安部公房のレビュー一覧
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ネタバレ意味が分からないままとりあえず読み進め、読後にあらすじまとめを読んでもやはり意味がわからず、考察を読んで初めて少し納得した感じ。
途中、展開の意味がわからなすぎて、アリスのような童話のつもりで書いているのかと思った。
名刺という社会的な自分の名前を消された時、残った自分という存在は、自分を自分であると認識ができるだけで、そこにただ”存在”しているだけの、生物としてだけの存在になってしまうのではないか。
考察を読むと、とらぬ狸が特に面白かった。
とらぬ狸とは人間の非現実的な願望であり、目玉銀行へ目玉を預けること要求されるのは、現実を見る能力を手放すように促している。
赤い繭では、家を探し求 -
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「間氷期」とは、地球の氷期と氷期の間の比較的暖かい期間のこと。現在が「第四間氷期」である。とすると、次の氷期が訪れるという話なのかと思いきや、そうではなかった。未来を予知する「予言機械」の開発者が殺人事件に巻き込まれるところから始まり、人類の未来に関する大いなる謎へと繋がっていく。
主人公である予言機械の開発者は、その機械の「使い道」を考えなければならない状況になっている(しかも政府の意向に反しない範囲で)。それは当たり前のように見えて、実はそうでもない。純粋に技術的興味(シーズ)によって開発をしているだけの開発者にとって、用途(ニーズ)などはどうでもいいのである。
そもそも、新しい技術が -
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主人公の宅に来訪してきた目の前にいるこの気違いは、果たして人間なのかそれとも火星人なのか。話しているうちに会話の主導権を握られ、己すらも人間であるという自信がなくなってくる。なぜ己は己を人間だと断言できるのか。気違いが火星人ではないと否定することもできなくなってきてから、物語は予期せぬ展開を迎えることになる。
気違いと対峙しているシリアスな緊張感があった。特に序盤のナイフを手にするくだりでは、自称火星人が何をしでかすのかわからない恐怖がありありと伝わってきた。しかし最後まで読んでしまうと、一体誰が人間で誰が気違いなのかがぼやけてくるのも恐ろしい。いっそ皆火星人であってくれた方が幸せな結末だっ -
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そもそも論だけど、安部公房の文体かっこよすぎる、勇ましいというか、なんというか、
アリスのカメラ
「シャッターを押しつづけていさえすれば、いつかアリスが写っているかもしれないという幻想。不可能にかけた、一瞬の緊張。それは、現実の拒絶であり、部分への解体の願望でもあるだろう。だが、アリスと出会えるのは、不思議の国の中でしかない。」
カメラで写真を撮ることで写り得ないであろうものの存在を肯定しようとするの皮肉だよな、あるものしか写らないカメラに対して、存在しないはずのものが写ることを祈るなんて、
公然の秘密
「当然だろう、弱者への愛には、いつだって殺意がこめられている。
やがて仔象は、古新聞の -
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ネタバレ何回も笑わせてもらった。
特に主人公モグラのキャラクターが面白かった。
肥満体型に黒のレインコートを羽織っていたが、後はサングラスでもかければモグラとして見栄えがする。
「豚」というワードに過敏に反応するがデブという比喩で怒っているわけではなく、父親は猪みたいにガタイのいい人間で中身は最悪(母親も強姦されてモグラを産んだ)であり、今回シェルター活用している洞窟に、左足に足枷をつけられて放置されたこともあり、最初こそ痩せた体型だったが、そこから母親に枷の鎖を切ってもらって脱出してから父親への憎悪などでどんどん太ってきて、父が猪なら子は豚だな、などと同類扱いされるのがたまらないのである。
なので