中島敦のレビュー一覧
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ネタバレいい(´∀`)♪
唐代の中国を舞台に、詩人になる夢を果たせずに虎になってしまった李徴という男が、かつての友人である袁傪に自分の運命を語るという物語です。
李徴は若くして科挙に合格しましたが、自尊心の高さから役人の職を辞めて詩人として名声を得ようとしました。しかし、詩作に没頭するあまり家族も顧みず、文名も得られず、貧困に苦しみました。再び役人として働くことになりましたが、出世した知り合いや後輩の命令に耐えられず、発狂して山へ消えてしまいました。そして、いつの間にか虎の姿に変わってしまいました。
袁傪は監察御史となって旅をしているとき、李徴が虎になったことを知ります。李徴は茂みから出てこない -
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*理由も分らずに押付けられたものを大人しく受取って、理由も分らずに生きて行くのが、我々生きもののさだめだ。
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*一体、獣でも人間でも、もとは何か他のものだったんだろう。初めはそれを憶えているが、次第に忘れて了い、初めから今の形のものだったと思い込んでいるのではないか?
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*人生は何事をも為さぬには余りに -
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短編でこれほどの完成度とは、本当に畏れ入る。
芥川龍之介とはまた違った秀作ばかり。
そんな文筆の才を持った中島敦でも、「言葉で記憶していると、よくこんな間違をする(「虎狩」より)」と考えることがあったのだろうか。
なんとなく、「文字禍」から小説に対する彼の思いが伝わってくる気がする。
◼「狐憑」作家は必要な存在なのか。
◼「木乃伊」エジプトに攻め込んだギリシャ人将軍の記憶。
◼「文字禍」単なる線の集まりが何故音と意味を持つのか、文字に囚われた老博士の話。
◼「牛人」魯の大夫と昔一夜を共にした女との子・豎牛の話。
◼「斗南先生」中島が親族の中で最も強く影響を受けた伯父の晩年を、似通う気質を持つ -
購入済み
BLを取り扱う作品で「山月記はBL」と言われたりもしていますが、男同士の感情を取り扱った作品だなとは思います。
学校で習って読み解いた作品ではありますが、改めて読んでみようと思う作品です。 -
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ネタバレ教科書に載っていた山月記が印象的で中島敦は他のも読みたいなーーっと漠然と思ってはいたんだが、機会がなく、
文豪ストレイドッグスが始まった時点でまた、ああ、中島敦だーーーっと。
角フェスコーナーで目にして山月記以外だったのでこれは読むべし、と購入。
思った以上に暗い?終わり方が多くびっくり。
死ぬとか殺される、とか。
狐憑、は作家の原初の形、を描いてて面白いなーーっと思っていたらまさかのラストに驚愕。
コロナ禍で勃発したエンターテイメントは生きることに必要か否か、の問いが既にこんなところで発せられていたとは…
文字禍で文字が線と点になりなにかちがうものになるような感覚、とか、ああ、なんかわかる -
購入済み
小さい時ラジオの朗読劇で聞いてから大好きになりました
高校の教科書にも載っていたし
何故かわかりませんが、読むと落ち着いた静かないい気分になるので、眠れない夜に読むのがオススメです
夜(明け方か?)の話ですし -
Posted by ブクログ
宮沢賢治と中島敦。
『東北・南洋・中国・韓国など周縁から文学の中心に迫った
純粋かつ豊饒なる作品世界』
という帯の解説。
中島敦は初めて読みました。
南洋の世界の『環礁』や日本占領時代の朝鮮の
『巡査の居る風景』。中国の故事を基にした、
『李陵・司馬遷』『弟子』『悟浄出世』『悟浄歎異』
独特の世界観は引き込まれる感覚や、心象の描きかた、
その土地の風俗や風景やにおいが濃密に描かれていて
面白いと思います。
宮沢賢治の童話と詩。特に詩の『春と修羅』と『疾中』は
声に出して読むと、ぞくぞくとする内容です。
また、『ひかりの素足』と『ポラーノの広場』は
不思議な感覚の童話です。これも引き込まれる感じ