虫樹音楽集

虫樹音楽集

小説・文芸
649円 (税込)

3pt

3.7

ジャズ全盛の1970年代。サックスプレイヤー通称「イモナベ」は、『孵化』というライブを全裸で演奏して以降、精神に変調をきたしたとの噂と共にジャズシーンから姿を消した。ところが1990年、小説家になりたての私は『変態』と題されたライブチラシを見つける。イモナベの行方を尋ねた「私」が見たのは絶対にありえない戦慄の風景だった。カフカ『変身』とジャズを見事に融合させた傑作連作短編。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    虫樹音楽集
  • タイトルID
    :
    362757
  • ページ数
    :
    312ページ
  • 電子版発売日
    :
    2016年03月04日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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虫樹音楽集 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    面白い構造を持った連作短編集。カフカの「変身」をモチーフにしてるんだけど、プロの作家は凄いね。
    ジャズマンがいて、彼を主人公とする小説があり、彼の演奏の評論集もある、作品内での現実と小説、評論が交錯しながらストーリーは物語られれていく。連作短編集だから当然だけど、作品が進むにしたがって、謎が浮かび上がってくる。これもなかなかに幻惑的でいい。

    0
    2021年06月05日

    Posted by ブクログ

    数年後に再読するであろう自分に伝えたいのは、これは9曲入ったアルバム(ブートレグ含む)を聞くように読め、ということだ。

    初出とは順番がシャッフルされている。
    結果、フィクション風→ルポタージュ風→フィクション風→……、と多少なりとも意味や作為を読み取れるようになっている。

    また読み進めるほどに、
    ・化石の宇宙飛来説、宇宙樹、虫の声を代弁
    ・暴力の予感(「変身」の最初の文「気がかりな夢」)
    ・音楽、変態性欲、崇高への眼差し、変態=人間からの断絶(宇宙へメッセージを放つために、宇宙樹に文字を掘る→肉体に傷をつける、とパラレル)
    とモチーフは過去の奥泉作品と通じていく。

    さらに小説の構成として、
    ・(イモナベと私、の対関係、にはならず、)イモナベ→カフカ→畝木→私、と焦点が強く当たる人物は、揺らいでいく。
    ・小説家「私」VS小説家畝木、か?(謎の人物……畝木が書いた小説の作中人物が飛び出してきて、作者を傷つけ殺した、そこにおいて渡辺柾一は演奏者に過ぎない?)
    という勘繰りも。
    これも多様な文章で読者の理解を揺すってていく、という奥泉作品の手法だ。
    私自身の存在を根底から揺らがせる、ミステリの形式を借りた実存疑惑。
    ここにおいてはカフカよりも、メタフィクションを先取りしていたボルヘス。

    以上の奥泉的作風が、本作においては幸せなマリアージュをしている。すなわち青春期の回顧あるいは挽歌だ。
    往々にして自身をフィクション化する癖のある作者(余談だが大江も)が、自らの青春期を書くときに、大長編大河もの涙ぐしゅぐしゅがっぷり四つ思い入れたっぷり、に書くわけがない。
    あくまでも軽やかに、即興的(アドリブ、インプロヴィゼーション)に、断片的(フラグメント)に。
    これが結果としてアルバムのようになるのだ。

    作者の挽歌的思いは、たったひとこと「あえて笑いたい。それがはなむけだから」に結実する、ここが感動的なところだと個人的に思う。
    ヒッピームーブメント、ニューエイジ思想、アングラな舞台芸術、これらはいわば内面変容や肉体変容を信じていた当時の「生真面目な」感覚があったからこそ。
    だから、大勢の客の存在を前提としたコンサートではなく、客は少数あるいはゼロでも、パフォーマンスを行うことに意味がある、という感覚が、80年代末まで保ち続けられていた、という事実に、ぐっとくる。
    ポストモダンの狂騒と軽薄さに突入する以前の「あれら」への挽歌でもあるのだろう。
    笑おう、笑ってやろう。(カフカは「変身」の朗読会で笑いを抑えられなかったとか。)
    笑ってやることでしか整理できない青春、という感覚は、著者より若手の私にもあるし、今でもそうなのでは。

    補足。筒井康隆。山下洋輔。高野悦子。森田童子。寺山修司。天井桟敷。初期澁澤。などなど連想した。思えば三島は結局1970年で自らケリをつけたのだ。
    あの「湿った」「情念的な」時代の文化の感じは、80年代生まれ90年代育ちにとっても、なぜだか懐かしい。
    不協和音に安らげる感覚、とも。

    0
    2018年09月05日

    Posted by ブクログ

    理解は出来ないけど、不思議と引き込まれるこの文章力は何なのでしょう?
    ジャズはわからないし、虫も嫌いだけど、この何とも言えない感じは好きです。

    0
    2016年02月04日

虫樹音楽集 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    虫樹音楽集
  • タイトルID
    :
    362757
  • ページ数
    :
    312ページ
  • 電子版発売日
    :
    2016年03月04日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
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