池内紀のレビュー一覧

  • となりのカフカ

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    カフカってどんな人だったの?1人の人としてどんな風に生きたのか、決して普通の作家ではなかったカフカの興味深い人生がよーくわかります。貴重なカフカの写真もたくさん載ってます。

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    2009年10月04日
  • カフカ寓話集

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    冒頭の「皇帝の使者」が秀逸。ビックになりたいけどどうしたらいいかわかんねえーって人がいたのね。そのなれない理由もそれなりにかってに解釈して。

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    2009年10月04日
  • カフカ寓話集

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    『掟の門』と『父の気がかり』がとてつもなく好きです。

    あたしのレビューなんて蛇足でしょう。ねぇ。

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    2009年10月04日
  • カフカ寓話集

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    大好きなカフカの寓話集です。同じく岩波から短編集も出ています。
    五行で完結する短編「使者」がお気に入りです。
    王になるか使者になるかという選択でみなが使者を志願したという話。五行しかないですが、結構深いと私は思っています。

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    2009年10月04日
  • カフカのかなたへ

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    カフカの翻訳では最高の地位を占める池内紀先生(個人的見解)。さわやかな切り口で、カフカの作品世界を中心にその生涯も論じられています。カフカの落書きも収録でお得な一冊。

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    2009年10月04日
  • 聖なる酔っぱらいの伝説 他四篇

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    ヨーゼフ・ロ-ト(1894-1939)、オーストリア=ハンガリー帝国出身のユダヤ人ジャーナリスト&小説家。本書は彼の作品のなかから中短篇5篇をチョイスし、年代順に並べてある。
    1933年ヒットラーが首相になったのを機に、ロートはフランスに亡命した。本書では、この亡命以降の3篇、とくに最後の「聖なる酔っぱらいの伝説」がいい。
    「聖なる酔っぱらいの伝説」では、主人公の男は、亡命先のパリで毎日飲んだくれながら、何度か奇跡に会い、最後はある意味幸福な死に方をする。著者ロートも、この男と似たような死に方をした。まるで小説を書いて自分を暗示にかけたかのように。
    巻末には池内紀の「解説」。一緒にロートを読ん

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    2025年05月05日
  • 新編 みなかみ紀行

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    表題作を含む紀行文10篇+詩2篇。
    名紀行文とは聞いていたけど、こんなに文章が上手いのか〜! と心の中でひっくり返った。めっちゃ読みやすいし面白い。
    主に上州(群馬)を訪ねた文が多いが、東西南北いろいろなところに行っていることが分かる。旅先の風景、出会い、大小の事件などをユーモラスに描きながらも、郷愁や寂しさが滲むのは、歌集を読んだ時に近いものを感じた。
    そして詩を含め全ての作品で酒が出てくる。流石すぎる。

    数年前に友人たちと草津へ旅行をした際に吾妻渓谷に立ち寄り、そこで“うづまける白渦見ゆれ落ち合へる落葉の山の荒岩の蔭に”という歌碑を見た。その後岩波文庫の歌集を読んでもその歌が見当たらず不

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    2025年03月04日
  • 山の本棚

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    ネタバレ

    『山と渓谷』という雑誌に連載された、山にまつわる本のブックガイド。
    目次が二段組みだったので恐る恐る読み始めたのだが、本文は一段だったので安心した。
    連載コラムらしく、一冊につき3ページ。
    ただし、登山小説だけではなく、広い意味での山にまつわる本だけですらなく、動物記、民俗学、江戸時代の暮らし、植物観察、料理、植草甚一など、興味の赴くままの選書。
    表紙や挿絵も著者の手によるもの。

    面白そうな本が何冊も紹介されていて、楽しく読んでいたのだけれど、残り50ページくらいのところで衝撃的な出来事が起こってしまい、そこからは読み進むのにてこずった。
    集中力が切れてしまったのだ。
    本と著者には失礼なこと

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    2025年01月24日
  • 聖なる酔っぱらいの伝説 他四篇

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    ヨーゼフ・ロートはドイツ人の友人に教えてもらって読んでみた。『果てしなき逃走』に続き2冊目。ドイツ文学ではユダヤ人の問題は避けて通れないと、その友人は言っていたが、『蜘蛛の糸』を読むとよくわかる。ユダヤ人作家がユダヤ人に対する憎しみをこれだけ赤裸々に表現することに驚いた。また、この作品がヒトラーが政権を取る前に書かれたことも驚き。まさに予言的な作品である。

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    2024年12月15日
  • となりのカフカ

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    ネタバレ

    作者自身の人物像、人生観に対する考察が、人によってこんなに捉え方が違うんですね〜

    「カフカ断片集」や「絶望名人カフカの人生論」の頭木さんの書き物から受ける印象は、かなりネガティブなものが多いですが、
    本作のカフカ像は、かなりポジティブというか、イケメン?シゴデキ?人当たりも抜群などなど、かなりポジティブ。
    ていうか、めっちゃ写真、笑顔だし。

    どちらの面もあり、大きく揺れ動くからこそ、魅力的なのかもしれませんね。

    カフカ初級クラスという通り、小説の奥、作者カフカ本人に思いを馳せるには、まずコレという本であることは確かです。

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    2024年11月11日
  • 魔法の学校 エンデのメルヒェン集

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    魔法学校の先生のレッスンを受けながら子どもたちが徐々に魔法を習得していく様子を、心躍らせながら読むことができる。

    自分の本当の望みを知ることで魔法が使えるようになるということを先生が話しているシーンが好き。自分の本当の望みって何? 本当の望みではない望みに自分はとらわれているかも? って、ハッとさせられる。

    エンデのお話を読むと、ユーモアに笑わされたり、不思議に包まれたりする中で、いつもそんなハッとするような気づきがある。

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    2024年10月10日
  • カフカ短篇集

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    2024/05/04再読
    以前に読んだことをまったく覚えていなかった。
    内容は盛りだくさん。たくさんのすごく短い短編といくつかの長めの短編。すべての作品が独特で、理解が困難なものもあり、一つ読み終わるごとに考え込んでしまうのでなかなか進まない。しかしその分ゆっくりと楽しめる。
    風変わりなディテールも楽しい。羊と猫が混ざったような動物、流刑地の拷問機械、オドラテク、勝手に跳ねる2つのボールなど。

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    2024年05月04日
  • 魔法の学校 エンデのメルヒェン集

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    ネタバレ

    ミヒャエルエンデ短編集。

    ・本を読むことに夢中になる大人、子供、動物たち。

    ・魔法の学校での様子。
    本当の望む力がある子供たちだけが使える魔法。
    自分の本当の望み。
    ムークとマーリの兄妹が魔法で出した奇妙な動物のこと。

    ・両親の言うことを聞きたくないレンヒェンが、魔女に頼んで両親がレンヒェンに逆らうたびに小さくなる魔法によって、二人の大切さを知ったこと。

    ・威張ってばかりの乱暴なサイに逃げ惑う動物たち。
    小さな鳥の知恵のある言葉によって、サイ自身がドウゾウとなってずっとずっとじっとしていた結果。

    ・気にしない気にしないと言いながら次々を大変なことをやらかすでかい子供。

    ・島で離れて

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    2024年04月03日
  • 魔法の学校 エンデのメルヒェン集

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    エンデのメルヒェン集 19個のお話が集まった1冊

    ひとつひとつの短いお話の中に
    よ~く見るとキラッと光る小さな石 
    まだ光ってはいないけど 宝石の原石みたいな…

    耳を澄まして 気持ちを澄ませて 読んでみると気が付くみたいな 

    大人になるにつれて いつの間にかどこかに落としてきてしまった 忘れてしまっていた何かを見つけられるかもしれない

    そこにあるのは感じられるけど 今はまだうまく言葉にできない… じっくりじっくり味わいたい 宝物のような1冊

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    2024年04月01日
  • 富の王国 ロスチャイルド―ロスチャイルド一族の歴史から学ぶ上手なお金の生かし方

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     本を読んでとても安心した。というのも、どのようにして、富が築かれていったか、納得できる歴史経過と理由が書かれていたからだ。
     偏見のない描かれ方は、貴重だ。日本ではそれほどユダヤ人に対しての先入観は激しくないと思うけれど、それでも、お金持ちのイメージや、高利貸しのイメージはなんとなくある。
     しかし、はじまりは高利貸しというよりは、各国の間で入り乱れる貨幣間の金や銀の含有量を量った両替商が実態のようだ。そういう時代だったのである。
     また、血縁結婚を重ねていたので富が流出しなかったのも大きいだろう。
     確実に生き残るための最小限の戦略だったかもしれない。
     まわりが勝手に潰れていったことも多

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    2023年12月15日
  • 魔法の学校 エンデのメルヒェン集

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    エンデの短編集。どことなく、ああ、エンデだな、と感じる10編。読者の想像力に訴えかけてくる作品たち。推奨年齢は小学4・5年以上となっているが、まさにその世代の、本好きでない方にも楽しんでほしい1冊だった。個人的には表題作の『魔法の学校』と、『ニーゼルプリームとナーゼルキュス』が好き。

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    2023年10月17日
  • カフカ短篇集

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    フランツ・カフカ。
    『変身』しか触れたことがなかったが、実存主義や精神分析など、関心のある分野から研究された不条理文学の巨匠だと知り、手に取った。

    『掟の門』『判決』『流刑地にて』『橋』は特に興味を惹かれた。
    とりわけ、たった両面1枚で完結する短編『橋』から漂う鮮烈な不安、恐怖、そして不条理により、カフカの息吹に晒された。グレゴール・ザムザの心境にも近いからか? 
    私は橋だった。
    橋が寝返りを打つ!

    運命に抗えない不条理からは、逃れたいが逃げ出せない。逆らえない。それでも無感覚にはなれず、かと言って本当はなりたいわけではなく、強いて言うなら絶望を選ぶ。絶望は病であって薬ではない。刹那の連続

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    2023年05月07日
  • カフカ短篇集

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    20世紀プラハの作家フランツ・カフカ(1883-1924)の短篇集、マックス・ブロート版からの翻訳。



    不可解な物語の意味を読み解こうとして後に残ったのは、意味というものの無意味さの感覚だった。則ち、自分たちの日常が普段依拠しているところの意味なるものが、実はたいした内容物ではなくて、無意味と同じくらい空っぽなものでしかないのではないか、という感覚。意味というのは、無数にある無意味の諸ヴァリエーション(それは言語とその規則の順列組合せだろう)のなかの偶然のひとつ、それ自体のうちには何ら特権的な根拠をもたない偶然のひとつ、でしかないという感覚。意味と無意味の区別自体が無意味なものとなってし

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    2023年03月22日
  • 万葉集の詩性 令和時代の心を読む

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    ネットでHeveneseのラストトークを見ていて、本書に言及があったので購入。令和の語源である万葉集をほとんど知らなかったので、とても興味深く読んだ。8人の著者の、改元をきっかけに書かれた万葉集に関するエッセイ集。

    鈴木大拙は「日本人の霊性」の中で万葉集を「稚拙」だとか「幼稚だ」とか、あまり良い評価をしていなかった。しかしながら本書から万葉集の他の歌集との違いがわかり、納得した。
    曰く、万葉集には中近東的な雰囲気がある、とか、万葉集は文字ではなく大和言葉の響きを口にうたうための歌集である、とかなどと言うように書かれていた。また万葉集には代作という表現があるとの事。これについては日本人が原作を

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    2023年02月28日
  • 魔法の学校 エンデのメルヒェン集

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    「モモ」で有名なエンデの作品。やはり児童向け文学は素晴らしい。「とうぜんですが」とエンデは言う。魔法のための学校があり、地下や屋根裏には別世界への扉があり、動物やこびとはおしゃべりします、と。いくつになっても、とうぜん!もちろん!と思える人間でありたい。

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    2022年10月13日