安部公房のレビュー一覧
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●あらすじ
自分の部屋に見ず知らずの死体を発見した男が、死体を消そうとして逆に死体に追いつめられてゆく「無関係な死」など、10編を収録。
(新潮社ホームページより引用)
初めての安部公房。10篇の短編が収録されている。
文豪のつもりで読んだらかなりエンタメ寄りでびっくりしました。いつもオチでびっ...続きを読むPosted by ブクログ -
好きな長篇。
サスペンス色が強く緊迫した雰囲気が、主人公と同調していく様で面白い。
作者の先見の明という点で有名な本作だが、やはりこの時代でこの作品を生み出した安部公房は怪物という他ない。当時描かれていた未来を、現代から答え合わせ様々な考証が出来る有意義な一冊。Posted by ブクログ -
安部公房全集29に所収のものを読んだ。読んだ、というか、訳が分からなくて飛ばし読み。
訳が分からない、は褒め言葉で、ものすごいぶっ飛んでいてついていけなかったということ。
なんだこれは。
会社の新製品開発提案箱に冗談のつもりで「カンガルーノート」という落書きメモを提出して採用されてしまった男の脛にか...続きを読むPosted by ブクログ -
最初の出だしはかいわれ大根?!となりましたが、すぐこれは死の物語なのか…と話の中身は分かり易く、時々ふっと笑ってしまうタイミングが合って、読みやすかった。澁澤龍彦の『高岡親王航海記』、安部公房版ですね。
安部公房の半生全然知りませんが、これが自身の闘病生活を綴っているのだとすると(そのようにしか見...続きを読むPosted by ブクログ -
幻想的というか不条理というか、とにかく訳のわからない10編。でも読み終えてしまった。
夢の兵士:脱走者の正体にニヤリとした。
誘惑者:駅での出来事。追う者と追われる者の逆転。立場の逆転好きだねえ。
家:死なない祖先。ホラー小説のようだ。
使者:嘘火星人の話。気が狂っているだけなのか?
透視図法:スル...続きを読むPosted by ブクログ -
途中入り込みにくい篇もあったが、最後の鉛の卵にて、やはりこれ、という結末。「スカッとしない展開」という意味でスカッとする転換劇。気づくと安部公房の論理のすり鉢状の砂に飲み込まれている。Posted by ブクログ
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時間的な射程の広さに驚愕し、ハードボイルドな結論に納得した。
1959年=2023年から見て64年前の作品。
1959年というと冷戦期であり、ソヴィエトの脅威が身近に感じられた時代だろう。
私が最初に読んだのは、2006年ごろ。当時の世間はweb 2.0の頃で、深層学習や機械学習が世間に広く知れ...続きを読むPosted by ブクログ -
火星人についてのラジオ番組の脚本家の家に、自称火星人の気違い男が訪ねてきて、自分は本物の火星人だと思うか、自称火星人と名乗る気違いだと思うか、気違いだと思ってるんだろ、証拠を見せろ、、うんちゃらかんちゃら、、やってるうちに、まんまと相手の話術に乗せられ、とうとう自分が火星人だと言わされてしまう。
相...続きを読むPosted by ブクログ -
SF作家に熱烈なファンが来訪してくる。来訪者の妻の電話によりグッと引き込まれ、来訪者が異常者なのかどうなのか主人公と同じ目線で判断する楽しさがあった。意味不明ながらも筋の通った論理を展開する所は安部公房らしくて読んでいて楽しかった。Posted by ブクログ
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『友達』の原題にもなった『闖入者』が抜けてて素晴らしい。
他収録作はシュールレアリスム寄りだが、安部公房作品では相対的に取っ付きやすい部類かもしれない。Posted by ブクログ