池内紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今日も居酒屋が方々の町の片隅で慎ましやかに提灯を掲げている。よく知る店もよし、見知らぬ町の見知らぬ店もよし。酒に食べ物店主と客が織りなす独特の時間がそこにある。 そんなことを思い出しました。一人酒最高。
著者の経歴を見てみると、『ドイツ文学者、エッセイスト』とかかれており、僕自身はタイトルに惹かれて読んでいたので、こういうエッセイを読んでイイナと思うのは筆者と、偏屈だけど、心を開いた人間には優しい主人との交流。酒と肴。個人的には離れて久しいものがこの本にはあって、こういうものに出会いたいからこそ酒場を巡っていたんだよな、と。そんなことを思い出させてくれる一冊でした。
『飲み物は?』と聞かれ、『まずはビール』と答える。その注ぎ方にも一家言書かれてあって、多分、そういう機会がなければこの先覚えることはなかったろうな、などということを思い出してしまいました。
個人的に行きたい店は、チェーン店でもいいんですけれど、主人がおかみさんと一緒に切り盛りして30年。店の壁は脂ですすけているようなやきとん屋など、まず女性を連れてはいけないような店をいくつか連想したので、因果な自分のことを考えつつ、こういう品のいい居酒屋についての本も読んでみるとこれまた面白かったので、ここに紹介するしだいでございました。 -
Posted by ブクログ
これはドイツ文学者あるいはエッセイストや作家としても知られる池内さんが、これまで好んで読んできた12人の高名な作家、詩人、歌人の創作の源泉をいくつかのキーワードを元に探っていく作家論。作品を生みだしていく背景や創作の源泉となった「モノ」を、生い立ちや作品そのものから巧みに取り出し、それに著者独自の分析を加えている。著者によって言語化されたそれぞれの作家の「モノ」はキーワード化され、その作家の特性を見事に表している。取り上げられているのは、「織田作之助―夜店めぐり」、「稲垣足穂―ヒコーキとパノラマ」、「谷崎潤一郎―乳首憧憬」、「与謝野晶子―髪・髪・髪」、「宮沢賢治―お経の力」、「佐藤春夫―水辺の風景」、「石川淳―遊民ぐらし」、「三好達治―軍人精神」、「高村光太郎―首の像」、「中野重治―村の文体」、「山本周五郎―路地に迷う」、「開高健―飢えに憑かれて」の12編。抜群に面白い分析が加えられているのは、この中で「宮沢賢治」と最後の「開高健」であった。
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カフカってどんな人だったのか?を分かりやすく書いた本。
一般的にカフカは悪夢とか奇妙とかという言葉のイメージに繋がっているようだけど、実際に著作を読むと、やたらとへんてこな本だなあという感想をもっていた。その人間像はやっぱりへんてこだった。
保険公社のかなり優秀な課長で、恋多くストーカーのように手紙を書きつつ生涯独身で、むしろ婚約は何回か破棄していて、健康ランドによく行っていた。そして夜遅くまで、ひっそりと小説を書いていた。
この時代のユダヤ人が独身を通すのは世間的にかなり白い目で見られるところがあったらしい。けれど、どうやら小説を書くために結婚しなかった。それなのについ何度も婚約とかしてしまうんだけど。
カフカのつけていた日記は、日記というよりも時々小説の断片が混在していたよう。そして小説でも日常の出来事が入り込んでいたらしい。その小説世界と日常の混在が、へんてこに感じた理由だったんだろう。理性的に仕事をしていた一方で、創作に没頭すると世界が曖昧になってしまうというのがとても不思議だ。
カフカが変身を友達に読み聞かせるときは、吹き出してしまって中々先に進められなかったらしい。自分でも笑ってしまうくらいの自由な想像力の世界が、他人からは少し恐ろしくも感じるのだろうか。 -
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[ 内容 ]
月下の散歩者ムササビ、森の怪人ヒグマ、忍びの名人イワナ、幻の獣オオカミ―森のつつましい生き物たちは、人間よりもはるかに「紳士」である。
ドイツ文学者にして自然をこよなく愛する旅人でもある著者が、山歩きの道すがら、またさまざまな書物の中で出会った生き物たちの姿を、生き生きと描き出す。
著者自筆イラストも満載。
[ 目次 ]
1 早春・夜から朝(ムササビ;アカハラ・クロツグミ;ブッポウソウ ほか)
2 昼下がり・夏(サワガニ;カワガラス;イワナ ほか)
3 秋の到来(キノコ;アキアカネ;タヌキ ほか)
4 夜の世界(イノシシ;モズ;モグラ ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
山好きで知られる池内紀が、のんびりと出かけたひとり登山の二〇の山々。
ひと味もふた味もちがう山の味わい方。
[ 目次 ]
幻の魚―大雪山(北海道)
キリストの里―戸来岳(青森県)
別天地通信―乳頭山(秋田県)
同行二人―早池峰山(岩手県)
蔵王堂の杖―日本国(山形県・新潟県)
天狗のお土産―那須三山(栃木県)
体力測定―温泉岳(栃木県)
越後の旦那さま―八海山(新潟県)
岩峰天ヲ突ク―男体山(茨城県)
駿河姫の里―立処山(群馬県)
月もろともに―八丈富士(東京都)
にわか修験者―独鈷山(長野県)
山眠る―秩父御岳山(埼玉県)
中高年パラダイス―籠ノ登山・水ノ塔山(長野県・群馬県)
凡夫と聖人―七面山(山梨県)
山で一泊 麓で二泊―燕岳(長野県)
雲上ホテル―蝶ヶ岳(長野県)
罪障消滅―雪彦山(兵庫県)
黄金の山―剣山(徳島県)
海の門―開聞岳(鹿児島県)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
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