山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
山本文緒の初期・中期の作品を、まだ私は読んでいない。
あの頃は、なんか江國香織も山本文緒も〈「ザ・恋愛小説」を書く作家です!〉みたいなイメージの売られ方だったから。
(そういえば村上春樹さえも、『ノルウェイの森』とかそんな売られ方、されちゃってましたね)
だから晩年の秀作『自転しながら好転する』を読んで、初めて〈山本文緒体験〉をして、心の機微を描き出す筆致と、伏線を上手に張るプロットの巧みさに感服した。そこには地方のショッピングモールエリアで生きる人々の、妙にせせこましい日常体験が具現化されていた。日常を日常的に描ける作家は、地味にすごい。衝撃だった。
『ばにらさま』は2008年から20 -
Posted by ブクログ
面白いなあ。
山本文緒さんの小説ほんとに好きだ〜、長編しか読んだこと無かったけど短編も面白い!!
特にバヨリン心中と子供おばさんが好きだった。
なんでこんなにこの人の作品に惹かれるんだろう?っていうのを言語化出来てなかったけど、
最後の三宅香帆さんの解説を読んでスッキリ。
普通の小説は生活を排除する(例えば桃太郎がどんな服を着ているか誰も知らない)けど、山本文緒さんは半径5m以内の出来事を面白く描写するのが上手い、と。言い得て妙だ。
フィクションの非日常な展開ももちろん好きだけど、生活こそ我々の普段見ている世界だから。
日常のささいな見落としてしまいがちなシーンを面白く切り取る天才なんだと -
大好き!
山本文緒さんの作品大好きです。日常と小説の世界が見事に一体化していてぐいぐい引き込まれます。短編ですがどれも面白いし、ハッとさせられます。もっともっと作品を世の中に出して欲しかったです。もっと読みたかったです。
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Posted by ブクログ
人生の中で自分が選ばなかった方の選択を美化して現状を悔いる事は誰にでもある事で、でもこの本を読んで「足るを知る」だなぁと。
序盤は双子のような、自分と全く同じ人間と偶然出会い、互いの事が手に取るようにわかる2人が羨ましくて「私にも、もう1人の私が存在したらなぁ」と思ったりしながら読み進めていたのですが、どんどんと不穏な雰囲気になってくのがある意味ホラー小説よりも怖かったです。
全体的にどちらの蒼子にも共感できる部分が多く、中でも「余るほどの自由があれば心の拠り所がほしくなり、強く愛されればそれは束縛に感じる」という蒼子Bの思いが共感せずにはいられませんでした。 -
Posted by ブクログ
2024/07/23
山本文緒さんのエッセイは初めて読みました。短編で読みやすいのはもちろん、作家の視点から表現される恋愛を中心とした人間関係の機微のあれこれはとても的確な表現ばかりで、自分もそう感じたことあるわーとか、こういうふうに考えることもあるんだなーとか、うまく自分の思考や他人の思考を言語化してくれていてあっという間に読み終えてしまいました。
文庫化してさらに年月を経ての手直しや推敲があり、さらに味わい深くなっているような気がします。
色々と人生の参考になるようなエピソードもたくさんあったし、こういう風に考えることもあるよなーなんて共感もしながら次のページをめくるのが他の本より早かった -
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Posted by ブクログ
「31歳」を軸にした短編集。
ショートショートに近い数頁の人生ストーリーです。
31歳という絶妙な年齢は、まだまだ若い。結婚、転職、離婚、再婚など人生の大きな岐路を決断できる年齢かもしれません。
この小説でも様々な職の男女が思い悩んでいる様子がリアルに描かれています。
山本文緒さんの小説はラストセンテンスが肝だと感じます。爽やかだっあり、しんみりしたり、少し怖かったり。
個人的に心に響いた話は「庭」。
怖かったのは「初恋」です。
狙ってでしょうが31話で構成されているのも、いいですね。
最後の「小説」という話は山本さん自身が31歳のときのエピソードであり、この短編小説の自己解説でもあります。 -
Posted by ブクログ
やっぱり山本文緒さんの小説が大好きだと再認識した一冊。
“毎日、現実から逃げたいと思っていても、実際に逃げ出したりはしない。”山本文緒さんの小説は、ある1人の女性の日常を覗いている気持ちになれる。その女性が、まるで自分なんじゃないかと思うくらい同じ悩みを抱えているので感情移入がしやすい。
今回も途中苦しくなったり、ニヤニヤしたり、かと思えば泣いたり。最後は温かい気持ちで読み終える事ができた。
彩瀬まるさんの解説の文も好きだなあ。
『どうしてか、この方の物語はとてもとても苦いーというか、その苦さが大切なものとして書かれている気がする。楽しくて苦い。苦いから、少し怖い。』
『性分を乗り越えて意思 -
Posted by ブクログ
こういう日記、今ではブログでのつぶやきでしょうか。
人の生活を覗き見しても、とくに笑えるわけでも、泣けるわけでもなく、共感するというほどのことでもなく
そうなんですね、でした。
246ページからの
「そして私は飲まなくなった」
ここからだ。
2007年晩秋として、書かれいていたこと。
胆嚢の摘出手術、お酒が飲めなくなったこと(体が受け付けなくなった)、これが、亡くなる原因の始まりでもあったのでしょうか。
ここからのことが、むしろ読みたい。
自分も体のことは家族に迷惑をかけない程度にケアしないとなと思いました。
次は 無人島のふたり を予約