安部公房のレビュー一覧

  • 箱男(新潮文庫)

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    箱男の見方が、カメラのファインダーを覗き込んだ時の感覚と似ているので、そういうところから着想した話なのだと思う。
    箱は単に身を隠すためのものではなく、カメラそのもので、小さな四角い穴は世界を最高解像度で消費するためのレンズなのかもね。普通に見るよりも、小さな箱(枠)を通して世界を観ると、より細かな部分を、より繊細に捉えることができる。
    強いメッセージ性があるというよりも、覗き見たいという純粋なフェティシズムを強く感じて気持ち悪かった。
    箱はゴミに同化していて誰からも気付かれない安全圏だと思っていたのに、自分が見ているのと同じくらい、他者に見られていた。覗く者は、常に別の誰かから覗き返されているという展開は面白かったです。
    そう思うとSNSでの「見る専アカウント」「匿名アカウント」は、ある意味、箱男かもしれませんね。

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    2026年05月31日
  • 第四間氷期(新潮文庫)

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    未来を予測できる機械から始まるSFが、しばらくするとサスペンスの雰囲気になり予想がつかない展開に。プログラミングの用語がでてきたり、約70年前とは思えない設定に驚きました。タイトルの意味も終盤で明らかに。

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    2026年05月30日
  • 飢餓同盟(新潮文庫)

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    「飢餓同盟」というなんとなく空虚な団体(前の名は「ひもじい同盟」)の元、理想が野望になり、崩壊する。温泉、地熱発電のために薬品を飲んで死に至る者、狂人となる者。非現実な事が今後も起こらないこともない事を示唆する。2026.5.26

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    2026年05月26日
  • 笑う月(新潮文庫)

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    決してつまらない訳じゃないんだけど、読んでると眠くなる不思議な本。

    「鞄」は何か教科書かテストかで見たことあるような気がする。
    「シャボン玉の皮」はタイトルがとても好き。
    「発想の種子」が一番内容としては好きだったかな。

    明確に、発芽の状況を見きわめるまでは、はたして自分が今も作家であるのかどうか、どうしても確信をもつことが出来ない。ただ、知らぬ間に取り込んだかも知れない種子に期待して、その時が来るまで待ちつづけるしかないのである。

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    2026年05月17日
  • カンガルー・ノート(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ずっとリアルな夢を読まされているような…夢の支離滅裂というか全然繋がらないことが繋がっていたりみたいな…なんか全然わかんないんだけど死の香りと人間味と滑稽さはあって…ちょっと時間経ってからまた読みたいかも。とても不思議な作品。

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    2026年05月09日
  • 壁(新潮文庫)

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    ふ、不条理〜!!
    徹夜で読んだから頭働いてなかったけど、頭冴えてるときに読んでも理解できなかったような気がする。第二部の後半からぜーんぜんわからなくなってしまった……

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    2026年05月05日
  • 笑う月(新潮文庫)

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    夢の話だという前置きはあるものの、どことなくリアリティがあって不気味。「シャボン玉の皮」「鞄」「自己犠牲」が良かった。

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    2026年05月04日
  • 箱男(新潮文庫)

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    高校生くらいにハマった安部公房
    何か流れる違和感がその時は気持ち良かったような
    今再読したら、どんな感想になるか知りたい

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    2026年05月02日
  • 友達・棒になった男(新潮文庫)

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    榎本武揚」を除き
    読書終了

    もともと読みたかった
    棒になった男を読めて満足……,
    でもない

    結果
    過程がないから全ては想像で読み続けるしかない。

    カフカの『変身』よりは
    まだ明るく読めた感じですが。


    「友達」の方が
    理不尽すぎて嵌りました((笑

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    2026年04月27日
  • 箱男(新潮文庫)

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    思った以上に長くかかりました。

    箱男が箱をかぶる理由は一体。
    何十年も前のものなのに,現代の社会風刺に感じました。


    この人の本は,
    疲れたときや気が滅入っているときに
    読むのは避けた方がいいですね。


    しばらくは
    放置します((笑

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    2026年04月27日
  • 笑う月(新潮文庫)

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    「夢という意識下で綴っている創作ノート」ということで、安部公房の作品がどんな風に生まれていくのかが少し想像できた。
    まず思ったのが、天才は見る夢からして違うんだということ。
    夢の内容が独特な世界観だし、すでにどこか文学的。思いっきり凡人の私には、理解が難しい部分もたくさんあった。
    それでも、なぜだか知りたい、わかりたいと思わせてくるような本だった。

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    2026年04月26日
  • 飛ぶ男(新潮文庫)

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    ネタバレ

    飛ぶ男、棺桶くぐり、スプーン曲げという著者らしいなんじゃそりゃ展開が続き、空気銃で撃たれるという箱男を思い出す描写。
    透明人間になるか、空を飛ぶか、
    普通に面白くて、その割には話が短いので、もっと長ければもっと面白かっただろうにな、と思っていたら未完の遺作らしい。


    ムラサキクルマナマコp34
    月の満ち欠けをきっかけに性転換するナマコ。大部分は雄から始まって、一度だけ雌を経験する。雌として産卵した後は、精子を放出する能力はだんだん衰える。

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    2026年04月17日
  • カンガルー・ノート(新潮文庫)

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    著者の遺作らしい。
    (後に未完作品が1つ出版されたが)

    かいわれ大根はまだコミカルですんなり受け入れられたが、自走ベッドが登場したかと思うと何の説明もなしに走り出して、意味のわからなさを強く感じ、自走ベッドという単語が出てくる度に???と意識が引っ張られてしまっていた笑

    これもまた読後に考察を読むと、
    カンガルー・ノート=アイディア、
    かいわれ大根=創作、
    自走ベッド=収入、とあり、面白い。

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    2026年04月09日
  • 箱男(新潮文庫)

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    ネタバレ

    導入にて、箱男になるまでの流れが紹介され、理想の箱の作り方もあり、なんだかこうやって書かれると自分もふとしたきっかけがあれば箱男になってしまいそうな錯覚を感じた。
    その導入こそ、あからさまに箱男の視点で書かれていたが、読んでいてころころと書き手が変わるので混乱した。
    安楽死とはなにか?の定義で、身体的なものに偏りすぎではないか、精神的なものを蔑ろにしすぎではないか、という指摘に強く同意する。

    見られているのもぼくだが、見ているのも同じくぼくなのだ。
    とあるように、箱男はただ覗いている側なのではなく、実は覗かれている側でもあったのだという落ち。



    「覗き」という行為が、一般に侮りの眼をもって見られるのも、自分が覗かれる側にまわりたくないからだろう。やむを得ず覗かせる場合には、それに見合った代償を要求するのが常識だ。
    誰だって、見られるよりは、見たいのだ。

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    2026年04月09日
  • 飢餓同盟(新潮文庫)

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    ネタバレ

    タイトル買い。
    今まで読んだ中で1番読みやすかった。

    全員特出して狂っているわけでもなく、どこにでもいる人間なのが虚しい。育つ環境や生きる場所の大切さを感じつつ、ひとつの町のエピソードとしてそこまで深入りせずサクッと読める。
    ラストの医者の語りが、夢から冷めたなような距離感をうむ。

    『儚い』というほど綺麗でもない、後味のわるさが良い

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    2026年05月08日
  • 箱男(新潮文庫)

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    青山美智子さんの学生時代からのお気に入りの一冊ということで読んでみた。
    独特の世界観で、正直わかったようなわからないような…
    この本を学生時代に面白いと思える感性がすごいなと思ってしまった。

    子どもの時に作ったダンボールの家に、小さな覗き窓があって、そこから眺めた景色を思い出した。
    いつもと同じ部屋がなぜだか違って見えて、なんだかワクワクしたなぁ。
    さすがに箱男にはならなかったけど、覗き見のなんともいえない感覚はわかる気がする。
    2024年に映画化もされているみたいなので、そちらも観てみたいなと思った。

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    2026年03月26日
  • 密会(新潮文庫)

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    難解だった。いや、決して難解というわけではないはずなのに、すべてが読み手の想像の範疇に収まらない静かなエネルギーを感じた。津原泰水的な世界観の奇妙さ、不気味さ、どこか歪んだ登場人物たちには嫌悪感とともに不思議な愛着が湧くのを感じる。『砂の女』を読んだときにも思ったが、安部公房という作家は物語の空気感の中に読者を引き込む能力に異様に長けており、温度や手触りをまざまざと思い浮かべられるような、何とも言えない感覚になる。

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    2026年03月24日
  • (霊媒の話より)題未定―安部公房初期短編集―(新潮文庫)

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    ・題未定
    求めてたものを手にしても罪悪感があると享受できないのね、元いたところに求めてたものがあったと気づいたパー公は幸せになれるのか。登場人物みんないい人。

    ・老村長の死
    怖。殺された?やり取りが不思議。

    ・天使
    精神病の人の脳内を文学にしたような。笑顔たくさん天使の生活楽しそう。

    ・第一の手紙〜第四の手紙
    〈運命の顔〉とのやり取りを手紙で表している。意味わかんない仮面と手袋つけさせられて説明書読んだら詩しか書かれてないのはおもろい。後半部分は失われているのとかこれを23歳で書いてるのとか安部公房訳わかんなすぎる、すごい。

    ・白い蛾
    白蛾丸という船で見た蛾の標本についての話。途中の「普通つまらないとか大人気ないとか言われている事が、案外目に見えない所で人生の大きな役割を占め、時には主題さえなっているものです。目に見えているものは、その奥に在る大きな塊りの様々な性質を、ばらばらに示している仮の宿で、影の様なものだと言うのが私の意見です」というセリフが真に迫ってるようで気に入った。

    ・悪魔ドゥベモオ
    家族に逃げられ、悪魔に魅入られて悪魔の言葉を本にする話。なんかもっと凄いことやってほしい。

    ・憎悪
    生々しい現実、世界観、集団主義、弁証法、>究極概念。なーんにも分からん。

    ・タブー
    産みの親と偶然の再会、タム、タム、タム。

    ・虚妄
    ・鴉沼
    疲れて流し読み、ストーリー?があって面白そうな気はする。

    ・キンドル氏とねこ
    世界観すご。

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    2026年03月21日
  • 飛ぶ男(新潮文庫)

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    どれだけ現実離れしていても離されないのは、細かな情景描写や表現が作品の世界観に一致しているからだと感じた。終始魅了され続ける文章だった。

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    2026年03月12日
  • 人間そっくり(新潮文庫)

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    SF小説と言えば、ジュール・ヴェルヌの「海底2万マイル」や小松左京の「日本沈没」などを思い浮かべるが、本作はそのようなダイナミックな話でなく、登場人物が少なく、ほぼ会話で終始する。理屈を重ねていくうち、正しい事とは何なのか、自分や周りがなんだかわからなくなってしまう。途中続く事なく進んでいくところがすごい。2026.3.4

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    2026年03月04日