【感想・ネタバレ】自転しながら公転する(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

母の看病のため実家に戻ってきた32歳の都(みやこ)。アウトレットモールのアパレルで契約社員として働きながら、寿司職人の貫一と付き合いはじめるが、彼との結婚は見えない。職場は頼りない店長、上司のセクハラと問題だらけ。母の具合は一進一退。正社員になるべき? 運命の人は他にいる? ぐるぐると思い悩む都がたどりついた答えは――。揺れる心を優しく包み、あたたかな共感で満たす傑作長編。(解説・藤田香織)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

32歳独身女性の主人公。と、それぞれクセありな登場人物達。この年齢になると、仕事、結婚、健康、親のことなど色々と浮き彫りになる。 幸せになるためにどんな選択をしたら良いのか、諦めたらいいのか、打算的になるし、周囲と比較してしまう。 
都を無駄に傷つけてくる男どもにびっくり。知らなくていい情報を与える人って優越感に浸るために言うのか? 都は心が広いなぁと思った。貫一に対しても、なんだかんだ見下すこともなく。相手を対等にみてるからこそ、意見をストレートにぶつけていたと思う。結局相性が良いんだなぁ。
個人的にはニャン君に結構傷つくわーと思った。年齢であそこまで冷めるんやw
最後の都のセリフが良かったな〜。タイトルも素晴らしい(..◜ᴗ◝..)

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルに惹かれてずっと読みたかった作品。

最後まで主人公の人間性をあまり好きになれなかった。それでも人間味たっぷりで、自分も同じような考え方があるので耳が痛い部分も多かった。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まるで自分のことを書かれているようで、心当たりばかりの小説でした。他人のことを考えているようで、実際は自分のことばかり。自分はなんてずるい人間なんでしょうと思うこともしばしば^_^でもそれも人生、総じて幸せになれば良いと思えるようになってきて、20代後半、自分の心の成長をたまに感じます。こども、マイホーム購入、親の介護やらなんやら、色々あるんだろうけども、壁にぶつかりながらも自分らしく乗り越えていきたいなと、この本を読んで思いました。

最後の最後まで結局貫一なの?ニャンくんなの!?と思いながら、恋愛要素も楽しみながら読みました笑

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2025年11月21日

Posted by ブクログ

日々の中で迷いながらも自分なりに選択していこうとする“等身大の女性”に共感がとまらず。都の心の揺れがリアルで、「ああ、この感覚わかる…!」と何度も頷きながら読みました。

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2025年11月10日

Posted by ブクログ

「あまりにリアル」が率直な感想。結婚、恋愛、介護、人生には様々な問題がある。最終的な判断は本人に委ねられる。が、そこに至るまでの過程の描写が自分事かのように感じられた。

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

〜1周目〜
2021.11.18
初めての作家さんだったが、割と好みだった。
ただ、長いというのがネックだった。
女性の人生は大変で、女性ならではの息苦しさが表現されていてよかった。
自転しながら公転していた。

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2025年11月04日

Posted by ブクログ

『人生』というものの精度の高さがとんでもない。
文字だけでこんなにも表現できる?ってくらい、人生そのものであった。

ぱっと希望が生まれたと思ったら、先の見えない暗闇になったり、
本当に言いたいことは言えないのに、言わなくていいようなことを言ったり、
人の汚いところを見て悲しんだり、だけど自分にもそういうところがあったり、、、


もう目が離せず、そこそこボリュームがあったがものすごい速さで読み切ってしまった

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2025年11月05日

Posted by ブクログ

面白かったな〜〜〜〜
恋愛のキャッキャ感もあり(超少ないけど)(105ページ目みんな読んでください)32歳という年齢になり自分で決断する、腹を括ることの大事さがボディーブローのように効いてくる、そのツケをどうケリつけるかっていう......
途中、都の態度に「あんたが何にも決めないからでしょうが!!流されるんじゃないヨォ!!」ってブチ切れそうになったけど都の友達が全て代弁してくれてスッキリした
個人的にはニャア君とのシーンでドン引きされたシーン好きです。ご都合主義にくっつくのかと思ってたからいい意味で裏切られて現実に私も引き戻されたw
32歳っていう揺らぎまくる年齢の本っておもろいよね…

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2025年11月04日

Posted by ブクログ

今年25歳の私には刺さったな。
結婚、キャリア、親との関係、いろいろな悩みを抱えながら、衝突や失敗を繰り返しながら、30代をたくましく生きていく都がかっこよかった。

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

キャリア、結婚、出産、介護…女性なら一度はぶち当たることがリアルに描かれており、共感した。
今このタイミングで出会えてよかった。

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2025年10月10日

Posted by ブクログ

あまりライトな小説は読まないのだが、本書はタイトルに惹かれて購入し、一気に読み切ることが出来た一冊だった。印象的なのは主人公に共感できるところだけでなく、何故?と突っ込みたくなってしまうような頑固さが読み取れることである。1人の「普通」の人が抱える図々しさや頑固さ、視野狭窄さが絶妙なニュアンスで描かれ、自分は間違っていない、という人間の意固地さが見える。自分が正しいと思っている感覚が、周りからはそう見えていないことをよく表現している作品である。山本先生にはご冥福をお祈りいたします。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

なにかのオススメで見て、どんな話かまでは覚えてなかったけど予約待ちもなかったので読んでみた。

話の主人公は都という非正規でアウトレットにあるアパレルの仕事をしている32歳の女性。
同じアウトレットにある回転寿司を食べに行ったときに出会った態度の悪い店員の貫一(30)と出会い後に付き合う。
元は東京で自分の好きな服屋で働いていたが母の体調が悪くなり(重めの更年期障害)実家である茨城に戻り両親と共に暮らしている。
今働いている服屋は系統も自分の好みではなく仕事に対しての熱意などは特にない。

貫一や家族、職場との関係で色々と紆余曲折がありながらもそれに対して必死に前向きに頑張る!みたいな感じではなく、不器用ではあるけど人並みに生きていけるように都なりに頑張ってはいる、みたいなかんじなのである意味でとてもリアルな人生を俯瞰で見ているかのような感覚になった。

貫一と友達のような飾らない態度でいられる二人の様子がとても好きでずっとこのまま二人で支え合いながら生きていってほしい!と読み進めるととても強く思うのだが
この本のプロローグでは主人公の私がベトナム人と結婚式をあげようとしているところから話が始まるので、最終的に主人公はベトナム人と結婚するがそれまでの紆余曲折の物語を見ていくのかと思って読んでいるときずっともやもやというか納得できない不満のような気持ちがあった。

この本の良さは他の小説ではあまり見たことがないくらい、人間関係や人の感情が繊細でリアルすぎるところにあると思った。

母の体調が優れないけれどいつまでこの状態が続くのかわからない不安、精神的に良くないときもある病なので(更年期障害のひどさがわからないからこそ更年期障害くらいでそんなに?みたいに思ってしまう、都もそう思ってしまうところがあるしそんな自分を薄情なやつだと思うというところにも強く共感してしまう)
辛いのは母なのに母の言動などにイライラしてしまったりする描写が脳内でリアルに再生されるようで、私が都の立場だったら都のように私も自分に薄情なところがあることを思い知って自己嫌悪に陥るだろうなと思った。

書きたいところが多くてまとまらないので箇条書きにして終わりにする。


・貫一の話を友達二人に相談しているところで、もっと条件の良い人見つけてそんなやつさっさと別れな!っていうタイプと、
学歴や収入よりも大切なことがある、貫一さんの優しいところを大切にした方がいい、人を条件で選ぶなんて傲慢だっていうタイプに別れてて、自分にも相手の内面がどうかというより職業やある程度の収入とかをチェックしてしまうところがあることを思い出して罪悪感のようなものを感じた。

たしかに人を自分の理想の条件で推し量るのは傲慢だしなんて失礼なことをしてるんだろうと思う、けどこれから人生をともにする相手があまりにも経済的な面とかで不安だと本当にこの人でいいのかって悩んでしまうのもとてもわかる、、
30代のリアルな恋愛事情が他人事とは思えなくて刺さった。
そよかの言ってる言葉(後者)も綺麗事のようではあるけど、そういう気持ちを大切にしないのは人としての大事ななにかを見失ってしまってるようにも感じるので綺麗事だ、で片付けてしまうのも違うのかなと思った。

・貫一が東日本大震災のボランティアに仕事を辞めてまで行っていたり、施設に入ってる父のために自分の生活も豊かとはとても言えない状況なのに毎月6万も支払いをしているのに対し、
都は母の更年期障害がいつまで続くのか、私が介護をしないといけないのかとか億劫に思ってしまい、そんな自分に対して貫一と比べて自分は人に対する優しさが欠如しているんじゃないかと思ってしまうところが
え、私の脳内の話?って思うほど思考が一緒で驚いたと同時に自分に対して呆れというか悲しくなった。
いいことではないんだけどこういう風に思ってしまうのは私だけじゃないのかと少しほっとした気持ちにもなった。

都の性格がとっても優しい子とかじゃなく、本当にリアルに存在しそうな等身大の女性であったからこそ物語に深く共感できた。
都たちとともに時間を過ごしてきたかのような感覚になった。
家族、友達、恋人、職場、生きていると色んなことで悩んだり苦しんだり楽しくなったり本当に様々な感情に揺さぶられてそれが大変に感じることもある。
けど当たり前なんだけどそれは自分だけにあることじゃなくみんなそれぞれに感じる辛さがあるということを教えてもらった。
こころに寄り添うようなそっと支えてくれるような人間味溢れる人達のただ平和なだけじゃないからこそ感じられる濃密な物語でとても感動させてもらえた。
素敵な本に巡り会えて本当によかった。


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色んな人とこの本の良さを共有したいと思える大好きな本!
また読みたいな、、
感想を久しぶりに振り返ってやっぱりこの本いいよね〜〜!!ってこれを書いた自分に共感した(笑)
箇条書きにすると書いておきながら全く箇条書きになっていない、、(^_^;)
物語の最後は良かった〜って思える終わり方で安心した。
自分がアラサー世代にいるからより刺さる話だったんだろうな。

この感想書いた時のメモの冒頭に一旦書いてたものが消えてショックを受けたって書いてあったのに全然まとまりのない膨大な量の文章が書き残されててびっくりした。それだけこの本への感想が止まらなかったんだろうなと思った。

他の方の感想も読んで思い出したことがあって、
この本を読んで深く刺さったのが自分自身の狭量さに気付かされて、その事実を突きつけられたかのような感覚になったことが衝撃だったということ。
狭量という言葉を知らなかったけど、この本を読んでこんなに私に当てはまる残酷な言葉があるのか!と反省した。
特に家族に対して狭量なところがあったな、、と過去をふりかえって耳が痛くなった。
家族以外でも全てそうで、誰に対しても関わる人に心を広く、相手を受け入れられる寛容で柔軟な人間になりたい、、
と思うきっかけになる本でした。

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2025年09月24日

Posted by ブクログ

読み進めても読み進めても苦しかった。
救いがないように感じて苦しかった。
リアルすぎて苦しかった。
もう一回読めるかと言われると難しい…

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2025年09月17日

匿名

購入済み

人間の狡猾な面を絶妙なエピソードでえぐっていく手法はお見事。
揺れ動く気持、周りの人の意見、環境。どこにどう転がっていくか最後までわからず引き込まれるように読み進められました。

#切ない #深い #シュール

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2023年04月24日

Posted by ブクログ

 プロローグには騙されました! エピローグまで読み終えてから、あらためて読み返すと、「あー,たしかに」とわかります。
 おしゃれで、だけど仕事・家庭や将来に悩みを抱える女性の日常を描いた作品ではあるけど、誰が読んでも何かしら教えられる普遍的な小説。
 なお、作中のサラリーマンのバカ話ですが、明日死ぬなら高くておいしいものをたらふく食べたいけど、長生きするならお金も健康も大事にしなければならない、「その矛盾を受け入れてこその大人だ」というセリフが、作者の遺作だということも含めて、少し刺さった。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

30歳の葛藤が痛いほどわかる作品でした。
すべてにおいてパーフェクトな人はいないよね…恋愛むずかしい

いつ、ニャンくんの方に行くんだろうとまんまとドキドキしながら読んでました笑
ちゃんと読むとお母さんのキャラとかお父さんのキャラとか全然違う!笑


エピローグで、悩みはあれどちゃんと幸せにやっていけてるんだなあと安心できてよかった。

お母さんをうどんでいて、子どもともうまくできない、そういうところもリアルな人間っぽくてよかった

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

登場人物は好きになれなかったけど、展開が割と調子良く変わるので読んでいて飽きなかった。
現実味のある内容で本当にこんな人がどこかで人生を送っているのかな。

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2025年11月10日

Posted by ブクログ

 人間、誰一人として同じ価値観を持つ人はいない。恋愛、そして結婚、そして家族になればより深く、異なる価値観の人間同士が共に歩む(本書のワードを借りれば"連帯する")のは難しい。自分のことだって理解しきれないのに、相手を理解して、価値観をすり合わせる…ほとほと嫌になってしまいそうになる。何度もぶつかり合いながら、重なり合った・分かり合えたと思った次の瞬間には振り出しに戻るような出来事に振り回されながら、不思議な引力でまた引き合わされる…そういうすべてをひっくるめたものが、"好き"という心の作用なのかもしれない。振り回された力に抗えず、そのまま離れていく人、一生会うこともないと腹を括ったのに、なぜかまた引き寄せられてしまう人、そこを分けるのは理屈ではなく、"好き"という心の有無なのかもしれないなぁと。

 そしてもう一つ、本書のテーマとして感じたのは、"自立"。すべての登場人物にとっての、微妙に立場の異なる、"自立とはどういう状態か?"が描かれ、自立に向き合うことでほんの少し人生の角度が変わり、長いスパンで見ると大きな変化の契機になっていることに感じ入った。

 それにしても、プロローグにやられた…!プロローグの内容を常に頭の隅に置きながら読むことになり、最終的には展開にちょっとした驚きもあって楽しめた。この構成には賛否あったと解説に書かれているが、私は楽しみが増して好きだった。




 

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2025年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「ママはパパと結婚して幸せだった?」という娘からの質問に、
「別にそんなに幸せになろうとしなくていいのよ。幸せにならなきゃって思い詰めると、ちょっとの不幸が許せなくなる。少しくらい不幸でいい。思い通りにはならないものよ」
母は風に乱れる髪を押さえて笑った。
っていうところがハッとして印象に残りました
結婚とは、、自分の中で考えさせられる内容でした。

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

主人上の都だけではなく、さまざまな登場人物は皆、本当に実在する人たちのようなリアルさだった。

皆、良いことも悪いことも悩むことも生きている中で経験しているが、結局のところ、人生を生き抜くには、自分自身の価値観軸が必要なんだな、と改めて実感した。

若いうちはともかく、年齢を重ねるにつれてその軸がなければ人生も不安定さが増すような気がする。
だから、若者たちも!外見だけを着飾るのではなく、どうか自分自身の中身もきっちりと詰めて充実させてほしいなと思う。歳をとってから病まないように!

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

主人公の気持ちが生々しく、読んでいて、自分もこんな気持ちになったことあるようなそんな錯覚に陥りました。
30代、結婚、仕事、友達、色々なことに悩みますし、その心情が痛いほど伝わって、主人公の気持ちに共感できます。
面白かったです。

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2025年10月10日

Posted by ブクログ

ティファニーのネックレスで喧嘩になる場面が辛かった。感情的な都を非難したい反面、衝動的な不安も後の内省もすごく分かる。
全編通じてこんな感じだった気もする。面白かった。

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

自分もこの頃はそうだったよなと共感できる
32歳の女性の悩み、揺れる心、認めたくない気持ち、などなど、この頃の女性の心理を優しく包み込んでくれる作品。長いんだけど、続きが、結末が気になって仕方なかった。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

仕事・恋・家族・親の介護と、いくつもの問題の中で揺れる主人公の都。非正規の身分で、未来も安定も見えにくい日々。それでも誰かとつながりたい、自分らしくいたい。「自分にとっての幸せって何だろう」という問いは、都だけのものじゃなく、読者自身の中にもあるものだろうと思います。

好きだけでは進めず、現実だけでも満たされない。現代版『金色夜叉』寛一とお宮です。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

 弱さも、狡いところも、全部生々しかった。私も臆病で卑怯だから、相手に選択権を委ねて押し付けて、被害者になりたくなる。身勝手に傷ついて、身勝手に誰かになんとかしてもらいたくなる。自分は何もしないからリスクは負わないけれど、何かを得ることもない。自分が何で満たされるのかを知らないから、周りの人ばかり幸福そうに見えて相対的に自分が不幸な気がしてくる。そして勝手に不幸になる。ずっと独りよがり。幸せになりたいくせに不幸にしがみついてるのは私の方。でもこれまで私を慰めて、そばにいてくれたのは、その不幸なんだよ。

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2025年09月26日

Posted by ブクログ

時代錯誤の考え方はしていないと思っていてもどこかでそうなっていて、この本を読んで気付いた。
「そんなに幸せになろうとしなくていい」すごかったな。
周囲に幸せであることを無意識に主張してしまう自分に悩んでいたから少し軽くなったかも、
また、時間をおいて読み返したいな

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2025年09月20日

Posted by ブクログ

衰退していくこの国で生きる主人公達の不安感が物語全体を包んでいた。ベトナムの風景やニャンさんの活気とのコントラストが一層こちら側を暗く感じさせる。
家族、キャリア、恋人、お金、、問題は山積みであるが惰性で生きて問題に向き合うことから逃げている主人公。自立できていない自分を棚に上げて、自分の";幸せ"のために相手に対しては様々なことを求める。
主人公の精神的な幼さを感じる一方で、同じアラサーの女である私の気持ちが書いてあるのではと思う部分も多くあった。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

彼女たちのありのままの心情や、彼女たちを取り巻く忙しない生活環境を背伸びしないで実直に描いている点に好感が持てた。ただ、幼稚な言葉選びだと言ってしまうこともできると思う。
主人公は様々な出来事に振り回されるのだが、彼女があまり魅力的ではなく、どの場面においても気持ちを寄せることができなかった。
プロローグとエピローグは蛇足ではないだろうか、と思った。できれば貫一を本当に受け入れ、愛していると言えるようになった時の都の言葉が読みたかった。

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

同世代の同性ですが、主人公にはあまり共感出来なかった
あまりにも自分勝手で、突発的で、一方的だと感じてしまった
勝手に溜め込んで、自爆しているようにも見えるから
だけどそれはものすごく、私たち世代の人間にとって、普遍的な物語なのではと感じた

‘’当たり前‘’とされているある種の押し付けでもある社会の常識という固定観念に
押しつぶされそうになる(押しつぶされてしまっている?)が故の感情や行動なのかもしれないよな…と思うなど

貫一は貫一で、ニャーくんがいうように男はこうあるべきというステレオタイプの人間だったのだろうか?
エピローグを読んだところ、そうは感じなかった
とても繊細で柔軟な心の持ち主だと感じた
繊細だからこそ、期待することや未来のことを放棄しているようにも見えた
旅行やお家でさっさと寝られて放置されるのは解せないところではある
付き合おうとなったときや、お部屋に侵入してきたときなど
会いたい、触れたい、という感情が溢れて出ている描写にドキドキした
主人公も、本能ではどうしようもなく貫一に惹かれているのだろうと思った
結果は良かったのだけど…あの時にもっとちゃんと向き合って話し合えていれば良かったじゃん!!


作品としては、とても読みやすかった
等身大の物語を客観的にみている感覚が新鮮だった
主人公視点の母親に対する想像と、母親の実際の心情の違いにもヒリヒリドキドキしました
最後に、作者山本先生のご冥福をお祈りします。また他の作品も読んでみたいと思います。

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2025年10月24日

Posted by ブクログ

山本文緒作品、初読みでした。
そんな時代ありましたね…と同じ世代と語りたい。でも、いつの時代も、考え続ける女子の共感は得る作品だと思う。
バインミーとサイゴンビールで、読み進めました。
文学賞受賞作品も読みたいです。

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2025年10月14日

Posted by ブクログ

何も考えたくないのに反芻思考をしてしまって、上手く言葉にできないし考えて言語化すること自体が疲れてやりたくないと思ってしまうし、今人生に大疲れフェーズに入っていて、生きていきたくないと思ってしまっていて、
だからこの本の人生、というような感じ、しかも現実的な感じ、嫌なことも考えることもたくさんある感じ、多分今じゃなかったらもっと色々考えて刺さってたんだろうけど、ちょっと疲れた
生きるのって大変だと思った。そういう感想。
いつもみたいな状態じゃなくて感想も変だし何書いてんだろって思うけど、でも読書ってその時の自分自身と向き合う行為でもあると思うから、

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2025年10月04日

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