【感想・ネタバレ】夏目漱石、読んじゃえば?のレビュー

あらすじ

『吾輩は猫である』は全部読まなくていい!『坊っちゃん』はコミュ障主人公!?『それから』に仕掛けられた謎を解こう!漱石を愛してやまない作家・奥泉光が、名作を面白く読む方法、伝授します。

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Posted by ブクログ

夏目漱石読んじゃえば?
ちょっと変わったタイトルの本書は漱石の10作品を取り上げてそれらにあった読み方を提案している。
提案というよりも指示に近いか。
文章の書き方も妙に上からっぽいので何故だろうと思っていたら河出書房の「14歳の世渡り術」というシリーズの中の作品だった。
中学生向けね。
とはいえかなり参考になった。
もう一度視点を変えて漱石さんの作品を読んでみようと思ったし、読書一般に関しても今までと違った読み方が有るなあと思えた。
特に著者の言う「小説の本質は物語ではなく文章にあるのだ」は映像でなく文字で記される小説の存在意味を表しているのだろう。
そして「小説は最後まで読まなくても良い」「好きなところだけ読んでも良い」「難しい文字は調べなくても良い」「そんな文字を絵画のように眺めるだけでも良い」
などは「小説は文章」というところから派生する考えならば納得できる。
中学3年間の英語をしっかりと学べば日常の英会話に苦労しないという一部の発言のように(それが本当かどうかは知らないけれど)、こういった中学生向けの指南書は大人にも役立つ。子供新聞が大人にも有効なように。
面白かった。

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2020年12月20日

Posted by ブクログ

中学生に向けた奥泉流漱石案内。
全部読まなくていい何なら書名を読むだけでも人と本の関係は始まるのだ、
物語だけでなく語り方も大事だ、
というまっとうだが結構忘れがちな教訓を再認識。
というよりそれは奥泉自身の文芸観でもある。

ところで。「猫」の次に「それから」が好きなのだが、
墓場から出てきた女が代助にギロチンを落とす!
というイメージ。
ずっと「それから」のモラトリアムや越境恋愛や不吉な毒々しさに惹かれてきたが、なーる!すっきり!胃の腑に落ちた。

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2018年06月05日

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