安部公房のレビュー一覧

  • 砂の女(新潮文庫)

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    初めの2ページで最後がどいう結末かが分かってしまうが、それに至るまでの過程がいい。

    理解はしずらいが、男の砂穴の中での生活や女との関係、生きる理由などが見えてくる。
    最後はハラハラしながらも応援してた。

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    2026年03月08日
  • 箱男(新潮文庫)

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    いやぁ、複雑すぎるし藤子不二雄すぎる(つまり不思議)

    いきなりダンボール被った生活。
    他にもダンボールを被ったライバル?

    欲を解放した姿がダンボール(でも覆われている)

    凄く格好いい比喩や表現が出てくるので、おーっ!と感動しつつ、話は藤子不二雄。

    翻訳こんにゃく必要。

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    2026年03月08日
  • 砂の女(新潮文庫)

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    砂の中での生活と、社会生活での生活となんの違いがあるのだろうか?むしろ何もない砂の中の生活の方が、何も無いからこそ1つ1つの事柄がくっきりと見え、純粋に捉えることができ、生き生きと1日1日が過ごせているのではないか。主人公が桶の底に水を発見した時の喜びようが、まさにそれではないか。現代はスマホや街に情報や欲望が渦巻いているように、常にさらされている。そんな俗世間より、砂の中での生活の方が一人の人間として充実や満足感があると思う。

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    2026年03月01日
  • 砂の女(新潮文庫)

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    カンガルー・ノートの次に読みたいと思って買った本。▼人が「死にそう」な状況を克明に描写することによって、これほどまでに「生」をリアルに活字から摂取することになるとは思わなかった。安部公房は、荒唐無稽なフィクションを極めてさもありげに明晰に記述するから、こちらも信頼して没入してしまう。▼一方で不条理を条理として何ら疑わない村人の純粋さを俯瞰することが面白い。彼らの仕事。この意味を伴わない只の営為を通して、意味以外の表情や着眼点が立ちあらわれる。▼この描写の妙にふれ、読書“体験”そのものの価値を強く感じた。次はカミュの「シーシュポスの神話」を手に取ってみる。

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    2026年02月28日
  • 砂の女(新潮文庫)

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    ネタバレ

    セックスの描写が妙にエロく感じる。
    「希望」にて,水が溜まるのをこだわり出すところもなんかいい。

    2026年2冊目

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    2026年02月23日
  • 密会(新潮文庫)

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    安部公房の作品の中ではそこまで知名度も評価も高くない作品のようですが、世界観全開の展開・発想と安部公房の作品にしては分かりやすいストーリーという事もあり、楽しめた。

    救急隊員に攫われた妻を探すために接触した馬の真似をして走る協力者に渡されたカセットテープを聞いてみると主人公自信を盗聴したもので、その内容をノートにまとめて欲しいと依頼される。
    みたいな不思議で怪奇なお話。

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    2026年02月23日
  • 砂の女(新潮文庫)

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    ネタバレ

    砂にさらされることで人生観が浮き彫りになるの、なんか嫌だなあ! 嫌だなあ、という気持ちがずっとあった。人生の本質の一つがあまりにも容赦なく書かれてると感じたからかもしれない。そこに悪意はないけど、だからこそ。
    これってタタール人の砂漠を読んだ時と同じ感情かも。奇しくも砂漠モチーフというのも共通(タタール人の方は山岳地帯のイメージの方が強いけど)。 "タタール人の砂漠"には、停滞を破るきっかけとなる役割・それを支えに停滞に甘んじさせる楔の役割、どちらもあったと思うので、そこらへんも似ている。

    もし男が一人で放り出されてたとしたらどうなったのか(女がいないとしたら)。
    その場

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    2026年02月21日
  • カンガルー・ノート(新潮文庫)

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    たくさんの滑稽で余計なものに覆われているからこそ、その真髄にある中身が深刻に立ち現れる。死が大きなテーマだったが、自分が今まで死について考えていたものなど笑い飛ばされるような、複雑でグロテスクな描かれ方をしていた。

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    2026年02月20日
  • 人間そっくり(新潮文庫)

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    主人公の宅に来訪してきた目の前にいるこの気違いは、果たして人間なのかそれとも火星人なのか。話しているうちに会話の主導権を握られ、己すらも人間であるという自信がなくなってくる。なぜ己は己を人間だと断言できるのか。気違いが火星人ではないと否定することもできなくなってきてから、物語は予期せぬ展開を迎えることになる。

    気違いと対峙しているシリアスな緊張感があった。特に序盤のナイフを手にするくだりでは、自称火星人が何をしでかすのかわからない恐怖がありありと伝わってきた。しかし最後まで読んでしまうと、一体誰が人間で誰が気違いなのかがぼやけてくるのも恐ろしい。いっそ皆火星人であってくれた方が幸せな結末だっ

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    2026年02月18日
  • 他人の顔(新潮文庫)

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    ネタバレ

    主人公はやはり狂気。妻の愛することは愛する人のために仮面をかぶり、それを剥がしあうことという手記に胸を打たれた

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    2026年02月13日
  • 第四間氷期(新潮文庫)

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    ひと昔前だったら笑って流せた作品だが、生成AIの時代となった今ではリアルすぎて笑えない。第四間氷期で地上を失うことになった場合、AIも同じように水棲人になれと言ってくるのだろうか?それはもはや生きるための環境選択であり、未来とか地獄とかそういう次元の話ではなくなる。プロンプト力ばかり発達して思考能力を失ったとき、人間はどういう選択肢をとるのか。自分もその一人になるのか。死後の世界を考えるよりも難題だ。

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    2026年02月11日
  • 第四間氷期(新潮文庫)

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    少し前の世代の作品が読みたくなり、手に取る。
    未来予測が可能な機械が、秘密裏に開発された社会の物語。
    被験のである男性がトラブルに見舞われてから、物語が動き出す。

    非常に読みやすい文体。古臭さは微塵も感じさせない。
    ただ、『他人の顔』で感じた文の美しさなどは、若干見劣りするのかも。後期の作品の方が、その意味では好き。
    序盤はミステリーのような流れだが、後半はハードsf寄りになっていき、内容が哲学的に。
    予想を上回っていく展開で、引き込まれていく。
    素晴らしい内容だった。

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    2026年02月06日
  • 第四間氷期(新潮文庫)

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    生成AIが世界を変えそうな、このタイミングで読むに相応しい作品。昭和45年にこれを書いている作家としての想像力が素晴らしい。

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    2026年02月04日
  • 笑う月(新潮文庫)

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    そもそも論だけど、安部公房の文体かっこよすぎる、勇ましいというか、なんというか、

    アリスのカメラ
    「シャッターを押しつづけていさえすれば、いつかアリスが写っているかもしれないという幻想。不可能にかけた、一瞬の緊張。それは、現実の拒絶であり、部分への解体の願望でもあるだろう。だが、アリスと出会えるのは、不思議の国の中でしかない。」
    カメラで写真を撮ることで写り得ないであろうものの存在を肯定しようとするの皮肉だよな、あるものしか写らないカメラに対して、存在しないはずのものが写ることを祈るなんて、

    公然の秘密
    「当然だろう、弱者への愛には、いつだって殺意がこめられている。
    やがて仔象は、古新聞の

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    2026年02月01日
  • 壁(新潮文庫)

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    初・安部公房。難しい。短編でかろうじて飲み込めたかも。
    バベルの塔の狸は視覚的に面白くて、理解が追いつかないなりに楽しかった。
    S・カルマ氏の犯罪はよく分からない!

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    2026年01月31日
  • 方舟さくら丸(新潮文庫)

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    ネタバレ

    何回も笑わせてもらった。
    特に主人公モグラのキャラクターが面白かった。
    肥満体型に黒のレインコートを羽織っていたが、後はサングラスでもかければモグラとして見栄えがする。

    「豚」というワードに過敏に反応するがデブという比喩で怒っているわけではなく、父親は猪みたいにガタイのいい人間で中身は最悪(母親も強姦されてモグラを産んだ)であり、今回シェルター活用している洞窟に、左足に足枷をつけられて放置されたこともあり、最初こそ痩せた体型だったが、そこから母親に枷の鎖を切ってもらって脱出してから父親への憎悪などでどんどん太ってきて、父が猪なら子は豚だな、などと同類扱いされるのがたまらないのである。
    なので

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    2026年01月10日
  • 砂の女(新潮文庫)

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    読み終わってしばらく経ったあと、世界には今でも砂で皿を洗う文化がある国が存在しているという情報を偶然耳にし、「砂の女の世界だ…」となった。
    フィクションじゃないのね。

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    2026年01月07日
  • 箱男(新潮文庫)

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    高校2年生の課題で、7人の文豪の作品を一冊ずつ読むことになった。その7作品の中で一番面白かった。サイコパスや「家族ゲーム」を思い起こさせる。

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    2026年01月04日
  • けものたちは故郷をめざす(新潮文庫)

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    満州で育ち、引き揚げ時に苦労したらしい著者。
    どこかで「満州は非常に近代的だった、云々」と満州について語っていたインタビューを、目にしたことがある。
    物語はフィクションではあるが、当時の著者自身の体験が潜んでいるような気はする。
    そう思わせる生々しさが所々に散見される。

    逃げ出しても逃げ出しても……ラストも壁が立ちはだかる。
    ぐるぐると荒野を堂々巡りする。
    生への執着と、根なし草の孤独。

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    2026年01月02日
  • 燃えつきた地図(新潮文庫)

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    安部公房は失踪が好き。『砂の女』や『他人の顔』とともに、失踪三部作と言われている。
    短篇「カーブの向う」が1966年、それを発展させた本長篇が67年。確かに、一気に書き上げた感がある。
    冒頭はハードボイルドものを思わせる。三島由紀夫は、本作品の会話の巧さをほめたらしいが、安部公房のほかの作品から言うと、会話の冴えはイマイチのように感じられる。
    バックは高度経済成長期の昭和の風景。観念的にその時代に浸るには格好の作品かもしれない。

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    2025年12月29日