中島敦のレビュー一覧
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ネタバレ≪引用≫
地に落ちた矢が軽塵(けいじん)をも揚(あ)げなかったのは、両人の技がいずれも神(しん)に入っていたからであろう。
(なんじ)がもしこれ以上この道の蘊奥(うんのう)を極めたいと望むならば、ゆいて西の方(かた)大行(たいこう)の嶮(けん)に攀(よ)じ、霍山(かくざん)の頂を極めよ。そこには甘蠅(かんよう)老師とて古今(ここん)を曠(むな)しゅうする斯道(しどう)の大家がおられるはず。老師の技に比べれば、我々の射のごときはほとんど児戯(じぎ)に類する。の師と頼むべきは、今は甘蠅師の外にあるまいと。
「既に、我と彼との別、是と非との分を知らぬ。眼は耳のごとく、耳は鼻のごとく、鼻は口の -
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〈乙女の本棚シリーズ〉
中島敦+ねこ助
李徴は、かつての自らの行いに焦燥に駆られた時にはすでに遅く、発狂して飛び出した。
後に袁傪が、使いに出たところ猛虎に襲われかけるのだが、人間の呟き声に我が友ではないかと叫ぶ。
叢から出てこないわけを尋ねると今は、異類の身となり、そのあさましい姿を見せるわけにはいかないと。
なぜ虎の姿となったのか…
いや、初めから今の形のものだったと思えば、幸せなのか…
だが、人間だった記憶がなくなることを恐ろしく、哀しく、切なく思っているのかもしれない。
虎になったことで、己れの卑怯さや刻苦を厭う怠惰さに気がついた。
滂沱の涙を流して全てを悔いたとしても、も -
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添えられたイラストが適切なのかどうかは、私には評価できない。わからないからだ。山月記に登場するのは虎であって、猫は一匹たりとも登場しないが、ここにはたくさんの猫のイラストが描かれる。イラストレーターが「ねこ助」という名前の方であるようなので、たぶん猫がお得意で、だからたくさん猫のイラストを描いているのかもしれないし、出版社もそれを求めて依頼したのかもしれない。しかしそれが適切なのか、よくわからない。李徴でも袁傪でもない、幼児的人物のイラストも、どういうつもりで添えているのか、よくわからない。よくわからないけど、これが現代イラストレーターとのコラボレーションによる新しい文学の提案だと言われれば、
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短い生涯ながら二年の作家人生の中で名作を残した悲運の作家『中島敦』の代表作三篇を、読みやすい現代語に訳した作品集。
山月記
中国の唐の時代、高位の役人が旅の途中人食い虎と出会う。が、そのトラはかつて優れた才能を持ちながら離職し詩人としても芽が出ずに失踪したかつての友人の変わり果てた姿だった。
多分『中島敦』作品の中で一番有名なものだと。
高校の国語の教材で読んだことしかなかったので『乙女』シリーズを読むのに、ちゃんと読んでみようと一緒に借りたのですが、むしろあちらのほうが原文でしたね。
「本気出せばー」って言ってるような奴が頭に浮かんでしまった。いや、だったら出してみろよ、みたいな。
ち -
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ネタバレ李陵について
・李陵への漢への想いや恨み、匈奴への恩などで思考がぐるぐるし、どっちつかずになっているさまは自分を見ている気持ちになった
・寒く困難な状況でも芯を通す蘇武を見ながら自分と対比して恥じる姿に共感
・見返りを求めない祖国への愛は立派。李陵の愛は確かに蘇武に比べ低かったかもしれないがそれだけで人の優劣はつけられるものではなく、李陵にとっては祖国よりもっと大事な、それこそ見返りを求めないレベルで愛する何かがあったんじゃないかな?と想像します。確かに芯の通った姿は格好いいけど、それに揺さぶられすぎて好きでもないものに人生を捧げないようにしなくてはな。と思いました