中島敦のレビュー一覧

  • 山月記(乙女の本棚)

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    絵がきれい。
    「人生は何事をも為さぬには余りに長いが、何事かを為すには余りに短い」という言葉は、ここで使われていたのか、と感動した。

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    2024年05月06日
  • 李陵

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    漢語のゴツゴツ感

    現在の日本語は太古の柔らかい「やまとことば」に中国から輸入した漢語の骨格で構成されたものである。中島敦の作品の中でも特にこの作品は日本語の中における漢語のゴツゴツ感を雄渾に語っている。私の好きな文体である。ストーリー内容とその評価は語り尽くされているが、死後 青史に残るのを大事にするか現世を大事にするか という価値観で私は考えてしまう。

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    2024年05月03日
  • 文字禍

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    言霊

    日本では「言葉に神が宿る」として言葉を大切にし信仰していた。ましてやその言葉を「文字」にして形に残すと、その文字に霊力が宿るというのはなんだかわかる気がする。作者 中島敦は、文字発祥の地 メソポタミアをストーリーの舞台にし、「文字」をテーマにしたファンタジー小説を作り上げている。

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    2024年05月01日
  • 光と風と夢

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    デビュー作

    李陵や山月記で名高い中島敦のデビュー作だそうである。李陵で見せた剛直で無骨な文体とかなり違う柔らかで流麗な文体なので驚いた。よく処女作はその作者の才能が詰まっている と言われるが、本作を書いた中島敦にもそれは言えると思う。文明人を自認するイギリス人のスティーブンソンの南洋の島 そこに住む人々への思い 考えがよく分かる。

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    2024年05月01日
  • 李陵・山月記

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    ネタバレ

    虎になってしまった詩人李徴がかつての親友と出会い、自分がなぜ虎になったのか気づく
    「共に、わが臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為である」「虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に踊り入って、再びその姿を見なかった」

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    2024年04月28日
  • 山月記(乙女の本棚)

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    「人生は何事をも為さぬには余りに長いが、何事かを為すには余りに短い」の一文が胸に刺さりました。ねこ助さんの挿し絵も美しく、とても読みやすかったです。

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    2024年04月14日
  • 環礁 ――ミクロネシヤ巡島記抄――(新仮名)

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    文豪だけどトンチで戦ってる

    ミクロネシアの島々での私小説、
    南の島での日々は中島敦にとっては満たされていたとは言えなかった模様
    デング熱という伝染病に罹ったりしているのは
    病身の中島敦の寿命を縮めたのではないか
    読んで気が沈んだ

    #切ない #怖い #じれったい

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    2024年04月07日
  • 李陵・山月記 弟子・名人伝

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    『山月記』の感想。
    高校での国語の授業で『山月記』を読み初めて中島敦を知った。友達から文豪ストレイドッグスの主人公はこの人がモデルだよと言われたことと『山月記』自体が妙に心に残る作品であったことを思い出した。
    特別でありたいと願う高校生に「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」というワードを読ませるのかと今になって思う。
    『山月記』の元である『人虎伝』と比較して読むと中島敦が作品に込めた想いが分かるような気がする。
    「人生は何事をも為さぬにはあまりに長いが、何事かを為すにはあまりに短い」という一文が私は大好きなのである。

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    2024年04月03日
  • 李陵・山月記 弟子・名人伝

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    高校の頃の教科書にでてきたときはイメージがあまりわかなくて、ぴんとこなかった『山月記』

    「史記」「三国志」「キングダム」など読んで中国歴史ドラマみて、中国史を勉強して、イメージできるようになってから改めて読むと、深く心に届きました。
    その時代の考え方、習慣を知っていると理解も深まるしおもしろさも増すのね

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    2024年02月24日
  • 李陵・山月記

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    自分はその辺の人よりはすごい人間だっていう自信があって、でも上には上があるから本気になったら自分のダメなところを晒してしまうんじゃないかって不安もあって、2つの感情に挟まれた結果人との関わりを避ける。

    切磋琢磨すること、時には失敗することがどれほど大切だったか後悔している虎を見て、これから始まる新生活では純粋に成長するために分からないことも分からないと言える人になりたいなあと思った。

    新しい目標ができた時に見返したい本。

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    2024年01月19日
  • 李陵・山月記

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    国語の授業で出会った作品。
    自分の力を過信して足りないものを補おうとせず、一方で自分の力を無さの露呈を恐れて仲間と切磋琢磨することもしなかった。自尊心がすぎるあまり、うまくいかなかった時の羞恥心を飼い太らせ、やがては虎になる。
    誰しも心に虎を飼っていて、その虎に目を背けずに受け入れる必要があるのだなと思った。身につまされる。

    最後まで残してきた家族より自分の詩歌の道のことしか考えてないから虎になったんだよ、と呆れてたら李長自身も「こんな姿になってまで家族のことより詩歌のことしか考えてない自分が情けない」と自覚していたので、少しかわいそうに思えた。笑

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    2023年12月21日
  • 李陵・山月記

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    さすが漢学者一族の中で生まれただけ作者の文体。
    まるで情景が目の当たりにできそうな、なんて美しい文章

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    2023年11月20日
  • 山月記(乙女の本棚)

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    ネタバレ

     乙女の本棚シリーズから、中島敦さんとねこ助さんのコラボ作品「山月記」です。ねこ助さんの奇麗な虎と女性のイラストが表紙!ねこ助さんってスゴイなぁ…前の「赤とんぼ」もだけれど、本当に奇麗で繊細なイラストですよねぇ…。でもね、読むぞと思って…ページを開くと異次元(^-^;)。参った…やってしまったも…、難しくって読みきれないかも、と不安を抱えながらも読んでみました。

     物語の舞台は中国…李徴は詩人としての成功を夢見ていたがうまくいかず、妻子にも苦労をさせるほどその生活は逼迫したものに…李徴は夢をあきらめ一官吏として地方に赴任したが、やがて発狂し姿を消してしまう…。そんな李徴の存在に旧友の袁傪が気

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    2023年07月19日
  • 李陵・山月記 弟子・名人伝

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    中国の故事を元に描かれたものが多いからか、とっつきにくい印象だったけど、全ての作品に引き込まれてしまった。
    特に山月記と悟浄出世。
    全てに底通する、自己の弱さや迷いに向き合わざるを得ない主人公達は、きっと敦くん自身の姿なのだろう。

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    2023年06月19日
  • 山月記(乙女の本棚)

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    「その声は、我が友、李徴子ではないか?」
    高校の現代文の授業で読んで以来。言い回しや表現が小難しかったけど、書かれていることにハッとさせられたのを覚えているし、今でも折に触れて戒めのように思い出すことがある。
    そして当時あやふやだった部分も、時を経て人生観が熟し(言い換えれば"老い"かもしれない)、さらに深く読むことができた気がする。
    「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」。己の才能を誇りながらも誰より傷つくことを恐れ、ただ驕り高ぶって刻苦を厭い、努力を放棄してきた李徴の無念と後悔。
    李徴を虎の姿に変えてしまったものの正体が手に取るように分かるから、刺されるような鋭い痛みを覚え

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    2023年06月10日
  • 山月記(乙女の本棚)

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    袁傪は旅の途中、旧友の李徴と再会した。
    たが、美少年だった李徴は変わり果てた姿になっていた。

    粗筋だけは昔から知っていた作品。ねこ助さんの挿絵が美麗なのも手伝いするする読めた。
    李徴が人間性を失っていく恐怖や詩人として詩を残したい想いを残した妻子の生活より優先したことに対する自嘲が哀しかった。

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    2023年04月24日
  • 文字禍・牛人 アニメカバー版

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    「狐憑」…最後に2つの意味でギョッとした。想像力と創作とそれを発表する事が許される自由な時代に生まれて良かった。(私は読む側だけど)
    「木乃伊」…今なら実際に行くことができたり、ネットで写真や動画で知る事ができる外国を舞台に、どんな風に思い描きながら書いたんだろう。
    「文字禍」…かなり好き。長年海外に住んでいると、ネット以外では日本語を目にする事が殆どないので、たまに手書きで文章を書いてると、手が勝手に動くくらい書き慣れた漢字なのに間違ってるように思えて、長く見つめれば見つめるほど見覚えのないような、変なモノに見えてきたりする事がある(ゲシュタルト崩壊)ので、それが作中に出てきた時にはちょっと

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    2023年04月08日
  • 山月記(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    高校の時、現代文か何かで読んで衝撃的だった話。今読んでも秀逸なのがわかる。文語体の一言一句が、心に共鳴する。
    虎になったのは、自分の所為だと語る李徴の物悲しさよ…そして虎になっても、詩作に耽る李徴の傲慢さよ…人生を捧げるほどのことがそこにはあったのだろう。自分はどうだ?全てを打ち捨ててでも、やり遂げたいことがあるか?ああ、あるとも!やってやろうではないか!
    人生、何も成し遂げないには長すぎるが、何かを成し遂げるには短すぎる。結局はやれることをやるしかない。そして、横で比べて卑下しないことだな。いや、それができれば苦労はないけど。
    華麗な挿絵に関しては、特にコメントはない。まぁ今時の子どもに手に

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    2023年03月04日
  • 山月記(乙女の本棚)

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    綺麗なイラストがついていて、難しい山月記を読む手助けをしてくれている。
    「己の内なる臆病な自尊心を飼いふとらせる結果になった」という文章を読んで、こうなってしまった李徴を哀れに思った。
    自分は猛獣を飼い慣らさなければと思った


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    2023年02月03日
  • 山月記

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    何度も読み返したい

    高校の現代文の教科書にも出てくる小説。自戒の為何度も読み返したくなる一冊です。名文が散りばめられています。スマートホンで無料にかつ気軽に読めるのが嬉しい。

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    2022年12月02日