中島敦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文豪6名の最後を飾った作品を集めたもの。同じような趣旨で、デビュー作代表作を集めた「文豪誕生」も読んで出版社の策にとても共感している。
表装は今風というかアニメタッチな文豪が1人、芥川だろうかと想像する。
登場する6名の文豪、初めましての方もいて、読書の門扉が少し開けた気がする。
それでも好きになったかと言うとそこまでではないが、この点が点と合って線になっていくんだろうなと思う。
特に芥川龍之介はこの作品でちょっと興味をもった。そして梶井基次郎は檸檬の他に機会があって良かったと思う。
文豪死すも文豪誕生も、名前は知っているけどそこまでじゃないと言う人にはぴったり。機会があったら読んでみると良 -
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漢語のゴツゴツ感
現在の日本語は太古の柔らかい「やまとことば」に中国から輸入した漢語の骨格で構成されたものである。中島敦の作品の中でも特にこの作品は日本語の中における漢語のゴツゴツ感を雄渾に語っている。私の好きな文体である。ストーリー内容とその評価は語り尽くされているが、死後 青史に残るのを大事にするか現世を大事にするか という価値観で私は考えてしまう。
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言霊
日本では「言葉に神が宿る」として言葉を大切にし信仰していた。ましてやその言葉を「文字」にして形に残すと、その文字に霊力が宿るというのはなんだかわかる気がする。作者 中島敦は、文字発祥の地 メソポタミアをストーリーの舞台にし、「文字」をテーマにしたファンタジー小説を作り上げている。
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購入済み
デビュー作
李陵や山月記で名高い中島敦のデビュー作だそうである。李陵で見せた剛直で無骨な文体とかなり違う柔らかで流麗な文体なので驚いた。よく処女作はその作者の才能が詰まっている と言われるが、本作を書いた中島敦にもそれは言えると思う。文明人を自認するイギリス人のスティーブンソンの南洋の島 そこに住む人々への思い 考えがよく分かる。
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Posted by ブクログ
ネタバレ乙女の本棚シリーズから、中島敦さんとねこ助さんのコラボ作品「山月記」です。ねこ助さんの奇麗な虎と女性のイラストが表紙!ねこ助さんってスゴイなぁ…前の「赤とんぼ」もだけれど、本当に奇麗で繊細なイラストですよねぇ…。でもね、読むぞと思って…ページを開くと異次元(^-^;)。参った…やってしまったも…、難しくって読みきれないかも、と不安を抱えながらも読んでみました。
物語の舞台は中国…李徴は詩人としての成功を夢見ていたがうまくいかず、妻子にも苦労をさせるほどその生活は逼迫したものに…李徴は夢をあきらめ一官吏として地方に赴任したが、やがて発狂し姿を消してしまう…。そんな李徴の存在に旧友の袁傪が気 -
Posted by ブクログ
詩によって名を成そうと思いながら、進んで師に就いたり、求めて誌友と交わって切磋琢磨に努めたりしなかった。己の珠(たま)ではないことをおそれるが故に、あえて刻苦して磨こうともせず、己の内なる臆病な自尊心を飼い太らせる結果になった。この尊大な羞恥心が猛獣(虎)だった。▼人生は何事をもなさぬには余りに長いが、何事かをなすためには余りに短い。中島敦『山月記』1942
彼は殆ど本能的に「自分は自分が思っている程、自分ではないこと」を知っていた。中島敦『光と風と夢』1942
夜、床に就いてからじっと眼を閉じて、人類が無くなったあとの・無意義な・真黒な・無限の時の流れを想像して、恐ろしさに堪えられず、ア