安部公房のレビュー一覧

  • 密会(新潮文庫)

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    妻が救急車に誘拐されたり、二本のペニスを持つ馬人間から盗聴の書き下ろしを頼まれたり、溶骨症の少女との出会いなど、安倍公房ワールド全開な作品であった。物語の中心に「性」が置かれているのは理解できたが、あまりにぶっ飛んだ内容で、深い意味は十分には理解できなかった。

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    2016年12月12日
  • 友達・棒になった男(新潮文庫)

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    初めての戯曲だっけど、そんなに違和感はなかった。

    「友達」は闖入者が原作とすぐわかったので、
    闖入者を読んだ時のほうがインパクトが強かった。

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    2016年08月19日
  • 水中都市・デンドロカカリヤ(新潮文庫)

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    私は長編が好みなのだが、この短編集はそれはそれで面白かった。ドナルド・キーンさんの解説に同意。カフカと比較されることが多いし、結末は大抵不幸なのだが、なぜかカフカ作品に漂う救われなさは低め。

    それと、作者本人しか分からないことをほじくったり、カフカの影響のあるなしの論議にとらわれず、楽しめばいいに烈しく同意。読書会なるものにも参加し、夏目漱石の「こころ」については解説本なるものを読んでしまったが、その経験を経て、あまり重要ではないと思った。

    夢十夜もゆりがなにを意味するかを考えるより、私はその幻想的な光景を頭に描き出す方が好きだ。

    でも、この短編集は人間誰でもが持つ性情を大げさに描き出す

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    2016年07月11日
  • 友達・棒になった男(新潮文庫)

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    『友達』が特にいい。家族の個性あふれる挙動・言動がおもしろい。「男」とその「婚約者」とのあいだの間もさすがだ。

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    2015年12月31日
  • 密会(新潮文庫)

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    いわゆるスリップストリームぽい小説で、話の流れとしてはおいおいどこ行くんだよと感じますが、随所の比喩はさすがの安部公房でファンなら楽しめる一冊だと思います。ファンじゃないならもっと先に読む本があるかな。

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    2015年08月22日
  • 飢餓同盟(新潮文庫)

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    話の筋は置いておくにしても、なかなかに理解が難しい作品だった。結末も救いがない。
    本筋とは外れるが、私は著者の日本語の使い方が非常に好きである。個人的には三島由紀夫よりも素晴らしいと思っている。

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    2015年07月26日
  • 方舟さくら丸(新潮文庫)

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    ずいぶん前に安部公房はこんな前衛的な作品を書いていた。地下の核シェルター。巨大便器。ユープケッチャ。方舟に乗って逃げ出せるのは一体誰なのか。

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    2015年04月07日
  • R62号の発明・鉛の卵(新潮文庫)

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    風刺とかそういうのが一番の魅力なんだろうけど、やっぱり登場人物が抑圧され続けるのが面白い。戦場の物理的な不快感や、自分の状況からくるどうしようもない絶望感とか、そういうのが何重にも押し潰そうとしてきて、でも何もできない。一番好きだったのは、死んだ娘が歌った…

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    2015年02月25日
  • 無関係な死・時の崖(新潮文庫)

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    しんみりしたり、ゾッとしたり、少しミステリーだったり、いろいろ楽しめる短編です。
    やっぱり阿部公房は面白い!

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    2015年01月19日
  • 方舟さくら丸(新潮文庫)

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    超久しぶりに読んだ安部公房。核戦争が起きるかもしれないと廃坑を船に見立てて立てこもる太った主人公と、それにまつわる人たちの微妙にへんちくりんなやり取りが延々と。核戦争、って辺りが時代を感じてやや古臭かったけど、へんちくりんなやり取りはいかにも。

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    2014年10月01日
  • 水中都市・デンドロカカリヤ(新潮文庫)

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    脳内宇宙です。
    いつも誰かに見張られているような視点があり、逃げたり、対峙したり、無視したり、囚われたり。
    脳内世界へようこそ。

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    2014年07月19日
  • 無関係な死・時の崖(新潮文庫)

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    再読。
    初めて読んだのは10年くらい前で表題作の「無関係な死」以外は印象が薄かったのだけど、今回は他の作品もじわじわ楽しめた。
    特に面白かったのは複雑な構造のビルが登場する「賭」、盲目の恋に警鐘を鳴らす(鳴らしてないか)「人魚伝」、ボクサーの孤独な戦いを描いた「時の崖」、そしてもちろん表題作の「無関係な死」。

    安部公房さんの小説に私はいいように振り回されてしまう。
    モグラ叩きやらワニワニパニックやらのようにあっちかと思ったらこっち、その次の瞬間にはまた別のところにいる。
    その混乱が不思議と癖になる。
    短編は混乱の度合い(?)がちょうど良い気がする。
    これが長編になるとまた大変で、以前は読み切

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    2014年07月17日
  • 水中都市・デンドロカカリヤ(新潮文庫)

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    父親を名乗る男が奇怪な魚に生まれ変わり街が水中世界に変わっていく。青年が見慣れぬ植物になっていく。等々、阿部公房の傑作短編集。もちろん優れた文学なわけだが、まーぶっちゃけカフカのような世界観がマジキチw

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    2014年06月22日
  • 密会(新潮文庫)

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    なんともいえない破滅感のなかで脈略なきストーリーが進んでいく。失踪した妻を追うなかで出会う馬をはじめとした人々が主人公を崩壊させていく。
    エロスとユーモア散りばめられるが一寸先がわからない読み味により、何度も意識がとんでしまいそうになる。
    結末が気になり最後まで読ませてくれるが、本来は非常識が常識となる雰囲気を楽しむのがこの本の味わい方と考える。

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    2014年01月18日
  • 方舟さくら丸(新潮文庫)

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    もし自分がもぐらだったら、乗組員なんて求めずに
    それこそユープケッチャのように閉鎖的に生きていくのになぁー
    なんて思ってしまった。
    そして、それはもぐらより排他的な考えなんだと気づいてへこんだ。

    ラストはもぐらにとってハッピーエンドだったのか。バッドエンドだったのか。
    まっすぐ立っているつもりが、いつのまにか地面がぐるっとひっくり返って
    逆立ちさせられてるような気分。
    女への尻叩きで表現される駆け引きの変態性がたまらない。

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    2013年09月23日
  • 密会(新潮文庫)

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    安倍公房による、1977年の長編小説。

    社会には催淫表象が遍在している。文化的・欺瞞的意匠を施していても、一皮剥けばそこには性的欲望の蠢きがその生々しい貌を出す。現代社会を駆動させているものは、およそすべて「性」に根源をもっているのであるかのように。

    "それにしても、べらぼうな音の氾濫だった。追従、怒り、不満、嘲笑、ほのめかし、ねたみ、ののしり・・・・・・そしてそれらのすべてにちょっぴりずつ滲み込んでいる猥褻さ。"

    人間は、その剥き出しの性的欲望、セックスの無間地獄に落ち込んでいくしかないのか。ところでいま「地獄」と表現したが、そもそもそれは本当に「地獄」だろう

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    2013年09月24日
  • 密会(新潮文庫)

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    安部公房の中では読みにくいタイプ。「箱男」タイプの一人称視点とレポートが混在する。謎の誘拐(?)事件から、病院への潜入、病院内での乱歩「パノラマ」的な性的な倒錯、偏執とまあ、ストーリー自体は追えるが、細かい描写に表現に頭がなかなか付いて行かない。とにかく、始終夜である。夜の倦怠と恐怖と魅力というものが、これ以上ないくらいに詰め込まれている作品。夢と性という視点から考えると、ユングかフロイトが下敷きになっているのかな。

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    2013年06月29日
  • 密会(新潮文庫)

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    どこまで地獄に続くだろうと期待しながら読み進め、やっと最後の2ページで地獄らしく切なくなった。
    安部公房の小説の構造は、何度も読み込まなければ味が染みてこないような気がする。

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    2013年02月08日
  • 燃えつきた地図(新潮文庫)

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     1967年初出だが、内容は極めて現在的。近年よく「生きづらさ」ということが言われるが、そんなものは今に始まったわけではないことがわかる。

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    2018年08月16日
  • 飢餓同盟(新潮文庫)

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    八方塞がりの現実のなかであがきもがいているわたしたちすべてのうちに、花井や矢根や森といった人間が現に住み着いていることを、わたしたちははっきりと知るべきだろう。(p268)

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    2012年07月02日