安部公房のレビュー一覧

  • 他人の顔(新潮文庫)

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    最初の方と終盤は特に面白く読めたが、主人公の手記のていなので、ずっとくどくどとひとり語りを聞かされている感じで中盤は結構つらかった。
    『箱男』よりはとっつきやすかった気もするけど、それでも面白さをちゃんと理解するのはまだ私には早かったのかもしれない。

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    2024年03月11日
  • 友達・棒になった男(新潮文庫)

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    ピースの又吉さんが紹介していたり、至る所で安部公房の名を目にするから読んでみた。
    安部公房をみんなが天才と言いたくなる気持ちはわかった。
    いわゆる戯曲というものを初めて読んだ。いい経験

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    2024年03月07日
  • カンガルー・ノート(新潮文庫)

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    ある日突然足に「かいわれ大根」が生えた。
    病院へ行くと、医師から「温泉療法」を勧められ、彼を乗せたベットは目的地に向けて走り出した。

    ‥‥

    起承転結とか秩序とか辻褄なんてものはなく、なんといえばいいのか。
    ところどころ死に関連してる雰囲気が出ていて、この人どうなるんだろう?っていう疑問でずっと読み進めていた。
    最後の結末を見ても、「そういうことか」とはならなかった。

    2024年2月23日

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    2024年02月23日
  • カンガルー・ノート(新潮文庫)

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    僕が大好きな俳優の松岡茉優が、高校時代に読んでいたという安部公房。
    「なんじゃっこりゃ」
    とか思いながら読んでいたらしい。
     
    『カンガルー・ノート』とは。
    僕としては『砂の女』に続いての安部公房の物語。
    松岡茉優が安部公房を読んでいなかったら、きっと僕も読んではいなかったと思う。読書そのものだって、きっかけは彼女が本好き、読書好きと知ったから。読書は松岡茉優と繋がるための唯一の手段だと確信したからです。
     
    想像力をフル回転させました。
    「なんじゃっこりゃ」
    松岡茉優でなくても、そう思います。
    しかし、序盤のみでした。状況を飲み込んでからは、引き込まれていました。『砂の女』ほどの息苦しさのよ

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    2024年02月13日
  • 方舟さくら丸(新潮文庫)

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    ネタバレ

    中高生の頃にこの本を読んでいたら、男性というものへの不信感を募らせていたかもしれない。
    女性に対する本能的な情動は仕方のない生理的反応なのかもしれないけど、正直結構読んでてぞわぞわした。そんなにスカートの裾って気になるもんなのか、、フィクションであってくれと願う。

    選ばれし者たちというより社会からはみ出して生き方を失った人々の行先のよう。
    自分たちがそこでは権力ピラミッドの最上位に君臨したい、でも民主的であって物分かりのよさをアピールはしていたい。
    ただ結局は自分の好き嫌いという点での選別。
    モグラの思考は分からなくはないけど、やはりひどく狭い。自分もそういう節がないかとヒヤヒヤしながら反面

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    2023年12月17日
  • R62号の発明・鉛の卵(新潮文庫)

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    ネタバレ

    R62号の発明

    安部公房の作品に全て共通するが、まるで未来を見ているかのような、あるいは人類が常に共通して持つ特性のようなものを感じる。

    まるで昭和28年とはおもえないな

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    2023年11月25日
  • けものたちは故郷をめざす(新潮文庫)

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    人間の本姓を、目を背けずに、具体的かつ重量感のある言葉で描写する。文学の重要な役目であろうが、少し古臭い。

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    2023年10月09日
  • 飢餓同盟(新潮文庫)

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    ネタバレ

    安部公房の小説は、不条理とアイロニーと現実とのはざまでストーリーが揺れ動いて、話は面白いのだけど、大変難解な作品が多いとの印象を持っている。この作品はかなりわかりやすいと思うのだけど、それでも、全体を眺めると、大きなテーマが小さな世界に織り込まれていて、読み解くのは大変そうと思った。小説の舞台はスケールも小さく、舞台をみているようなドタバタ劇もあるんだけど、ストーリーを追うだけでは見えないものがいっぱいありそうな感じ。戦後の時期に隆興した現代文学の中でも、異彩を放っていると思う。
    以前、未読主要作品のまとめ買いをしたので、時折挑戦したいと思う。

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    2023年08月04日
  • 笑う月(新潮文庫)

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    夢を録音していたという話があったが、
    安部公房の作品の夢を見ているような感覚の原点は
    ここにあるのかもしれない。

    まさに現実と夢に境目がわからないように、
    夢という題材にありながら、
    事実のような、フィクションのような、エッセイのような
    奇妙な感覚に囚われる作品だった。

    ショートショート並みに短い話ばかりでかなり読みやすい
    が、まあ夢なので「なんじゃこりゃ?」な話もいくつかあるのだった

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    2023年07月01日
  • 人間そっくり(新潮文庫)

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    人間そっくりの火星人と称する男の来訪に対応しているうちに、次第に混乱していく。健常者から見た狂人と狂人からみた健常者は、ともに狂人に見えるという点で同一である。真実は不確定で、何が狂人かどうかは相対的である。

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    2023年06月08日
  • カンガルー・ノート(新潮文庫)

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    ところどころ意味はわからないものの、読みにくいということはなかった。結果的には著者の遺作になったものだが、テーマが「死」っぽいのは途中からなんとなく感じていたし、最後に何かもうそろそろ終わりそうだという雰囲気を感じることができた。

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    2023年05月02日
  • 無関係な死・時の崖(新潮文庫)

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    ネタバレ

    10個の短編集。
    物語も訳のわからないもので、解説も多少難解だが、面白かった。
    『透視図法』の『盗み』は、自分が相手の荷物を盗み出そうとしていたら、相手も同じ考えだった話。
    『人魚伝』の、彼女を捕まえていたら、実は自分が飼われていた話でゾッとした。
    など、現実にありそうにない話に引き込まれた。
    不思議な世界観だが楽しめた。

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    2023年04月28日
  • 方舟さくら丸(新潮文庫)

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    砂の女より面白かった。登場人物が(砂の女より)多い分、物語が動く感じ。この閉塞した空間で次から次へ何かが起こって行く展開、ラストといい、舞台向きな気がする。と思ったら安部公房は戯曲も書くし、演劇活動されてた方なんですね。納得。

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    2023年02月24日
  • 方舟さくら丸(新潮文庫)

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    世界の破滅から生き延びるための切符を売る主人公。設定は面白く序盤はワクワクしながら読んでました。しかし、想像を超えるような裏切りはなく、なんだか拍子抜け。少し物足りなさはありましたが、面白かったです。

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    2023年01月28日
  • R62号の発明・鉛の卵(新潮文庫)

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    『変形の記憶』は名作。
    他はアイデア先行のゴチャっとした前衛的要素多く、初期の迸りの様な勢いを感じる短編集。

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    2024年02月08日
  • 密会(新潮文庫)

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    箱男ぶりの安部公房なので、箱男の見る・見られるというトピックから考えてこちらは聴覚的な切り込み方が魅力だった。
    理解と難解が交互にやってくる感じで読むのに時間がかかったけど、最後の一文での締め方が好きだった。

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    2022年10月27日
  • 水中都市・デンドロカカリヤ(新潮文庫)

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    不思議な話面白かった!って本を閉じるけれどふと寝る前に思い出して、いやそんなことあるわけないかって笑い飛ばせないリアルさ

    「手」は心中
    いちばんのお気に入りは「闖入者」

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    2022年10月21日
  • 人間そっくり(新潮文庫)

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    面白かった。最初の方こそ漢字が少なく読みづらいなあと思っていた。おまけに、けむに巻かれる一方で全然物語的進行がない。しかし、しばらく読み進めてこのけむに巻かれる口八丁を楽しむ構造なんだと気がつくと、面白く読めた。主人公と同じ体験をしているかのように相手の嘘か本当かよく分からない弁術を聞く。そういうのもアリなのかと思った。表現力も流石と言ったところでメモするところもいくつか。何が正しいのかわからなくなる体験は楽しかった。

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    2022年10月09日
  • 第四間氷期(新潮文庫)

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    予言機械を発明した博士目線で進む物語。
    ホラーチックなところもあり、驚かされることもあり、物語に引き込まれました。やや難解な部分もあるが、そこがまた自分自身、世の中に対して、改めて目を向けて考えに耽る、、、そんな時間が持てて良かったです。

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    2022年09月12日
  • 人間そっくり(新潮文庫)

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    自分は火星人だと名乗る困ったクレーマーの対処をする話、と考えるのが普通だと思うけど、表層的な捉え方か?
    屁理屈を突き詰めたような話だけど、自分あるいは他人が何者かであることを証明するのって難しい。火星人でないことを証明しきるなんてできなくて、それこそ公理か。

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    2022年08月26日