安部公房のレビュー一覧

  • 箱男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    箱の中に入れば、全てのものとの関係がランダムになり、全てのものと一様な距離感をもつ。あらゆるものから等しい距離をとれるような空間だからこそ、角を持ちこちらと直接接点を持つような物は存在せず、無条件に寛大で輪郭がやわらかい世界が視界に広がる。
    見られるよりは見る側、覗く側でいたいというのは解釈する側で安心したいという欲求なのか
    ふつうの人はダンボールなどないから自分が過度に観察されるリスクを鑑みて多少節目がちに生きる
    それにより全てに目を凝らしたい欲が圧されることもあるが、特定の何かにふれられる、自分の位置を他人という定点を通して確かめられるという特典もある
    他者を覗いていて不快感を感じないのであれば、自分が覗かれれることに対する嫌悪や恐怖もなくなり、箱無しでも世界が柔らかいと錯覚し、箱から出てきたくなることもあるか
    箱側から観察するということは、自分への目線を避けたいのもそうだし、全てを覗いて記述する側でいたいのか、圧倒的外側にいたい?
    箱の中に覗いたものを落書きとして記述して、その記述内容、観察したものに触れようとしても(いざ見られようとしても)、それは自分が直接箱の外で経験したことではなく、あくまで覗いた内容で、触れるためには、その箱の外に出るのではなく、中の落書きに見つめられ、つまり自分の解釈の中の登場人物にみられる、箱の中にどんどんこもっていくイメージなのか?誰かを箱の中から見た時点で、その認識は完全に自分というフィルターを通していて自己の創作物のようなもの、つまり自分の見た何かと交わるということは自分の創作物、思想にどんどん飲み込まれていくということ?
    そういうのが煩わしいから他者との境界をなくすために裸で近い距離を保ちたくなる?
    一読しただけじゃどれが誰目線で誰のこと書いてんのか把握しきれなかったなあ、文学的なの苦手

    7-箱男
    (Aは距離感を自分で調節し、いつでも匿名に戻れる安心感で箱男に。箱男になる理由の例示)
    24 「安全装置(証拠写真付き独白ノート?)をとりあえず」
    箱男=カメラマン◯の語りがノートに綴られる
    写真付き(1週間前に医師△に空気銃で襲われた
    40-◯の語り継続
    空気銃での攻撃理由推測
    △は前から箱男の存在が気になっていてなりたかったから思わずうっただけ?
    →看護師⬜︎に声かけられた&傷増悪で病院訪問
    →麻酔かけられ、その間何かがあった、箱を欲しいとも言われる、何か魂胆があり空気銃攻撃に至った?⬜︎に対して好意が生まれるが、◯は箱内にいるため、できることはシャッター越し(箱越し)に現像する(語る)だけ?
    52
    ◯の語り
    貝殻草で誘発される魚の夢の話
    魚になると、意識=周りを見る視点はあるけど、認識したものに触れる術がないから欠乏感がある
    「どんな好奇心だって、けっきょく最後は、手で触って確かめてみるのでなければ本当の満足なんてありえない」⬜︎のような興味対象に箱越しで見てもフラストレーションがたまるだけなのか 
    「うまれつき声帯だってあるはずがない魚の身でこんなふうに言葉を使って悩んでいる、むず痒いような二重感覚」というのは、そもそも外界との接触という概念が最初からないのであれば、触れたいという感情もなく、認識すらもその意味がない時点で存在するのか微妙なので、そもそも記述行為すら存在しないはず
    なのに記述をしている時点で贋作なのでは?ということか?まあ贋作の自覚があるのならいつでもやめられるからまだこのままでもいいかと漫然と箱男を継続する、そのうちに偽物ながらも(贋と自覚のある)箱男をやめられなくなっていく
    58..........
    ◯の語り
    五万と引き換えに⬜︎に箱の処理を頼まれた
    一旦箱男になったら、箱を脱ぎ捨てるのはもとの世界に戻るのとは違う意味合いを持つ
    65 鏡の中から
    ◯の語り
    普段は箱越しに全てのものが均質で同格の意味合いを帯びていて全てが背景になじんでいるが、その効果が病院に向かいながら減じている
    ◯はここでも鏡を通して、箱男になりつつある△と、その触れたい対象である⬜︎を観察する側
    だけど、(ふと思った。何処かで、これとそっくりな光景を見たことがある)とあることで、観察される側としての◯が想起される
    箱の中にいる限り、何かを認識したと思っても、箱というフィルターを通して記述した加工済みのものを認識しているにすぎない
    83
    字体違うし、◯が観察した内容の記述ではなく、△と⬜︎の実際の会話?(65-から◯が見た場面で行われた会話、◯が病院で手当てされた時の◯と⬜︎のやりとりについて、⬜︎がやらされたことの再現をしている→つまり普段覗く側の◯が△に覗かれて、それを鏡で投影する形で覗いて、自分の姿を◯はみている)覗かれて記述されると、覗かれた側は実際記述された通りのことが起こっているような気もしてくる
    92-
    また◯の語り
    身を清めるのに適した海水浴場での語り
    Bについては、箱の安心感から離れられずに安住してしまったまま、死の存在すら周囲に認められないほど完全に匿名化されてしまった例
    8時に病院訪れる予定で服乾かしつつ寝ようとしてる
    102からのラジオの話から始まる病院訪問のやりとりは空想。
    客観的な語りのようでいて、◯が生み出したものだから◯の思考(◯が箱男として箱男(自分)をどう記述するか)の産物でしかない、つまり偽箱男が空想の中で話している内容は全て◯の根底にある思考(箱内でのみの現実、落書き)、◯が◯という箱を通して◯自身を観察し、◯は記述側でもあり視姦される側でも自家発電状態?
    空想の中で箱男を脱しようとしている◯は、直接の触れ合いに怯え戸惑っているが、半径二メートル半という自他境界を超えれば視線同士もまじわらなくなり、観察という手段以外で真に触れられるはず
    ただ観察し、自身の視点で記述するという形で剥製にした方が133p、扱いやすくて箱の中に安住しがち?
    全てを記述する主体としてもっともらしい(欠落の少ないストーリー)を連ねるが、その登場人物に自分も含まれ、その自分を観察しているのも自分であり、自分に対して何かを言いたくなっても、その言う主体も自分であり、どれが絶対的主体としての自分が存在しない、自己が消失していく感覚?
    149供述書
    △(自称医師=上官の名を借りた医師見習い=C)の語り。⬜︎戸山葉子
    変死体について
    152
    Cを記述しているのはわかるが、これはC自身の語りなのか?Cの語りだとすると、俯瞰して記述されているCは箱男だが、それもまた見られる側であり贋で、見ている主体もCでそんなCもまたこう考えていると記述できる時点で、そう記述しているということはそういう考えがあるんだなとさらに外から俯瞰する主体がありそうで、永遠に完全なる絶対的外側(箱の中だとすると、絶対的な内側か)には至れない
    160
    これはさすがに△の供述書続きか
    軍医は△とは異なる新たな人物でいいのか?
    この供述書を読んでもこれは事実ですらないかもしれないし、読むという行為をした時点で解釈が含まれ想像でしかなく
    そもそも物語の読解なんて、真実がなく自分を媒介として存在を知るものだから、いくらこうかもと真実がある風でも、それは自分の片隅に無意識に存在していた落書きを拾い上げるようなものでしかないかもしれなくて

    ここら辺でギブアップ頭ごちゃごちゃ
    気が向いたらまたつづきよむ

    時々思う、この人はこういう意図だったのかも、こうだったのかも、これが真実かもみたいなのは全部自分の知覚に上がった時点で真実に見えるものも偽に見えるものも自己生成されたものだから、いくら本物を探そうとしても自己意識の投影でしかないよなと。ヴェールが剥がされて落書きが目に入っただけなのに新たな発見をしたと勘違いするような。それと似たような感覚なのか。結局最初から中途半端に箱の中に生まれてしまい、箱の外に出ようにもただ落書きを永遠と生成して出た気になっているだけのような人生。

    0
    2025年10月14日
  • けものたちは故郷をめざす(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    人の生存本能を描き切る文章力、凄まじいものがあった。当たり前のように満州生まれの芸能人がいるが、その苦労は底知れない。

    自身のアイデンティティもよくわからない、誰が敵で誰が味方なのかもわからないが、遺伝子的には日本人の血を汲んでいる。日本の領土を出ると日本は敗戦国であり、日本人には多くの敵がいる。だから日本を故郷として、安寧の地を求めてそこに帰ろうとするが、心の故郷では全くない。政治的混乱に巻き込まれた人々の混沌とした当時の状況が、本作からははっきりと伝わってくる。国が始めた戦争から生まれる難民問題、決して軽視して良いものではない。

    国を追われて荒野を彷徨う描写、そしてそこで浮かび上がってくる人間の動物的な本能。ジョン・スタインベックの怒りの葡萄を彷彿とさせるものがあった。

    0
    2025年10月12日
  • 箱男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     さあ、いよいよ初めての安部公房。ということで、この作者としては比較的わかりやすそうなこれから読むことにしたんだけど、もう写真とその説明のところでわけわかんねえ。これは作者の罠なのか、それとも深読みするべきなのか。俺の頭だとついていけないのかなあ。
     途中で唐突なエピソードが挿入されたりするのは序の口で、この物語を語っている「箱男」がいったい誰なのか、カメラマンなのか、元軍医だった男なのか、その身代わりをしていた男なのか、最後までわからない。いちおう全ては狂人の落書きだったと受け取れるような終わり方にはなってるけど、そんな単純なものじゃない。たぶん。最初から実験小説だっていってるし、安部公房も論理でこの物語を構築したわけではないようだから、明快な謎解きや、カタルシスを期待する方が間違いかもしれないけど。
     この物語が現在進行形であることを示すために文字を書いてる途中で話が切れたり、サイコさんのように思える記述があったり、今まで話していた偽箱男がいきなりこのノートを書いているのが誰なのかと指摘したり、ショパンという単語から全然別の話が連想されたように展開されていったり、興味深い手法がいろいろと出てくる。
     まあ、全体としてはわけわからん、というか正解みたいなものはないんだろうけど、箱男が看護婦にやさしくしてもらうために、彼女の眼をくり抜いてやろうかという一瞬の怖さと、女教師がDに内側からは鍵がなくても開くはずのドアの鍵を渡すところで、なんとも妄想が刺激されたのが、印象に残ってる。

    0
    2025年10月03日
  • 箱男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    結局のところ、どこまで妄想なのか謎。箱にこもって被害妄想に駆られた分裂気味の男性が、わけのわからない日記を書き散らしているだけのようにも見えるし、途中から箱男が死に向かう理由についてミステリーのように「辻褄合わせ」のストーリーが展開されてよく練られた小説のようにも読める。
    箱男のコンセプトは興味深いが、見られないところから一方的に女性を眺めたいという男性ならではの欲望が「箱」と結びついているせいで、性欲的・変質者的な描写が多いのは共感しづらい。とはいえ「見られる」ストレスは自身も大変共感するので(コロナ禍のマスクがその後も外せなくなった)、箱に潜む生活に関してはそれなりに興味がわいた。箱女ならどんな小説になるんだろう。
    映画は解釈違いだったけれど、永瀬正敏と浅野忠信はかっこいい。

    0
    2025年09月28日
  • 無関係な死・時の崖(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    人魚の話の雰囲気が好きだった。ドブくさいというか、生臭い感じ。リトルマーメイドだけが人魚にあらず。むしろセイレーンのような妖怪が本来の姿では。

    0
    2025年09月21日
  • 無関係な死・時の崖(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    安部公房が仕掛けるシュルレアリスムの迷宮にぐいぐい引き込まれる、2025年の今でもやはりアバンギャルド文学の最先端と言っても過言ではないです。「なわ」については、あの小島監督にも影響を与えたようです。読みながら頭の中に広がるモノクロームのイメージ、安部文学の真骨頂である不条理かつブラックユーモアの効いた世界観と相まって、未知の体験を味わえます。一度ハマるとやみつきになること必須です。

    0
    2025年09月04日
  • 人間そっくり(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ストーリーの9割が、一対一の会話劇。心理戦。
    ラストの乱暴さも何故か安部公房らしさを感じた。個人的には、地球人と火星人の概念が混濁していくようにはあまり感じれなかった。

    0
    2025年08月26日
  • 箱男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    再読。
    覗き趣味の話。
    文庫で出ている安部公房作品をある程度読んでから再読したので、初めて読んだ時のような拒絶反応はなく楽しめた。
    わけがわからないのは変わりないので筋を追うよりテーマを楽しむ作品と思おう。

    0
    2025年08月21日
  • 無関係な死・時の崖(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    友人に勧められて。
    1秒間にたっぷり感情が詰め込まれてるから時間の流れはゆっくりなのに、1文字たりとも逃しちゃいけないみたいな感じだった。
    学生の頃の授業とかで咀嚼したかったな…。

    0
    2025年08月16日
  • 壁(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    皆がまず真っ先に思うのはとてもカフカ的だということ。カフカからの絶大な影響を受けた影が、己の背後から忍び出て目の前で踊り出すぐらいには前面に出ている作品。
    安部公房の作品はストーリー性のある砂の女や密会、哲学的な方向へ重心を置いた箱男、など前衛的な作品でいっぱいだが、その中でも哲学的に軸を置いた作品のように感じた。

    0
    2025年08月13日
  • 他人の顔(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    “孤独というやつは、逃れようとするから地獄なのであり、進んで求める者にはむしろ隠者の幸せであるらしい。”



    “美とは、おそらく、破壊されることを拒んでいる、その抵抗感の強さのことだろう。再現することの困難さが、美の度合いの尺度なのである。”



    安部公房さんの巧みな比喩表現に唸らされ…
    難解な文章や展開を繰り広げながらも
    たまに読者目線におりてきてくれる
    緩急ある構成で点の物語から 次第に面の物語へと姿をかえていく…

    初めて安部公房さんの作品を読んでみたが
    手記という描き方も気に入ってしまった!!


    事故で蛭のような火傷により
    顔という社会の接点を失ってしまう主人公
    仮面を通じて社会との接点を持とうとする
    膨大な思考は
    主人公を少しずつ狂気の世界へといざなっていく…

    人は素顔という不完全な仮面をかぶり
    社会と関わり合い表層的な部分でしか
    お互いを判断していない

    それに対して主人公は
    完全な仮面をかぶった自分は
    本質にたどり着いた特別な存在として位置づける…

    心が離れてしまった妻に誘惑していくのだが
    次第に自分が創りあげた仮面に対して
    嫉妬を抱くこととなる



    妻に誘惑することで観えてきた本質的な世界_

    物語の8割は顔についての
    考察にあてられているが…
    ラストで一気に本質的な部分を
    読者に畳かけてくる!!
    すべて計算して描かれたのだと思うと…
    安部公房さんの凄さを感じてしまい
    鳥肌が止まらなかった!!

    また解説が大江健三郎氏とは…!!
    ラストまで目が離せない
    エンターテイメント作品で
    今は読み終えて 満足感でいっぱいです

    0
    2025年08月11日
  • 密会(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    色欲に支配された社会とはこういうものなのかと思わされた。妻が失踪するところから話は始まるが連れ込まれた病院がとにかく変わってる。インポテつになった副院長が発情するために病院内に盗聴器を仕掛け他の斡旋業者と手を組み様々な人たちの密会を盗み聞きしているような病院で妻を探す主人公が気の毒すぎる。他人の陰茎を移植しまさに馬のような見た目となった副院長は狂気の沙汰ではないがそれが認められるような社会もそのうち来るのか。人間は思考することができる一方で逆に色欲をコントロールできず他の動物と違い年がら年中発情することができ世の中ではそれを売り物としていることへのアンチテーゼなのか。

    0
    2025年08月10日
  • 飛ぶ男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    面白くなってきたーというところで終わっているのがとても残念。飛ぶ男の不思議さよりも他の人々の奇妙な生活がじわじわ滲み出て終わっているのでどうなるのだろうと頭をフル回転。読者ごとにいろんな世界に広がっていくのだろう。

    0
    2025年07月30日
  • R62号の発明・鉛の卵(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    大好きな作家・安部公房の短編集。大学生の時に少し読んだが最後まで読めてなかったので久しぶりに再読。これこれ、この世界観、さすが安部公房。不条理文学の粋が詰まってる。不気味な感じもいい、やっぱ安部公房なんだよな。

    0
    2025年07月17日
  • けものたちは故郷をめざす(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    太平洋戦争後に満州に残った残留日本人である久木久三が日本へと帰る物語。ロシア兵と一緒に生活していた久三はある日日本へ帰ることを夢見て抜け出しそこで高石塔と出会う。彼の本名はわからず多くの偽名を持ち身分もわからないが久三が日本人で本国に帰ることを知ると一緒に行動をするようになる。高は誰かから逃げるように荒野を歩き続け久三も後を追い二人は瀕死の状態となる。最終的に久三は日本へ密輸する船に乗ることとなるがそこで久三を名乗る高とで会い二人は船に監禁され本土へ辿り着くことができない。
    作者が満州で生活し戦後日本へ帰るという波乱な人生を送っていることがモチーフとなっているが当時の混乱がとても伝わる。
    荒野で彷徨うシーンは読んでて辛かったし、実際にこういうことがあったのかと思ってしまう。まさにけもの様な有様で日本という故郷を目指しているのが印象的

    0
    2025年05月31日
  • 笑う月(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    本当に「夢の内容を書き写した創作ノート」以上のものではない。
    「公然の秘密」や「シャボン玉の皮」等は思想が見えて面白い。
    「弱者への愛にはいつだって殺意がこめられている。」
    少し分かる気がした。
    理由はまだ言語化出来ない。

    0
    2025年05月31日
  • 飛ぶ男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    んー、やっぱり研究者でもない単なる一読者が未完成の作品を読むというのは作家に対して失礼なのではないだろうかと思った。
    もっとも、完成品を読んでも著者の描きたかったテーマを読み取れないモブ読者だから関係ないと言われればその通りではありますが。

    「面白くなりそう! 続きを読みたい!」が感想です。

    0
    2025年04月17日
  • (霊媒の話より)題未定―安部公房初期短編集―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読書会課題本でしたが、「天使」くらいまでしか読めてない時点で参加してしまい。
    今頃ようやく読み終わりました。

    後半の、「憎悪」「虚妄」「鴉沼」がじわじわくる好みのぐるぐるでした。
    安部公房作品、ピシャッとはまるものから、???のものまで色彩豊か…ではなくくすんだ色合いの砂とか水中都市に泳ぐ灰色の古代魚までさまざまな長編も短編もあって、読んでみなきゃわからないなぁとつくづく感じました。
    「闖入者」のあまりの怖さにトラウマを抱えているので、このような地雷をふまないようにして。
    「キンドル氏とねこ」は面白そうです。「壁」に続くのかしら…読みましょう。

    0
    2025年04月16日
  • 燃えつきた地図(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    失踪した男の調査をすることになった興信所員である主人公が、やがて自分自身を見失っていく。無機質な都会での疎外感や迷路にはまって、いつまでも抜け出せない不条理さが独特な文体もあって、よく描き出されていると思った。

    0
    2025年04月06日
  • 第四間氷期(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    安部公房は、家元が中学高校一貫校の寮生時代には劇作家として活躍していた。演劇同盟座付き作家N原は、彼に傾倒していた。劇団男優の家元は、江守徹から芝居のイロハを拝借した。
    ところで花田清輝の書評でも書いたが、実に小説の世界(活字の世界)は、流行歌の世界(歌謡曲界隈)に比して繰り返し楽しむ機会に乏しいのは実に残念な事だ。本書も、安部氏の比較的初期作品であるが、彼の特色である人間の意識と感受性に、環境や他者の影響が色濃く出ている。今で言うところのAIにも似た予言機械が登場し、未来が人間に肯定的なものであるのか否定的なものであるのかは、不明である。が、それゆえに人間は未来を知りたがる(占いなどの信憑性が薄いものも含め)。未来は日常生活の連続の末にあり、予言機械は多分に、幸せな未来をより残酷な未来として予知するだろう。そして現代をコンピューター的観念過剰の思考が支配する時代と考えるならば、人間の内的思考を保持するためには個々の育んだ常識が大切であり、ここで支配的に言葉をかける予言機械を拒否し続けることこそ、著者が実は主張したかったことではなかろうか?
    それにつけても、三島由紀夫か安部公房の何れかがノーベル文学賞を受賞すると思ったが。

    0
    2025年04月05日