池内紀のレビュー一覧

  • 戦争よりも本がいい

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    ドイツ文学者でエッセイストの池内紀(おさむ)さんの「戦争よりも本がいい」(2014.11)、タイトル、確かに(^-^) 129冊の本の紹介とコメントです。馴染みのない本、昔の本、専門的な本が多いですが、著者の造詣の深さだと思います。あらゆるジャンルの本が紹介され、私も読みたい本が10冊ありました。木下謙次郎「美味求真」、寺山修司「日本童謡詩集」、バーバラ・レヴィ「パリの断頭台」、大木卓「猫の民俗学」、いしもりよしひこ「うちの近所のいきものたち」、菅原光二「スズメ」、渋沢龍彦「夢のかたち」など。420頁です

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    2018年12月21日
  • 東京いいまち 一泊旅行

    購入済み

    東京の旅行紀

    東京以外の著者の旅行エッセイも読んでいるが、この作品は東京の居住者が一泊して東京を散策するというユニークなもので興味深く読了した。著者は東京大学のドイツ文学の教授という経歴のためか、文章が論理的であり、しかも簡潔な文体で、私自身、氏の文章を参考にさせて頂いている。近年はこれらの新作が発表されておらず、新たな発刊を期待したい。

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    2018年08月15日
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる

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    人生の先輩方たちの生き方を学ばせてもらうのも好きですね。「あ。。そういう感じになるのか?」的な学びがあった時は、嬉しい。
    最近、日増しに時間の流れが速くなってきているので、どんどん学んでいき、「あの時、あれをしておくんだった・・」というような思いは少なくしていきたい。

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    2018年08月05日
  • 永遠平和のために

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    カントが生きていた時代はおびただしい数の戦争が起こっている.今ほど通信環境が整っていない時代だったと想像するが,それでも様々な情報を入手していたのだろう,第一章は取っ付きやすかったが,第二章はやや難解.解説で当時の状況が詳しく説明されているの非常に参考になった.気になった語句が多かったが,特に"厳密にいうと民主制は必然的に専制になる" は安倍政権の動きを見ると,的確な指摘だと感じた.

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    2018年06月29日
  • みんな昔はこどもだった

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     幼い人生の始まり。最初の一歩が行く末をそれとなく暗示している。(はじめに―こどもといういきもの)より抜粋。

     手塚治虫、向田邦子、幸田文、野坂昭如、他それぞれの幼少期を資料や回想などを交えて語られた短篇集。

    手塚治虫のペンネームに纏わるエピソード、向田邦子の『父の詫び状』など興味深い。

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    2018年05月26日
  • 新編 みなかみ紀行

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    沼津にある若山牧水記念館に行く機会が出来た為、お共に連れて行くべく手にした一冊。以下ミーハー感想文。


    冒頭「枯野の旅」の散文詩からしてグッとくるんですが、頁を捲った先に北原白秋画若山牧水の似顔絵がバーンと載っているところで笑ってしまうやないかーい!

    驚くのは4合瓶位なら提げて草鞋履きで山歩きしている所です。昔の人の健脚さと頑丈さには驚かされます。ちょっと真似してみたい…。
    ぼっさんは見た目も性格もイケメンですね!こんな仙人みたいな呑んだくれが、歌を詠み乍ら山奥旅してたんだぜ?とか思うだけで、もう(笑)

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    2018年04月21日
  • 闘う文豪とナチス・ドイツ トーマス・マンの亡命日記

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    映画「永遠のジャンゴ」を
    観てきたばかりです
    ジプシージャズの神様とも言われた
    ジャンゴ・ラインハルトの
    ナチスからの受難の時代を
    ジャンゴはギターという武器を携えて
    乗り越えた
    その足跡を描いた映画です

    そして、
    この一冊
    トーマス・マンさんが
    亡命させられた文学者の立場から
    ペンという武器を携えて
    ナチスの時代を生き抜いた

    その苦難の足跡を
    膨大な量の日記を読み通す中で
    わかりやすく
    興味深く
    その時代の考証も交えて
    博覧強記の文学者
    池内紀さんが
    トーマス・マンさんが
    書き続け
    生き抜いてこられた
    その足跡を
    「日記」から
    ひも解いてこられた

    その時の
    トーマ

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    2018年04月11日
  • すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる

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    ネタバレ

    年寄りになるというより誰もがなってしまうのだが。自分はまだまだ若いと思い込みたいが、年を取れば年寄りになるのだ。認めることが大事なのだ。

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    2017年12月06日
  • 闘う文豪とナチス・ドイツ トーマス・マンの亡命日記

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    トーマスマンの小説については読んでいるはずなのにあまり記憶にはないが、この本をよんだので、日記を読んだ気になった。

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    2017年10月07日
  • 闘う文豪とナチス・ドイツ トーマス・マンの亡命日記

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    「全体主義」への関心から、読んでみる。(最近、アーレントを読んでいるのは、もともと「全体主義」への関心が根っこにあったからで、逆ではなかった。今は、逆転しているかもしれないが。。。)

    全10巻あるトーマス・マンの日記(約20年分)が、30年かけて翻訳されるのにあわせて、出版元の季刊誌に書かれたエッセイを集めたもの。(マンの日記が翻訳されているのはなんとなく知っていたけど、30年もコツコツと翻訳し、出版するという努力がなされていたことに驚く)

    タイトルで言われるほど、「マン対ナチス」という本ではない。マンの日記を大まかな年代に分けつつも、時系列に沿って記述するのではなく、そこから浮かび上がる

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    2017年08月23日
  • 聖なる酔っぱらいの伝説 他四篇

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    表紙がアニメなので子ども向けの小説と思っていたら違っていた。ヒットラーが出てくるのは、「蜘蛛の巣」の小説のほうだった。

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    2017年05月25日
  • カフカ寓話集

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    カフカの残した30の寓話。そもそもカフカの作品は寓話なのだから前出の「カフカ短編集」と対を成す必要もないだろうと感じたが、なるほど本作は寓話性が高い。

    孤高の作家カフカ。謙虚な作家カフカ。

    そんなイメージを持っていた。

    しかし、池内氏の解説にあるように虎視眈々と己の時代がやってくることを待っていた、野心家カフカという視点は一考に値する。
    野心家としての視点をもってしても楽しみが変化する作品群で、カフカのベールが未だ謎に包まれていることを感じさせる。

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    2016年08月27日
  • カール・クラウス 闇にひとつ炬火あり

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    世紀末から戦間期にかけてヴィーンで活躍した批評家、カール・クラウスの生涯をたどる一冊。雑誌『炬火』を軸として、何者にもとらわれない自由な言論活動を広げたクラウスの生涯が、彼の印象的な言葉とともに、分かりやすく叙述されている。

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    2016年05月15日
  • きまぐれ歴史散歩

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    通勤電車のお供には最高。少し視点が変わったプチ紀行が味わえる。

    ただ、新書という入れ物に馴染むのかな?一話一話をもう少し堪能したかった。新書にするなら、一話を充実させて、全3巻くらいにしても良かったと思う。

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    2023年12月18日
  • となりのカフカ

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    カフカ好きなので軽い読み物としてとてもよかった。特許関係の仕事で機械の仕組みに詳しく、それが流刑地の機械のデザインに生きているというのは説得力がある。

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    2015年01月05日
  • 聖なる酔っぱらいの伝説 他四篇

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    『蜘蛛の巣』
    1923年に書かれた本作は、既にナチの脅威を的確に予知しています。ロートは予言者であり、シャーマン。アル中ゆえでしょうか。もしくは時代を感じとる神経過敏さがアル中へと繋がったのでしょうか。またこれがウィーンで新聞連載だったというのが凄い。
    ヨーゼフ・ロートの何が凄いかまとめると、
    ・10年後のヒトラー台頭の予言と、ナチというものの原理を的確に描写
    ・「ユダヤ人に向けられた憎しみの心性」をユダヤ人が的確に描写
    ・当時の陰惨な世界を渇いた目で描写。ワイマール後は想像以上に地獄だったようで。簡潔な文体で、今でもありありとよみがえらせるところ
    ・亡命してアル中で死ぬ点

    ここには、貧困と

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    2014年12月19日
  • ちいさなカフカ

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    カフカに関して、その作品や遺された手紙、知人の記憶などちょっとした手がかりから、分かりやすく道案内してくれる一冊。
    カフカがより身近に感じられ、作品の理解をより深めるにも最適な一冊です。
    最初の「手紙の行方」には、裏に潜む悲しい犠牲もちらついて、ひどく胸が痛みました。
    久しぶりに作品の再読をしたくなりました。

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    2014年11月29日
  • カフカ短篇集

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    カフカの長編だと何となく冗長な気がしてしまうので、電車に乗っている僅かな時間でスッと読めるのが良い。ほの暗いシュールさが後を引く。

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    2014年10月26日
  • カフカ寓話集

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    "メシアはやってくるだろう――もはや必要なくなったときに。到来の日より一日遅れてやってくる。最後の日ではなく、とどのつまり、いまわのきわにやってくる。"

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    2014年10月03日
  • 新編 みなかみ紀行

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    ネタバレ

    たまに読みたくなり、読むとでかけたくなる。

    牧水さんが、関東近郊に出掛けた紀行エッセイ。
    その土地を知ってるから、楽しさも倍増、なのだが、とにかくアホっぽいのがとても楽しい。
    子規の「病状六尺」も、患って寝ている子規の大食漢ぶりがアホっぽくておもしろいが
    牧水も全く高尚な文化人を微塵もみせず(笑)
    丸沼では「酒をくれ」ととなり村(って峠1つ越えますよ…)まで買いにいかせ
    川原湯温泉から軽井沢まではバスに乗り遅れ、徒歩で強硬突破…も、遭難しそうになりくじけそうになる。
    貴殿はアホでいらっしゃいますか?
    と、つっこみたくなる。
    このおバカさん加減が堪らなくおもしろい。

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    2014年09月06日