奥泉光のレビュー一覧
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簡単に言うと二人の女性(女の子?)が1944年のドイツにタイムスリップして、そこで右も左も分からない中で猫やピアノと格闘しながら宇宙の真理や祖母の秘密を探る話。軽妙、不可思議、神秘的!
ジャズのCDをゆるくかけながら読むのにふさわしい本だった。勢いがあり弾けて流れるように続くユーモア溢れる文章、が...続きを読むPosted by ブクログ -
3流私大准教授のドタバタ自虐コメディ風ミステリ
「なんか、この話し知ってるぞ!」と途中で気付いた
前にドラマ化してたんだよね
主演が佐藤隆太で倉科カナと桜庭ななみが出てたやつ
教師陣はまともな人間がいない(笑)
学生も学生でFランの大学生のイメージそのまんま
太文字になっているところがあって(あ...続きを読むPosted by ブクログ -
久々の、得体の知れない面白さ。川越高校~ICU出身の芥川賞作家による、文庫で940ページ、1,300円の小説。解説で二人の作家が実に優れた紹介文を書いているので引用。
・「この人、まじで天才や…」(三浦しをん)
・「本格ミステリのモチーフと戦記文学の背景とSFの設定を借り、現代文学の方法論を使って...続きを読むPosted by ブクログ -
最初は、桑幸の影がうすいと思ったけど最後まできたら開き直って泣いたり、生徒に助けを求めたりが可愛く見えてきた。内容は結構、本格。Posted by ブクログ
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ほぼ女子大の准教授だが、徹底的になさけない主人公。
主人公の周りで発生した身近な事件を、文芸部の女子学生が解決するのだが、主人公はおろおろとするばかり。
時代の風を感じさせる言葉やエピソードが織り込まれながら、田舎の自然や地方色も絡み、混然としかも軽く話が進んでいく。
気楽に読みながら、あちこち...続きを読むPosted by ブクログ -
沈没寸前の短大から何とか抜けだし、千葉の底辺大学の准教授として赴任したクワコーこと桑潟幸一。
相変わらず風采も上がらずやる気もないクワコーだったが、教授職とは思えない超低収入に節約生活を余儀なくされ、顧問となった文芸部の生徒達に研究室を占拠されたり、教授達の派閥抗争に巻き込まれ使いっぱしりをしたりす...続きを読むPosted by ブクログ -
「モーダルな事象」に続く、クワコー(=桑潟幸一准教授)シリーズ(?)の第二弾。
前作はユーモアミステリ的な要素とホラー的な要素が融合した不思議な作品だったが、今作はひたすらユーモアミステリに徹しており、とにかく笑えました。
芥川賞作家であり、ミステリー畑でも「グランド・ミステリー」のような大傑作を書...続きを読むPosted by ブクログ -
これはやっぱり 凄い!のひとこと。
結構以前から奥泉氏は すきでしたが、これは なんか つききれてる感じ。
種々の要素がからみあい、それでいて、シンプル?な主題をつきつめた一品
文体も結構きにいってます。
しかしこのプロットは 計算してこうなってるのか、素?でこうなってるのか。。。いずれにしても凄...続きを読むPosted by ブクログ -
漫談という形式で文学を語る。この形式だから、整理されていないまだ理論化されていない思いが文字として固着される。「無意識は他者だと思って良い」とか「のでってのが物語なのでもういやだ。」とか。とっても素晴らしい本でした。続編も読んでみよう。Posted by ブクログ
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いままで著者の奥泉光に対する印象は「理屈上は面白いが体感はイマイチ」「他人から説明してもらうとすごく面白そうなのに、自分で読むとそこまでではない」というもの。2、3冊しか読んでない段階での感想だけど、それ以上は追いかけなくてもいいか、と判断していた。
それがこの『グランド・ミステリー』でかなり変わっ...続きを読むPosted by ブクログ -
これはミステリー?歴史改変小説?それとももしかしたら伝奇小説?
太平洋戦争を背景に、ジャンルを超え、渾然一体となって、話が進んでいく。
確かに、『真珠湾攻撃の直後、空母に着艦したパイロットの不可解な死』の謎解きから始まるが、読み進む内に揺さぶられ、何が何だか分からなくなってしまい、一気に結末まで来...続きを読むPosted by ブクログ -
☆4
「フォギー」ことジャズ・ピアニストの池永希梨子は演奏中に不思議な感覚にとらわれた。柱の陰に誰かいる…。それが、時空を超える大冒険旅行の始まりだった。謎の音階が引き起こす超常現象に導かれ、フォギーはナチス支配下、1944年のドイツへとタイムスリップしてしまう―。めくるめく物語とジャズの魅力に満ち...続きを読むPosted by ブクログ