池内紀のレビュー一覧

  • すごいトシヨリ散歩

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     タイトルは、もう少しどうにかならなかったのかと思う。内容の良さとは全く乖離している。
     味わいを感じられることは、まだまだいくらもある。そう感じさせる。

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    2022年07月22日
  • カフカ寓話集

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    今日6月3日はカフカの命日ですね。
    カフカ寓話集の題名に成っていますが、他に短編集の題名の作品が有るのであえてこの題名にされたとの事でした。
    小品を中心に30話収録されています。
    カフカは妹さんの下宿に転がり込んで創作に明け暮れたそうですが、書いては捨てるの繰り返しで、しっかり物の妹さんがカフカの捨てたものを拾っては隠し持っていたそうです。そのお陰で後世の我々がカフカの作品に浸れるからありがたい事ですね。
    この本にカフカの絵が紹介されています。カフカは友人にも自分の作品を焼却するように依頼したそうですが、しっかり物の友人にも感謝ですね。
    カフカの作品が後世の作家さんにもかなりの影響を与えた事を

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    2022年06月03日
  • 永遠平和のために

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    かなり読みやすい。後書きにもあったが、編集と翻訳の二人の努力というか、思いが反映された明瞭な翻訳でした。ウクライナ侵攻にあてて。

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    2022年03月07日
  • 東京ひとり散歩

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    18歳の時に上京し、大学を卒業した後、東京に本社を持つ会社に就職をした。サラリーマン時代は、25年以上が東京勤務、大学時代の4年間を加えると、何やかやで30年間、自分の活動の中心地は東京ということになる(東京に「居住」したのは、大学時代の4年間だけだけれども)。
    私の妻はタイ人だ。タイ勤務時代に結婚し、10年近く前に私の東京転勤と同時に一緒に日本にやってきた。初めての日本であり、東京にも行きたいところが多くあり、外国人が観光するような場所に、一通り、一緒に行った。妻の親せき・友人が日本に遊びに来る時にも、東京案内を多くした。また、2-3年前から私自身が東京中心部を散歩するようになった。毎日では

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    2022年01月03日
  • 幻獣の話

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    しっかりとした辞典を選ぶとしたら、「幻獣辞典」(ボルヘス)が河出文庫で出ている。原典に挑むとすれば、「東方見聞録」「山海経」などが手に入りやすい。この薄い文庫本は、それらに向かうための先導役としては打ってつけかもしれない。

    黄金の国チパングを広めたマルコ・ポーロは、「私はホントに見たんだ」と主張して、ホラ吹きの異名を取った。しかし、今になってみると「樽のような蛇がのし歩いた」「スマトラに棲む一角獣」「犬の顔を持った人間」の正体は、その描写が詳細なだけに容易に推察がつく、ということを実はこの本で初めて知った(答え合わせは本書の一章目を見て)。
    ※コレ、ゼッタイクイズ番組のネタになる。

    大航海

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    2021年12月27日
  • カフカ寓話集

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    世間との隔絶

    ロビンソンクルーソーにしても、巣穴にしても、断食芸人にしても、世間との隔絶から自己の内面を追求せざるを得ない筆者の苦悩が表れてきているように思った。自分を理解してくれる人に囲まれているなら、これらの作品は生まれるはずがない。

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    2021年11月18日
  • ひとり旅は楽し

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    学生時代ならともかく、社会人となり、結婚して子供でも出来ると、ひとり旅をする機会は、かなり限られる。もちろん出張も、同行者がいなければひとり旅であり、それなりに楽しいのであるが、あらかじめ殆どの予定が決まっていて、ひとり旅の自由気ままさがない。そういうまれな機会なので、家庭を持ってからの、ひとり旅は、よく覚えている。
    結婚して子供が出来てからの最初のひとり旅は北海道だった。北海道に出張があり、おそらく札幌で金曜日に仕事から開放されることになり、かつ、夏休みをとってもおかしくない時期だったので、翌週1週間を北海道ひとり旅に使ったはずだ。妻は何故か寛容でまったく文句も言わずにOKと言ってくれた。当

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    2021年11月01日
  • カフカ短篇集

    購入済み

    人生の孤独

    筆者の話には、他者の自分に対する無理解が、現れているように思う。それは不平ではなく、あきらめでもない。それを知った上で、あがく人々への応援ともとれる。

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    2021年10月27日
  • ひとり旅は楽し

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    写真も地図も絵すらない旅の本。文しかないのにまさに旅。最後の戻り道、旅もあまりしてないのにとても懐かしく共感しました。ガイドブックを見ないで一人旅に出たくなります。

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    2021年03月26日
  • カフカ寓話集

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    ネタバレ

    掌編から短編まで計30作品。どの話も、カフカの姿がぼんやり浮かんでは溶け込む感じ。私の中で、特にその感覚が強かったのは「ポセイドン」。デスクワークする神というのも、それはそれで想像すると愉快。一番長い話は「巣穴」。アナグマなのかなんなのか。勝手に適当な動物を想像しながら、つくった巣穴に対する持ち主の考えを追う。ときおり挟まるカフカ直筆絵も突出した感性が滲み出ているようで、味わい深い小説集でした。

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    2021年08月13日
  • きまぐれ歴史散歩

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    先日先日亡くなったドイツ文学者池内紀氏の肩の力を抜いた紀行文。古今東西の教養を持った方の視点はやはり素晴らしい。

    のんびりと楽しめる紀行文。ドイツ文学者の日本の紀行。良くある欧米崇拝もなく、自然体で描かれる紀行が実に心地よい。第一次世界大戦のドイツ人捕虜を収容した徳島県の「板東俘虜収容所」などこの作者でなければ過剰な装飾のある文になっていたわうに思う。

    旅の感動を伝える紀行文。感情が過剰になりがちなところ。自然に自身の感動を伝える能力は実は凄いことだとつくづく思う。惜しい方を喪ったものだ。

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    2020年06月21日
  • なぜかいい町 一泊旅行

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    誰も知っている観光地というわけではない、大都市から便利な立地なわけでもない、むしろなんでこんな町へ?というようなところに出かけていき、地元の人との会話や土着の神社などを巡ったり、小説に出てくる場面を追体験したり、出身者の幼少時代に想いを馳せたりする。お金がかかるわけでもないし、実にゆっくりとした時間を楽しんでいる。個人的にはかなり出張が多い方だが、それでも本書に登場する地域にはほとんどいったことがない(斜里、上川、岩内、金山、登米、三春、大多喜、渥美、朝日、木之本、岩美、上関、津和野、佐川、星野、湯前)。こんな楽しみ方もあるのかと眼から鱗な内容で、是非真似して楽しむ大人になりたい。

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    2020年02月26日
  • ひとり旅は楽し

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    ドイツ一人歩きの日本版である。みゃげは買わないがその土地での本は買う、というのはいいのかもしれない。
     最近はあげるための食べる土産物ばかりなので自分の楽しみがなくなってしまったような気がする。この原因は京都土産るいは京都おいしいものの本のせいかもしれない。
     論文には全く役立たず。

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    2019年11月24日
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる

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    老化早見表のカテゴリー3の、横取り症 整理整頓 せかせか 過去すり替えなどの症状、我にあり。過去すり替えは過去捏造に進む。
    そういう目で他者を見ると、いろいろ発見あり。「最後まで話を聴く」「人の話を取らない」心しよう。

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    2019年10月16日
  • 散歩本を散歩する

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    池内紀 著「散歩本を散歩する」、2017.6発行。文豪たちの歩いた散歩道、文豪たちの書いた散歩道、散歩好きの著者がまとめた「散歩本」です。読んでみたい本が沢山あります。幸田文「ふるさと隅田川」、川本三郎「ちょっとそこまで」、安西水丸「ちいさな城下町」、横関英一「江戸の坂 東京の坂(全)」、坂崎重盛「東京煮込み横丁評判記」、永井荷風「日和下駄」など。

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    2019年10月02日
  • 万葉集の詩性 令和時代の心を読む

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    文学や編集に携わる8名の手による万葉集エッセイ集、といえばよいか。
    出だしから中西進氏による『旧約聖書』と『万葉集』のリンクが展開され、度肝を抜かれる。良き文学とはほかの文学と共鳴するものとはいうが、まさかそんなところと響き合うとは。しかも万葉集の第一人者の一人中西進氏からそんな。おみそれしました。
    川合康三氏の「山上憶良と中国の詩」、高橋睦郎氏の「いや重く謎」あたりは若干硬めの印象を受けるかもしれないが、基本的には一流の文化人たちによる平易な万葉集エッセイである。いや平易と言ったが完全に万葉集知りませーん何書いてあるんですかーな人には向かないかもしれない。ちょっとは齧った人向け。だが、ちょっ

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    2019年08月15日
  • ひとり旅は楽し

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    池内さんの旅の指南書。
    家族もできて2人旅の楽しさも知りました。でも、ひとり旅もまた楽しんでゆきたい、そんなときの楽しみ方のさまざまなコツが書かれているなぁと感じた一冊です。日本の中にもまだまだ知らない楽しさがいっぱいあるな、とわくわくしました。
    奈良の正月堂や久米寺、西国三十三所など、いろいろなところに出かけたいな。

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    2019年06月17日
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる

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    1940年生まれ、独文学者、エッセイスト。タイトルが少しダサいですが、池内さんが、70歳の時、「こういうことはこれまでなかった」「これぞ年寄りの特徴」とか、日々、気がついたことを記録するための、「自分の観察手帳」をつくりそのタイトルがこれだっんだそうです。何歳まで生きるか想定しにくいので、とりあえず77歳として予定をたてる。ただし「満期が来たら3年単位で延長する」としたそうです。

    元気、よみがえり、再生なんて言葉に騙されずに、老化を認める。群れずに自立する。

    オシャレをする、健康診断は受けない(どこか病気はあるもので、病気、病院に追われる人生になってしまう)、新しいことを始める など彼なら

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    2019年05月21日
  • となりのカフカ

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    カフカというと奇妙な作品の「あらすじ」や「要約」は知っている。

    何か後ろ向きの人生という印象が強い。だがその人生の内容は、逃げ・回避・躊躇・取り消しと、後ろ向きというよりも単なる逃避なのかも。

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    2019年05月16日
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる

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    ドイツ文学者である著者が、ご自身の事を絡めて老いについてお書きになっています
    誰にでもやって来る老いを心構えとともに考えを述べてらっしゃいます
    確かに著者の様にお金にも心にも余裕を持ってトシヨリライフを楽しめるなら老いも楽しみに思える一冊です

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    2019年03月26日