安部公房のレビュー一覧
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【全体の感想】
短編が12個収録されており、どれも怪奇小説めいた雰囲気で正直よくわからない作品もあった。読んでいてレイ・ブラッドベリの短編に似ているなぁと私は感じた。印象に残っている作品はタイトルにある「R62号の発明」「鉛の卵」の2つと「犬」の計3つ。
【印象に残った場面】
「R62号の発明」
”死ぬつもりになって歩いてみると、町はあんがいひっそり、ガラス細工のように見えた。”P8 阿部公房の作品における魅力の一つは独特の比喩表現だと私は思っている。本屋でこの本を手に取って冒頭を読んだ時、上記の比喩表現に痺れて買うことを決意した。”菫色の夜明の最初の小鳥のような、軽やかな吐息が飛立って、どうやら一仕事すんだらしい。”P27 こちらも素晴らしい。終盤、機械に使役される人間の描写は残酷だが、視点を変えれば普段人間が物を消耗品扱いしていることと何ら変わりは無いはずだ。そういう皮肉めいたものがメインテーマ、、、ってことで良いのかな?わからん。
「鉛の卵」
”古代人はぎくりとして、自分が本当になまけものであったことを、心からよろこんだものである。”P329 「仕事を楽しむ」なんてことがしきりに言われていたりするが、現代においては仕事が”心から”楽しいわけがない。と私は思う。したくないけどやらなければならないことをできるだけストレスフリーに実行するために楽しもうとするのであって、楽しいわけでは無い。楽しいことは睡眠時間を削ってでも、休日にでもしたくなるはずだ。今の様に週5日プラス休日出勤プラス残業という働き方が変わり、週に1日だけ仕事をすれば良いようになれば、状況も変わるだろう。作中の緑化人間は全く労働をする必要がなくなった世界に生きており、怠惰で賭博にしか喜びを感じられない貧しい精神をもっている。結局生きる上では労働などの多少の障害は必要不可欠であり、それこそが人生に生きる張りあいを与えてくれるのであろう。 -
Posted by ブクログ
本日1月22日は、安部公房のご命日
1924年3月7日が誕生日で 昨年は生誕100年
それを記念して刊行された“飛ぶ男”
亡くなったあと 愛用のワープロのフロッピーの中から発見された未完の絶筆
遺作未満ですよね
昨年安部公房展で安部公房の仕事部屋が再現されており、愛用ワープロ(初期の学習机ほど大きい)
も展示されていたので、一度は読んでおこうと
「飛ぶ男」は、おそらくかなり長編にする予定だったのではと思う
つまり、ここまででは私にはさっぱり何だかわからないのです
その昔最後の作品と言われた「笑う月」と
なんとなく重なる部分はあるようにも思う
安部公房って新し物好きで
シンセサイザーも早い段階で使っていて
ワープロで小説書き始めた一人
NECの「文豪」の開発に参加していたとか
だから遺作も文豪のフロッピーなんて
安部公房は初期の小説の方が理解できるかな
記念読書、感想はあまりないです
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Posted by ブクログ
「飛ぶ男」
腹違いの弟であると主張する男が
夜空を飛んでやってくる
しかし何者かに空気銃で撃ち落とされる
飛ぶ男はプレシャスな存在だから
誰もがこれを欲しがったり
その存在に嫉妬したりするのだ
それは例えば
有力な会員権などよりはるかに価値があって
また入手困難なのかもしれない
未完の絶筆である
初期作品「天使」や「題未定」のエッセンスを混ぜ合わせ
発展させようとしたものではないだろうか
であれば
おそらく続きは「白い蛾」の船長が予見したところに
近づくのだと思われる
「さまざまな父」
科学的に説明のつかないことはオカルトである
ミステリ小説ではオカルトのインチキを論理によって暴く
一方、前衛小説においては
オカルト的状況をあるがまま受けいれなくてはならない
つまり前衛とは反近代であった
反近代にあっては大量死・大量生のなかに個人が埋没していく
すなわち反近代とは、真に孤独死の時代なのである
そして孤独の観念…妄想に論理は無用だった
インチキを用いてでも
問答無用のロマンを実現しようとするところに
前衛の味がある
しかし、孤独を恐れる人の弱さが
それを遺産として
…というより物語として継承することを望んだとき
はたして世の中はどうなっていくのでしょうね -
Posted by ブクログ
【2024年169冊目】
飛ぶ男は3人の人間によって目撃された。トラウマを抱えた女性、暴力団員の男性、そして飛ぶ男が目的としていた男性――である。窓ガラスから飛び込んできた飛ぶ男は言った。「スプーン曲げができるんだ」と。
初の安部公房作品でした。あらすじをまとめようとしたら、とっちらかってしまった感じですが、間違ってはいないというのが恐ろしいです。文章自体、難しいものではないのですが、内容が難しいと言えば難しい。じっくり噛むように読まないと理解できないかもしれない。
飛ぶ男のほか、「さまざまな父」も収録されていますが、二つの話が繋がっているのかどうかも不透明。ずっと不透明な物語、これが安部公房の魅力と言われたら、「そ、そうなのか」と思う感じ。確かにつまらないわけではない。
またほかの作品も読んでみようかなあと思いつつ、次作に何を選ぶかはなかなかの難題です。
と、ここまで書いた後に解説を読んでみました。流し読みですが。そうか、未完なのか。完成してても理解できるかはちょっと未知数ですが、次作として読むのなら「方舟さくら丸」が良いかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ややこしい
自分と自分の対話
でもすごい練られてるなーと感じた。
結末が、なんかなーと思ったけど。
深く読み取ることが私にはできなかったけど、
現実では考えられない未来が
ふつうに感じる時が来るということは
コロナでの数年間の生活もそうだが
ありえるし
今と繋がらない未来は確かにあるとは思う
その中で生き抜いていくしかないけど
連続性のない未来をポンとみせられると
私は、そのために準備しようとかおもえるかなー?
ただでさえ、地震がくるっていっても
防災グッズも購入してないのに、、、
私も未来を妨げてしまうのだろうか。怖いなー
安倍公房さんの本は、なんか難しそうだし
怖そうだし、手に取ったことがなかった
書店で100周年という、ポップをみて
読んでおいた方がいい作家さんだとかんじ、
これともう一冊購入した。
もう一冊は未読だが
すぐに読む気になれない
面白いかといわれると、面白くない
でも、最後までどんどん読める
結局、読んでよかった本という感じ。
他の本を読んでから、
静かな心で次の作品を読もうと思う。