山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
おもしろかった!みんないろんな事情を抱えて生きてるんだなぁ。
それでも笑顔で何事もないかのように毎日ニコニコ楽しそうに生きていけることが自分の人生を良くしていける最短ルートなのかもなと思う。。
「ゲーム」
簡単に掌握できる恋愛ゲームは難易度ゼロだけど、人間関係だから最終的には嫌な結果しか残らない。
ていうかそもそも最初から最後まで何も楽しくない。
こちらは大して何も考えず通常運転なのに相手に勝手に好都合に拡大解釈されたことを、
「公平性の問題、ルールを無視して素人を本気で殴ったから」という表現がそういう事象にピッタリすぎて感心した。今後この言い回し使いたい。。
良くも悪くも自分と同じような人間じゃないと恋愛だけじゃなくコミュニケーションは全般的にうまくいかない。。
「当事者」
いいんだよ。当事者じゃない人間は当事者と同じ気持ちにならないで。いつか自分がそうなったときに頑張れば。
本当その通りだと思う。優しいのは良いことだけど相手の気持ちに心を持っていかれすぎるのは優しさの弊害。
他者との距離を上手に取れないとすぐにマイナスのオーラを受け取ったり影響されたりして自分がダメになる。。
他人は他人、自分は自分。って上手く線引きしないと。 -
Posted by ブクログ
よかったですとても。わたしはたぶん著者と気質が似ているので。既読の作品も再読したくなった。
"体の具合がどこも悪くなくて、親しい人もみんなとりあえず健康で、さしせまった悩みもない。
空は青くて、日が暮れたら眠くなってきて、今日も本が読めずに終わりそう。
つらかった日のことはあれこれよく覚えているのに、こんなうつくしい一日のことはきっと簡単に忘れちゃうんだと思うから書いておく。"(p.107)
"二度とうつっぽくなりたくない、そのためなら何でもする、くらいの気持ちです。
だって、うつ、つまんないから!
本当につまんないよ、うつ! 来る日も来る日も憂鬱なんだよ、うつ!"(p.190) -
Posted by ブクログ
「みんないってしまう」というタイトルに惹かれて読んだ。好きなアイドルが活動休止した、憧れの先生が退職した、大好きな彼氏に振られた、応援しているバンドのギターが脱退した。みんな、いってしまうのだな、と思う場面が最近多くて、その大きな喪失感とか、悲しさとか、どうしてという疑問で心がいっぱいになりつつも、社会は止まりはしないので、無理矢理に心身を働かせて生きていく毎日を過ごしている。失ったあとには何かが得られる、などもう聞き飽きた私にとって、置いていかれた側の主人公たちは仲間であり、友人であり、恋人だった。今読んで良かった。山本文緒が好きだ。
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Posted by ブクログ
友人にずっと勧められていた本をついに読破。私自身に結婚願望がないことから、友人は私に勧めてくれたらしい。
そして気がついた、私、結婚願望が全くない人間ではないと!山本史緒先生が作中で「手相占いで52歳で結婚できるかもと聞いて、不覚にも喜んでしまった」とあるが、私も結婚できるかもと言われたら喜んでしまう、、、独身を貫くという固い意志で結婚願望がないわけでなかったらしい、、
作中では、史緒先生の結婚に対する考え方や独身として生きる心構えを話している。少し古い考え方もあるが(ほとんどの人が結婚してるとか)、読みやすく、色々な人に読んでもらいたい本だと思った。そして、出来るのならば、感想を聞かせ欲しい(私との捉え方の違いを知りたいなと)!と思うような作品でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人は悪くないが、それぞれに弱さを抱えている二人の主人公、著者は読者に彼らへの共感が生まれそうになると絶妙に回避してくる。温かくはないが冷たくもないまなざしで彼らの行動や心情をとことん丁寧に書き続ける。周囲の登場人物も含め、こんな、と言ってはなんだが特段の魅力のない人々を淡々と描写できるのはすごい。早逝が惜しい。
著者が唯一明確に悪しざまに描いているのは”モリ”だけだった。ややメタな存在として登場する老人”所さん”を通じてはっきりと断罪し、ラストにも主人公と対峙させている。どんなダメな他者にでも愛情あるまなざしをかける著者なのに、よほどそういう人が嫌なんだなと、もしかしたら深く傷つけられた経験があるのかもしれないと思った。
P46 私と佐々井君が話をするのは大体朝食の時で、どうでもいいこと、罪のないことを選んでしゃべるだけだ。相手の受け取りやすいところにしか球を投げてはいけないるルールのキャッチボール。
P61 生きにくさを武器に笑いを取る、非凡を売りに生きていく。しかしそういう子が日の目を見るには、誰かがその子を面白がる必要があった。
P113 尊敬する気持ちに、うっすら濁った軽蔑が入り混じるのを感じた。「いいな」と「いい気なもんだな」は地続きの感情だと俺は知った。
P329 「(モリは)あれはよくない男だ。そもそもあの男が悪いと僕は思う」妙にはっきりと所さんは言った。【中略】「人の弱みに付け込んで、人の好意を食い物にするタイプだ。都合が悪くなれば、選んだのはそっちだ、自己責任だなんて言って逃げていくような人間だ」【中略】「でもきっと人はああいうのに弱いんだ。人の心の撫で方をよく知っている。人たらしだ。わかりやすく悪い人間より、もっと気をつけないといけない」
P360 「僕が阿保で役立たずだと家族はにこりともしないけど、他人は笑ってくれるなーって思い出したんだよ、どうせ馬鹿にされるんなら他人からされたほうがいいってしみじみ思ったんだよな。」 -
Posted by ブクログ
再読。記憶なし。本棚に数多く在る本の中から、今の気分にあった一冊を、で、手にとったらエッセイでした。
結婚してみて、結婚は大して良いものではない!向いてない?もうこりごりだ…と思っていても、何故好きな人ができると「結婚したい」とか思ってしまうのだろう?
三秒後には、いやいや…と首を横に振ってるのに。
この「結婚願望」は厄介だ。などと思っていたので。
『どうしてひとは、こうも結婚願望から逃れられないのだろうか。』
『うまくいっている結婚は人が宿命としてもっている孤独を一時的であれ、忘れさせてくれるものなのかもしれない。』
『結局のところ、人が結婚したいと思うのは、世界中のほとんどの人は大人になると結婚してるからなんじゃないかと、今私は思う。』
『みんなしているから、結婚するのだ』なるほど
そもそも、こう小難しく考えること自体がナンセンスなんだろうか?成り行き任せでいい案件なのだろうか?
『どちらかが浮気をしていようと、何年もセックスしていなかろうと、家族がみんな概ね平穏に暮らしているならば、それはうまくいっている結婚だ。』ホントにそうなの?
『長い人生、何をしたらいいやらわからないから、人はとりあえず結婚でもして子供でも産むのではないだろうか。』との事。へ〜
『結婚生活は幻想でできているのか?じっとじっと我慢をしたその先に何かいい事はあるのだろうか?』
男友達がいると視野が広がる。男性の方が、冷静で論理的に物事を考えているんだな、と思う。共感。
愚痴や感情論で話をするには女子が最適だが、解決の方法を考えるには男性に聞いた方が良いと私も思う。
あとがきで、『好きな人とはやっぱり結婚したい。でも、したいと思うことと、本当にすることとは別のことなのだということが、やっと少し分かってきた。』とあった。
大いにうなづく、と同時に、別にしたくない(一緒でありたい!)と思ってしまった自分がいる。典型的な恋愛体質だと気付き、ショック。人間的に好きだと思える人とずっと一緒にいるにはどうしたらいいか…が、最大の関心事。
山本さんもこれを書いた後に再婚したそうで、人生ホントに先の事はわからないものだと思う。そして八十歳まで生きちゃうかもって書いてあっても、そうではなかった。やりたい事をやり、後悔のない生活を!と改めて思う。
結婚願望だけに特化していない内容もまた良かった。
自分を救えるのは自分だけ。うるっときました!頑張ろ! -
Posted by ブクログ
山本文緒さんによる、「喪失」をテーマにした短編集。
私はもともと短編集は読むのが苦手な人間で、その作品の雰囲気や前提となる背景、登場人物などが毎回入れ替わるのが苦痛に感じてしまう方なのですが、この作品はするすると世界に入り込めて、切り替わる人物などに不思議とストレスを感じませんでした。
「いってしまう」という標題にあるとおり、登場人物たちは何らかのものを「失う」のですが、それが単に人だけではなくて、財布やプライド、はては人間関係やぎりぎりのところで保っている気持ちだったりして、有形無形さまざまに混ぜこぜなところが面白いです。
一話ごとにメモしたくなるような「はっとさせられる」台詞や独白が登場して、ドキリとさせられます。甲乙つけがたい作品の中から、私が好きだなと思ったのは「ドーナッツ・リング」「まくらともだち」でした。どちらも心情的に重い話なのですが、そのグラデーションが美しくて好きです。
どこかで聞いたような事ですが、人間は沢山のものを次々に抱えて、それを落とさないように生きていくということはできません。だとしたら、失うことは得ることと一体。日常の一部であり、時には感謝することなのかもしれませんね。 -
Posted by ブクログ
以前読んだ『プラナリア』が面白かったので、違う小説も読んでみたいと思い購入。
本作は味覚障害、アトピー性皮膚炎、突発性難聴などなんらかの問題を抱えた女性が主人公の短編小説。
一編は約30ページくらいで非常にすっきりとしたボリュームで読みやすく、また作者さんの文章も非常にお上手なので最後まで退屈せずに読めた。
一番印象に残ったのは『夏の空色』。
昼間からビールをガブガブと飲んでしまうアルコール依存性の女性の物語なのだけど、まさかその女性というのが高校生だとは思っていなかったので斬新な設定でいいなあと思った。
アルコール依存性になった背景、ラストにおける主人公の心境の変化、この二点がしっかりと描かれていて、30ページながらも非常に読みごたえがある作品だった。
この作者さんの作品を二作読んでどちらも当たりだったので、ちがう小説も近いうちに買おうとおもっている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでいる最中、背中がぞわぞわしてしょうがなかった。
大学を中退し、家事手伝いとして過ごしているさとる、24歳。
2歳年下の彼は大学4年で、就職も決まった今、自由な時間をさとると過ごしたいと思っている。
しかし、さとるはいつも母の影におびえ、門限を絶対に破ろうとはしないのだ。
父の姿のないさとるの家では、母が絶対的権力者で、何か気に入らないことがあると暴言を吐く、だけではなく、暴力も振るう。
さとるは母に愛されている実感がないまま、母を怒らせないように気を遣って生きているのだ。
さとるの妹みつるは逆に、母に反発を隠さない。
ただし、やっぱり逆らうことはできない。
しんと冷たい家族の姿がそこにはあった。
私の実家の話かと思った。
ここまでひどくはないけれど、過干渉の母に対して反発は許されなかった。
さとるたちが隠す父の影。
その謎が解けたとき、物語は一気に崩壊に向かっていくのだけど、私はそれよりも前半の方が怖かったなあ。
怖いというより苦しかった。
息ができなくて背中がぞわぞわ。
どうして親は私を縛り付け、思い通りにさせようとするのか。
なぜ子どもは自分の意見を言ってはいけないのか。
学生時代は何かが自分の中から飛び出してきそうで、怖かった。
友だちがいなかったら、きっと爆発していたと思う。
物語の終盤でみつるが姉の恋人である鉄男に言う台詞がある。
「入院してるのは、私の両親とお姉ちゃんだよ。だからできる限りは面倒見る。でも、どこまでやったら親孝行で、何をしなかったら親不孝なんだろう」
みつるは家族を愛してはいないが、情はある。
だからできる限りは面倒見るけど、距離を置こうとする気持ちはすごくわかる。
それは、今現在私が実家に抱いている思いと多分同じだ。
哲夫にもまた、さとるには告げていない家族の問題があった。
全くのお嬢様気質のまま大人になった母。
なにも自分で判断することをせず、責任も持たず、誰かの庇護のもとでなければ生きて行けない母。
父は愛人を作って出ていき、兄も大学進学を機に家から離れていった。
全力で人に頼ろうとするから、人は彼女から離れていく。
それを間近にみて母を捨てきれない鉄男。
人は皆、まず自分の力で立てるようにならなくてはだめだ。
親に、子に、恋人に凭れて、縛って、愛憎がきつく絡まっていくのは、結局誰のことも幸せにしない。できない。
そういうことですよね、文緒さん。
夏にこの本を予約した時、この本を読む前にあなたがいなくなるなんて思いもしませんでした。