安部公房のレビュー一覧
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ネタバレなんとも言いがたいがとても好みだった。
小出しにされる情報にどんどん恐怖や不安感が募り、比喩表現の巧みさに魅了され、主人公の思考を通じて人生の意味まで考えさせられる。
わからないのに「なんだかわかる」という気持ちにさせられて、文章にのめり込んでいくような読書になったのが面白かった。わかると思うのも幻想にすぎないというか、きっと思い違いだろう。
競争や責任から逃げ出した先の、すべての約束を放り投げる解放感は替えがきかないだろうなと思った。本来は残された側の動揺や苦悩に共感すべきところを、失踪人の心理を考えて追っていくことで同化していく感覚を味わえた。
探偵は後頭部など暴行を受けたあと、現実の時間 -
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短編10話。一つひとつの話が短いので読みやすい。
『箱男』『砂の女』『燃えつきた地図』など、安部公房の有名作品を思い起こさせるような内容もあり、非常に面白かった。
星新一のショートショートと少し雰囲気が似ている話もあるが、やはり安部公房はぶっ飛んでいる。
それでいて決してふざけているわけではなく、あくまでも真面目に描かれているからこそ、グイグイ引き込まれる。
『賭』は、奇妙な会社に巻き込まれていく展開がすごくワクワクして好き。
『無関係な死』は、無関係であることを証明しようとすればするほどドツボにハマっていくのだが、読んでいてなぜかすごく共感できる。
『人魚伝』は、アドレナリン分泌の有無が -
Posted by ブクログ
探偵というのは、誰かの過去や因果関係を調べる仕事な訳で、つまりそれは常に、誰かの「影」として跡を追うことで初めて存在意義が生まれる。
その意味で、主人公の「ぼく」と失踪人の「彼」は、初めから対の関係性だった。
p.390「誰だって、どんな健康な人間だって、自分の知っている場所以外のことなど、知っているわけがないのだ。」
確かにそうだ。この世界の知らない場所が自分の世界の延長であるように過信するのは、傲慢だ。
知らない道を通っても、また知っている道に戻れるとは限らない。迷い続ければ、それは失踪になる。
p.359からは、失踪者側の目線で語られる。
追跡者側と失踪者側で対比させていながら、主人 -
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ネタバレ三部構成になっているけれど、自分の中で整理ができないまま読み終わってしまった。でも分からないなりに面白かった。
悪い夢を見ているようで何が起きるかまったく分からないし、結末も想像できなかった。悪いことばかり起きるのに不思議と深刻さはなく、独特な形容で、おとぎ話のように美しく印象的な場面がときおり訪れる。
第一部は、穴を降りていった先で裁判をするシーンがあることも手伝って、どこか「不思議の国のアリス」を思い出させた。デタラメな裁判。
人間にはなんらかの罪があるようだし、バベルの塔やノアの方舟やアダムとイヴ、生命や世界の創造まで話はおよぶ。そうやって創世記が絡めてあるので、原初の話をしているのがよ -
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失業した男は死のうと思った
そこに若者がやってきて
死体を売ってくれという
売られた死体は(生きてはいるが)
ロボットとなり、機械を作る
なんだかわからないが
復讐のような機械を‥
盲腸を羊のものにした男
食べ物は藁
ある実験が行われた
食料不足のための準備として
噛んで噛んで噛んで
藁を飲み込んでいく
人肉を食用とした人類
そのために飼育される人々
反対運動が始まる
冬眠箱に入って100年後に
目覚めるはずだった男
80万年もの月日が経って
カプセルが開いた
そこでみたものは‥‥
などなど
なんだか背筋がぞわぞわするような
なんだかあるかもしれないと
思うものやら
安部公房らしい物語