安部公房のレビュー一覧

  • 友達・棒になった男(新潮文庫)

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    安部公房の戯曲集。

    表題作『友達』は非現実的な世界観が、主人公を通じて日常的なものへと錯覚させられる、読み進めていくうちに思わず引き込まれていく作品でした。
    日本社会において、個性や個人という考え方を維持することが難しく、全体主義、連帯責任というものに押さえつけられてしまうという現状を表現したものであり、これは現在の日本社会でも通じるとことだと思った。

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    2011年09月19日
  • 友達・棒になった男(新潮文庫)

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    「友達」「棒になった男」「榎本武揚」の三つの戯曲集。
    戯曲ははじめて読んだけど、会話形式なのでサクサク読めて楽しめた。相変わらずブラックな笑いのセンスが抜群の「友達」がお気に入り。

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    2012年11月29日
  • 飢餓同盟(新潮文庫)

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    ユートピア思想の具現化を追い求めて結成された「飢餓同盟」。
    排他主義・権威主義がはびこる廃れた温泉町に革命の機運を起こすべく奔走するが、徐々に手段が目的と化し、自らも政治・経済システムに取り付かれた狂人となり果て、同盟が瓦解していく模様を綴った作品。


    支配の重壁に押しつぶされようとしている人々が、立ち上がりその壁を突き崩そうと試みる。
    例えその試みが儚く敗れ去ったとしても、彼らの飛ばした小さな火花の中に、私たちの社会のより良い可能性を見つけることができるのではと感じました。

    私はこの作品を絶望ではなく希望の教訓であると信じたい。

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    2011年04月10日
  • 友達・棒になった男(新潮文庫)

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    ほら、あるでしょ。
    クイズに不正解だったお笑い芸人が、突き落とされて小麦粉まみれになるやつ。
    あと、少しズレちゃうんだけど、その時自分は面白く無いのにTVの向こうではわざとらしい笑い声がゲラゲラ入ってて、何かから取り残されちゃったなーって感覚。
    その傍観者でいたはずの自分てのも、その実当事者であったりするわけで、知らず知らずに小麦粉まみれの芸人やわざとらしいゲラゲラになってる可能性のが高いんだよね。
    そんな意思は無くても。
    そこがなんか怖くて腹が立つ。

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    2011年02月27日
  • 友達・棒になった男(新潮文庫)

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    またまた安部公房の「有り得そう」と錯覚させてくれる作品。特にこれは戯曲だから、変にリアルなの!

    いくつか作品が収録されているけど、私は「友達」が1番好き。

    無茶苦茶な家族がいい具合に有り得ない。でもだんだん、本当にこの家族が存在するような錯覚に陥る。まさに安部公房の魔法。



    実際に上演されるなら絶対観てみたいな。

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    2010年10月22日
  • 友達・棒になった男(新潮文庫)

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    他の作品とは違って、台本をテキスト化したものなのでちょっと特殊な文体です。この事によって、普通は不可能である、人物が同時に別行動をするという表現が可能なので、短文でありながらも人物の表情や仕草を捉える事が出来る。ちょっと不思議な感じです。
    <友達>ある一人暮らしの男の部屋に、見知らぬ9人の家族が上がり込んでくる。出ていけと迫る男に堂々と、自分達がどれだけ大切な存在か、貴方が必要としているかと説き、訳も分からぬまま住み着かれる。大衆とは世間とは、ただの他人の集まりでしかないという恐怖を描いた作品。
    <鞄>ある新婚の女性が、悩みを友人に打ち明けるが.........それはとてつもなく大きな悩みでも

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    2009年10月04日
  • 箱男(新潮文庫)

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    正直に言いますと、迷子になりました。

    箱男が贋箱男なのか、手記の書き手が誰なのか、
    今誰が話者なのか、これ妄想なのか、
    とかとか。

    序盤は箱男への変貌の過程とかなので、
    何を言ってるのやら、と思いながら読み進めていきますが、途中から物語が始まり、落書きしてる内容なのか事実が語られてるのかかなり混乱させてくる形となっている。

    箱をかぶることで、外の世界を一方的に覗き見できる。社会から切り離された存在になりながら、世界を観察し続ける——これは 匿名性・アイデンティティの喪失・現代人の疎外 といったテーマがあるとかないとか。

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    2026年06月20日
  • 壁(新潮文庫)

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    ネタバレ

    理不尽な目に遭うところにカフカ味を感じる、通してわからない小説だった。わからなさを愉しむものと割り切って読んだ。 相手から一方的に言われたり行動を強要させられたりするところは気味が悪かった。 物に話しかけられることは羨ましく思った。自己を奪われる体験だったとしても。 2部のバベルは狸からの強要を拒絶して主体を取り戻すところが全体的に暗い雰囲気の作品の中で僅かな光みたいだった。

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    2026年06月17日
  • 密会(新潮文庫)

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    時系列と位置関係と人物、どれもぐちゃぐちゃのままだったが、いつの間にか手記の中に引き込まれていた。性の持つ引力を小説にするならこういう感じになるのかもしれない。簡単には捉えられないものを、噛み砕かずそのまま表現するのが巧みだと感じた。

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    2026年06月11日
  • 箱男(新潮文庫)

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    カメラのファインダーを覗き込んだ時の感覚と似ているので、そういうところから着想した話なのだと思う。箱は単に身を隠すためのものではなく、カメラそのもので、小さな四角い穴は世界を最高解像度で消費するためのレンズなのかもね。普通に見るよりも、小さな箱(枠)を通して世界を観ると、より細かな部分を、より繊細に捉えることができる。
    強いメッセージ性があるというよりも、覗き見たいという純粋なフェティシズムを強く感じて気持ち悪かった。
    最後の方はカオスすぎて、よくわからないまま読んでました。
    箱はゴミに同化していて誰からも気付かれない安全圏だと思っていたのに、自分が見ているのと同じくらい、他者に見られていた。

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    2026年05月31日
  • 第四間氷期(新潮文庫)

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    未来を予測できる機械から始まるSFが、しばらくするとサスペンスの雰囲気になり予想がつかない展開に。プログラミングの用語がでてきたり、約70年前とは思えない設定に驚きました。タイトルの意味も終盤で明らかに。

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    2026年05月30日
  • 飢餓同盟(新潮文庫)

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    「飢餓同盟」というなんとなく空虚な団体(前の名は「ひもじい同盟」)の元、理想が野望になり、崩壊する。温泉、地熱発電のために薬品を飲んで死に至る者、狂人となる者。非現実な事が今後も起こらないこともない事を示唆する。2026.5.26

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    2026年05月26日
  • 笑う月(新潮文庫)

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    決してつまらない訳じゃないんだけど、読んでると眠くなる不思議な本。

    「鞄」は何か教科書かテストかで見たことあるような気がする。
    「シャボン玉の皮」はタイトルがとても好き。
    「発想の種子」が一番内容としては好きだったかな。

    明確に、発芽の状況を見きわめるまでは、はたして自分が今も作家であるのかどうか、どうしても確信をもつことが出来ない。ただ、知らぬ間に取り込んだかも知れない種子に期待して、その時が来るまで待ちつづけるしかないのである。

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    2026年05月17日
  • カンガルー・ノート(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ずっとリアルな夢を読まされているような…夢の支離滅裂というか全然繋がらないことが繋がっていたりみたいな…なんか全然わかんないんだけど死の香りと人間味と滑稽さはあって…ちょっと時間経ってからまた読みたいかも。とても不思議な作品。

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    2026年05月09日
  • 壁(新潮文庫)

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    ふ、不条理〜!!
    徹夜で読んだから頭働いてなかったけど、頭冴えてるときに読んでも理解できなかったような気がする。第二部の後半からぜーんぜんわからなくなってしまった……

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    2026年05月05日
  • 笑う月(新潮文庫)

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    夢の話だという前置きはあるものの、どことなくリアリティがあって不気味。「シャボン玉の皮」「鞄」「自己犠牲」が良かった。

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    2026年05月04日
  • 箱男(新潮文庫)

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    高校生くらいにハマった安部公房
    何か流れる違和感がその時は気持ち良かったような
    今再読したら、どんな感想になるか知りたい

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    2026年05月02日
  • 友達・棒になった男(新潮文庫)

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    榎本武揚」を除き
    読書終了

    もともと読みたかった
    棒になった男を読めて満足……,
    でもない

    結果
    過程がないから全ては想像で読み続けるしかない。

    カフカの『変身』よりは
    まだ明るく読めた感じですが。


    「友達」の方が
    理不尽すぎて嵌りました((笑

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    2026年04月27日
  • 箱男(新潮文庫)

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    思った以上に長くかかりました。

    箱男が箱をかぶる理由は一体。
    何十年も前のものなのに,現代の社会風刺に感じました。


    この人の本は,
    疲れたときや気が滅入っているときに
    読むのは避けた方がいいですね。


    しばらくは
    放置します((笑

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    2026年04月27日
  • 笑う月(新潮文庫)

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    「夢という意識下で綴っている創作ノート」ということで、安部公房の作品がどんな風に生まれていくのかが少し想像できた。
    まず思ったのが、天才は見る夢からして違うんだということ。
    夢の内容が独特な世界観だし、すでにどこか文学的。思いっきり凡人の私には、理解が難しい部分もたくさんあった。
    それでも、なぜだか知りたい、わかりたいと思わせてくるような本だった。

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    2026年04月26日