山本文緒のレビュー一覧

  • あなたには帰る家がある

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    不倫の話。ストーリーもかなり面白かったが、特に一人称の切り替えが秀逸だった!
    ほぼ全員の視点で書かれるので、全員に感情移入してしまう、それが面白すぎた。

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    2022年06月14日
  • 結婚願望

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    再読。記憶なし。本棚に数多く在る本の中から、今の気分にあった一冊を、で、手にとったらエッセイでした。

    結婚してみて、結婚は大して良いものではない!向いてない?もうこりごりだ…と思っていても、何故好きな人ができると「結婚したい」とか思ってしまうのだろう?
    三秒後には、いやいや…と首を横に振ってるのに。
    この「結婚願望」は厄介だ。などと思っていたので。

    『どうしてひとは、こうも結婚願望から逃れられないのだろうか。』
    『うまくいっている結婚は人が宿命としてもっている孤独を一時的であれ、忘れさせてくれるものなのかもしれない。』
    『結局のところ、人が結婚したいと思うのは、世界中のほとんどの人は大人に

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    2022年05月21日
  • みんないってしまう

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     山本文緒さんによる、「喪失」をテーマにした短編集。

     私はもともと短編集は読むのが苦手な人間で、その作品の雰囲気や前提となる背景、登場人物などが毎回入れ替わるのが苦痛に感じてしまう方なのですが、この作品はするすると世界に入り込めて、切り替わる人物などに不思議とストレスを感じませんでした。

     「いってしまう」という標題にあるとおり、登場人物たちは何らかのものを「失う」のですが、それが単に人だけではなくて、財布やプライド、はては人間関係やぎりぎりのところで保っている気持ちだったりして、有形無形さまざまに混ぜこぜなところが面白いです。

     一話ごとにメモしたくなるような「はっとさせられる」台詞

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    2022年05月18日
  • なぎさ

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    ネタバレ

    穏やかにお互いを労り合う夫婦になのに序盤から感じる違和感。
    話が進むにつれ大きくなる不安。
    どんどん引き込まれ1日で読み終わった。
    「同じ悩みに飽きろ。
    人生の登場人物を変えるんだ。」
    のセリフに自分が重なりズキンとした。

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    2022年04月26日
  • シュガーレス・ラヴ

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    以前読んだ『プラナリア』が面白かったので、違う小説も読んでみたいと思い購入。
    本作は味覚障害、アトピー性皮膚炎、突発性難聴などなんらかの問題を抱えた女性が主人公の短編小説。

    一編は約30ページくらいで非常にすっきりとしたボリュームで読みやすく、また作者さんの文章も非常にお上手なので最後まで退屈せずに読めた。

    一番印象に残ったのは『夏の空色』。
    昼間からビールをガブガブと飲んでしまうアルコール依存性の女性の物語なのだけど、まさかその女性というのが高校生だとは思っていなかったので斬新な設定でいいなあと思った。
    アルコール依存性になった背景、ラストにおける主人公の心境の変化、この二点がしっかりと

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    2022年04月01日
  • あなたには帰る家がある

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    個人的には登場人物がどの人も駄目な人ばかりで、だれか一人でもきちんとした人がいたら、違う結末になっていたのかなと思います。
    打算で結婚してもいいことはない、やはりある程度計画的に進めないと本当の幸せは掴めないのかな。

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    2022年03月14日
  • なぎさ

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    姉妹と夫婦と他人と、血の繋がりがなくてもあたたかい関係性を築く様子が描かれている物語。山本さんの小説は話の展開が読者を惹きつけるなぁと思いました。「プラナリア」「恋愛中毒」に引き続き、人間の持つ嫌な面を描写するのが非常に上手だと感じました。

    内省しながら読むのが好きでした(^^)

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    2022年01月13日
  • 群青の夜の羽毛布

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    ネタバレ

    読んでいる最中、背中がぞわぞわしてしょうがなかった。
    大学を中退し、家事手伝いとして過ごしているさとる、24歳。
    2歳年下の彼は大学4年で、就職も決まった今、自由な時間をさとると過ごしたいと思っている。
    しかし、さとるはいつも母の影におびえ、門限を絶対に破ろうとはしないのだ。

    父の姿のないさとるの家では、母が絶対的権力者で、何か気に入らないことがあると暴言を吐く、だけではなく、暴力も振るう。
    さとるは母に愛されている実感がないまま、母を怒らせないように気を遣って生きているのだ。
    さとるの妹みつるは逆に、母に反発を隠さない。
    ただし、やっぱり逆らうことはできない。
    しんと冷たい家族の姿がそこに

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    2021年12月23日
  • 眠れるラプンツェル

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    ネタバレ

    山本文緒さんが描く女性は、惨めで哀れでリアルで痒いところに手が届く。
    私は何もしない専業主婦になりたくて結婚したから、「今日も暇、明日も暇」に幸せを感じるタイプ。これが私の欲しかった暮らし、ここにルフィオのような若い男の子が現れたら…溜め息がでるくらい羨ましい出来事だけど。不倫はこの暮らしを脅かすことがわかるから現実ではしない。でもこの主人公が私の代わりに「もしも」の行方を教えてくれた、だから星5をつけました。

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    2021年12月09日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    追悼。どこかの書評で気になったんだったか、手元にあったので本作をチョイス。氏の作品は2作目。3作からなる中編集。それぞれが、かなり個性的な恋愛模様を描く。祖父と孫、いとこ同士、中高年男女、みたいな。でも、それを納得させられるような背景が巧みに書かれていて、違和感なく受け止められるのもポイント。きっとこういう関係性もあるんだろうな、みたいな。世界が広がりました。
    まだお若かったんでしょうに、惜しい作家さんでした。ご冥福をお祈り致します。

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    2021年12月01日
  • みんないってしまう

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    短編集。そのうち「みんないってしまう」が本のタイトルになってるけど、私は「表面張力」てのもこの本全体の雰囲気を表してるような気がする。ギリギリのキワッキワを生きてる人々。ほんのしたことで決壊しそうな感じ。
    だけど流されたら流されたらで流れて辿り着くところがあるってその先が見える物語。
    すごく昔に読んでたけど気づかずしばらく読んでいた。何度も楽しめるってありがたい。

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    2021年11月17日
  • 眠れるラプンツェル

    購入済み

    またまた夢中で読み終わり!

    「あなたには帰る家がある」の登場人物がこのお話に出ていると分かってすぐ読みました!
    山本先生の本は、毎回、読むのが止められなくてあっという間に読み終わってしまいます(^^)
    文章がとても上手で、汐美の気持ちを分からされてしまう感じです。殺人事件とかミステリー、ファンタジー要素のような強烈な刺激はないのに、続きが気になって仕方ありませんでした。
    ラスト清々しくて良かった!未来でルフィオが隣にいてもいなくても、汐美が幸せであって欲しいと心から願います。

    #感動する

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    2022年09月29日
  • 落花流水

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    あらすじや表紙絵から、逆境を乗り越えて成長していくヒロインの生涯、のような朝ドラ的さわやかものを想像していたら全然違った。
    いや、主人公・手毬の60年を描くと言う意味では合っているのだけど、そこはさすが山本文緒さんの小説。複雑にもつれ変わり続ける家族関係は、朝ドラよりも昼ドラに近くて、でもただドロドロしているだけじゃなくて、私はここに「人生」を感じた。
    手毬とそのまわりの人物たちが互いに翻弄され影響し合う、愛というややこしいものの因縁や、血は争えないという事実の途方もなさに、時に泣き、時に笑いながら、壮大な気持ちで読み終えた。

    最近は親ガチャなんてワードがあるけれど、どこでどう生まれ育ったと

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    2021年12月02日
  • あなたには帰る家がある

    購入済み

    つらい!

    有名な本だけど、やっと読めました!凄くリアルな話だと思いました。
    誰も彼もが、誰かにとっては良い人で、他の誰かにとっては嫌な人で。友達の話、親戚の話、他人の話などでよく聞くような話だけど、こんなに一人一人の心情をリアルに描写されると、もう誰が悪いのか分からないのです。。。
    全員に悪いところがあって、でも全員に言い分があります。追い詰められていく気持ちに同調させられて、こちらまで追い詰められてしまうような、さすがの山本先生でした!

    #シュール #泣ける

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    2022年09月29日
  • みんないってしまう

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    短編…それぞれの話が ふわっと広がってフッと終わるかんじ。
    読んでいて妙に身近に感じるものもあった。
    裸にネルのシャツと
    愛はお財布の中 が好きだ。身近なストーリーではないけれど…。

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    2021年08月17日
  • なぎさ

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    久里浜で、金を無心する両親に苦しめらる冬乃と菫の姉妹、芸人になる夢を挫折して生きる目的を見いだせない川崎くんなどが、日々の暮らしに苦労しながら何かを掴んでいく。落ち着いた文体で読んでいて心地よいしっかりした長編。じんわりと心が暖かくなったりした。

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    2021年06月29日
  • カウントダウン

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    ネタバレ

    お笑い好きだし読んでみよーって軽い気持ちで読み始めたらものすごい心に響いちゃって何回も泣けるところがあってめちゃくちゃ好きな本に出会ってしまった!。(疲れてんのかな…笑)

    特に無関心に見えた小春のお父さんが実は愛に満ち溢れていて獅子のように力強い人だと気づいたところは泣けた。そしてラストの漫才シーンは胸熱。多くの人に認められて、くみの厳しい親父も素直ではないけど小春たちの漫才を認めてくれて本当に良かったし、何よりも小春が父とよく行っていた寄席にスカウトされてそこで漫才できることになり、そこにお父さんをさらっと招待するという完璧な流れ。最高だった〜。これからも頑張れ大春小春。

    人生いろいろあ

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    2021年05月17日
  • みんないってしまう

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    一話が短いストーリー仕立てなのにとても話がまとまっていて、長編作品しか読んだことのなかった自身は山本さんはショートストーリーもお得意なのかと感心してしました。
    いってしまうものが、人物に留まらず自分の内にある一部の感情を描いいることがとても興味深かったです。

    喪失感情は誰しももっているんだけれども、人は喪失したことさへも時間の経過とともに忘れていく。喪失したことで得るものもあるし、そのまま何も得ずにいってしまうものもある。
    自分の人生を振り返ってみたら、ほんとにそうだなと思いました。

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    2021年03月19日
  • 紙婚式

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    結婚生活における男女の心の葛藤を描いた八編の短編集。僕にとっては二冊目の山本文緒作品読書となりました。

    この本の感想を書く前に、白状しておきます。僕のファースト山本文緒作品は「パイナップルの彼方」。
    林真理子の小説に寄稿されていた著者の解説に接したのが切っ掛けでした。読んだ直後は、自分の感情を言葉に出来なかったのですが、今は出来ます。不愉快でした(笑)。
    当時記した「パイナップルの彼方」の読書日記を読み返すと、苦し紛れです(汗)説教してるし(俺)。ハードボイルドとか書いているし……。
    ハードボイルドは「固ゆで(卵)」。中身が見えません。外面描写に徹した小説の手法です。
    「パイナップルの彼方」

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    2021年03月06日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    やっぱり山本さんの本が大好きです。


    1個目2個目が特に好き。
    1個目読んだ時点で、☆5つ確定でした。

    たまこ・おじいちゃん・お母さん・先生・店長みんながちゃんと書かれてていいな。
    切ないけど。

    満足。

    ちょっと変わった設定の、ラブストーリーといえばラブストーリーだけどそんなにラブラブしてない短編が3つ。もっと人生について書いてるかんじ。


    好き嫌いあるかもしれないけど、私は好き。

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    2020年03月23日