山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あらすじや表紙絵から、逆境を乗り越えて成長していくヒロインの生涯、のような朝ドラ的さわやかものを想像していたら全然違った。
いや、主人公・手毬の60年を描くと言う意味では合っているのだけど、そこはさすが山本文緒さんの小説。複雑にもつれ変わり続ける家族関係は、朝ドラよりも昼ドラに近くて、でもただドロドロしているだけじゃなくて、私はここに「人生」を感じた。
手毬とそのまわりの人物たちが互いに翻弄され影響し合う、愛というややこしいものの因縁や、血は争えないという事実の途方もなさに、時に泣き、時に笑いながら、壮大な気持ちで読み終えた。
最近は親ガチャなんてワードがあるけれど、どこでどう生まれ育ったと -
Posted by ブクログ
ネタバレお笑い好きだし読んでみよーって軽い気持ちで読み始めたらものすごい心に響いちゃって何回も泣けるところがあってめちゃくちゃ好きな本に出会ってしまった!。(疲れてんのかな…笑)
特に無関心に見えた小春のお父さんが実は愛に満ち溢れていて獅子のように力強い人だと気づいたところは泣けた。そしてラストの漫才シーンは胸熱。多くの人に認められて、くみの厳しい親父も素直ではないけど小春たちの漫才を認めてくれて本当に良かったし、何よりも小春が父とよく行っていた寄席にスカウトされてそこで漫才できることになり、そこにお父さんをさらっと招待するという完璧な流れ。最高だった〜。これからも頑張れ大春小春。
人生いろいろあ -
Posted by ブクログ
結婚生活における男女の心の葛藤を描いた八編の短編集。僕にとっては二冊目の山本文緒作品読書となりました。
この本の感想を書く前に、白状しておきます。僕のファースト山本文緒作品は「パイナップルの彼方」。
林真理子の小説に寄稿されていた著者の解説に接したのが切っ掛けでした。読んだ直後は、自分の感情を言葉に出来なかったのですが、今は出来ます。不愉快でした(笑)。
当時記した「パイナップルの彼方」の読書日記を読み返すと、苦し紛れです(汗)説教してるし(俺)。ハードボイルドとか書いているし……。
ハードボイルドは「固ゆで(卵)」。中身が見えません。外面描写に徹した小説の手法です。
「パイナップルの彼方」 -
Posted by ブクログ
これぞ私が好きな山本文緒さん!という小説だった。下手なホラーよりホラーだ。
長い坂を登った丘の上の一軒家に住むさとる。他人とうまく付き合えず、家事手伝いと称して、実家で母親、妹とともに生活している。
彼氏の鉄男は、さとると交際を続ける中で母親や妹とも関わりを深めていくうちに、その家族に潜む底知れない憎悪とさとるが纏う戦慄の背景を目の当たりにしてゆく……。
怖い。怖すぎる。家族を支配するのは、ヒステリックで冷酷な母親。さとるには、24歳にもなって22時の門限があり、それを守れなければ容赦なく打たれる。母親の意にそぐわないことをすると、幼い頃から妹のみつるとそうやって虐待され続けてきたのだ。
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