安部公房のレビュー一覧
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人生において場所がどれだけ重要なものなのか。結局不平等な社会にも適応してしまい、やる意味を与え続ければ不満なく生きられるのか。
蟻地獄に転落した主人公が脱出を試みながらも社会の縮図に気付き(?)順応していく様を見届ける不条理物語。
男は地上にいるときから幸せを持ってない。
教師という仕事も、希望を持つのは生徒、嫁との生活にも活力はなく、趣味の昆虫採集も名声のためでしかない。
最初から幸せじゃない男は、蟻地獄の底で生きがいを見つけてしまう。
幸せな人生とはなんぞやと思わず迷走してしまう。
結局彼は穴の底で、最初に求めていた"名声"のカケラを手にして終わる。この小さな小さ -
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ネタバレ意味が分からないままとりあえず読み進め、読後にあらすじまとめを読んでもやはり意味がわからず、考察を読んで初めて少し納得した感じ。
途中、展開の意味がわからなすぎて、アリスのような童話のつもりで書いているのかと思った。
名刺という社会的な自分の名前を消された時、残った自分という存在は、自分を自分であると認識ができるだけで、そこにただ”存在”しているだけの、生物としてだけの存在になってしまうのではないか。
考察を読むと、とらぬ狸が特に面白かった。
とらぬ狸とは人間の非現実的な願望であり、目玉銀行へ目玉を預けること要求されるのは、現実を見る能力を手放すように促している。
赤い繭では、家を探し求 -
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「間氷期」とは、地球の氷期と氷期の間の比較的暖かい期間のこと。現在が「第四間氷期」である。とすると、次の氷期が訪れるという話なのかと思いきや、そうではなかった。未来を予知する「予言機械」の開発者が殺人事件に巻き込まれるところから始まり、人類の未来に関する大いなる謎へと繋がっていく。
主人公である予言機械の開発者は、その機械の「使い道」を考えなければならない状況になっている(しかも政府の意向に反しない範囲で)。それは当たり前のように見えて、実はそうでもない。純粋に技術的興味(シーズ)によって開発をしているだけの開発者にとって、用途(ニーズ)などはどうでもいいのである。
そもそも、新しい技術が -
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主人公の宅に来訪してきた目の前にいるこの気違いは、果たして人間なのかそれとも火星人なのか。話しているうちに会話の主導権を握られ、己すらも人間であるという自信がなくなってくる。なぜ己は己を人間だと断言できるのか。気違いが火星人ではないと否定することもできなくなってきてから、物語は予期せぬ展開を迎えることになる。
気違いと対峙しているシリアスな緊張感があった。特に序盤のナイフを手にするくだりでは、自称火星人が何をしでかすのかわからない恐怖がありありと伝わってきた。しかし最後まで読んでしまうと、一体誰が人間で誰が気違いなのかがぼやけてくるのも恐ろしい。いっそ皆火星人であってくれた方が幸せな結末だっ