安部公房のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
短編小説かと思って読み始めたが、前半はエッセイ風の内容だった。
ところが後半は一転して不思議な話になり、安部公房自身が見た夢を描いているのだろうか。
主人公もまるで別人のようになり、突拍子もない展開が続く。
これが本当に見た夢だとしたら、安部公房の頭の中はぶっ飛んでいる。
創作だとしても、その発想力はやはりすごい。
「自己犠牲」も面白かった。
ボートで漂流している3人が、全員自分を食糧にしろと言い出す。
自ら死を望む者たちは、自らの手で命を絶っていく。
最後の展開もまたブラックで、安部公房らしくてよかった。
前半のエッセイ風の内容よりも、後半の小説風の作品のほうが楽しく読めた。 -
Posted by ブクログ
砂丘へ昆虫採集に向かった教師が砂の下にある1軒の家に閉じ込められ脱出模様を描く物語。
砂下の家に閉じ込められ砂が原因でなかなか脱出が出来ないという設定は面白い。当時1962年刊行で斬新だったのではないか?
閉じ込められた家には当然ガス、水道、電気が通ってなく毎日のように溜まっていく砂を取り除いた成果で村の人からの配給が生活を支える。
脱出しようにも村の人はさせてくれず、人手不足ということで閉じ込められた教師も働くこととなる。
やはり終始読みにくい
なかなか情景、風景描写が困難
砂の下に家がある事もまず理解出来ない
物語が面白いだけに細かい設定をしっかりとしてほしかった。矛盾で荒唐無稽な箇所がある。
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Posted by ブクログ
映画版『砂の女』『他人の顔』の二本立て上映があったので、『砂の女』は読んでいたけど、こちらは読んでいなかったので、予習のために。
顔に醜い傷を負った男が、仮面(というより新しい素肌)を作っていくのだけど、この男の性格が非常にめんどくさい。
こな鼻の尖った顔は外交的であり、またこの顔の形は内向的であり……という新しい顔の形をどうするか? という延々と続く一人議論から始まり、顔というのは個人の証明であり、顔を主張するということは他人になることであり云々かんぬん……と妻に向けた手記を延々と綴っていく。
いいからとっとと新しい顔を作って妻と新しい人生をスタートさせろよ、と思うのだけど、不思議なものでこのめんどくさい男の行先が結構気になってしまう。
さらにこの男の作る仮面というのは、本当に他人を誤魔化せるほどの精巧な代物なのだろうか?というのがこの男の主観でしか語られないからわからず、果たして周りの人はこの男の醜い顔同様、仮面の有無も触れずにいてくれているのではないか?という疑問は小説ならではの楽しみだったと思う。