奥泉光のレビュー一覧

  • 雪の階(下)

    Posted by ブクログ

    よくこんなかけるなぁって思うくらい緻密にことがえがかれている。
    戦争の始まる前の不穏な空気。少し癖になった。

    0
    2025年04月16日
  • もの語る一手

    Posted by ブクログ

    『将棋は決断のゲームである…決断をテーマに書かれた一挙8編の短編集』という紹介文に惹かれて読みました。
    将棋は子供の頃に親に教えてもらって2、3度指したことがある程度でほぼルールも難しいことも分からない状態で読みました。分かってた方が面白いんだろうなぁと思う物語もありましたが、全体的に、話の筋に関わる程度に上手に解説が挟まっていて、あまり調べたりせずに理解でき、読み進めることが出来ました。

    強く印象に残ったのは、葉真中顕さんの『マルチンゲールの罠』、白井智之さんの『誰も読めない』でした。
    『マルチンゲールの罠』は、最後の最後で、見えている世界がグルンとひっくり返るような感覚がお見事で、読み終

    0
    2025年03月24日
  • 虚傳集

    Posted by ブクログ

    浪漫がいっぱい。あえて軽妙で洒脱な語り口を封印して臨む虚構歴史検証小説。古書の原文を都度都度意訳して提示する手法が続きすぎるきらいはあるけれど、どこまでも本当の歴史本を意匠したかった嗜好性とそれを実現している手腕はさすが奥泉さんである。
    五篇のうち、いちばん笑ったのは「清心館小伝」で、いちばん泣いたのは「桂跳ね」だった。読後に他の三篇も含めて振り返ってみれば、いずれもがそれぞれに紛うことなく奥泉さんの小説の要素が顕されていることに深く納得感を覚えた。

    0
    2025年03月13日
  • プラトン学園

    Posted by ブクログ

    色々な要素はあるけれど、『ドグラ・マグラ』と村上春樹的世界のパロディ。

    そして、『シャッター・アイランド』的でもあるけれど、こっちが後なのでパロディではない。

    0
    2025年03月05日
  • 小説の聖典

    Posted by ブクログ

    文芸漫談の2人による小説論。
    2人の夏目漱石の解説本がすっごく面白かったので、他の小説の解説とかしてるのかな〜という期待を込めて読んだけど、私の勘違いで、「小説とは何ぞや」的な話だった。註も含めて面白かったけれども、難しかったのでまた機会を捉えて読み直す。

    0
    2025年01月26日
  • 死神の棋譜(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    将棋を題材にしたミステリー。

    いきなり羽生善治、森内俊之という名前が出てきてびっくりした。が、ほぼ時期を示すためだけで、他の登場人物は超ビッグネーム以外オリジナル。

    読み出しすと本格派ミステリーのようで期待しながら読み進められ、話の展開があってオチもついてたんだけど、幻想的な部分は入り込めなかった。

    単に人がしたことというだけでなく、人智を超えた何かもあったということを匂わせたかったのかもしれないが、わからないまま終わったのが不完全燃焼だった。

    0
    2025年01月17日
  • 虚史のリズム

    Posted by ブクログ

    メインストーリーはGHQ占領下の日本を舞台に元中将夫妻殺害事件の謎に迫るミステリだけど、そこにオカルト、宗教、天皇制、夢幻的展開、小説表現の遊びなんかがこれでもかって程詰め込まれて1095ページあるけど最後まで全然飽きない。続き物ではあるけど単体でも面白かった。

    0
    2024年08月23日
  • シューマンの指

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自己満足文体。最終章を読むと、だからね、と僅かながら思うが、それを最後まで読まされる身としては辛い。音楽が文字から聞こえるタイプの話ではなく、ひたすらシューマン取り巻く蘊蓄。目が滑る。

    0
    2024年06月08日
  • ビビビ・ビ・バップ

    Posted by ブクログ

    『シューマン』以来、奥泉作品二作目。SFジャズ落語ミステリィ…と、何でもありの破茶滅茶エンタメ作品(笑) 文庫本800p以上と超大作だ。夏目漱石のように始まり、古今東西の有名人など多数出てきてとても楽しい時間でした!星三つ半。

    0
    2024年05月31日
  • 死神の棋譜(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    矢に結び付けられた詰将棋、過去に起きた失踪事件、磐、麻薬、北海道、全ての出来事が上手くハマっていく終盤は面白い。帯の〝究極の将棋ミステリが放つ、命懸けの勝負と謎、そして衝撃のどんでん返し!〟に偽り無し。

    0
    2024年04月01日
  • ゆるキャラの恐怖 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活3

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    クワコーシリーズ3作目。桑潟准教授(助教授時代あり)含めて4冊あるって、継続は大事やね。

    相変わらず、スタイリッシュというより、サバイバーな生き方をするクワコーと周囲の個性あふれてこぼれてしまってるキャラクターたちの愛すべきドタバタ劇。深そうで実はそうそう深くない小説で、純文学的読みづらさを抱えつつも、結構読み流せるギャップが面白い。

    しかし、Fランと言われる大学では学生よりも先生連中が大変なんだろうなぁ。授業よりも研究よりも営業活動ってのは、この作品ほど大げさじゃなくても現実世界でもある話なんだと思う。

    野蛮な政治って文化や教育をないがしろにするからなぁ。科博の維持費がクラファンで万博

    1
    2023年11月14日
  • 死神の棋譜(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    名人戦の最中に見つかった詰将棋の矢文。矢文を持ち込んだ奨励会員の失踪。幻の将棋会「棋道会」。北海道の廃坑。地下神殿での対局。将来を分けた運命の一局。虚実ない交ぜに描かれる、将棋に魅せられた者の執着が悲しい。

    0
    2023年04月02日
  • 死神の棋譜(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    読みにくい感じだったけど、途中までは面白かった。
    終わりがちょっと…って感じだったな。

    将棋の棋士を志す人にとっての奨励会を退会する、ということの重みがすごく良く分かった。

    0
    2023年03月10日
  • 旧約聖書がわかる本 〈対話〉でひもとくその世界

    Posted by ブクログ

    すごく面白い。
    旧約聖書が孕む現代性、批評性をビビッドに浮かび上がらせる。
    エレミアらの預言者も魅力的だが、終盤のヨブ記が実に深い。

    0
    2023年03月09日
  • 死神の棋譜(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    将棋会館に持ち込まれた<魔の詰将棋>に端を発する元奨励会員の失踪事件を皮切りに、過去と現在が交錯する将棋ミステリー。北海道の鉱山町で栄えた<魔道将棋>など、荒唐無稽な設定が飛び出す特殊設定ミステリーだが、将棋ライターである主人公の一人称視点で紡がれる古風でルポルタージュの様な文体のおかげで不思議と地に足の着いた読み心地。後半は夢と現実が入り乱れ、物語はいよいよ混沌とした様相を呈するが、終盤でイヤミスに転ずるのは拍子抜け。ラストの謎解きも何処か投げやりな印象もあり、前半の期待値に反し少々残念な読後感だった。

    0
    2023年03月08日
  • シューマンの指

    Posted by ブクログ

    小中の音楽の授業ってなんであんなにつまらないのでしょう?
    漫画や映画や小説で取り上げられる音楽家達は皆さん個性的で興味深く、その音楽にもついつい聴き入ってしまいます。
    今回はシューマンについて詳しくなりました。ありがとうございます。

    でも残念ながら小説としては星3つかな。

    0
    2023年02月03日
  • 旧約聖書がわかる本 〈対話〉でひもとくその世界

    Posted by ブクログ

    対話式なのでわかりやすい。その代わりに、一からわかるないようではないので、入門書などを読んだほうがいいと思う。

    0
    2022年11月17日
  • 東京自叙伝

    Posted by ブクログ

    虚実内混ぜ。六人の告白は、若干冗長に感じた。戦前の描写はウクライナと重なって、なんとも。災禍が繰り返すが、人間は無力。

    0
    2022年04月10日
  • ゆるキャラの恐怖 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活3

    Posted by ブクログ

    相変わらずヘタレのクワコー。小学生にも教えを請う、プライドなんて余計なものがない所は、凄い。たらちね国際の女性たちは、学生も教授等もバイタリティーがあって、エネルギッシュ。男共を圧倒する。ドタバタとギャグの中に大学経営の現実に対する批判が混ざる。

    1
    2021年12月04日
  • 男性作家が選ぶ太宰治

    Posted by ブクログ


    趣味を人に合わせてコミュニケーションの手段にしてしまう、ご飯の為に適当に合わせる…つまり〇〇を見れば〇〇は興味を持てない人生を上手く生きるためのものかもしれません
    自分の個性について考えさせられる作品でした。人が冷たくなるってこんな感じなんだと思いマス。

    0
    2021年11月21日