安部公房のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ある著名人が言っていた作品で、興味はあったが今ではないと思っていた。しかし本屋に行ったら、光を差しており思わず買ってしまった。余談でした。
本作は砂の女というタイトルの通り、砂の女と男の物語であり、比喩表現や物語の構成などさすがであった。また、どっぷり浸かってしまい、口の中や喉の表現があれば無意識に、自分の口を探ってしまう。ジャリジャリとした食感も伝わってくるそんな作品でした。
正直なところ、未熟なのでこの本が伝えるメッセージはあまり掴めなかったです。
2025/12/10追記
心理学でいう学習性無気力(ストレス)の状況に似ていると思った -
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おもしろい!と思ったり
訳がわからない!と思ったり
おとぎばなしを聞いている気分になったり
ひとつひとつが笑えたと思ったその次には
背筋がゾワ〜と恐怖を感じたり
やっぱりおもしろいのでしょうね
不思議な世界の中にも
素敵な文章の数々
次にあげる表現は雪に囲まれた冬の今だから、
なおさら心に響いて残っています。素敵な表現!
「そしてそれらの雪の上に、また新しい雪が重なり、町の表面はなだらかな雪の曲線に覆われてしまって、数日の後、もしくは数時間の後、不意に映写機の歯車に故障がおきたかのように、街全体がぴったりと動かなくなっていた」
「本当の春が近づいていたのだ‥
ある日、雲の割目から、太陽が -
Posted by ブクログ
主人公の行動一つ一つが世界の不幸と照らし合わせて合理化しているのが怖い。けれどその言葉が一瞬一理あると見せてるのがさらに恐怖心を煽る。
原爆の件も自分は原爆経験者の彼女のように顔や心を傷つけられ白鳥のように飛び立った気になってる、他人の顔して演じたゆえに裏切られただけなのに飛躍してひたすらみんなの同情と喝采が欲しいゆえに複雑に空回りながらそうだと言わせようとしている。
しかし、どんな顔してもしたらダメなこともあるって気付かされた。
この本を読むに辺り、少し前の友人の言葉を思い出した。
「人間は物事を簡潔に導く」
けれどその中は深淵で顔もなくてでも複雑。簡単に導き出した逃げのようなもの、或いは -
Posted by ブクログ
学生時代に読んだ本を再読。
父に薦められて読み、SF好きになり、読書習慣が付くことになった思い出深い本である。
予言機械、水棲生物の存在は常識から大きく外れている。
その異常さ、不気味さに起因しているのだろうか、読み進めるにつれて主人公の世界自体が現実から剥離していく様な感覚に陥る。
未来の残酷さを受け入れるか否かが、この本の主題となっているが、楽観主義の私は本編の未来はまだ良いように感じた。
現実では、今まさに起きている戦争ですぐ近くの国が核を撃つかもしれない。
それを起点とし、人類が滅ぶ事もあり得る。
そんな未来が無いと言い切れるだろうか。 -
Posted by ブクログ
「目を覚ましました」から始まる。何かしら変だと思う。まるでカフカの変身の毒虫のお話のような失われた自分の名前。
自分の中に砂漠を宿して、いや からっぽになった自分もどきをもてあまして悪あがきをする。
不思議な世界を冒険している童話のようであり、かなりシュールな旅をしているような気分を味わう。
「バベルの塔の狸」は、もっと冒険する。
はたして自分の中の葛藤なのか?様々な要素が絡まる。世界にのめり込んでしまった!
楽しすぎるし、ゾワゾワと鳥肌がたつ!あーでもないこーでもないと頭を巡らせる事ができる。
何度でも読めるし、何度でも違う感想を持てそう。そしていろいろな学び直しをしたくなる
壁はさまざま、 -
Posted by ブクログ
けものたちは故郷をめざす
著:安部 公房
新潮文庫 あ-4-3
ヤマザキマリの「国境のない生き方」にお薦めがあったので、一読させていただきました
逃げ遅れた日本人久木久三と、日系中国人高との、満州からの逃避行
八路軍を巻くように、都市を避ける南下路
眠ることすら難しい凍土の旅程
野犬、狼がうろうろとする、身を隠すことができない原野
氷はあるが、水を飲むことがなかなか許されない
ピストルをもち、なかば脅されながら進む
疲労困憊でわずかな坂を上ることすら時間がかかってしまう
敵とも味方とも分からない連れにも神経を研ぎ澄ませ、久三の生への挑戦が続く
凍傷でボロボロとなる皮膚、パンをもうけつ