安部公房のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
他の作品とは違って、台本をテキスト化したものなのでちょっと特殊な文体です。この事によって、普通は不可能である、人物が同時に別行動をするという表現が可能なので、短文でありながらも人物の表情や仕草を捉える事が出来る。ちょっと不思議な感じです。
<友達>ある一人暮らしの男の部屋に、見知らぬ9人の家族が上がり込んでくる。出ていけと迫る男に堂々と、自分達がどれだけ大切な存在か、貴方が必要としているかと説き、訳も分からぬまま住み着かれる。大衆とは世間とは、ただの他人の集まりでしかないという恐怖を描いた作品。
<鞄>ある新婚の女性が、悩みを友人に打ち明けるが.........それはとてつもなく大きな悩みでも -
Posted by ブクログ
カメラのファインダーを覗き込んだ時の感覚と似ているので、そういうところから着想した話なのだと思う。箱は単に身を隠すためのものではなく、カメラそのもので、小さな四角い穴は世界を最高解像度で消費するためのレンズなのかもね。普通に見るよりも、小さな箱(枠)を通して世界を観ると、より細かな部分を、より繊細に捉えることができる。
強いメッセージ性があるというよりも、覗き見たいという純粋なフェティシズムを強く感じて気持ち悪かったです。
最後の方はカオスすぎて、よくわからないまま読んでました。
箱はゴミに同化していて誰からも気付かれない安全圏だと思っていたのに、自分が見ているのと同じくらい、他者に見られてい -
Posted by ブクログ
舞台化されると聞いて手に取った一冊。
時代背景もあるのだろうけれど、言葉は難解で比喩も多く、正直なところ読みやすい作品ではない。
さらに、やや過剰にも感じる性的な描写が続き、そこまで必要か?と首をかしげる場面もあった。
けれど──物語そのものは、とても面白い。
砂丘へ昆虫採集に出かけた男は、帰り損ね、親切な老人の計らいにより、一夜の宿を与えられる。
そこは、女がひとりで暮らす、砂に埋もれた家。
蜂の巣のように砂丘にぽっかりと開いた穴の底にあり、出入りの手段は上から下ろされる縄梯子のみ。
一夜のことと思っていた男の目論見は、朝になって崩れる。
縄梯子は消え、女は淡々と言う。
「明日になれば