安部公房のレビュー一覧
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ネタバレ生きていれば基本毎日見る顔
当たり前のようで当たり前でない
顔を失った主人公の執念深さにある種の恐れを感じた
仮面が生産されるという妄想の中で俳優たちが顔の版権を主張するという描写は今の世の中で生成AIによって職を奪われることを危惧している俳優や声優たちの抗議と重なった
皮膚の色は関係ない、人を見た目で決めてはいけない、ルッキズムがどうたらこうたら、多様性であるなどと謳われているような現代にも関わらず、美容整形が当たり前で男が化粧するのも受け入れられる状況を鑑みると、昔以上に顔の重要性は高まっているように感じた
主人公はおまえに顔以外も含めて自分を理解して受け入れてほしいと勘違いをしてしまって -
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砂女を読んでみて他の作品が気になり手に取ってみた1冊。
文体としては圧倒的に砂女よりわかりやすかった一方、構成がかなり複雑であり正直序盤は何が何だか分からない。
一方で中盤〜後半になるにつれて、少しずつ序盤との繋がりが見えてくるので、前半は我慢しながら読み進めることが必要。(が、それでも理解するのがやや難しい。)
題材としてはかなり興味深く、箱男という存在が目の前にいるのではないか、というくらい描写が上手く想像に難くない。
現代ではオンライン上で様々なコミュニティを
匿名で見ることができるが、もしかしたらそれは現代人の一人ひとりが「匿名という箱を被って観察をしている」、ということなのかも -
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『第一部 S・カルマ氏の犯罪』
主人公はある日突然、自分の名前を失う。そこから物語は、「自分とは何か」「存在とは何か」という哲学的な問いを軸に展開していく。しかし本作の魅力は、その難解なテーマだけではない。
物語の世界は終始、現実と虚構の境界が曖昧で、まるでデ・キリコやサルバドール・ダリの絵画の中を歩いているようだった。裁判所や会社といった現実的な舞台が登場するにもかかわらず、そこでは常識が通用しない。不条理でありながら妙に説得力があり、その独特な世界観に強く引き込まれた。
特に印象的だったのは、「無機物の、有機物への革命」という発想である。無機物には意志があり、生きているにもかかわらず -
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正直読み終えた直後は、ほとんど意味が分からなかった。
誰が本当の箱男なのか。ノートを書いているのは誰なのか。何が事実で何が嘘なのか。読み進めるほどに全てが曖昧になり、途中からは登場人物の言葉すら信じられなくなってしまった。
しかし不思議なことに、読み終えて数日が経つと、この作品について考える時間が増えていった。理解できなかったはずなのに、気づけば作品のことを考えている。『箱男』は読んでいる最中よりも、読後にこそ真価を発揮する小説なのかもしれない。
この作品で私が最も揺さぶられたのは、「真実とは何か」という問いだった。
物語は、箱男を観察していた男が箱男となり、その記録をノートに綴る形で -
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凄まじい砂の世界、窮屈すぎる過疎社会、卑しい部落の人間。息ができなくなるくらいの強烈な閉塞感に加え、比喩表現でさらにクラクラしてくる。
逃げ出すことばかり考えていたけど、あれ?自分がいた元の世界ってそんなに良いところだったっけ?なんで戻りたいんだっけ?ってなってた男の心境の変化を、ラストの行動で理解した。
たしかに、自由ってなんだろう。自由には責任が伴う。自由だってしんどい。
結局「外の世界のことなんてどうだっていい」という女の一言に尽きるなと。
私にとって初の阿部公房作品。言葉の難しさや分かりづらさはあるものの、息苦しさを感じさせる表現は見事。読み終わってすぐに深呼吸をした。 -
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ネタバレこの作品には、全体を覆う“乾いた空気感”というものが凄くうまく表現されていた。無機質で冷たい文体。そして主人公の一人称ではなく、神の視点から淡々と語られる構成。その全てが合わさることで、読んでいるこちらまで砂に包まれていくような感覚になった。
物語の展開自体は非常にシンプルだと感じた。ある日突然、主人公の日常は崩壊し、砂の世界へ閉じ込められる。そして元の生活へ戻るために脱出を試みる。ただ、その分かりやすい構造の中に、とてつもなく深いテーマが隠されていた。
序盤では、理不尽に閉じ込められた主人公に強く同情してしまう。しかし読み進めるうちに、ある違和感が生まれた。
「元いた世界と、砂の世界は本当 -
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ネタバレ「砂の女」という題名
読みはじめは「砂の女だ!」と感じても、
読みおわりは「砂の女か?」と感じられます。
砂の女は、終盤で主人公に歯向かいます。しかも強めに。それは「愛郷精神」つまり「部落の集合的意識」があらわになった場面です。
目の前の「女」ではなく「部落」が歯向かってきたと感じた主人公も、最終的にはその部落に順応しました。主人公は「砂の男」になり、部落に定着して、愛郷精神を育んでゆくのでしょう…。ハッピーエンド…?
主人公目線、砂の本質は「流動=定着の拒絶」だと見抜いていました。しかし極限状態におかれた人間はその「定着の拒絶」にすら「定着」してしまう、という有様!
人間の強さと、