奥泉光のレビュー一覧

  • 鳥類学者のファンタジア
    面白かった!!!!本読んでわくわくする気持ちをひっさしぶりに味わったかのよーでした。
    奥泉さん初めて読んだけど、これから読んでこ〜っと。
    ベートーヴェン様がカッコよくって大満足☆(そこですか)
  • 鳥類学者のファンタジア
    ウダツのあがらない30代負け犬ジャズピアニストのフォギーが、「オルフェウスの音階」に導かれ戦時下のドイツに至る大冒険譚。

    「ロンギヌスの石」やら「フィボナッチ数列」やら、神秘的なモチーフの断片が散りばめられ、しまいにはオクイズミヒカルまで出現する荒業のメタフィクション。

    根底に流れる遊び心満載の...続きを読む
  • 文芸漫談 笑うブンガク入門
    漫談を文章にしてるんで、空気感とかわからんのが悔しい!

    書籍好きな人ならニヤニヤしたり大爆笑したりできるのではないかと。
    思い出したように読んで笑ってます。
  • 鳥類学者のファンタジア
    時空を超えるSF小説。

    奥泉光は、昔、「葦と百合」を読んで、小説であることを意識したややこしい小説を書く人だな、と思ってたんだけど、今回のは読みやすい。ストーリーを追ってくだけで面白いし、その中に出てくる思想も好き。教会で祈るシーンでは、ああ素敵だな、と思った。何度も読み返したい。
  • 鳥類学者のファンタジア
    演奏家としての経験は学芸会ぐらいしかなくて、音楽用語なんてからきしなのだけれど、いい音楽小説は、用語がわからなくても聴こえてくる。
  • 漱石漫談
    夏目漱石の作品について、筆者の二人が対談する本。

    自分の好きな作品が多くて嬉しかった。やっぱ「猫」はサイコーですよね!「門」もいいよね!「坑夫」好きだっていう意見は今まで見なかったから、同じ意見で嬉しい!
    夏目漱石の作品を読み込んでるんだろう二人の意見はとても参考になった。夏目漱石はコミュニケーシ...続きを読む
  • 雪の階(上)
    226事件を全く考えもしない角度から描いた傑作長編です。時代背景と当時の社会の焦燥感、熱気、思惑を重低音のように響かせながら、身分の違う二人の女性が一つの事件を追います。まるで冬の木立のような貴族の姫君の魅力と力強く羽ばたく市井の女性の活動力、明かされる秘密となお残る疑問。本当に不思議な魅力を持った...続きを読む
  • グランド・ミステリー
    入り組んだ構造で、くらくら目眩がするような小節。
    一度読んだだけではよくわからないところもあるが、面白くて一気読み。
  • 死神の棋譜(新潮文庫)
    将棋は知らんし……と敬遠していたが、次を読ませる展開に乗せられて一日で読んでしまった。
    さすが奥泉の筆力。
    例によって例の如く冴えない中年男性が語り手だが、クワコーシリーズのユーモアよりは、ややシリアス。
    というか暗い。
    もともと奥泉光って、たぶん根が暗い、というかペシミスミティック。
    それを糊塗す...続きを読む
  • 死神の棋譜(新潮文庫)
    幻の将棋をめぐる、ある意味狂気の物語。視点人物である主人公が途中から半ば狂っているので、どこまでが現実でどこから夢、妄想なのか境界がつかめない。それでいて物語にはぐいぐい引き込まれて行きます。
    解説でも書かれていますが、映像化されると面白いかも。
  • シューマンの指
    最後の数ページの衝撃が凄かった…
    音楽のこと、シューマンのことをかなり知っていないと楽しんで読めないかもしれない
    私の友達は途中で断念していた
  • 旧約聖書がわかる本 〈対話〉でひもとくその世界
    神とは。多神教のそれとは大きく異なる。多神教は王(権力)と直接結びつくが、一神教はそうではない。
    人間は特権を与えられ、自由であり、その責任が求められる。旧約聖書の内容に少し触れられたと思う。
  • 雪の階(上)
    以前から読みたかった作品。

    昭和10年、松平侯爵邸で開催されたサロンコンサートの場面から始まる。
    雰囲気的には、どうしても三島由紀夫を思い出す。
    が、そこで語られるのは青年貴族の内攻でもなく、輪廻転生のロマンでもない。
    一人の女性の死を糸口に展開するミステリーなのだ。
    ちょっとびっくり。

    華族の...続きを読む
  • 雪の階(下)
    上巻に引き続いて、一気読み。
    体に障るというのに…。

    千代子と蔵原による調査は進展する。
    寿子のはがきに押されていた消印は仙台、けれど死体が見つかったのは青木ヶ原。
    時刻表と路線をめぐるミステリーの様相を帯びる。
    『点と線』かいな。

    寿子の死に関わりそうな人物が鹿沼の紅玉院の庵主を信奉するという...続きを読む
  • 男性作家が選ぶ太宰治
    中村文則さんのエッセイを最近読んだので、その繋がりで読みました。

    太宰治の人となりについてはほとんど何も知らないので、読む前の勝手なイメージでは「気難しく人嫌い」な人かと思っていましたが、作品を読むと「ユーモアの感覚もあって、実際に話せばあんがい話好きな人だったんじゃないか」という印象を受けました...続きを読む
  • この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか
    歴史学者と歴史物語を批評的に読む小説家が対談という形で、太平洋戦争とは何か、なぜ始めたのか、なぜ止められなかったのかについて、太平洋戦争に関する書籍の紹介について語っている。当事者の日記やメモ、書簡、様々な書籍から太平洋戦争について詳細に解説されており、映画やドラマなどで流布している物語的な歴史とは...続きを読む
  • この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか
    「物語なしに現実というまのを認識できない仕組みの中に生きている」
    戦争を正当化する「わかりやすい物語」が必要だったに納得。
  • この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか
    想定読者層はある程度の時代背景の知識画求められているのだろう。手とり足取り噛み砕いて話をしてくれる訳ではないが、明確かつ端的なやり取りは腹落ちもいい。
    歴史を単層的かつ都合よく物語化することの危険性は、まさにその通りだと思う。日本だけではなく世界中で同じような傾向が発生しているように感じている。とて...続きを読む
  • シューマンの指
    この作家の本は初めて読んだが、面白かった。

    シューマンの楽曲に関するいろいろ(うんちく)はほぼ飛ばし読みではあったが、ついついつられて音楽を探して聴いてしまった。あー、この曲もこの曲もシューマンだったのかと音楽に疎い私は恥ずかしくなりました。
    完成された音楽を演奏するというのは、完全なものの一部だ...続きを読む
  • 雪の階(下)
    単行本の分厚さと素敵な装丁から既に漂う、物語の重厚感に惹かれ手に取ったものの、予想を遥かに上回るその多層性と荘厳さに面食らったのが第一印象。なにより一文が長いこと長いこと。直前までアガサ・クリスティーを読んでいたので慣れるまでちょっと時間がかかったけど、慣れてしまえばリズム感も良く噛みごたえ抜群な文...続きを読む