山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
おもしろかった!みんないろんな事情を抱えて生きてるんだなぁ。
それでも笑顔で何事もないかのように毎日ニコニコ楽しそうに生きていけることが自分の人生を良くしていける最短ルートなのかもなと思う。。
「ゲーム」
簡単に掌握できる恋愛ゲームは難易度ゼロだけど、人間関係だから最終的には嫌な結果しか残らない。
ていうかそもそも最初から最後まで何も楽しくない。
こちらは大して何も考えず通常運転なのに相手に勝手に好都合に拡大解釈されたことを、
「公平性の問題、ルールを無視して素人を本気で殴ったから」という表現がそういう事象にピッタリすぎて感心した。今後この言い回し使いたい。。
良くも悪くも自分と同じよ -
Posted by ブクログ
よかったですとても。わたしはたぶん著者と気質が似ているので。既読の作品も再読したくなった。
"体の具合がどこも悪くなくて、親しい人もみんなとりあえず健康で、さしせまった悩みもない。
空は青くて、日が暮れたら眠くなってきて、今日も本が読めずに終わりそう。
つらかった日のことはあれこれよく覚えているのに、こんなうつくしい一日のことはきっと簡単に忘れちゃうんだと思うから書いておく。"(p.107)
"二度とうつっぽくなりたくない、そのためなら何でもする、くらいの気持ちです。
だって、うつ、つまんないから!
本当につまんないよ、うつ! 来る日も来る日も憂鬱なんだ -
Posted by ブクログ
「みんないってしまう」というタイトルに惹かれて読んだ。好きなアイドルが活動休止した、憧れの先生が退職した、大好きな彼氏に振られた、応援しているバンドのギターが脱退した。みんな、いってしまうのだな、と思う場面が最近多くて、その大きな喪失感とか、悲しさとか、どうしてという疑問で心がいっぱいになりつつも、社会は止まりはしないので、無理矢理に心身を働かせて生きていく毎日を過ごしている。失ったあとには何かが得られる、などもう聞き飽きた私にとって、置いていかれた側の主人公たちは仲間であり、友人であり、恋人だった。今読んで良かった。山本文緒が好きだ。
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Posted by ブクログ
友人にずっと勧められていた本をついに読破。私自身に結婚願望がないことから、友人は私に勧めてくれたらしい。
そして気がついた、私、結婚願望が全くない人間ではないと!山本史緒先生が作中で「手相占いで52歳で結婚できるかもと聞いて、不覚にも喜んでしまった」とあるが、私も結婚できるかもと言われたら喜んでしまう、、、独身を貫くという固い意志で結婚願望がないわけでなかったらしい、、
作中では、史緒先生の結婚に対する考え方や独身として生きる心構えを話している。少し古い考え方もあるが(ほとんどの人が結婚してるとか)、読みやすく、色々な人に読んでもらいたい本だと思った。そして、出来るのならば、感想を聞かせ欲 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人は悪くないが、それぞれに弱さを抱えている二人の主人公、著者は読者に彼らへの共感が生まれそうになると絶妙に回避してくる。温かくはないが冷たくもないまなざしで彼らの行動や心情をとことん丁寧に書き続ける。周囲の登場人物も含め、こんな、と言ってはなんだが特段の魅力のない人々を淡々と描写できるのはすごい。早逝が惜しい。
著者が唯一明確に悪しざまに描いているのは”モリ”だけだった。ややメタな存在として登場する老人”所さん”を通じてはっきりと断罪し、ラストにも主人公と対峙させている。どんなダメな他者にでも愛情あるまなざしをかける著者なのに、よほどそういう人が嫌なんだなと、もしかしたら深く傷つけられた経験 -
Posted by ブクログ
再読。記憶なし。本棚に数多く在る本の中から、今の気分にあった一冊を、で、手にとったらエッセイでした。
結婚してみて、結婚は大して良いものではない!向いてない?もうこりごりだ…と思っていても、何故好きな人ができると「結婚したい」とか思ってしまうのだろう?
三秒後には、いやいや…と首を横に振ってるのに。
この「結婚願望」は厄介だ。などと思っていたので。
『どうしてひとは、こうも結婚願望から逃れられないのだろうか。』
『うまくいっている結婚は人が宿命としてもっている孤独を一時的であれ、忘れさせてくれるものなのかもしれない。』
『結局のところ、人が結婚したいと思うのは、世界中のほとんどの人は大人に -
Posted by ブクログ
山本文緒さんによる、「喪失」をテーマにした短編集。
私はもともと短編集は読むのが苦手な人間で、その作品の雰囲気や前提となる背景、登場人物などが毎回入れ替わるのが苦痛に感じてしまう方なのですが、この作品はするすると世界に入り込めて、切り替わる人物などに不思議とストレスを感じませんでした。
「いってしまう」という標題にあるとおり、登場人物たちは何らかのものを「失う」のですが、それが単に人だけではなくて、財布やプライド、はては人間関係やぎりぎりのところで保っている気持ちだったりして、有形無形さまざまに混ぜこぜなところが面白いです。
一話ごとにメモしたくなるような「はっとさせられる」台詞 -
Posted by ブクログ
以前読んだ『プラナリア』が面白かったので、違う小説も読んでみたいと思い購入。
本作は味覚障害、アトピー性皮膚炎、突発性難聴などなんらかの問題を抱えた女性が主人公の短編小説。
一編は約30ページくらいで非常にすっきりとしたボリュームで読みやすく、また作者さんの文章も非常にお上手なので最後まで退屈せずに読めた。
一番印象に残ったのは『夏の空色』。
昼間からビールをガブガブと飲んでしまうアルコール依存性の女性の物語なのだけど、まさかその女性というのが高校生だとは思っていなかったので斬新な設定でいいなあと思った。
アルコール依存性になった背景、ラストにおける主人公の心境の変化、この二点がしっかりと -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでいる最中、背中がぞわぞわしてしょうがなかった。
大学を中退し、家事手伝いとして過ごしているさとる、24歳。
2歳年下の彼は大学4年で、就職も決まった今、自由な時間をさとると過ごしたいと思っている。
しかし、さとるはいつも母の影におびえ、門限を絶対に破ろうとはしないのだ。
父の姿のないさとるの家では、母が絶対的権力者で、何か気に入らないことがあると暴言を吐く、だけではなく、暴力も振るう。
さとるは母に愛されている実感がないまま、母を怒らせないように気を遣って生きているのだ。
さとるの妹みつるは逆に、母に反発を隠さない。
ただし、やっぱり逆らうことはできない。
しんと冷たい家族の姿がそこに