安部公房のレビュー一覧

  • R62号の発明・鉛の卵(新潮文庫)

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    大好きな作家・安部公房の短編集。大学生の時に少し読んだが最後まで読めてなかったので久しぶりに再読。これこれ、この世界観、さすが安部公房。不条理文学の粋が詰まってる。不気味な感じもいい、やっぱ安部公房なんだよな。

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    2025年07月17日
  • けものたちは故郷をめざす(新潮文庫)

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    太平洋戦争後に満州に残った残留日本人である久木久三が日本へと帰る物語。ロシア兵と一緒に生活していた久三はある日日本へ帰ることを夢見て抜け出しそこで高石塔と出会う。彼の本名はわからず多くの偽名を持ち身分もわからないが久三が日本人で本国に帰ることを知ると一緒に行動をするようになる。高は誰かから逃げるように荒野を歩き続け久三も後を追い二人は瀕死の状態となる。最終的に久三は日本へ密輸する船に乗ることとなるがそこで久三を名乗る高とで会い二人は船に監禁され本土へ辿り着くことができない。
    作者が満州で生活し戦後日本へ帰るという波乱な人生を送っていることがモチーフとなっているが当時の混乱がとても伝わる。
    荒野

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    2025年05月31日
  • 笑う月(新潮文庫)

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    本当に「夢の内容を書き写した創作ノート」以上のものではない。
    「公然の秘密」や「シャボン玉の皮」等は思想が見えて面白い。
    「弱者への愛にはいつだって殺意がこめられている。」
    少し分かる気がした。
    理由はまだ言語化出来ない。

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    2025年05月31日
  • 飛ぶ男(新潮文庫)

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    んー、やっぱり研究者でもない単なる一読者が未完成の作品を読むというのは作家に対して失礼なのではないだろうかと思った。
    もっとも、完成品を読んでも著者の描きたかったテーマを読み取れないモブ読者だから関係ないと言われればその通りではありますが。

    「面白くなりそう! 続きを読みたい!」が感想です。

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    2025年04月17日
  • (霊媒の話より)題未定―安部公房初期短編集―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    読書会課題本でしたが、「天使」くらいまでしか読めてない時点で参加してしまい。
    今頃ようやく読み終わりました。

    後半の、「憎悪」「虚妄」「鴉沼」がじわじわくる好みのぐるぐるでした。
    安部公房作品、ピシャッとはまるものから、???のものまで色彩豊か…ではなくくすんだ色合いの砂とか水中都市に泳ぐ灰色の古代魚までさまざまな長編も短編もあって、読んでみなきゃわからないなぁとつくづく感じました。
    「闖入者」のあまりの怖さにトラウマを抱えているので、このような地雷をふまないようにして。
    「キンドル氏とねこ」は面白そうです。「壁」に続くのかしら…読みましょう。

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    2025年04月16日
  • 燃えつきた地図(新潮文庫)

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    失踪した男の調査をすることになった興信所員である主人公が、やがて自分自身を見失っていく。無機質な都会での疎外感や迷路にはまって、いつまでも抜け出せない不条理さが独特な文体もあって、よく描き出されていると思った。

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    2025年04月06日
  • 第四間氷期(新潮文庫)

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    安部公房は、家元が中学高校一貫校の寮生時代には劇作家として活躍していた。演劇同盟座付き作家N原は、彼に傾倒していた。劇団男優の家元は、江守徹から芝居のイロハを拝借した。
    ところで花田清輝の書評でも書いたが、実に小説の世界(活字の世界)は、流行歌の世界(歌謡曲界隈)に比して繰り返し楽しむ機会に乏しいのは実に残念な事だ。本書も、安部氏の比較的初期作品であるが、彼の特色である人間の意識と感受性に、環境や他者の影響が色濃く出ている。今で言うところのAIにも似た予言機械が登場し、未来が人間に肯定的なものであるのか否定的なものであるのかは、不明である。が、それゆえに人間は未来を知りたがる(占いなどの信憑性

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    2025年04月05日
  • R62号の発明・鉛の卵(新潮文庫)

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    【全体の感想】
    短編が12個収録されており、どれも怪奇小説めいた雰囲気で正直よくわからない作品もあった。読んでいてレイ・ブラッドベリの短編に似ているなぁと私は感じた。印象に残っている作品はタイトルにある「R62号の発明」「鉛の卵」の2つと「犬」の計3つ。


    【印象に残った場面】
    「R62号の発明」
    ”死ぬつもりになって歩いてみると、町はあんがいひっそり、ガラス細工のように見えた。”P8 阿部公房の作品における魅力の一つは独特の比喩表現だと私は思っている。本屋でこの本を手に取って冒頭を読んだ時、上記の比喩表現に痺れて買うことを決意した。”菫色の夜明の最初の小鳥のような、軽やかな吐息が飛立って、

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    2025年04月02日
  • 箱男(新潮文庫)

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    安部公房(1924~1993年)は、東京生まれ、満州育ち、東大医学部卒の小説家。作品は海外でも評価が高く、世界30数ヶ国で翻訳され、晩年はノーベル文学賞の有力候補と目された。
    本作品は、『壁‐S・カルマ氏の犯罪』(芥川賞受賞)、『砂の女』(読売文学賞、フランス最優秀外国文学賞受賞)と並ぶ代表作の一つと言われ、1973年に出版、1982年に文庫化された。
    内容は、ダンボール箱を頭から腰まですっぽり被り、小さな除き窓から外界を伺いながら、街を徘徊する「箱男」を主体としたフィクションだが、箱男が書いたとされる文章のほかに、他の人物が書いたらしい文章、新聞記事、独立したエピソード、白黒の写真等が多数挿

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    2025年03月26日
  • カンガルー・ノート(新潮文庫)

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    箱男を読んで以来、30年以上読んでなかった安部公房を久しぶりに。死をテーマにした後年の作品の様だけど、奇怪なストーリーの中に違和感というか、棘の様なものを感じました。

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    2025年03月23日
  • 箱男(新潮文庫)

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    映画には出て来ない話もありました。
    何人かの箱男が登場。
    見る人と見られる人、書く人と書かれる人、本物と偽者、という構造が新しかったのかなあと思いました。

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    2025年03月02日
  • 箱男(新潮文庫)

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    とても不思議な読後感。
    引きこもりが社会現象となっている現代にも通じる箱。というより、閉鎖された部屋。それでも完全な孤独になりたい訳でもなく、小さな覗き穴から時々社会の行方を覗きたくなる……。終始、人間の深層心理を外側から覗き込んでいるような感覚だった。
    そもそもこの本に興味を持った時点で、我々は箱男の箱の中身を覗きに行っているようなものなのだ……。

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    2025年02月27日
  • 飛ぶ男(新潮文庫)

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    本日1月22日は、安部公房のご命日
    1924年3月7日が誕生日で 昨年は生誕100年
    それを記念して刊行された“飛ぶ男”
    亡くなったあと 愛用のワープロのフロッピーの中から発見された未完の絶筆
    遺作未満ですよね

    昨年安部公房展で安部公房の仕事部屋が再現されており、愛用ワープロ(初期の学習机ほど大きい)
    も展示されていたので、一度は読んでおこうと

    「飛ぶ男」は、おそらくかなり長編にする予定だったのではと思う
    つまり、ここまででは私にはさっぱり何だかわからないのです
    その昔最後の作品と言われた「笑う月」と
    なんとなく重なる部分はあるようにも思う

    安部公房って新し物好きで
    シンセサイザーも早い

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    2025年01月22日
  • 燃えつきた地図(新潮文庫)

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    はじめから解決の見込みがない失踪人の捜索依頼を受ける興信所の探偵。捜索を続けるうちにどんどん深い何かに嵌まり、果ては自らを失っていく。
    狂気が狂気を呼ぶ、陳腐な言い方だが、まさにそんなスパイラルで読ませる作品。
    結末はわかりにくいが、蟻地獄のような落とし穴に嵌まり込む感じを味わいたい方は是非。

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    2025年01月20日
  • 飛ぶ男(新潮文庫)

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    「飛ぶ男」
    腹違いの弟であると主張する男が
    夜空を飛んでやってくる
    しかし何者かに空気銃で撃ち落とされる
    飛ぶ男はプレシャスな存在だから
    誰もがこれを欲しがったり
    その存在に嫉妬したりするのだ
    それは例えば
    有力な会員権などよりはるかに価値があって
    また入手困難なのかもしれない
    未完の絶筆である
    初期作品「天使」や「題未定」のエッセンスを混ぜ合わせ
    発展させようとしたものではないだろうか
    であれば
    おそらく続きは「白い蛾」の船長が予見したところに
    近づくのだと思われる

    「さまざまな父」
    科学的に説明のつかないことはオカルトである
    ミステリ小説ではオカルトのインチキを論理によって暴く
    一方、前

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    2024年11月20日
  • (霊媒の話より)題未定―安部公房初期短編集―(新潮文庫)

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    初期作品集。発表する予定なく未完のものも。題未定など筋がわかりやすいものから手紙のように観念的すぎて理解できないものまで、ある程度安部公房に触れていると作品のルーツを辿るように楽しめそう。虚妄などは印象的。

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    2024年09月20日
  • 飛ぶ男(新潮文庫)

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    安部公房未完の作品。
    この作品をどんな風に仕上げようとしていたのか、結末がわからないのが何とも悔しい。

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    2024年09月11日
  • (霊媒の話より)題未定―安部公房初期短編集―(新潮文庫)

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    安部公房。
    半世紀も前に夢中になって読んだ作家で、未発表の短編集というので思わず手に取ったのですが、とんでもなく読むのに苦労した。読むのにパワーが必要な作家だったのだな、と妙な納得をしてしまった。

    「飛ぶ男」、どうしようかなぁ。

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    2024年09月09日
  • 飛ぶ男(新潮文庫)

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    【2024年169冊目】
    飛ぶ男は3人の人間によって目撃された。トラウマを抱えた女性、暴力団員の男性、そして飛ぶ男が目的としていた男性――である。窓ガラスから飛び込んできた飛ぶ男は言った。「スプーン曲げができるんだ」と。

    初の安部公房作品でした。あらすじをまとめようとしたら、とっちらかってしまった感じですが、間違ってはいないというのが恐ろしいです。文章自体、難しいものではないのですが、内容が難しいと言えば難しい。じっくり噛むように読まないと理解できないかもしれない。

    飛ぶ男のほか、「さまざまな父」も収録されていますが、二つの話が繋がっているのかどうかも不透明。ずっと不透明な物語、これが安部

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    2024年08月26日
  • 壁(新潮文庫)

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    一部はシュールレアリズム文学としてまだついていけたけど、二部はもうダメだった、意味わからんすぎる、不条理の果ての果て。三部の短編集は薄っすら既読感があった(『赤い繭』と『魔法のチョーク』)。星新一を哲学方向に完成させたというような印象。『事業』は面白かった。表現こそ安部公房的な言い回しだらけなんだけど、構成は筒井康隆ぽいし内容は星新一グロ増しといったところか。他の作家の名前出さないとなんか言えないなんて、感想文としては三流も三流だろうけど、物語の枠組み自体が崩壊したようなものばかりで、そのままでは私にはとても受け止めきれない。だから既知の枠に無理矢理にでも収めて安心したくなっちゃうんだろうな。

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    2024年07月23日