安部公房のレビュー一覧
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こんなに面白い本、なぜ今まで読まなかったんだろう。
昭和50年代に書かれた物語なのに、とても斬新で新鮮だった。なんだこの話は⁈って衝撃だった。
状況や心の機微などの細かな描写に、とても惹きつけられたし、主人公がどうなっていくのか、どんな結末を迎えるのか、ずっと気になり、前のめりだった。Posted by ブクログ -
箱を被り生活する男、設定が最高に面白かった。内容は意外に複雑で噛み締めて読まないとなかなか理解できなかった。
永瀬正敏主演で映画もやるので絶対に観たい。Posted by ブクログ -
人はみな他人の顔を求めるものだと思う。 SNSで友人を作るのが当たり前になっている現代は、出版された時代と比べてもかなり「自分とは別の顔」が普及した世の中になっている。
のみならず、コスプレやメタバース、ゲームのアバターなど「自分以外の自分」で自己表現ができる機会は多い。
化粧や整形の普及もあって、...続きを読むPosted by ブクログ -
[感想]
『友達』のなんだかわからない世界観に強引に引き込んでいく安部公房の描写力、会話力がすごい。
『棒になった男』の棒とは何か?観客に向けて棒の森と言っているので、現代社会に生きる人々=棒と言っているのか、決まりきった考え方で生き死んでいく人々のことを棒と言っているのか様々な考察ができる作品なっ...続きを読むPosted by ブクログ -
電子頭脳を持つ予言機械、今で言う人工知能のような機械にある男の未来を予言させたことに端を発し、事態はあれよあれよと急展開を迎える。
SF的な要素があるかと思えば、唐突にミステリーな要素が垣間見えたり、SF小説と言われているが、不思議な作風だった。この作品が日本で初の本格SF小説だそう。
そして、19...続きを読むPosted by ブクログ -
安部公房特有の暗くねばっこい質感がありながら読む手を止まらせない一冊。
探偵としてあちこち探し回り、一癖も二癖もある人たちと何度もすれ違っているが探してる男の姿は一向に見つからない。影さえ見えないままだから心のどこかに知らない影を作りたがるのは誰もがそうなのかもしれない。
そうして終わらない迷路...続きを読むPosted by ブクログ -
村に着いたときからこの世ではないどこか別世界に行った感覚。自分が主人公になってしまったらと想像すると恐ろしい。読んだ後に悪夢を見た気がする。主人公の心情変化が見どころだと思う。Posted by ブクログ
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安部公房の短編集は読むのにすごくエネルギーがいる。長編小説であれば最初から最後までトップスピードというわけにはいかないので「遊び」がある。遊びとは、安部公房の世界から我々の住む、あるいは理解し得る世界へ戻って来れる瞬間のことである。しかし短編小説では向こうの世界に入ったっきり、物語が終わるまで帰って...続きを読むPosted by ブクログ
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ネットで話題ということで気になっていたがなかなか出会わず忘れていた頃、たまたま立ち寄った書店で平積みになってるのを発見。小さなお店に似つかわしくないほどの大量の平積み。買い求める際もなぜか店員さんがとても喜んでいたのでこの人この本好きなんだな。と、思っていたところ本のオビを見て納得。オビの文句書いた...続きを読むPosted by ブクログ
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これまで読んだ安部公房の中では、
私にとっては難解で、
意味を理解するというよりは、
円環的で、主客が狂っていく、
いつもの蟻地獄のような安部公房世界を味わうことに努めた。
難解な理由の一つは、
会話が、描写が、
何を言っているのかわからないのだ。
限りなくリアリティがあるような変哲もない団地の景...続きを読むPosted by ブクログ -
冒頭の「S・カルマ氏の犯罪」はゴーゴリの『鼻』を思わせる。名前を失った男の内なる「壁」が成長し、果ては自身を飲み込んでいく。名前は他者と区別する一つの壁かもしれない。そもそも、生物か否かの条件は、外界と隔てる壁があるか否かだ。人は壁がなければ生きていけないのかもしれない。Posted by ブクログ
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見ているのか、見られているのか
この話がおかしいのか、自分がおかしいのか
彼我の境界があるようで、ないようで
箱をかぶった変態の話かと思いきや、変わってるのは理解できない自分なのかと不安になるPosted by ブクログ