安部公房のレビュー一覧

  • 砂の女(新潮文庫)

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    令和に読んでも全く色褪せていない安部公房の名作

    著者自身が2つ(2人)の自由をテーマにしたと語っているが、やはり非凡な才能がなければこの作品にこのタイトルは出てこないよ

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    2025年11月23日
  • 箱男(新潮文庫)

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    序盤で物語に引き込まれるが、この展開と結末を予想できる読者はいないだろう

    登場人物は自分と看護婦と医者の3人、終盤に女教師が出てきて構成が大転回する

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    2025年11月18日
  • 箱男(新潮文庫)

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    ネタバレ

     主人公って、常に目撃される側なわけですよね。そして常にその「視線」によって何者かであることを強制されている。その重圧に耐えて生きているんだと思うんです。
     この小説は読んでいて、見る見られるとはどういうことかを常に考えさせられました。箱男たちはなんとなく自らが主人公になることを拒んでいるような気がしました。主人公としての重圧、自分の人生を生きる重圧、それって私たちも日頃から少なからず感じているもので、箱男はそこから逃れて、「見る側」であることを選んでいるような気がします。
     「見る側」って読者である我々もそうですよね。私達は本という箱に入ることで、見られることから逃れている時、ある種の安堵感

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    2025年11月08日
  • 飢餓同盟(新潮文庫)

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    1954年に発表された、安部公房初の書き下ろし作品。
    過去に温泉で栄えた山あいの地方都市、花園町。地震をきっかけに温泉は途絶え、今では雪に埋もれたさびれた町に。
    キャラメル工事の主任・花井が中心となり、町内のよそ者たちが集結して結成された「飢餓同盟」。彼らは理想を叶えるための手段として、地熱発電所建設を計画します。
    町内を支配しているそれぞれの派閥の間で立ち回り共倒れさせようとしたり、メンバーを繋ぎ止めようとなだめたり…とにかく走り回って画策しまくる花井が忙しい。引きながらもついて行くメンバー達のキャラも濃い。
    とにかく花井がずっと尋常じゃないのと、メンバーの一人織木が体を張って地下を探る方法

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    2025年11月05日
  • 第四間氷期(新潮文庫)

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    最初から飛ばしています。ミステリっぽく始まりますがだんだん「これ何の話…?」的展開。とにかくスピード感があって止められません。
    諸々の突飛な話が繋がった時は何とも言えない「腑に落ちた〜」感が。
    万能の電子頭脳に平凡な中年男の未来を予言させようとしたことが発端となり、とんでもない事が次々に明るみになっていきます。
    いやいやまさか…な事が行われているのですが、安部公房の筆致に、思わず私も乏しい想像力をフル稼働させられてしまいました。
    あとがきの日付は1959年、ウィキペディアによると「日本で最初の本格長編SF」とのこと。
    予言機械にしたって、コレ60年以上前の作品!
    第四間氷期が終わろうとする時。

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    2025年11月02日
  • 箱男(新潮文庫)

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    匿名性、断章構成、贋、写真など
    安部公房らしさが盛り込まれた作品だと思う。
    何度読んでも不思議な気持ちになる。
    覗いているのか覗かれているのか。
    本物なのか贋物なのか。
    現実なのか非現実なのか。
    ノートを書いているのは誰なのか。

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    2025年10月17日
  • 人間そっくり(新潮文庫)

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    火星にロケットが軟着陸しているまさにその時。
    主人公は「こんにちは火星人」というラジオ番組の台本を書く作家。
    そこへ「火星人のことで相談がある」と訪ねて来た客とのやり取りで話が進みます。
    客とその妻との連携プレーで話を聞くハメになってしまった主人公。(これが後からジワジワ怖い)
    話の要点はうやむやに、撹乱されていく主人公。この客は何?人間?人間そっくりの火星人?おかしな人間?
    屁理屈みたいで頭が痺れてくるような会話が続き
    ラスト急にめっちゃ怖い!
    トポロジーは最後まで難しかったですが…面白かった!

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    2025年09月27日
  • 壁(新潮文庫)

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    シュールレアリスム的小説でカフカと似たる作風。
    読者によって作品イメージが異なるであろう。
    安部公房は繰り広げる世界観は狭いけれど、そこには想像を掻き立てる仕掛けがあり飽きさせない。
    安部公房満載の作品である。

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    2025年09月13日
  • 壁(新潮文庫)

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    この頃の作品が好き。
    抽象化と具体化に富んでいて、まるでモジュールが組み込まれてるのかというような試みが感じられる。
    プログラミングされてるのか?と思うくらい発明家っぽいこの頃の作品達はとてもよい。

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    2025年09月08日
  • カンガルー・ノート(新潮文庫)

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    すべてわかったわけではないが、とにかく好きだった
    一緒に夢を見ているようだった、楽しい、面白い、悲しい

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    2025年09月02日
  • 箱男(新潮文庫)

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    ずっと面白いが、正直言って全体としては意味不明。
    以下はなんとか整合をつけようとしたもの。覗くという行為は世界の中の対象に価値づけをすることであり、そうして初めて世間は成立する。つまり、覗かれることなしには世間、ましてや時空間が成立しない。一方、そのような視線で覗かれることは嫌悪を惹起するものでもある。覗かれることなく覗くだけの箱男はその意味で人間とは隔絶した存在である。そのため、彼らにとって対象は等価値あるいは一様に無価値なものであり、角が取れたものに映る。彼らの価値は箱の中の手近なものにかぎられている。しかし、覗かれるためであるとも思われる裸をもつ「女」に対しては、箱男は覗かれることに嫌悪

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    2025年08月28日
  • 砂の女(新潮文庫)

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    読んでいると、体をはたきたくなるような
    口の中までジャリジャリしてくるような感覚。
    蟻地獄に落っこちたアリの気分
    掻いても掻いてもさらさら埋まって戻っていく
    砂の怖さ。
    ずっと夢の中で走っているみたいな感覚。

    理不尽としか言いようがない話だけど、
    抵抗しても無駄なんだと悟ったら…
    この生活も悪くないと思ってしまったら…
    怖すぎでした。

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    2025年07月28日
  • 飛ぶ男(新潮文庫)

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    やはり安倍公房の小説は面白い。
    分かるような分からないような不思議な雰囲気も好きだし、人物描写が唯一無二でめっちゃ好き

    安倍公房の小説は読めば読むほど、どんどん読みたくなる

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    2025年07月07日
  • 人間そっくり(新潮文庫)

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    あー天才だなぁ〜
    最初は何言ってるん?なんの話?
    ってなるんやけど最後はのめり込み過ぎて
    私も頭がおかしくなる。
    読み終わっても結構引きずる
    読むドラッグって感じです。
    登場人物はほぼ2人
    ずーっと喋ってるだけの話
    なのになぜこんなに面白いのか。

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    2025年06月30日
  • 人間そっくり(新潮文庫)

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    やっぱり凄い作家なんだな。
    いま、こんな作品を発表する人はいないよね(この作風を求める読者って減ったのかな)。
    ほとんど会話しかないのに独特な雰囲気があって、状況がコロコロ変わる。事実と妄想の違いが分からなくなっていく。
    観念操作のマジックというよりは安部文学独特のロジック展開なんだろうな。

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    2025年05月20日
  • 箱男(新潮文庫)

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    7年ほど前に読んで再読。まったく覚えてなかった。
    プロットのしっかりしたストーリーではなく、後半にかけてどんどん崩れていく。前衛的。
    感想が難しいけど、とても面白かった。箱男と同じ年に出版されたのが、重力の虹であることに驚いた。

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    2025年05月09日
  • 人間そっくり(新潮文庫)

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    SFマガジン1966年9月号から3回に分けて連載。2か月後の67年1月に「日本SFシリーズ」の1冊として刊行され、71年5月には「世界SF全集」に収録。この迅速さから、早川の編集長(福島正実)の力の入れようがわかろうというもの。
    人間そっくりの火星人。見かけが人間と同じだというのに、火星人であることをどう証明するのか、あるいは人間でないことをどう証明するのか。火星人を名乗るセールスマンと放送作家の問答が、団地の1室で繰り広げられる。堂々めぐりの会話がみごと。そしてどんでん返し、そのどんでん返しもまたひっくり返される。巧いとしか言いようがない。
    新潮文庫版の解説は福島正実。作品を解説せずに、安部

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    2025年05月06日
  • 飢餓同盟(新潮文庫)

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    1954年刊の書き下ろし。北日本の山あいの町で繰り広げられるドタバタ劇。山師と地熱発電、革命を目論む秘密結社、政治家どうしの利権争い……戦後数年経ったばかりの頃の地方の町なら、ありえたかもしれない。
    登場人物はみな個性的、総勢25名のキャスト。紆余曲折の展開があるので、日曜劇場のような連ドラに仕立てたら、けっこういけるかも。
    通俗小説のように書いてみるという作者の「実験」のようにも感じられる。哲学・文学・思想のニオイがないのもいい。もちろん、筋書きは緻密に計算されていて、細部ではいつもの安部公房らしさが顔を出す。たとえばギニョール人形劇が登場し(いわば劇中劇)、そこではシュールな展開があったり

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    2025年05月06日
  • 箱男(新潮文庫)

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    読み終わるのに時間が掛かったけどすっっごかった。

    虚実が入り乱れるし、かなり観念的なんだけど、ぐいぐい引き込まれながら読んだ。

    何にも縛られない、本当の意味での自由を求めると外に開くのではなく、内に篭もり孤独を選ぶしか無いというやるせなさ。

    箱男は浮浪者と違い、社会から離脱した(自ら社会を捨てた)存在であり、社会動物ではない。
    つまり人間では無いのに、社会を見つめ続けたいという欲求だけは捨てられないアンバランスさが苦しかった。
    学校にも行きたくないし、遊びに行く気にもならないし、誰にも指図されたくないし、誰とも話したくないけど学校で何が起きたかは知りたいし流行も知りたいからTwitter

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    2025年04月30日
  • 他人の顔(新潮文庫)

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    ネタバレ

    4/6 他人の顔 阿部公房
    強い女性の手のひらで転がされる男という構図が大好きなので本作も大好物。男性のあらゆる努力を水泡に帰す最後の手紙は鳥肌もの。素晴らしい。最後の事件は自暴自棄の結果なのか。

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    2025年04月06日