安部公房のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
僕が大好きな俳優の松岡茉優が、高校時代に読んでいたという安部公房。
「なんじゃっこりゃ」
とか思いながら読んでいたらしい。
『カンガルー・ノート』とは。
僕としては『砂の女』に続いての安部公房の物語。
松岡茉優が安部公房を読んでいなかったら、きっと僕も読んではいなかったと思う。読書そのものだって、きっかけは彼女が本好き、読書好きと知ったから。読書は松岡茉優と繋がるための唯一の手段だと確信したからです。
想像力をフル回転させました。
「なんじゃっこりゃ」
松岡茉優でなくても、そう思います。
しかし、序盤のみでした。状況を飲み込んでからは、引き込まれていました。『砂の女』ほどの息苦しさのよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ中高生の頃にこの本を読んでいたら、男性というものへの不信感を募らせていたかもしれない。
女性に対する本能的な情動は仕方のない生理的反応なのかもしれないけど、正直結構読んでてぞわぞわした。そんなにスカートの裾って気になるもんなのか、、フィクションであってくれと願う。
選ばれし者たちというより社会からはみ出して生き方を失った人々の行先のよう。
自分たちがそこでは権力ピラミッドの最上位に君臨したい、でも民主的であって物分かりのよさをアピールはしていたい。
ただ結局は自分の好き嫌いという点での選別。
モグラの思考は分からなくはないけど、やはりひどく狭い。自分もそういう節がないかとヒヤヒヤしながら反面 -
Posted by ブクログ
ネタバレ安部公房の小説は、不条理とアイロニーと現実とのはざまでストーリーが揺れ動いて、話は面白いのだけど、大変難解な作品が多いとの印象を持っている。この作品はかなりわかりやすいと思うのだけど、それでも、全体を眺めると、大きなテーマが小さな世界に織り込まれていて、読み解くのは大変そうと思った。小説の舞台はスケールも小さく、舞台をみているようなドタバタ劇もあるんだけど、ストーリーを追うだけでは見えないものがいっぱいありそうな感じ。戦後の時期に隆興した現代文学の中でも、異彩を放っていると思う。
以前、未読主要作品のまとめ買いをしたので、時折挑戦したいと思う。