  • 恋愛中毒

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    恋心が生み出す狂気をここまで丁寧に描いた作品が、他にあるだろうか…?一言でいうと恋愛ホラー小説。ここまで他人に入れ込む主人公の姿を異常だと思うのに、恋しているときの自分と少しだけ重なるところもあり。最後の歪んだ認知の描写が非常に怖い。主人公は今なお狂気から抜け出せていないのだ。ストーカーの心理とはこういうものなのだろうか…。

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    2026年09月26日
  • ファースト・プライオリティー

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    自宅に保管してあったこの文庫本。いつ買ったのか、なぜ買ったのか(基本、文庫本は買わない主義)全く覚えていない。
    当時読んだのだろう、なんとなーく、うっすら内容に覚えがある。
    けど、ほとんど初読と言っていいくらい覚えていないので、純粋に楽しめました。
    主人公は31歳。主人公ごとの再優先事項をテーマに書かれた短編集。そして短編の数も31。
    生活の一コマを切り取ったようなお話だけど、刺さるなぁ。
    ラストの短編と著者をダブらせて読んでしまいました。
    もうこの方の新作が読めないのが本当に残念です。

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    2026年09月26日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    「うまく死ねますように」と綴った彼女の気持ちを思うと、涙が出た。あまりにも若すぎる。突然の余命宣告。

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    2026年09月24日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    私たちは常に色んな悩みをもって生きています。
    家族のこと、仕事のこと、恋愛のこと。
    それらのことを考えながら日々模索して生きています。

    そんな生き方をこのように表してます
    「自転しながら公転する」

    特に大人になると私たちの日々の生き方がある種定型化してきて、人生という軌道を同じ周期で回っているように感じます。その中で色んな悩みがぐるぐると回って、それでも日々の生活を過ごそうとする様をまさしく表している表現だなと感じました。

    家族、恋愛、友達、仕事。
    その全てに向き合って葛藤する主人公の様子はとても他人事ではないように感じました。

    またもう一つ印象に残っている表現があります。

    「甘えていいと言われるのは、甘えるなと言われるよりきつかった。」

    両親はきっとどんなに辛くても私たちに手を差し伸べてくれると思います。しかしそれは両親に迷惑をかけないよう必死に自立を目指した自分からしたら、それを否定されてるように感じるのだと思います。その複雑な気持ちを表している表現だと思います。

    今生きてる中で悩みを持つ人はぜひ読んでみてください。きっと好きな場面や表現を見つけられると思います。

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    2026年09月23日
  • 恋愛中毒

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    ネタバレ

    わかんない!わかんなすぎた‼️でも気になりすぎて凄い勢いで読んだ。奈々ちゃんちゃんと救われたのかな流石に?自分の娘を監禁した女に懲りずに逢いに行く創路が意味不明。そして盗作どうなった?結局なんでスケジュール白紙だったんだ??
    しかし怖い。依存することは怖い。そして自分にこの傾向があることを改めて自覚して嫌になった。自分も一歩間違ったらこうなる気がして読んでて苦しかった。うーん何が言いたいのかよくわからない難しい本だった。

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    2026年09月20日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    前半はずっと曇り空のような日々で、特別不幸なことが起きているわけではないのに、どこか閉塞感があり、読んでいて少し暗い気持ちになった。

    そんな中で印象に残ったのは、母親の「自分にも稼ぎがあったら」という言葉。
    嫌なら別の道を選べる。何か起きてもすぐに生活が破綻しない。将来についていくつかの選択肢を考えられる。そんな余白を持てることは、恵まれていることなのだと思った。

    母親が自分で突破口を見つけ、少しずつ空気が変わっていくところが良かった。

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    2026年09月20日
  • 落花流水

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    山本文緒さんの「なぎさ」と似たものを感じた。
    物事に抗うこともできず、流されるままに恋愛をして、流されるままに生きていく。もうこうなることが決まってたかのようにさえ見える。なぎさと違うのは、最後まで悲しく、救いがない。
    冬乃が佐々井くんと希望を見つけたように、誰かが手毬を助けてくれるかもしれないと思ったけど、好きになるのはどうしようもない男だけだった。

    この流れを作り出した律子がいつまでも元気で自分勝手で楽しそうなのも、救いがない。小説あるあるならば認知症になるのは律子で、手毬が葛藤しながらも介護して、許せなくとも最後には愛情を感じられるとかじゃないのか。律子と同じく女を武器にして生きている姫乃が、この連鎖から抜け出せることを願いたい。グミも。

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    2026年09月19日
  • きっと君は泣く

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    若さと美しさを武器に生きる23歳コンパニオンの椿。美しくてかっこいい祖母、野暮ったくて気が合わない母、中学からの腐れ縁グンゼ、派遣先で仲良くなった雛子ちゃん、祖母の入院先で出会った魚住。

     なかなか個性強めの登場人物たち。

     傷付きやすくてトゲトゲしてハリネズミみたいな椿。容姿を褒められる事はあっても、自分自身を愛された経験がないから満たされない。

     途中からサスペンスかってくらいドキドキして朝4時まで一気読み。

    グンゼがおばあちゃんの病院に来たのは、先生を見るためなんだろうな、雛子ちゃんも気味が悪かった。

     出会った順番が違っただけなのかもしれないけど、祖父の選択のせいで本妻、本妻の娘、愛人、愛人の娘、孫娘と5人の女の人が不幸になってる。魚住も巻き込まれてるし。グンゼも先生も巻き込まれたような感じだしな。

     面白かった。

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    2026年09月16日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    4.4
    派手な展開はないのに、描写に惹きつけられて止まらなかった
    お前もこういう悩みにぶち当たることになるんだよ、って水に沈められていく感覚で、読んでる間ずっと息苦しかったから、早く息を吸わせてくれって気持ちで読み進めてたけど、そしたらまさかのVR体験でした、みたいな感じ(例えびみょいよ〜汗)
    私としては、こんなに集中して読み切れた作品久々で読後気持ち良すぎた‼️
    本の紹介って有益ですね

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    2026年09月13日
  • 絶対泣かない

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    90年代の小説だと思えないくらい今でも共感できるところがたくさんあっておもしろい短編だったな
    派遣の仕事ができすぎてしまう人の話とか、すごくやりきれないなあと思った

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    2026年09月13日
  • 群青の夜の羽毛布

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    前半はちまちま読んだけど、後半は一気読み。
    自分の気分の問題で空いてしまっただけで、物語自体は最高に読みやすく、恐ろしく、面白かった。
    フォント異なるページの意味に気づいた瞬間、冒頭からペラペラ読み直した

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    2026年09月11日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    更年期症状の母のため実家へ出戻り、アウトレットで契約社員として時短で働く、いい人だけど中卒アルバイトな恋人をもつ都の物語。
    主人公と同世代になって再読したら、刺さるな〜
    客観的に見たら30代としては言動が幼いんだけど、自分にかぶるところもありギクリ。
    甘えていいんだよと言われるのは、甘えるなといわれるより辛い。

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    2026年09月10日
  • 恋愛中毒

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    舐めてました。まさにホラーそのもの。
    怖い。怖すぎるよ、水無月さん……。読み終え、思わずそう呟いてしまう。

    どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。
    他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛せるように。
    水無月の堅く閉ざされた心に、強引に踏み込んできた小説家の創路。
    調子がよくて甘ったれ、依存たっぷりの創路を前に、
    水無月の内側からある感情が湧き上がってくる。
    世界の一部に過ぎないはずの恋が、私の全てを縛りつけるのはどうして。

    あらすじ+冒頭の一文『恋は人を壊す』から、
    恋愛依存症の女性のあれやこれやかと思って読み進めてみたが、
    とんでもない。予想の斜め上を行き過ぎていた。
    そんな生半可な中毒ではない。
    水無月さんを見ていると、麻薬中毒者と同じなのである。
    それぐらいガン決まりな水無月さんの思考と行動。
    ドギツイぐらいの彼女の痛みと苦しみが描かれていた。

    約四半世紀前の作品なので、
    それから25年近く経つ令和の今ではアウト過ぎる創路の倫理観。
    羊ちゃんと称され囲われている女性たち。
    その中の一人として新たに輪に加わる水無月さん。
    そんな水無月さんには離婚経験があるのだが、
    その離婚の経緯がまたぶっ飛んでいた。
    物語の後半で突如として明かされる水無月さんと夫であった藤谷との過去。
    それがあまりに強烈で、だがそれと同時に色々と腑に落ちた。
    彼女のこれまでの行動や思考そのものが。

    彼女は常に願っている。もう他人を愛しすぎないように。
    他人ではなく、自分自身を愛せるようにと。
    でも、人間ってそんな簡単には変われない。
    結局、彼女は繰り返す。
    もっと人間が簡単な生き物だったらな。そんなやるせなさが胸に残った。

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    2026年09月09日
  • きっと君は泣く

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    桐島椿は綺麗な祖母を敬愛していた。自分は祖母に似て綺麗なんだと。いつかは祖母のように凛として綺麗になるのだというふうに考えていた。
    椿は派遣でコンパニオンとして働きながらも、不倫や数々の男性と空虚な生活を続いていた。
    事故で祖母が入院し、段々と認知症が進んで椿のことがわからなくなるようになる。
    父も劇症肝炎で入院、父の会社も倒産する。お金もなく、誰かと結婚でもしようとするが、誰もいないことに気がついてくる。
    女性の心理、行動を見事に表現している傑作。

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    2026年09月08日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    なにかに熱狂していたり、こだわりや自分の価値観が確固たるものとしてある人は狭量なところがあるってすごい分かる。

    「お洒落な人って狭量な面があると思います。」

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    2026年09月07日