安部公房のレビュー一覧
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ネタバレ安部公房さんの本はこれが初めて。素人ながら、簡単な感想を述べたいと思う。
まず『友達』について。
ページをめくるたびにゾッとするような善意の押し付け。主人公の男の話は誰にも信じてもらえず、ただ孤独であることを許されない様子が非常に気味悪く、滑稽でもあった。
「私たち、友達でしょ?」
「誰かと一緒にいた方が幸せに決まってる」
それはそう、それはそうなのだが。
人は、少なくとも自分は、孤独である事よりもそれをまざまざと見せつけられたり、それが許されないことの方が辛い。押し付けられる善意はむしろ迷惑に感じてしまう。
しかし、実際はその迷惑さは伝わらないことが多いのではないか。
親切には変わりないの -
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代表作『砂の女』を書いていた時期に並行して書かれたいくつかの短篇作品を収録したものです。『砂の女』を思わせる、黴臭いくらいの和のテイストを感じる作品もありますし、初期の作品から続くテイストであろう想像力がぶっとんでいるおもしろい作品もあります。『なわ』なんていう残酷なものもあり、読み手をひとつところに停滞させず、そればかりか揺さぶってくる短篇集になっていると思いました。
とくに「人魚伝」という作品に夢中になれました。沈没船の探索中にであった緑色した人魚に恋する話ですが、一筋縄では終わらない。この作品もそうなのですけれども、既視感を覚えることなく、「いままさに知らない物語のなかにいる!」という -
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「他人の顔を付けること」は「他人になる」と同じこと?
1968年(昭和39年)発行、半世紀以上前の作品。
液体空気の事故で顔を失った研究所勤めの男が、
「他人の顔」を作り上げてその顔で妻を誘惑し、
妻の愛を取り戻そうとする。
主人公の「ぼく」は、仮面を作るに至ったいきさつ、
混沌とした迷い、仮面をつけた自分がなにをすべきか
という決断までノートに手記を書き続け、手記の
中で妻の「おまえ」に語り掛ける。最後に、その
手記を妻に読ませる。「ぼく」の浅薄さと悲哀が
鮮やかに浮かび上がってくる結末に、あっと
思わされた。
昭和中期の泥臭い雰囲気がたまらなく良かったです。
モノクロか初期のカラ -
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安部公房 「 方舟さくら丸 」核シェルターを舞台とした近未来小説。
仕掛け(著者が提示したアイテム)が多いので、いろいろな捉え方ができる
著者にとって 人間の在るべき姿は、定着せず 移動し変化することであり、生きのびることより、最後まで 生の希望を持ち続けることであるというメッセージを感じた
近未来への警鐘的なテーマ
*自分の糞を餌として 移動せず 生きる虫(ユープケッチャ)と 便器にしゃがんだまま 旅を妄想する主人公を同一視している
*核兵器や便器を リセットボタンのように描いているが、リセットされても悲観的な人間像しか出していない
*生きのびるための切符配りやオリンピックの国家の出し -
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難しい。。
メッセージがあるとは思うがはっきり分からない。
映画「マルホランドドライブ」を初めて見たとき以来の謎を感じている。
全体を通して大量消費に基づく、資本主義への皮肉を描いているのか?
第一景 鞄
女と客が資本者で鞄は労働者のメタファーなのか?
鞄の中身が虫だとしても殺虫剤で軽く殺そうとしている描写。虫は労働者の心、人格のメタファーで資本者にとっては取るに足りない、なんの哀れみもなく殺せる、むしろ嫌なモノ。ということを描いている?
第二景 時の崖
ボクサーはサラリーマンのメタファー、
階級は社内の出世のメタファーと考えた。
とすると、ボクサーがランクを上げる際に何人ものボクサーを -
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ネタバレ妻の立場だったなら、「顔だけが変わったからって、あなただって気付かない訳ないでしょう」と思う。骨格、肉付き、爪の形、仕草だって、「あなた」だって気付かせるに十分すぎるくらいだと思うから。けれど人って、失われたと思うものに程執着するし、「顔」って常に外界に向けて公開されてしまうものだから、主人公がここまで執着して苦悩してしまうのも無理がないし私もそうなると思う。妻も主人公の悲しみ苛立ちを受け止めようと、また一部道徳的な自己戒律から仮面をかぶって暮らしていたんだと思う。その全てが見えなくなるほどに苦しんだ主人公を非難はできないけれど、妻からすれば、私の気持ちをくもうともせず自分のことばかり憐れんで
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ネタバレ読んでいて、段々訳が分からないものに足元を掬われる思いがしてきた。
人間そっくりだと言う、火星人を名乗る男と、放送作家の男の会話で物語は進んでいく……が。
火星人を名乗る男の目的が全く分からない。分からないのに、それを回避してひたすら喋っている。作中で本人も言っていたが、大きな嘘を隠すために小さな嘘を沢山ついている。だから、何が本当か分からない。
最後の最後まで、訳が分からない。
放送作家は、自分が段々何者か分からなくなっていったと思うが……
以前、カンガルー・ノートを読んだ時も、何が現実で、何がそうじゃないのかが分からなくなってきたみたいな感想を書いたが、今回もそんな感じだった。
これ -
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ネタバレ高校生以来の安部公房。 内容よりもまず、文体と構成、言葉選びがかっこよすぎる。「物語」としての強度は言わずもがな、その独自の「形式」の圧倒的なセンス。ラインを引きながら読んでいたのだけれど、引く箇所があり過ぎた。 特に後半にかけてのスピード感と陶酔感、そして虚無感が素晴らしい。全編に散りばめられたブラック通り越した底が見えない、あの便器のように暗い黒いユーモア。
閉ざされた巨大空間、方舟、=王国。自らの「排他性」を他者の介入により自覚していく主人公=モグラ。外の世界では「棄民」とされ、またそれを自覚して強度を増す「ほうき隊」と呼ばれる老人男性集団の躁状態。
「統治」する快感と「統治」される -
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ネタバレ『夢の兵士』
詩的。
『使者』
安部公房らしさは、少しはあるが、発想とかの点で、あまり面白くない。
『賭』
安部公房らしい発想と内容で面白かった。
『なわ』
戦後文学ぽく、面白かった。
小島秀夫が、ゲーム『デスストランディング』で引用していた言葉が、最後に出て来たが、この短編『なわ』で使われていた"なわ"の使い方は残酷だった。
『無関係な死』
誰もが考えそうな、家に帰ってみると見ず知らずの他人が死んでいたという設定で、安部公房らしい話が続く。
『人魚伝』
人魚への純愛を描く。
結末は、何とも面白かった。
〈感想〉
いかにも戦後文学というのを味わえた。 -
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読書会で紹介された本です。
こちらの表紙は「デンドロカカリヤ」っぽいですが、読んだ本の表紙は「水中都市」っぽいので古いバージョンなのかな。
面白かったです。
「デンドロカカリヤ」「手」「詩人の生涯」「水中都市」が好きでした。
人が植物や魚になったり、世界が凍りついたり水中に沈んだりする、不思議な世界が楽しかったです。水中都市で空中を泳いでみたいです。魚は怖いけど。
「闖入者」はとてもブラックで怖かったです。結末が辛い。
安部公房は寓意があるのかどうかよく分からないですが、このよく分からない感じを楽しむので良いのかなと思います。
解説がドナルド・キーンさんでした。読者に私なりの「解釈」を押し付け