雪の階(下)
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雪の階(下)

小説・文芸
946円 (税込)

4pt

親友の死は本当に心中だったのか。天皇機関説をめぐる華族と軍部の対立、急死したドイツ人ピアニストと心霊音楽協会、穢(けが)れた血の粛正をもくろむ「組織」(グルッペ)……。謎と疑惑と陰謀が、陸軍士官らの叛乱と絡み合い、スリリングに幻惑的に展開するミステリー。柴田錬三郎賞、毎日出版文化賞をダブル受賞、「週刊文春」「このミステリーがすごい」「ミステリが読みたい」ベスト10入り!〈解説〉加藤陽子

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    中央公論新社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    中公文庫
  • タイトル
    :
    雪の階
  • タイトルID
    :
    904540
  • ページ数
    :
    432ページ
  • 電子版発売日
    :
    2021年01月29日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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雪の階 の一覧

1~2巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~2件目 / 2件
  • 雪の階(上)
    880円 (税込)
    昭和十年。華族の娘、笹宮惟佐子は、富士の樹海で陸軍士官とともに遺体となって発見された親友の心中事件に疑問を抱き、調べ始める。富士で亡くなったはずの寿子が、なぜ仙台消印の葉書を送ることができたのか。寿子の足どりを追う惟佐子と探偵役の幼馴染、千代子の前に新たな死が……。柴田錬三郎賞、毎日出版文化賞をダブル受賞、「週刊文春」「このミステリーがすごい!」「ミステリを読みたい」のベスト10入りを果たした傑作。
  • 雪の階(下)
    946円 (税込)
    親友の死は本当に心中だったのか。天皇機関説をめぐる華族と軍部の対立、急死したドイツ人ピアニストと心霊音楽協会、穢(けが)れた血の粛正をもくろむ「組織」(グルッペ)……。謎と疑惑と陰謀が、陸軍士官らの叛乱と絡み合い、スリリングに幻惑的に展開するミステリー。柴田錬三郎賞、毎日出版文化賞をダブル受賞、「週刊文春」「このミステリーがすごい」「ミステリが読みたい」ベスト10入り!〈解説〉加藤陽子

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雪の階(下) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    上巻に引き続いて、一気読み。
    体に障るというのに…。

    千代子と蔵原による調査は進展する。
    寿子のはがきに押されていた消印は仙台、けれど死体が見つかったのは青木ヶ原。
    時刻表と路線をめぐるミステリーの様相を帯びる。
    『点と線』かいな。

    寿子の死に関わりそうな人物が鹿沼の紅玉院の庵主を信奉するという接点も浮かび上がる。
    惟佐子は巻き込まれながらも、わずかなところで彼らの企図を妨害する。
    そして、二・二六事件が起こり、その人物は志を遂げることなく滅ぶことになるのだが…。

    「日本人は自ら滅びたがっている」という「彼ら」の主張は、しかしその後の歴史を考える上で、なんとも苦い味わいをもってよみがえってくる。
    どう考えてもおかしい選択を、歴史上私たちはこれまでにもしてきてしまっているわけなので。

    0
    2023年01月09日

    Posted by ブクログ

    戦前の身分社会を強く感じる内容で、都市の暮らす者と田舎で農業をしているものとの格差の大きさもあわせて思い知らされる内容である。
    自動車で送り迎えしてもらう華族の娘と普通に喫茶店で打合せをする職業を持つ娘。
    一方では、凶作で食すことさえままならないことのある田舎。
    それを、不満に思う軍人と226事件。

    0
    2021年12月02日

    Posted by ブクログ

    1930年代、軍部が不穏な方向へと傾斜していった頃、それでもまだ日常は平穏で、昭和初期の優美で華やかな風俗の中、男女の心中事件から物語は展開していく。

    女学生の惟佐子は、友人が心中などするはずがないと、真相を探っていく。
    当の惟佐子は器量も良く、囲碁や数学を物するいわゆる天才で、ただ最初は少し変わった清廉な才女との印象だったが、物語が進行していくにつれ、妖艶で、謎多く、簡単には理解できない様相を帯びていく。
    それと共に、物語の進行には、惟佐子の幼時の「お相手さん」であった千代子と、蔵原が据えられていく。

    とにかく着物や風景の描写など、当時の言葉、単語が選ばれ、これ以上ないほどに精緻に結ばれている感じが秀逸で、類例のない読書体験だった。

    特に惟佐子は魅力的で、その人物像の変化、紅茶に「融解度限界まで」の砂糖を所望する印象的な描かれ方から、次第に物語の周縁に置かれ、その謎と魅力に引き込まれるように展開していった末、最終的には登場すらしなくなる様は、もっと惟佐子の描写を読みたい気持ちを希求され、惹き込まれていったように思う。

    普通のミステリーものとは違い、真相解明もわかりやすいものではなく、雪の階での惟佐子の目撃と気付きによってすべてが一気に判明してしまう点は特徴的だったが、その後の惟佐子がどのように生きて行くのか、千代子と蔵原の結婚生活がどうなって行くのか、続編が是非読みたいと思いました。

    0
    2021年08月26日

    Posted by ブクログ

    面白かった。こんな作者がいたんだな。時代的にあり得なくはないんだろうけど、まさか、二・二六事件に結びつくとは。途中はスパイ小説の如きになったから、それはそれで面白かったのだけど、最後は蔵原という記者を退職して出版社に転職した男が、惟佐子の「お相手さん」の千代子にプロポーズしたところで終わるのが良かった。

    0
    2021年08月18日

    Posted by ブクログ

    親友の心中事件をきっかけに、華族の娘が時代の奥へ踏み込んでいく物語です。
    昭和初期の空気の重さと、整っていた世界が静かに崩れていく感覚を抱えながら読み進めました。
    気高さと危うさを併せ持つ惟佐子の視点に引っぱられる一方で、登場人物や思想の層が厚く、正直ついていくのに体力を使う場面もあります。
    展開も親切とは言えず、どこか掴みきれないまま進む感覚に戸惑う瞬間もありました。
    それでも、親友の死を追っていたはずが、いつの間にか時代そのものの歪みに触れていく流れは強く印象に残ります。
    読み終えたあと、真実に近づくほど足元が冷えていくような感覚だけが残りました。

    0
    2026年07月30日

    Posted by ブクログ

    よくこんなかけるなぁって思うくらい緻密にことがえがかれている。
    戦争の始まる前の不穏な空気。少し癖になった。

    0
    2025年04月16日

    Posted by ブクログ

    上巻に引き続き、漢字の多さと面白い事を堅苦しく言う表現は面白いと思う。
    謎の所が解明されていくので惹き付けられるが、何となく読むペースが上がらなかった。
    根幹の部分が少し飛躍し過ぎていると思う。

    0
    2021年04月07日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    さすが奥泉氏という作品。文章は上手いしストーリー、小物から情景描写までいやらしいところなく丁寧に描かれている。どうやったらこんな文章が書けるのだろうという思いがするし知識量も比類なきものを感じる。
    ストーリはいよいよ佳境を迎え上巻で伏線として張られていた兄惟秀、伯父白雉博允、紅玉院が回収される。途中よくある神話的妄想の世界に取り込まれるかに見えた惟佐子が最後に客観化されるあたりや、蔵原と千代子のシーンで日常に戻して幕にするストーリーの構成はお見事というほかない。
    これでいてビビビ・ビバップのような作品も書けてしまうんだからなあ・・・。惜しむらくはグローバルで受ける内容ではないので世界の人が知るには至らないことぐらい。そんなこと作者は一切考えていないだろうけれど。

    0
    2021年11月21日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    単行本の分厚さと素敵な装丁から既に漂う、物語の重厚感に惹かれ手に取ったものの、予想を遥かに上回るその多層性と荘厳さに面食らったのが第一印象。なにより一文が長いこと長いこと。直前までアガサ・クリスティーを読んでいたので慣れるまでちょっと時間がかかったけど、慣れてしまえばリズム感も良く噛みごたえ抜群な文体。古めかしい言い回しは時代を意識してなのか、作家さんの特徴なのかは分からないけど(まあ多分時代設定の一環)、物語の重厚感と登場人物たちの立体感を表現するのに抜群な効果。寿子の情死事件、政治家の小賢しい謀計、それにのせられる若き陸軍士官たちに愚かな民衆、日本をうっすらと覆う太平洋戦争直前の狂おしいほどの不穏な熱気と、その膜に気付かず粛々と生きる人々との対比、あらゆる層が折り重なって、ミステリーでありながら全く骨太な歴史小説でもある、その存在感たるや。

    徹底した客観描写が印象的。語り手の冷徹な視線は、読みながら歴史の勉強をしているような錯覚さえ起こさせるが、だからこそ稀に表れる心理描写が重く痛切で、否応なく物語に巻き込まれる(久慈中尉と黒河の感情は特に痛かった、、、)。加えて、絶妙な塩梅で事実にフィクションを交える手腕は見事。笹宮伯爵なんて、彼の矮小さ人間らしさも踏まえて存在しなかったのが不思議なくらいの立体感。

    そしてなによりヒロインが魅力的。重ねて強調される容姿の美しさはさることながら、物語の終盤、なにより残酷な復讐をこの女なら平気な顔でやり遂げるであろうと思わせる人物像を、徹底して創り上げる緻密さと、それほどの悪女であるのに嫌悪感を抱かせない、寧ろ女性でありながらこの時代によくぞこれほどのマイペースを貫けるなと感心させる、その厚顔さが頼もしい。始終シリアスで重々しいのに、惟佐子が食い散らかした男どもがそうとは知らずに一堂に会する場面は本当にめっちゃ面白かった。だからこそ、もう一人のヒロインと言って差し支えないであろう千代子の平凡な愛くるしさと、可愛らしい恋愛模様に癒される。このダブルヒロインのコンビがはちゃめちゃ良かった。千代子がいなかったら惟佐子はただ美しいだけのロボットみたいに冷たい女だもんな。

    物語の核でもある、二・二六事件の動機は正直荒唐無稽すぎてどうかなと思ったけど、皇室に対する認識が当時も一枚岩ではなかったのだろうと考えさせられる種にはなった。思えば当たり前だけど、天皇=神であるという狂信的な日本人ばかりではなかったのに、どうしてああいう歴史を辿ってしまったのか、今が平和な時代だと思っている私たちこそ熟慮しなければならない。飛び交う言葉が如何に力を持っていようとも、それが真実とは限らないのだということを、いつでも考え続けなければならないと思う。

    「一君万民の理想はおのずと実現する。我々はおのずとなることのために死ななければならない。」という久慈中尉の言葉には芯からの日本人を感じたし、父親そっくりの卑小さに無分別を備えた惟浩の、四面四角で狂信的な士官候補への変貌、教育によるたった半年での人格矯正には恐怖を覚えた。千代子の結婚話で物語は結びを迎えるけれど、その後の日本の歴史を知る身としてはなんとも不穏な雰囲気を拭いきれない。作家の手のひらの上で踊ってる感がすごい。

    というか神人の血筋云々は妄念だとして、「アインシュタインは敵に回すべきじゃない」とか、折々垣間見る焼けた大地の幻影とか、明らかに未来予知的な能力を惟佐子は持ってるけど、これは惟佐子のミステリアス設定のためだけの要素だったんだろうか。分からない。レビュー読み漁ろ。この人の現代小説も読みたいな。

    0
    2021年10月31日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読みながら感じたり、、読後ネットで調べて知ったりした、参照すべき過去作品は、
    武田泰淳の「貴族の階段」、松本清張の時刻表ミステリ「点と線」と「神々の乱心」、まあ夏目漱石「こころ」。
    野間宏「暗い絵」、谷崎潤一郎「細雪」、三島由紀夫「春の雪」と「奔馬」。
    ヴァージニア・ウルフの「三人称複合多元視点文体」。
    単純に2・26事件ということでは、宮部みゆき「蒲生邸事件」、恩田陸「ねじの回転」。あとは北村薫に「鵞と之」という作品があるらしい。
    「意図的な梯子はずし」という点で、ウンベルト・エーコ「フーコーの振り子」。
    北一輝。大江健三郎。
    個人的にはちょうど私的押井守映画祭をしているので、「機動警察パトレイバー2theMovie」も。

    何よりもまず文体の芸。これぞ奥泉。
    一文の中で、誰がどうしたと見た誰がどう思うだろうと誰は感じたが誰はこうだった、と極端な場合は助詞ごとに視点がころころ入れ替わる。
    奥泉だからこそそれを格調高さと感じさせるのが可能なのであって、素人がやると悪文甚だしい。
    作者は任意に各個人の視点に憑依し、と思いきや別の人物に移り変わる。
    この移り気や飄々ぶり、今までは奥泉的人物(アイロニカルでユーモラス)描写だったが、それが文体にまで及ぶとは。
    また場面設定としても、夜の落ち着いた部屋で、昼のあの出来事を思い出す、とか、数日前にあの人に話した内容を、そのとき目の前にいた人に話したことを、いまになって思い出している、とかいう、とにかく迂遠。
    それが華族の生活様式を描写するためのものなのか、華族らしい落ち着きぶりを浮き立たせるのか、安楽椅子探偵ってそんなものなのか、まあ独特。
    事件! 突入! 闘い! はここにはない、思い出すとか、思い出しつつ語るとか、聞きながら想像するとか、核心に迫ったり離れたり、そりゃ上下巻になるわ。
    さらにいえばちょくちょく惟佐子の幻視が差し挟まれる。
    これこそが奥泉流ファンタジー(「鳥類学者のファンタジア」とか)に行くんだろうと思いきや、……。
    そこもまた迂遠さ、文体の工夫、長さ、それ自体が批評性を持っているということなんだろう。
    やっぱり凄い。

    0
    2021年04月07日

雪の階(下) の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    中央公論新社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    中公文庫
  • タイトル
    :
    雪の階
  • タイトルID
    :
    904540
  • ページ数
    :
    432ページ
  • 電子版発売日
    :
    2021年01月29日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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