あらすじ
旧約聖書とは、問いかけ、働きかける姿勢があれば、驚くほど面白くなってくるテクストである。小説のように自由で、思想書のように挑発的なその本質をつかみ出す〈対話〉による入門。
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「正義を貫くこと」こそ「応報原則」。神はその自由を人間に与えた。神は自身の絶対的力で悪を壊滅しない。人間は自分達の強い意思と力を持って正しいことを成し、悪を寄せつけず、世の中を正しい方向に導かねばならない。遥か太古からのヨブ記のメッセージ、確かに受けとりました!
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対話とは自由が保障されている中で生じる。
解釈の視点が愛情溢れる教養から滲み出ている対話は、類まれな歴史に残る名著になると思う。
日本人の感じる神とはいい意味で違う。欧州の文化を理解する基本書にもなり得る。
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旧約聖書の専門で神学者の並木浩一とその教え子で芥川賞作家の奥泉光両氏による対話形式の解説書。
他のどの民族や人種とも違う「ユダヤ人」を生み出したユダヤ教を旧約聖書を読み解きながら探っていく入門書。
教徒に厳しく試練を与え続ける物語は、なるほど国土というものを持たずに何千年も続いてきたその歴史を裏付ける説得力を持つなぁと感心。
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神とは。多神教のそれとは大きく異なる。多神教は王(権力)と直接結びつくが、一神教はそうではない。
人間は特権を与えられ、自由であり、その責任が求められる。旧約聖書の内容に少し触れられたと思う。
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河出新書奥泉光対談3部作(今のところ)の中間。
「この国の戦争」と「天皇問答」、それぞれの2倍くらいの厚み。
ある程度の前知識は必要。
・小説として読む。とりわけ「ヨブ記」に紙幅を割いて。
・アジア太平洋戦争にも言及。現代に活かすのは対話ならでは。
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旧約聖書とは、問いかけ、働きかける姿勢があれば、驚くほど面白くなってくるテクストである。小説のように自由で、思想書のように挑発的なその本質をつかみ出す〈対話〉による入門。
「あまりの面白さに、ベッドから跳ね起きてメモをとる。神を外部に創造し、人権を基礎づけた旧約聖書の真の姿がグッと身近に迫ってくる。」
――加藤陽子さん(東京大学教授/日本近現代史)
「軽快な調子で読みやすいが、内容は深遠である。(……)旧約聖書が、いかに圧倒的独自性を持つものであるのか、さらにはそれがなぜ、自由、平等、人権といった近代的理念の淵源とされるまでの世界史的影響力を持ちえたのか、といったことが、浮かびあがってくる。」
――柄谷行人さん(哲学者、『朝日新聞』2022年11月12日 承諾番号22-3439 ※朝日新聞社に無断で転載することを禁じる)
「何が何でもこの本を手にとってもらいたい。思想の力に圧倒される、という実感をしていただきたい。(……)二人によると、旧約聖書はそもそも対話の書である。神と人との間だけでなく、人間にもはじめから複数性が想定されており、さらには神の内部にも複数性がある。」
――森本あんりさん(神学者/東京女子大学長、『読売新聞』2022年10月16日)
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目次
第1部 旧約聖書とその時代(世界を創造する神;旧約聖書はどんな書物なのか ほか)
第2部 創造と、文明批判の伝統(神による世界の維持と文明の抵抗;自己拡張を図る文明と神のリアクション ほか)
第3部 神と人間(行動を考え直す神;人のとりなしに耳を傾ける神 ほか)
第4部 ヨブ記を読む(水準の高いテクスト;序曲 理不尽な苦難と従順なヨブ ほか)