池内紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昨年上演された指輪ホテルの「断食芸人」というお芝居のタイトルが妙に記憶に残っていて、どんな話なのか気になって読んでみた。短編がたくさん入っていて、カフカさんが書いた棒人間みたいなイラストも載ってお得。
わたしはどうも、意味をわかろうと読んでしまうため、カフカさんの小説は意味がわからなくて欲求不満になりそうになる。途中からそのことに気がついて、これは何かの隠喩だとか、この台詞の意味はこうなんじゃないかとか考えないようにして読んだ。
現実はいくら知恵を絞ってみても割り切れない。割っても割ってもなにか余りがでる。そして、その余りは、気味が悪いというか…なんとも嫌な感じに胸に残る。ありそうもないような世界なのに妙にリアリティがある。理屈をつけて説明可能な事象にしようとすればするほど、カフカさんの描く世界に裏切られる。なんだかカフカさんに「世の中そんなに単純じゃねぇよ。」せせら笑われているような心持ちがした。
ともかく、賢いふりをするのは小賢しい行いだからしないようにしようと思った。割り切れない世界を割り切れないまま苦悩して生き続けるのもいいのかもしれない。なんか、カフカさんはそうしてたんじゃないかとふと思う。
Mahalo