奥泉光のレビュー一覧

  • 文芸漫談 笑うブンガク入門

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    純文学とそれ以外の文学を分ける一線(もし分ける必要があるのならだけれど)、それは自らが属するジャンルに関する自己言及とその不可能性への思慮の有無だろう。文学は、人間の誕生とともに発生し、本の売れ行きに変動はあるかもしれないが、人の営みとしては一向に進化せず、かといって退化もせず、人間の誕生という瞬間的な皮膜に常に立ち戻る可能性を秘めている。一つ一つの小説に言及しながら、彼らが語っているのは、紛れもなく文学であり、その語り口は軽妙にして諧謔にあふれている。芸として見事。

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    2011年06月10日
  • 坊ちゃん忍者幕末見聞録

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    2011-29 久々に通勤電車の中で声を出して笑うのが止められなかった。花粉症でマスクをしていたので誤魔化せたが。最後の方は現代と混ざったがこれは全く不要な仕掛けで意味がない。そのまま普通に書いてくれていたら★5つ。

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    2011年03月12日
  • 鳥類学者のファンタジア

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    Jazzに関係ありそうという事だけで、とくに予備知識もなく読み始めた(著者が男性だということも知らなかった)が、以外と奇想天外な空想活劇で、エンターテイメントとしては面白かった。
    注釈の多い文章が途中でしつこくなったり、飽きたりするかと思ったが、以外と最後まで読めた。
    謎が解明した(?)時のすっきり感があまりなかった事と、最後のNYの部分は蛇足のような気がする点は残念か…

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    2010年11月05日
  • 世界文学は面白い。文芸漫談で地球一周

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    文学作品ってこういう風に読んでもいいんだぁ!って目から鱗!
    かなり笑えたー。紹介されてた作品、読んでみよ。

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    2010年06月02日
  • 鳥類学者のファンタジア

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    前半が異様に長く感じるが中盤からグングンいける。
    文章が独特で面白い。
    最後はなかなかよかった。

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    2009年11月10日
  • 鳥類学者のファンタジア

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    ≪評価≫
    インパクト─B
    本の厚さ─B
    登場人物の濃さ─C
    共感度─C
    読後の成長性─D
    話のスケール─C
    笑い─C
    暖かさ─C

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    2009年10月04日
  • 文芸漫談 笑うブンガク入門

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    その名の通り笑いながら、とっても楽しく読めるブンガク入門です。フィクションを書く方はもちろん、ノンフィクションを書く方にも参考になると思います。

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    2009年10月04日
  • 鳥類学者のファンタジア

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    ジャズ好きならばこの小説を読んで面白くないわけがない.作者得意の時空を超えていくお話ですが,構造的には判りやすい.「宇宙オルガン」見てみたい.

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    2009年10月04日
  • バナールな現象

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    「葦と百合」のドロリとした質感からは一篇、砂漠のような乾いた無慈悲さや圧倒的破壊力を感じる作品。何が起こるわけでもないのに容赦がない。少しずつ少しずつ日常がおかしくなっていく、その静かさが逆に気持ち悪い。それらひっくるめてバナールな現象として片付けてしまう残酷さ。書かれたものは書かれた通りに存在する、それがイディオムであろうがレトリックであろうが、書かれた限り必ず存在する、それを念頭に置いておくのが、読者が唯一作者の暴力に対抗できる方法かも。いとうせいこう氏の解説が作品との相乗効果で非常によかった。

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    2009年10月04日
  • 葦と百合

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    ミステリを中心に話が進められていくんだけど、途中から虚構と事実がごちゃ混ぜになって、何が本当なの?って思いながら読み進めていくと意外な結末に到達。
    とにかく、著者に振り回された。

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    2009年10月04日
  • 虚傳集

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    架空の人物の伝記集。資料や同時代の人物の話などでもっともらしくしてある。
    剣術の話は面白かったが最後の話は将棋がわからないのでいまいちだった。

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    2025年11月16日
  • もの語る一手

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    将棋にまつわるアンソロジーとは知らず、青山美智子さんの名前を見つけ早速読んでみると1話目からジーンと来る。将棋が全くわからなくても一話一話引き込まれていく。もし将棋に詳しかったらもっとワクワクできるのかもしれない。
    実は貴志祐介さんのお話のオチが良くわからなくて解説が欲しかったが、ちょっと探しただけでは見つからなかった。
    「お前レベルの話はしていない」は大島版のみなので、芝版もあとで読んでみたい。

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    2025年11月13日
  • もの語る一手

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    読みにくい作品もあったけど。奨励会にいる人は、誕生日をめでたい日とは思わないや。「なれなかった人」がふむふむ。

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    2025年08月15日
  • もの語る一手

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    将棋を知ってたらもっと楽しめたんだろうなあというところが多かった
    なんもしらないからおそらく3割くらいだろうなと悲しいけど
    将棋は兵法ということはわかった

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    2025年08月06日
  • もの語る一手

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    ネタバレ

    【収録作品】
    「授かり物」 青山美智子
    「マルチンゲールの罠」 葉真中顕
    「誰も読めない」 白井智之
    「なれなかった人」 橋本長道
    「王手馬取り」 貴志祐介
    「おまえレベルの話はしてない(大島)」 芦沢央
    「女の戰い」 綾崎隼
    「桂跳ね」 奥泉光

    テーマは「決断」。
    藤井聡太さんを見ていると、ホントに楽しそうだからつい応援したくなる。だけど、実際中の人たちからしてみたらそんなものじゃない、……というのが伝わってくるアンソロジー。

    「女の戰

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    2025年07月13日
  • 旧約聖書がわかる本 〈対話〉でひもとくその世界

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    河出新書奥泉光対談3部作(今のところ)の中間。
    「この国の戦争」と「天皇問答」、それぞれの2倍くらいの厚み。
    ある程度の前知識は必要。
    ・小説として読む。とりわけ「ヨブ記」に紙幅を割いて。
    ・アジア太平洋戦争にも言及。現代に活かすのは対話ならでは。



    旧約聖書とは、問いかけ、働きかける姿勢があれば、驚くほど面白くなってくるテクストである。小説のように自由で、思想書のように挑発的なその本質をつかみ出す〈対話〉による入門。

    「あまりの面白さに、ベッドから跳ね起きてメモをとる。神を外部に創造し、人権を基礎づけた旧約聖書の真の姿がグッと身近に迫ってくる。」
    ――加藤陽子さん(東京大学教授/日本

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    2025年06月16日
  • もの語る一手

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    将棋をテーマにした、いろんな作家たちの短編集。
    将棋の対局やをテーマにしたものや将棋界の昇段試験のルールの厳しさ。作家それぞれ切り取り方は、違うが、ドラマの生まれやすい世界なんだと教えてくれる。
    対局の場面解説が多い小説は、正直頭の中はパニックになりそうだった。

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    2025年06月12日
  • 天皇問答

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    加藤陽子との対談「この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか」の、相手は代われど続編的な本。
    実は高校の頃は中上健次や大江健三郎、三島由紀夫、吉本隆明にカブレたクチなので、いろいろ考えたものだが、その後はとんと。
    実際天皇と聞けば必ず、もう何百回も思い出すのが、女子高生のツイート「「天皇誕生日おめでと あんま絡みないけど、素敵な82歳にしてね」の、唐突なブッコミ作法と、無知ゆえのフランクさと。
    で、その想起にこちらの頭も浸されてグズグズになったくらいに自分も落ちていたわけだが、その地点に片足置いて、またいろいろ考えるようになったのが、やっぱり文芸経由で、しかし四半世紀後に背中を押してくれているのは石

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    2025年06月09日
  • この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか

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    帯に、「神話」より「対話」を! とあるが、まさにそれ。
    人は歴史を物語として理解するが、その認知に落とし穴がある、という、冷静になればまあ当然の意見を、何度も、多方面から、手を変え品を変え、しつこく、投げかけてくるのが、奥泉光の小説だ。
    ネチネチ、しかしユーモラスに、文体の工夫、引用の多層性、書く人であると同時に読む人。
    ユーモアは奥泉光の生来の志向だと思うが、同時に認識をズラす(物語批判)ための意図的な武器でもある。
    その材料を提供してくれる歴史学者との対談が、面白くないわけがない。
    上のテーゼに加えて、改めて気づかせてもらったのが、軍部と国民の間に「社会」が挟まる時間的余裕が、日本の近代化

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    2025年06月02日
  • 虚傳集

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    評価は3.5かなー
    読み始めてしばらくして、ん?これは小説?それともノンフィクション?と混乱。ためしに主人公の名前などを検索してみる。やはり実在する人物ではなさそう。なので、やっぱりフィクション。それくらい評伝・紀伝っぽい。文章は淡々と論文みたいだし、劇的な表現や展開もない。
    でも、趣向として面白い。作品集のタイトルが『虚傳集』というのが、そのままを示しているなあと。
    私は最後に収められた『桂跳ね』が好き。いちばん小説っぽかったかも。

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    2025年04月26日