安部公房のレビュー一覧

  • 箱男(新潮文庫)

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    前半はわけが分からんかったけど、後半は不思議な感じ含めて楽しめた。
    見られることの苦痛は感じることがあるし、共感出来た。

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    2025年12月10日
  • 人間そっくり(新潮文庫)

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    自分は何者か家族は何者か、隣人は何者か?
    公的証明以外に証明出来るものは何もない
    もし、それが証明できなかったら
    自分は自覚がないまま自分そっくりの
    他人に入れ替わってたら

    安部公房は舞台にも力を入れていたので
    舞台映えのする小説である
    文章も映像を観ているようであった

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    2025年12月04日
  • 飛ぶ男(新潮文庫)

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    飛ぶ男を巡る、アパートに住む2人の住人の目線で展開する不思議な物語。作者特有の難解な展開と顛末。ストーリーを追うのではなく感覚的に文章を味わう読み方かよいのかも。終盤は誤植と思われるような文章になっているがワープロに発見された状態なのだろう。紙原稿のように順に書いていくのではなく、行きつ戻りつ創作していると感じた。
    「さまざまな父」の方はやや筋のあるストーリー展開で、人間の2大欲求である空を飛ぶこと、透明になることを題材に、しかし親子間で展開するところが異彩であり、この後の展開で理由がわかると考えると未完である事が悔やまれる。飛ぶ男に通じるストーリーで関連性にも興味が湧いた。

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    2025年11月29日
  • 壁(新潮文庫)

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    安部公房先生を読むのは2作目。正直最初から最後まで壁がわからなかった。独創性についていけず、文学を深く理解できていないように感じた。しかし、現実世界でもないけど空想世界としてほんの少し理解できる独創性は、安部公房先生ならではかなと思った。
    いつか再読しよう。

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    2025年11月25日
  • 壁(新潮文庫)

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    シュールで独特な設定が面白かった。作家は若い頃極貧生活だったらしく、壁ばかり見つめていたのだろう、多種多様な壁のイメージが全てリアルでユニークだった。時々女性が主人公の男性の前に現れ、抽象的なような名を失った語り手に「名前ある個人としての」人生があったことを思い出させてくれる。第一部では1ページかけて主人公の男が目の前の女を理解できず、捕まえ損ねてしまう体験が描かれている。その瑞々しさは束の間の潤いであった。だが、そんな希望の見えた人生の分岐ルートも、押し寄せてくる不条理にすぐ潰されてしまう(その不条理というのは、大体が「自分の問題」という種の奴で、カフカの不条理とは違う)。

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    2025年11月22日
  • 燃えつきた地図(新潮文庫)

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    主人公と依頼人とのシーンや河原で逃げるシーンなど断片的に記憶には残っていたが、全体を思い出せなくて再読した。

    そりゃ覚えてないはずだわと
    読み終わって腑に落ちた。

    後半から、今でいう異世界転生したのか何なのか、誰なのか、どこなのか、いきなり自分が頭悪くなったのかと思うぐらいの展開で混乱したまま読み終えた。

    1回だけで記憶に定着してない理由がよくわかった。何か自分なりに考えて納得させてみようと試みるも思考停止。全てをわかろうとしてはいけないのね、、

    再読の結果、安部公房の作品の中で好きなランキング上位に上がった。

    どの作品も、自分が何者かわからなくなったり、見るものと見られるものがいつ

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    2025年11月01日
  • 燃えつきた地図(新潮文庫)

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    失踪した男の調査を依頼された主人公。調べていくにつれて、手がかりだと思われた事で混乱し、煙に巻かれ、気づいたら自分を見失っていきます。
    登場人物たちはみんなちょっとピントがずれていて、要領を得ない、ハッキリしない。
    夢の中を走っているみたいな息苦しい展開。
    風景描写が主人公の心境と混ざってとにかく不穏。
    解説にもあるように、冒頭に出てくる坂道のカーブが
    ラストでは全く別の世界になってしまっている。
    「何なに、なんでこうなっちゃったのよ」とツッコミながら読んでいました。
    先に読んだ「笑う月」がちょっと出てきたのが「おっ!」となった。

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    2025年10月05日
  • 壁(新潮文庫)

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    ネタバレ

    物語の初めまでは理解できるんだけど気がついたら理解の範疇を超えちゃう。名前を名詞に奪われたあたりまでは理解できるんだけど壁調査団のところはもうわからない。ラクダを針の糸に通すより金持ちが天国に行くのが難しいことを逆転の発想にするところは好き。目に入ろうとしてぐんぐん体が小さくなっていくところはなぜか爽快だった。涙が溢れてその洪水に巻き込まれるのは理解を超えてくる。けど好きな場面。ノアが出てくるけどノアも洪水に巻き込まれる。最終的に主人公は壁となる。どういうこと?なんかの比喩だとしてもよくわからん。

    バベルの塔の狸もいい。なんだかワクワクしながら読んだ。影を取られたらその結果の原因である身体ま

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    2025年10月04日
  • 笑う月(新潮文庫)

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    まず、とっておきの睡眠誘導術を伝授されてから夢の話へ。
    「こんな夢を見た」系のエッセイなのかな、と読みはじめました。笑う月、これはトラウマになりそう。
    そこからだんだん安部公房の創作や発想のきっかけみたいな話になってきて、これはこれですごく面白かった。
    夢のイメージが作品に反映されてるって事は…
    作品を読めば安部公房の夢を体験できちゃうってこと?あの独特な雰囲気は、無意識下のイメージ…?うーむなんだか妙に納得。
    そしてその後は、夢の話のような創作のような短編作品が続きます。
    奥さんの安倍真智による挿絵(コラージュ作品?)も差し込まれていて贅沢。
    夢の中感が漂ってる〜〜

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    2025年09月26日
  • カンガルー・ノート(新潮文庫)

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    脛に「かいわれ大根」が生えた男の数奇な物語。
    幻想と現実が入り混じる気味の悪い夢の中を連続して彷徨うように展開していくストーリー内の所々で安部公房お得意のブラックユーモアが光っている。
    死をテーマにしているにも関わらず、重すぎずどこか良い意味での滑稽さを感じさせる作品だった。

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    2025年09月15日
  • 壁(新潮文庫)

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    中・短編集。
    3話すべてに「壁」が登場するが、最初の『S・カルマ氏の犯罪』がもっとも壁との関わりが深い。

    名前を奪われたカルマは人権も失い、裁かれ、監視される存在となる。
    心の空洞には砂漠が広がり、そこに成長していく「壁」がある。
    それは自由を守る壁ではなく、束縛の壁?

    やがてカルマ自身が壁になってしまう。
    そこには感情が描かれず、ただの壁、ただの物質と化したということなのだろうか。

    結末にどんな意図が隠されているのか正直わからない。
    それでも、不思議と強い印象を残す、面白い作品だった。

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    2025年09月14日
  • 人間そっくり(新潮文庫)

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    自分とは?自分という存在を疑え、という挑戦状のような作品。わたしも本当は地球病にかかった火星人なのかもしれない、ほら、あなたも…。

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    2025年09月09日
  • 飛ぶ男(新潮文庫)

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    この「飛ぶ男」は安部公房が亡くなってから見つかった原稿とのこと。
    パジャマ姿で滑空する男を見つけた3人の目線で話が進みます。ここでグッと掴まれます。
    その後、話はだんだん「今どうなってんの?」となって、最後はブツッと終わり…後から未完であることを知りました。
    「さまざまな父」は全く違う話だと思って読み進めてましたので、「アレ?これ繋がってる??」とびっくり。
    解説の福岡先生によると、これは「飛ぶ男」のほんの断片だろうとのこと。
    どんな話になったのか、とても気になります。

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    2025年09月04日
  • 水中都市・デンドロカカリヤ(新潮文庫)

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    11篇からなる初期短編集。昭和24〜27年の作品が収められていますが時代や古さは感じません。
    どれもうっすら息苦しくうっすら後味悪く、理不尽なストーリーも多いです。
    この調子で長編だったら鬱々としそうですが…短編なのでサクサクと読めたのが、安部公房初心者の私にもピッタリだったかも。雰囲気満喫しました。
    お気に入りは
    「デンドロカカリヤ」「手」「水中都市」「飢えた皮膚」「闖入者」

    小石川植物園に、デンドロカカリヤを見に行きたくなりました。

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    2025年09月25日
  • カンガルー・ノート(新潮文庫)

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    はじめは「カイワレ大根ってちょっとちょっと〜(笑)」
    くらいの軽さで読み出したのですが、ベッドが走り出したあたりから私の頭のキャパを越えた展開になっていきました。
    安部公房がこれを病床で、死の影を感じながら書いたとしたら…なんだかものすごく納得です。うまく説明できないのですが。

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    2025年09月09日
  • 死に急ぐ鯨たち・もぐら日記(新潮文庫)

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    インタビュー、評論、日記など80年代の安部公房の思考、思想を除くことができる。方舟さくら丸や、飛ぶ男の原型に対する言及が多く、また言語論を軸にした集団、国家等への考えが見られる。
    正直ついていけないが、安部作品のエッセンスのようなものにに触れることができただけで満足。
    百年の孤独、読んでみようかなあ。

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    2025年08月20日
  • 第四間氷期(新潮文庫)

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    大学時代に途中までしか読めていなかったので再読。面白い。未来について色々考えさせられる。現在の価値基準で未来を評価することなんて、できっこないんですねきっと。意外な展開にきっと引き込まれるはずなのでおすすめです。

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    2025年07月26日
  • 壁(新潮文庫)

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    あまりに奇妙。5作あって、1作目は慣習的に生きていた男が名前を名刺に奪われ、それぞれの役割を無機物に奪われる。慣習から外れると無機物が有機物になるための蜂起、不条理な裁判、ガールフレンドのマネキン化、など様々な困難に巻き込まれる。途中雑誌の1ページの荒野を胸の穴に吸い込んでしまって(恐らく名刺に奪い取られたものの隙間)荒野に生息している動物に魅入られ魅入るようになる。その胸の穴に次は壁を吸い込んでしまい、父親がラクダと裁判に関与していた病院の先生と共に"探検家"という名称で主人公を解体しようとする。最終的に主人公は胸の中の荒野で壁そのものになってしまった。

    2作目は詩人が

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    2025年07月01日
  • 密会(新潮文庫)

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    今回もなかなかの実験作。情景描写がとにかくわかりづらい。迷路のような病院を舞台にしてるだけあってか。それも作者の意図なのか。
    砂の女や箱男のように、わからないなりにも理屈があるような作品とは違い、わからないのをそのままに楽しむことを求められる作品、な気がした。

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    2025年06月26日
  • 第四間氷期(新潮文庫)

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    ネタバレ

     安部公房にしては読みやすいなあ、というのが最初の印象。
     電子計算機に大量のデータを与えただけで未来を予言できるというのは、カオス理論を考えると、前時代的という感は否めない。未来も過去もシュミレーションできてしまうというのも、そんなに単純じゃないだろっていう気はする。でも安易なタイムマシンものにはなってないし、死体の神経組織に電極を差し込んでデータを取得し、生きている状態をシュミレーションするというのは、怪しくてなかなかいい。
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    2025年06月10日