奥泉光のレビュー一覧

  • 文芸漫談 笑うブンガク入門

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    軽い文体(・・・漫談だから当然だけど)なのに、内容は深いかもしれない。

    「言葉は外からやってくる」とか、「破壊してからの再生」とか、「ねじれ」。
    外国文学では、詩が核となっているけど、日本ではそれがないので純文学がある。

    漫談ってよくわからないけど、とても楽しく読めた。
    読んでよかった、と思う本。

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    2013年02月04日
  • 鳥類学者のファンタジア

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    今まで読んだ「石の来歴」や「シューマンの指」は陰惨な空気を孕んだミステリだったのに、この本はクスリと笑える(そしてちょっと胸が熱くなる)SF小説だった。こんなのも書けるのか!とますます奥泉光が好きになった。分厚いけれどそんなの気にならなくなる話運び。

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    2013年01月17日
  • 小説の聖典

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    分類が難しいなあ。
    渡部直己の解説が楽しいということもある。し、文学について簡単に入れるんじゃないかとも思った。
    久々に文学っぽいものを読んだ気がする。

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    2012年12月28日
  • 石の来歴 浪漫的な行軍の記録

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    『浪漫的な行軍の記録』は南方の戦線で孤立無援になった日本軍兵士の行軍の記録だ。とはいっても著者は戦後の生まれのなので、もちろん体験談とは一線を画す。

     主人公は弾の出ない大砲(故障ではなく張りぼての大砲。もともと出ない)を上官の理不尽な命令により運び続けなければならない。大砲の名は「国体の精華」…なんと皮肉に満ちた名前だろう。『悪魔の辞典』に載せたいくらいだ。
     
     夢と現を行ったり来たりする描写が、「奥泉さん、またこんな書き方で煙に巻こうとして」と突っ込みたくなる。収束させる気があるのかいつも疑う。でもそこが面白い。
     扱っている内容は重いので、もしかしたらもっと深い読み方があるのかもしれ

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    2017年08月15日
  • 鳥類学者のファンタジア

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    ものすごい長かったけど、ユニークな語り口とフォギーの愛すべきキャラクターのおかげで、だれずに読めた。
    神霊音楽会が私の中でクライマックスだったけど(フォギーかっこいい!)、その後、各登場人物たちとの別れを丁寧に描かれていて、もうすぐ物語がおわるんだなーと思ったらとてもこの物語がいとしく感じた。ジャズは詳しくないので、ラストにちょっと置いてけぼり感を食らったけど、それでもとても楽しい読書だった。

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    2012年02月07日
  • 鳥類学者のファンタジア

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    すっごくおもしろかった、読んでて幸せ、読み終わっても幸せな感じ。これぞ、小説という感じ。ミステリ、歴史、ファンタジー、冒険、SF、ロマンス、哲学、宗教などすべてがつまっているし、場面ごとの雰囲気もすごく動きがあったり、静謐だったり、ほのぼのだったり。そしてとにかく主人公の36歳ジャズピアニスト、フォギーがものすごーく魅力的でファンになった!自分ツッコミが多いし、一見、浮ついているみたいだけど実は繊細で、柔軟性があって前向きで、いい人で、考えが深くて。ジャズの即興演奏は他人を受け入れることだ、とか、他人のために祈ること、とか、深く感じ入って共感するところがたっくさんあった。相棒の佐知子ちゃんもす

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    2011年09月18日
  • 文芸漫談 笑うブンガク入門

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    楽しく読めて、そして楽しく勉強になりもうした。

    ここから膨らませなくてはなりません。
    それは自分でシマス。

    私もアホな読解者になっているような気がします。

    育て、自分。

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    2011年03月02日
  • 文芸漫談 笑うブンガク入門

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    やっと読み終わりました。

    まだまだ初心者の私には読んでいな本や

    知らない作家が多く読み進めるのに苦労いたしました。

    もっといろいろなことを知りたい、もっといろいろな本が読みたいと思わせてくれました。

    多分もっと本を読んでから読んだら、もっとわかると思います。

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    2009年10月04日
  • 鳥類学者のファンタジア

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    面白かった!!!!本読んでわくわくする気持ちをひっさしぶりに味わったかのよーでした。
    奥泉さん初めて読んだけど、これから読んでこ〜っと。
    ベートーヴェン様がカッコよくって大満足☆(そこですか)

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    2009年10月04日
  • 鳥類学者のファンタジア

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    ネタバレ

    ウダツのあがらない30代負け犬ジャズピアニストのフォギーが、「オルフェウスの音階」に導かれ戦時下のドイツに至る大冒険譚。

    「ロンギヌスの石」やら「フィボナッチ数列」やら、神秘的なモチーフの断片が散りばめられ、しまいにはオクイズミヒカルまで出現する荒業のメタフィクション。

    根底に流れる遊び心満載のジャズ魂から発せられる、人を食ったような展開にまるめこまれながら読んでいくのが気持ちよくてたまんないです。
    何よりも、自由闊達に動き回るフォギーの魅力にヤラれました。

    中盤の、祈りについてのフォギーの考察は胸に迫るものがありました。
    特定の信仰、民族、文化を超えて、祈るということの意味を考えさ

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    2011年09月29日
  • 文芸漫談 笑うブンガク入門

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    漫談を文章にしてるんで、空気感とかわからんのが悔しい!

    書籍好きな人ならニヤニヤしたり大爆笑したりできるのではないかと。
    思い出したように読んで笑ってます。

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    2009年10月04日
  • 鳥類学者のファンタジア

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    時空を超えるSF小説。

    奥泉光は、昔、「葦と百合」を読んで、小説であることを意識したややこしい小説を書く人だな、と思ってたんだけど、今回のは読みやすい。ストーリーを追ってくだけで面白いし、その中に出てくる思想も好き。教会で祈るシーンでは、ああ素敵だな、と思った。何度も読み返したい。

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    2009年10月04日
  • 鳥類学者のファンタジア

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    演奏家としての経験は学芸会ぐらいしかなくて、音楽用語なんてからきしなのだけれど、いい音楽小説は、用語がわからなくても聴こえてくる。

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    2009年10月04日
  • もの語る一手

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    ネタバレ

    綾崎隼さんが将棋のアンソロジーに寄稿してると聞いては読まないわけにはいかない!
    今回の綾崎さんの作品は、「僕らに嘘が一つだけ」の2人と同世代の朱莉さんが主人公。もう一度僕らに〜も読み返した上で、こちらも読み返したいな。

    一話目は青山さんのお話らしく、前向きな気持ちになる門出の話。
    葉真中さんは初読み。ただただ少年の手腕に鳥肌。
    弟子にしたかった少年を冤罪から救うという白井さんの話にはびっくり。そういう将棋との絡め方もあるのか。
    橋本さんも初読み。この一戦を勝てば夢が叶うという相手への対応って悩ましい。そこで手を抜かれて夢を叶えること、本気で相手してもらって破れること。
    芦沢さんは気になってい

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    2025年11月24日
  • もの語る一手

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    祖父に誘われても覚えきれなかった将棋。そんな私でもすごく楽しむことができた。青山さんと貴志さんのものは特に楽しめました。アマチュア(将棋教室)から的中屋、女流棋士と将棋1つを取ってもいろんな話が出来上がるのはすごい!しかも皆さん超有名な作家さん。1冊で得できました。

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    2025年09月29日
  • 死神の棋譜(新潮文庫)

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    将棋✕ミステリという珍しい組み合わせで斬新でした。特に最終盤に向けてゾクゾクするような展開が良かった。「龍神棋」という架空の将棋が初めは理解できなかったが、AIが浸透し正解が分かるようになった現代の将棋界において、それでも人間が指すということの意味や重さを表現しているのかなと感じた。ただマニアックな表現や過去の大棋士たちの名前も登場するので、多少なりとも将棋について知っているとより楽しめると思う。

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    2025年09月26日
  • 旧約聖書がわかる本 〈対話〉でひもとくその世界

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    旧約聖書の専門で神学者の並木浩一とその教え子で芥川賞作家の奥泉光両氏による対話形式の解説書。
    他のどの民族や人種とも違う「ユダヤ人」を生み出したユダヤ教を旧約聖書を読み解きながら探っていく入門書。
    教徒に厳しく試練を与え続ける物語は、なるほど国土というものを持たずに何千年も続いてきたその歴史を裏付ける説得力を持つなぁと感心。

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    2025年09月20日
  • 虚史のリズム

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    1065ページ!何とかならんか!これに尽きる。
    いくら興味深いからといっても、さすがに修行であった。
    虚実ないまぜ、時空は歪み、面白げな登場人物が、太平洋戦争前後の世界を、日本を行き来するわけなのだが、三分のニくらい読み進んだところくらいから、何でもいいから早く決着をつけてくれ、という願いの方が、頭の中の想像世界を押しのけていたような気がする。
    グランドミステリー以来の奥泉光。あの時はもっと夢中で読めていた記憶が。
    脳が老いたかも。
    恐ろしいことにあれは20年前の読書体験だったのだと知り、こっちの時空も歪んだ。

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    2025年09月15日
  • シューマンの指

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    指を失ったはずのピアニストを巡るお話

    以下、公式のあらすじ
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    音大のピアノ科を目指していた私は、後輩の天才ピアニスト永嶺修人が語るシューマンの音楽に傾倒していく。浪人が決まった春休みの夜、高校の音楽室で修人が演奏する「幻想曲」を偶然耳にした直後、プールで女子高生が殺された。その後、指を切断したはずの修人が海外でピアノを弾いていたという噂が……。
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    主人公である里橋優の手記という形で大部分が描かれている
    社会人になってから届いた昔の友人からの手紙
    指を失ったはずの天才ピアニストMasato Nagaseが

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    2025年07月24日
  • もの語る一手

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    将棋をテーマに書いた作家さんのアンソロジー。
    それぞれ違ったタイプの世界観に入り込めてよかったです。貴志祐介さんの作品は謎解きみたいで好きでした。

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    2025年07月12日