山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
置かれた場所で咲きなさい…と…、そうね それが 人生を生き抜くためのいちばん手堅い思想だと頭では分かっていても 僕にはどうしても できない。だから この5編の小説に出てくる「置かれた場所で咲くことがどうしてもできない女性たち」に ある種の親近感を抱きながら また一方で 僕自身の 弱さ あるいは僕自身の社会的不適応の様相を 鏡に映して見せられているような 一抹の不快感も感じつつ読み進める。
僕ら (=すなわち 一読者としての僕 および、僕と同じように『置かれた場所で咲けない人たち』)は 単に 甘えている? 甲斐性がない?未熟な人間?
僕にしてみれば 5編のいずれにおいても 誰ひとり 僕を置い -
Posted by ブクログ
p199
自分にはこうやって好意を寄せてくれる友人がいて両親も一人娘の自分を可愛がって育ててくれたしやさしい恋人だっている。
決して虐げられていい人間なんかではないと自分に言い聞かせた。深呼吸をしてゆっくりとメッセージを打ち返す。
p256
どちらかというとガサツな印象の人なのに哀愁を帯びた顔が美しかった。風が彼女の髪を揺らし、横顔を半分隠した。青白い頬にちらりと光るものが見えた。
離れているのに色を失った唇が震えているのがわかった。この人は苦しいんだ。この人に感情をぶつけてもダメだ。都はそう思った。
p269
たくさん仕事してやりたい勉強もして旅行したり興味のあることに打ち込んだりそうゆう人 -
Posted by ブクログ
まるで自分への戒めのような、踏み絵のような、そんな小説だった。
更年期障害を患った母の看病のため実家に戻ってきた32歳の都。
アウトレットモールのアパレルで契約社員として働きながら
寿司職人の貫一と付き合い始めるが、彼との結婚は見えない。
職場は頼りない店長、上司のセクハラと問題だらけ。
母の具合は一進一退。正社員になるべき?運命の人は他にいる?
ぐるぐると思い悩む都がたどり着いた答えは。
プロローグとエピローグの扱い方が秀逸だった。
途中でその仕掛けには気づいてしまったが、
まさに現実に引き戻す作用たっぷりで、
ラストの余韻に浸っていたところ、頭を殴られた様な感覚に陥った。
でもその内容 -
Posted by ブクログ
恋愛に全く興味のない私。読み切れるだろうかと思って躊躇していた、結構分厚い小説。そんな心配は無用。水無月の特異な人生に引き込まれ、ほとんど一気読みだった。
水無月は、売れっ子芸能人の愛人となり、この世の贅沢を片っ端から体験していく。
知的で仕事もできる女性でありながら、恋愛への執着が次第に彼女を追い詰め、取り返しのつかない行動へと向かっていく物語。
人って本当に欲張りだなぁ。わたしからすれば羨ましすぎる贅沢。ビジネスクラスで海外旅行にお供して。贅沢な暮らしができるお給料もいただける。ましてや、人間の根本的な欲求である物欲や、美食や、性欲も満たされている。
わたしは、読書の合間に、夕 -
Posted by ブクログ
ネタバレめちゃくちゃ良かった。アパレルで働く女の子のお話。主人公が、家族、恋人、仕事を彼女なりに乗り越えていく話。母が更年期障害で、自分の時間がなかなか取れずに葛藤してて、自分も確かになあって思った。
父との喧嘩のシーンで、嫌味な感じで言うのは良くないって思ったw
はっとしたシーンは、恋愛なんて楽なわけがない。人間同士の感情のぶつかり合いだから。それはキツいわけだわ
なるほどなって思ったことは、気の合わない人と不安を解消するためだけに一緒になる必要なんかないってこと。
私が一番心にきたセリフは、別にそんなに幸せになろうとしなくていいの。幸せにからなきゃって思いつめるとちょっとの不幸が許せなく -
Posted by ブクログ
ネタバレ振られたのを契機に。
結局、「諦めると決めたことをきれいに諦めて、二度と会わないと決めた人にはほんとうに二度と会わない」って言葉を水無月は守れなかった。
恋愛において、主観と客観は大きくかけ離れていることは周囲でも、自分でも良くあることだ。友人の不毛な恋愛を止めるときはもっともらしいことを言うが、自分が誤った恋愛をしている時は全く自覚はなく友人の言葉も耳に入らない。水無月も他人には理性的ではありながら、自分の恋愛をコントロールできていない。
私自身、彼の手を強く握っている自覚は無かった。初めての彼氏で、むしろ様子をうかがいながら恐る恐る手に触れるくらいの感覚だった。それでも彼にとって負担 -
Posted by ブクログ
ネタバレ正直、途中までは読みやすくて分かりやすい、親近感を抱きやすい内容が評価されているのかなという印象でした。
でも、後半は物語の展開にも引き込まれ、苦しくて、優しくて、温かくて、気付いたら涙していました。
登場人物それぞれが前へ進みながらも、各々の個性は失われない描写も良かったです。
*心に残ったことば
「何かに拘れば拘るほど、人は心が狭くなっていく
幸せに拘れば拘るほど、人は寛容さを失くしていく」
酔っ払いの
「明日死んでも悔いがないように、百歳まで生きても大丈夫なように、どっちも頑張らないといけないんだよ!」 も良かった^_^ -
Posted by ブクログ
一番印象に残っているのは、女性へのセクハラ。
僕は女性ではないので、はっきりと同じ感情にはなれないが、主人公の都の視点でずっと書かれているので都に自我が移っていく。そして中盤以降の事件や出来事で、ググッと心臓を抉られた気分になった。
「顔じゃなくて胸を見てる」だとか、女性よりも強い腕力がある男性と一対一になるとか。一女性という視点で見ると怖いなと思った。
それを都が、彼氏と他人の男性を比べて逡巡し、「自分の気持ち次第では?二人の違いは何?」となるところが描かれており、非常に考えさせられた。
男性であることを自認し、言動を改めようと思う。