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「“どうだ、どうだ”胸元や腹をくすぐりまわした。男同士だと、ちとややこしい事態になりかねないが、男とオスだと何でもない。それでも多少はここちいいらしく、相手は目を細めたりしている。あるとき、うとうとしていたら、やにわに胸の上にのられ、熱い息を吐きかけられた」。無口な友とは誰か? どんな交流があったのか? さいわい人間ではなかった――「吾輩は犬である。名前はチャンプ」――「庭の隅に大きな穴を掘って葬った。いっしょのしるしに、冷たい鼻先にわが使い古しの万年筆をくっつけた。チャンプを失って、私はこの人生、もうそろそろいいかなと考えるときがある」。『遊園地の木馬』『なじみの店』につづく三冊目のエッセー集。先生の本棚にあったカフカ初版本の行方から田中康夫県知事の魅力、死と死者をめぐる省察まで。時の流れに沿って、いよいよ深みを増した名人芸の醍醐味。
...続きを読むPosted by ブクログ 2010年01月20日
カフカの訳者で有名な池内先生のエッセイ。
パーティーきらいなところも、他人との距離感の持ち方も共感する分多し。ただ一本気の通ったところはずっとうわて。
特に銭湯セットがいつもバッグに忍ばせてあって、喫茶店代わりに銭湯はいるところとか、なるほど!その手があったか、とかおもった。
これから先の人生、池内...続きを読む
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