安部公房のレビュー一覧

  • 第四間氷期(新潮文庫)

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    大学時代に途中までしか読めていなかったので再読。面白い。未来について色々考えさせられる。現在の価値基準で未来を評価することなんて、できっこないんですねきっと。意外な展開にきっと引き込まれるはずなのでおすすめです。

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    2025年07月26日
  • 壁(新潮文庫)

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    あまりに奇妙。5作あって、1作目は慣習的に生きていた男が名前を名刺に奪われ、それぞれの役割を無機物に奪われる。慣習から外れると無機物が有機物になるための蜂起、不条理な裁判、ガールフレンドのマネキン化、など様々な困難に巻き込まれる。途中雑誌の1ページの荒野を胸の穴に吸い込んでしまって(恐らく名刺に奪い取られたものの隙間)荒野に生息している動物に魅入られ魅入るようになる。その胸の穴に次は壁を吸い込んでしまい、父親がラクダと裁判に関与していた病院の先生と共に"探検家"という名称で主人公を解体しようとする。最終的に主人公は胸の中の荒野で壁そのものになってしまった。

    2作目は詩人が

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    2025年07月01日
  • 密会(新潮文庫)

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    今回もなかなかの実験作。情景描写がとにかくわかりづらい。迷路のような病院を舞台にしてるだけあってか。それも作者の意図なのか。
    砂の女や箱男のように、わからないなりにも理屈があるような作品とは違い、わからないのをそのままに楽しむことを求められる作品、な気がした。

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    2025年06月26日
  • 第四間氷期(新潮文庫)

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    ネタバレ

     安部公房にしては読みやすいなあ、というのが最初の印象。
     電子計算機に大量のデータを与えただけで未来を予言できるというのは、カオス理論を考えると、前時代的という感は否めない。未来も過去もシュミレーションできてしまうというのも、そんなに単純じゃないだろっていう気はする。でも安易なタイムマシンものにはなってないし、死体の神経組織に電極を差し込んでデータを取得し、生きている状態をシュミレーションするというのは、怪しくてなかなかいい。
     未来予測のサンプルに選んだ男が殺され、死体を予測機械にかけるとその口は<胎児堕胎>について語り始める。男を殺したとされている情婦からデータを取ろうとするとその女も殺

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    2025年06月10日
  • 飛ぶ男(新潮文庫)

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    久しぶりに安部公房を読んだら、
    やつぱり突き放される感じだった。
    理解したいけど、難しすぎて、
    サンドイッチマン状態。
    ちょっと何言ってるかわからない、、

    巻末の解説についても
    尚更、何言ってるかわからない。

    でも、好きで読んでる。
    読み直してみたりする。
    何が何だかわからない。

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    2025年06月09日
  • 密会(新潮文庫)

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    特殊な方法で失踪した妻を探して男は病院へと潜り込む。盗聴という監視ネットワーク、医者という要望の権力者会の縮図の内外を出入りし、男は存在すらも怪しい目的を求めて彷徨い続ける。

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    2025年05月30日
  • 箱男(新潮文庫)

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    ネタバレ

    いつか安部公房を読み解ける日がくるのだろうか……と思いながら読み続けます。

    いくつくもの散文や回りくどい場面展開や、一見何の意味もない差し込みが多重に重なって……
    だけど、結局、自分は一歩も動いていない、箱の中の落書きに過ぎない(?)だとか、どういう頭の構造したら書き抜けるんでしょうか。
    主人公と一緒に思考の迷路に陥りそうです!

    覗きみることの露悪性は、映画や他小説でも見受けられるテーマですが、抽象が過ぎるぜ!

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    2025年05月05日
  • 壁(新潮文庫)

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    これぞ安部公房!といった感じの意味不明な設定(いい意味で)の物語が盛り込まれている。宗教観のようなものも含まれていたため、宗教(特に旧約聖書)の知識があるともっと違った見方もできるのかもしれないと思った。意味がわからず、1文を何度も読み返しながら頭をひねらせてくる安部公房、さすが。

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    2025年03月17日
  • 人間そっくり(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「こんにちは、火星人」というラジオの脚本家は、ピンチに陥っていた。
    "存在するはずのない火星人をネタに日本を風刺する"番組はこれまで順調にやってきたが、火星にロケットが軟着陸することになり、火星のことが明らかになると世間の目は厳しくなると予想されるからだ。

    そんな彼が部屋で鬱々としていると、突然自らを火星人だと名乗る男が訪問してくる。
    その男の妻から電話もあり、30分後に迎えに行くが、気違いで暴力的なため逆らわずに話を聞くようにと言われ、家に上げてしまう。

    最初は気違いの戯言と聞き流していたが、相手は意外と論理的で適当な相槌は見逃してくれず、真剣に向き合わざるを得なくな

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    2025年03月07日
  • 箱男(新潮文庫)

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    ダンボール箱に入って隙間から外の世界を覗き見る箱男が、複数人の視点から描かれている。途中から誰が箱男なのか、誰視点で書かれているのかが難解でわからなくなってくる。
    見られることなく、覗き見たい…という欲求や、
    普通の人間が箱男になってしまった経緯や、
    浮浪者というか落伍者から見た世間や
    みんな箱男のことは見て見ぬふりをすることや
    豊富な語彙量で表現される言葉の数々が印象的だった。人は安心したくてニュースを見ずにはいられない、とか世界は沸きっぱなしの薬缶みたいなものだ、とか魚になる夢を見るが、手足がないと、触りたくて走りたくて堪らなくなるとか…が記憶に残った。
    途中差し込みの白黒写真や短い記述?

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    2025年02月20日
  • カンガルー・ノート(新潮文庫)

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    不思議な小説。何かを暗示しているのかいないのか。ただ不思議な世界を廻っているだけなのか。ラストの記事で事実は分かるが、主人公の主観的世界は分からない。

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    2025年02月11日
  • 第四間氷期(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「豚に、豚みたいだと言っても、おこったりはしませんよ…」

    安部公房のSFって言われてるけど安部公房の話だいたいSF的要素あるとおもう。サイエンス要素ないのに火星が舞台なだけでブラッドベリの火星年代記がSFなら、火星人と名乗る男が家におしかけてくる人間そっくりもSFじゃないのか?SF概念はむずかしい…
    この作品、以前読んだ砂の女や人間そっくりに比べると取っ付きにくく感じ、特に途中の科学的な話の部分は自分には難しくあまり頭に入ってこなかったが後半からあとがきにかけてSFの醍醐味である固定概念を崩されるという感覚を味わうことができて最後まで読んで良かったと思えた。
    今まで過去の人が現代の生活を知っ

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    2025年03月28日
  • 箱男(新潮文庫)

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    ネタバレ

    情報を整理しながら読んでいったはずだけれど、理解するのが難しい小説だった。登場人物はごく少ないのにも関わらず、なぜこんなにも入り組んで話の展開が読めないのだ。怒涛の展開に頭が追いつかない。
    読み始めてしばらくすると、映像化は無理じゃないかという思いでいっぱいになった。言葉によるこの絶妙な可笑しみをどう映像で表現するのかと。
    でも読み進めてちょうど半分を超えたあたりで、それどころじゃないと気付かされた。かなり実験的な試みを感じる小説で、こんな複雑な構造をしているとは想像もしていなかった!
    途中、意味がわかりかけたのに終盤で再びけむに巻かれてしまって、途方に暮れている。
    箱男にとっては居心地のいい

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    2025年01月22日
  • 笑う月(新潮文庫)

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    夢をテーマにしたちょっぴり怖くて不思議な短編集。
    怖いというより…人間の野蛮さが垣間見えて少々気持ち悪い。

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    2025年01月15日
  • 飛ぶ男(新潮文庫)

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    前情報なしで読んだのでここからどうなるんだろうというところで終わってしまい残念でした。その次の「さまざまな父」でエピソード0まで描いているので叶わないことですが最後まで読みたいと思いました。

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    2025年01月01日
  • 人間そっくり(新潮文庫)

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    家に自称火星人と名乗る怪しい男が訪ねて来るというワンシチュエーションだけでよくこんなに書けるな
    しかも読んでいて飽きさせないからすごい

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    2024年12月21日
  • 壁(新潮文庫)

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    ネタバレ

    壁。人間とは壁なのだ。

    いや、ちょっとこれは、挫折するよ。
    と言う難解な小説。

    意味わからん。。。なんなの荒野を吸い込むとか、名刺に名前を奪われるとか。。
    とっても安部公房らしい、文体とリズムではあるし、短編ではあるけど、難しかった。。Sカルマ氏という名前はなんだったの。

    でも、これ、この時代に書いてるのやばいな。
    ベルリンの壁崩壊のだいぶ前なんよね。

    壁というのは、人と人の境とも読める。

    真理に対しては大衆はいつもかたくなな壁である。(引用)

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    2024年12月21日
  • けものたちは故郷をめざす(新潮文庫)

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    戦争、敗戦、極寒という最悪の状況で満州から日本を目指す少年。
    飢える、だまされる、襲われる、失うという極限で、人間の本性はどのように現れるのか、どんどん読み進んでしまう。
    絶望的な世界で現れる人間の獣性を味わいたい方は、是非。

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    2024年12月08日
  • 方舟さくら丸(新潮文庫)

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    孤独と独善の中で方舟に引き篭もるモグラ。ひょんなことからそれが打ち破られ、予想外に自己の中に進出してくる。安倍文学らしい滑稽さを含みながら、現代社会の個人に対する影響力とそのシニカルな視点を提示している。

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    2024年12月05日
  • 壁(新潮文庫)

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    Podcast「夜ふかしの読み明かし」の読書会で取り上げられていた一編、第一部の「S・カルマ氏の犯罪」を読んだ。
    見渡す限りの荒野、静かに果てしなく成長してゆく名前を奪われた壁による、問わず語りの「おかしなことばかり多くて、普通のことがほとんどない」多分“ぼく”にはあまりむかないのだと思った”現実“の数日間。
    名刺に名前を奪われたり、身のまわりの品に存在理由をかけた闘争を仕掛けられたり、永遠に続く裁判にかけられたりする現実に向いている人はまあいないと思うし、そのわりに冷静に話しますよね、と思いながらも、これは現実をあきらめ、自由を奪われた独房の孤独のなかで、それ故に語らざる得ない哀しい物語のよ

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    2024年11月29日