奥泉光のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ印象的には昭和の文学のような地の文の雰囲気がある。
ご友人のピアニストの方の協力もあったからか
かなりの分量が挟み込まれている音楽談義が
非常に重く、クラシック音楽を知らない人には特に難解で
その割にミステリ要素の部分には意外とそこまで
関わってこない。
シューマンの人となりが主なポイントになってくると思う。
元々ある程度の知識がある方、ピアノを習っていたことがあるとかシューマンが好きであるとか
そういった方はかなり楽しめるのではなかろうか。
このシューマンに関する記述が出典があるのか
オリジナルの創作なのか疑問に思う部分があった。
ソースを検索してみたが見つけられなかった。
ネタバレに -
Posted by ブクログ
芥川賞を獲った「純文学」の作家が、ミステリに転向した、なんて騒がれた作品だったような。
正直、ミステリーは苦手で、その楽しみ方もいまひとつわかっていない。
同じ事件についての解釈が何通りも語られていくのだけれど、結局、最後に出てくるのが「正解」でいいの?と当惑しているありさまだ。
だから、というわけでもないけれど、この作品は文体を楽しむ作品だ、と思って読んだ。
主人公、里橋優の高校時代の友人堅一郎が優に宛てた手紙、優自身の手記、そして最後は優の妹恵子が、優の高校時代の美術教師吾妻先生に宛てた手紙で構成される。
謎めいた美少年で、天才ピアニストである長嶺修人に導かれ、音楽の道に進んだ優の手記 -
購入済み
作者のことは、知らなかったのですが、雑誌読んでたら、湊かなえさんが、奥泉さんの本が好きだと、書いてあったので、読んでみましたが、さほど期待したミステリー感はなく、音楽も得意でないので、感動はなかったかなー
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Posted by ブクログ
奥泉光の『葦と百合』は、夢と現実、過去と現在が混じりあう不思議なミステリー作品。
奥泉光は明るいトーンで広大なスケールの物語を創作する場合も多いが、本作品『葦と百合』のようにじっとりした、夢と現実が混ざりあうような物語にも定評がある。作中に散見される山百合の描写は、ストーリーの展開と相まって、じっとりむせる様な匂いまで感じるようだ。そのような匂いたつ、じっとりした人々の関係性が、長年の時を経て変化していく。その結末まで続く夢と現実の交錯を、じっとり感にあえぎながら読み進めることで、奥泉光ワールドにどっぷりと浸かることができるのだ。
しかし、物語の展開そのものは、過去と現在が行ったり来たりし -
Posted by ブクログ
音大を目指していた主人公。彼の通う高校に、天才ピアニストと名高い少年が入学してきた。
少年は指が切断されたのに、のちに海外でピアノを弾いていたという話から始まって、女子高校生がプールで殺されたりなので、ミステリーのカテゴリーにはいってるみたいだけど、実際には「シューマン論」だった。
うん。「シューマン論」としては、ものすごく面白かった。
で、入れ子の入れ子みたいなことなのだけど…。
どこまでを曖昧模糊にするかっていうのが、微妙。
つか、これを<ミステリー>にカテゴライズしないといけない、曖昧のままでおいてはおけない、というのがむしろに今の出版業界の苦悩が感じ -