池内紀のレビュー一覧

  • カフカ短篇集
    だいすき。カフカはちゃんと読めていないので、これをきっかけに読んでみたいなあ、と思った。かの有名な「オドラデク」から、「こま」「人魚の沈黙」「町の紋章」など、短いのがいろいろ入っていて取りかかりやすい。私が強烈に覚えているのは「掟の門」と「雑種」。「掟の門」の終わり方、ものすごく格好いい。カフカはも...続きを読む
  • 散歩本を散歩する
    東京を舞台とした多くの名作紀行文。その素材となった土地をあらためて散策する。博識な筆者ならではの楽しい一冊。

    これだけの散歩本を紹介できる、どれだけ多くの本を読み街を歩いているのだろうか。憧れる生き方。
  • カフカ短篇集
    【判決】
     ゲオルグの最大の罪は、真に相手を思いやることができず、常に周囲を見下しているにもかかわらず、自身がそのような側面をもつことを、自分に対してすら偽り、誠実なふりをしていること。
     ゲオルグのような偽善的な性質を無意識にもつ人は、わりと自分の周囲にも多くいる。決してそれは好ましいものではない...続きを読む
  • カフカ短篇集
    フランツ・カフカ
    チェコを代表する小説家、彼の作品はどこかユーモラスで、孤独感を感じさせる。
    発表してきた作品は少ないが、どの作品もとても
    素晴らしい世界観を持った作品だと思う。
    彼の代表作品「変身」は読んだことがあるのですが、「変身」を読むのは難しくて、ページ数が
    少ないわりには、世界観が複雑で...続きを読む
  • となりのカフカ
    693
    来月チェコ行くからカフカ本読んでみた。正確にはチェコ生まれ育ちの100%ユダヤ人だけど。カフカの変身は好きだな。友達がカフカの日記面白かったって言ってたからそれも読みたい。
  • 永遠平和のために
    書店の平積みで見かけ、ウクライナ情勢がある中で気になり購入。
    原書自体、ボリュームが少なく読みやすくして出版されたものとのことだが、本書の前半は文中に出てくる象徴的なキーワードを抜粋し世界各地の写真とともに掲載。
    カントが意図しない意味づけがされてしまう!という批判もありそうだが、個人的にはとっつき...続きを読む
  • すごいトシヨリ散歩
    池内紀と川本三郎の対談をまとめた本。
    旅、本、音楽、カフェなど、どのページを開いても興味深く、含蓄のある話が聞ける。
  • となりのカフカ
    池内紀先生のカフカの本。
    カフカについての色々な角度からのアプローチ。
    作品の裏話を聞いたようなちょっと得した気分。
  • すごいトシヨリ散歩
    お二人のどの話も興味深く、少しずつ味わって読んだ。こうしたかけがえのない友人を亡くした川本さんの心痛はいかばかりかと思う。また、晩年の池内さんの著作を巡る騒動は、これで寿命を縮められたとしたら悔しいとしか言いようがない。
    ローカル線に乗って小さい町を訪ねたり、喫茶店に入ってみたくなる。
  • すごいトシヨリ散歩
    同世代、話の合う盟友の存在がどれだけ人生を豊かにすることか。ドイツ文学者と評論家の途切れることのない対談。

    4歳違いのお二人。紀行文好きの自分にとってレジェンドのお二人の夢のコラボ。残念ながら池内紀氏は亡くなってしまった。妻を亡くしさらに敬愛する先輩も亡くなり川本氏の絶望たるやいかに。

    映画、旅...続きを読む
  • カフカ短篇集
    池内紀さんによるカフカの翻訳。
    大学時代に池内教授の授業を受けたことがあるが、穏やかな語り口が印象に残っている。
    授業でも取り上げた「流刑地にて」など所収。
    話の急展開、ぐらりと地平が歪む感覚、不思議な読後感。
    訳者による解説も興味深かった。
    短編ばかりなので、原文で読めたら面白かろうと思う。
    ドイ...続きを読む
  • ヤマケイ文庫 山の朝霧 里の湯煙
    ドイツ文学者の池内紀さんによる山の旅の本。
    東大教授だった頃の池内教授の授業を受けたことがあるが、穏やかで楽しい講義だった。
    その人柄の理由の一端に触れた気がした。
    柔らかな日差しの中の山歩きとその後のゆったりした温泉浴、そういう時間があの授業の穏やかな語り口の根っこにはあったのだと思う。
    山梨の山...続きを読む
  • なぜかいい町 一泊旅行
    独文学者でエッセイストの情緒豊かな紀行。
    西欧文化に精通したからこそ。
    日本古来の風景の魅力を伝える良作。

    筆者の紀行文は川本三郎と並んで好きである。小難しい小説などを読む合間、方の力を抜いてのんびり楽しめる。本当はお二方なように旅行に行ければリフレッシュできるのだが、時間も金銭もそんな余裕を与え...続きを読む
  • ドイツ 町から町へ
    ドイツの有名な街からマイナーな街まで、1テーマが短く纏められておりテンポよく読み進められた。
    筆者の見ている風景から、歴史や文化の背景がとてもよく見えた。
    自分もこのように、様々な目線で物事を見ながら旅できたらなと思う。
  • カフカ寓話集
    私は基本的にネガティブで心配性で厭世的なところがあるので、カフカと物事の捉え方がたぶん似たタイプなのかなとおもう。
    身に覚えのある話が多すぎてとても心に刺さった。

    好きだったのは、

    『皇帝の使者』
    『ロビンソン・クルーソー』
    『アブラハム』
    『メシアの到来』
    『だだっ子』
    『十一人の息子』
    『断...続きを読む
  • 散歩本を散歩する
    散歩とか、町歩きの本は多い。「散歩」とは名付けていなくても、読んで、歩きたくなるエッセイや小説も多い。
    著者は、数ある散歩本をお供に、各一箇所ずつ歩いている。基本ひとりで歩いているのだが、(今回は)「散歩本」というお供が、きちんとお相手していてとても楽しい。私自身、手にするのは「散歩本」が多い。とい...続きを読む
  • 魔法の学校 エンデのメルヒェン集
    子供はいないけど、子供を持ちたいともはっきりとは思わないけど、この年になると、子供に読んでほしいと思う本があって、これはそれ。説教臭くなく、大人からすればしみじみする話が、子供からしたらきっとワクワクする話が多い。トリッキーで、ちょっと癖のある感じも親子で楽しめるはず。
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる
    カフカなどの翻訳で知られるドイツ文学者の池内紀さんが、70歳に書き始めた「すごいトシヨリBOOK」。序文で「77にはこの世にいない」と書いている。今年の8月に78歳で亡くなられた。▼「老い」を笑って私たちに見せてくれる。老いが自然に受け入れられる。▼堀口大学の詩の紹介:〈深海魚光に遠く住むものはつひ...続きを読む
  • カフカ寓話集
    こうしてさまざまな短編を読むと、カフカに対する印象が変わります。
    この短編集、断食芸人を含んで、なかなか興味深かったです。
  • カフカ短篇集
    カフカの短編はほぼ読んだことがなかったのですが、ドイツ文学者の池内先生の編訳になるこの一冊で、カフカの作品世界は深く、広いのだと実感しました。