中島敦のレビュー一覧

  • 新撰クラシックス 李陵/山月記(小学館文庫)

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    「李陵」
    李陵と司馬遷、二人の不遇な男の物語。
    祖国への忠心を頑に守るのか、柔軟に新たな恩義を大切にするのか、どちらの生き方が正しいのかは誰にも判断できないが、迷いのある者が苦しむことは確か。
    「悟淨出世」
    西遊記でおなじみの沙悟淨が、三蔵法師一行に出会うまでの話。自分とは何なのか、何のための人生なのか。答えのない問いにとらわれて苦しむ悟淨の姿には、誰しもが人生に対して感じる言いようの無いもどかしさが表れている。
    案ずるより生むが易しという、簡単な言葉で殻を破れるのもまた、悩みというものの本質か。
    「牛人」
    魯の名大夫、叔孫豹のエピソード。突如叔孫豹の前に現れた生き別れの倅・牛が、叔孫を死の恐

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    2013年12月12日
  • 李陵・山月記 弟子・名人伝

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    「李陵」「山月記」「弟子」「名人伝」「悟浄出世」「悟浄歎異」
    正義感あふれる李陵が敵国匈奴に捕まる。司馬遷は李陵を庇うが、武帝に逆ギレされて宮刑を受ける。
    報われない自分の境涯に発狂し虎になる李徴。ノイローゼぎみの沙悟浄。
    どの作品も不安や不快、やるせなさが漂うが、人間の愚かさや弱さを直視することで、人間の本質がジワジワ浮き上がってくる。

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    2013年03月02日
  • 李陵・山月記 弟子・名人伝

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    名人伝 ー 技を極めるため、成長しつづけて辿りつく先は… 初めて読んだ時、ラストは軽い衝撃でした。人生における老いの一つのモデルとして今も心しています。段々と衰える、ではなく本質を極めていく人の姿が見えます。

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    2013年02月22日
  • 李陵・山月記 弟子・名人伝

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    ネタバレ

    ≪引用≫

    地に落ちた矢が軽塵(けいじん)をも揚(あ)げなかったのは、両人の技がいずれも神(しん)に入っていたからであろう。


    (なんじ)がもしこれ以上この道の蘊奥(うんのう)を極めたいと望むならば、ゆいて西の方(かた)大行(たいこう)の嶮(けん)に攀(よ)じ、霍山(かくざん)の頂を極めよ。そこには甘蠅(かんよう)老師とて古今(ここん)を曠(むな)しゅうする斯道(しどう)の大家がおられるはず。老師の技に比べれば、我々の射のごときはほとんど児戯(じぎ)に類する。の師と頼むべきは、今は甘蠅師の外にあるまいと。

    「既に、我と彼との別、是と非との分を知らぬ。眼は耳のごとく、耳は鼻のごとく、鼻は口の

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    2012年10月04日
  • 新撰クラシックス 李陵/山月記(小学館文庫)

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    李陵は子供の頃から何度読んだやら。読むたびに心に染みいります。山月記は森見登美彦のパロディ読んだ後なので違った面白さ。
    しかし、新装で600円か。昔は200
    円ちょっとで薄いペラペラの新潮?文庫買えたのだが。

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    2012年03月06日
  • 李陵・山月記 弟子・名人伝

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    ネタバレ

    『李陵』

    『弟子』

    『名人伝』

    『山月記』

    『悟浄出世』

    『悟浄歎異』

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    2011年07月11日
  • 李陵・山月記 弟子・名人伝

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    買って置いたまま放置していた本。
    なんとなくぱらぱらと捲って、読まず嫌いになっていたのだが、読んでみてかなり面白くてなぜさっさと読んでなかったのか後悔してしまうほど。
    少ないページの中に実に考え深い内容。好きかもしれない。

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    2010年05月04日
  • 李陵・山月記 弟子・名人伝

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    悟浄出世と悟浄歎異が載ってるので買いました。中島敦の文章は本当に美しい…。読む度に新しい感動をくれる短編集です。大好きです。
    私としては挿し絵はない方が良かったな…!情景を想像するのが好きなので。

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    2009年12月24日
  • 李陵・山月記 弟子・名人伝

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    ■山月記■
    憤悶と慙恚とによって益々己の内なる臆病な自尊心を飼いふとらせる結果になった。人間は誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情だという。 事実は、才能の不足を暴露するかも知れないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが己の凡てだったのだ。

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    2009年10月12日
  • 李陵・山月記 弟子・名人伝

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    ●山月記●
    この気持は誰にも分らない。誰にも分らない。己と同じ身の上に成った者でなければ。
    事実は、才能の不足を暴露するかも知れないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが己の凡てだったのだ。己は漸くそれに気が付いた。
    この胸を灼く悲しみを誰かに訴えたいのだ。

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    2012年03月14日
  • 光と風と夢 わが西遊記

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    いろいろ思い入れがあって、たぶんこういうレビューを書くのに適さない。悟浄とスティーブンスンが好きになる中篇。講談社文芸文庫は注釈がないので、ある意味読みやすく、ある意味つらいカモ。

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    2009年10月04日
  • 山月記

    購入済み

    あの有名な

    昔、少し読んだことがあったが、内容を忘れていたので再読。

    ページ数も多くないので、ぜひ読んでもらいたい。色々と考えさせられる内容になってる。

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    2025年12月06日
  • 文字禍(乙女の本棚)

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    ただ知覚することと、文字を読むことによって注目するポイントが変わることの良し悪しをファンタジックに描いた話だった。
    舞台がアッシリアでバビロニアのギルガメッシュ 王や死神エレシュキガルの名前が出てきてうれしかった。
    しきみさんの絵もおじいさんは可愛らしく、文字の精霊は妖艶で良かった。

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    2025年11月17日
  • 疵(きず)の迷楼 耽美幻想セレクション

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    まず装画が怪しげで綺麗!いわゆるジャケ買い
    あとタイトル『疵の迷楼』別世界へと誘い込まれるような魅惑的な感じに加え、名だたる文豪たちの作品に興味を引かれてしまう。
    まだ、このとき耽美という言葉の意味を理解していなかった。ただ「美しい」くらいにしかとらえていなかったので読んでみたら本当の意味を思い知らされ、常軌を逸した世界への入り口だった。

    なかなか普通の感覚では理解、共感し難い作品ばかり。どの作品も何かに心を奪われていたり、病的にのめり込んでいたりと現実からかけ離れていて危うい空気が漂っている。
    抗いがたい好奇心や欲望、まるで[パンドラの箱]を開けてしまったようなそんな感じだ。

    収録されて

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    2025年10月15日
  • 文字禍(乙女の本棚)

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    中島敦は絵本とは相性が良くない、かも知れない。

    それでも、やっぱり興味深い物語だと思う。
    文字というものの言い表せない力を感じることができるんよな

    2025.9.15
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    2025年09月15日
  • 山月記(乙女の本棚)

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    自尊心とは「自分を大切に思う気持ち」のことだと感じる。
    ただ、それが高すぎると「プライド」として表れてしまうのだろう。
    自尊心が過剰になると、「自分は他人よりも秀でている」と思い込みやすくなり、現実での評価とのギャップに苦しむことになるのかもしれない。

    もちろん、自尊心が低すぎるのも生きづらさの原因になる。
    けれど、同じように高すぎてもバランスを崩してしまうのだと、改めて思った。

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    2025年08月31日
  • 李陵・山月記

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    『山月記』は虎になった男の話として知ってはいたが読んだことはなかった。『李陵』は前漢頃の話でこちらも運命と自己の忠義や正義との葛藤が良かった。

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    2025年08月08日
  • 文字禍(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    しばらく見ない間に、このシリーズとても増えててびっくり!嬉しい。

    文字の精霊。文字を覚えることで起こる不具合。歴史とは在った事柄のことか粘土板の文字のことか。書かれていないことは存在しないということ。
    面白い。

    エンタメ小説はたくさん読んでても、文学作品はほとんど読んでいないので、このシリーズだけでも少しずつ読んでみよう。キレイなイラスト大好き。しきみさんのイラスト、ほんと好き。

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    2025年07月21日
  • 文豪死す

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    文豪たちの遺作を集めた本。
    太宰治のグッドバイ、初めて読んだけど続きがめちゃくちゃ気になる…!!!

    各作家の作品のあらすじ紹介がわかりやすくて、面白そうで、読んでみたいのをたくさん見つけられた。
    名作系にハードルの高さを感じていたけど、作家のあらすじや経歴をみて、だいぶハードルが下がった。

    夢野久作知らなかった!女坑主は読み終えたあと「あの時のあのセリフはどういう意味?」ってなって読み返してしまった。

    読んでみて良かった。自分の読める小説が広がりそう。

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    2025年06月15日
  • 悟浄出世

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    西遊記の沙悟浄のお話です。悩める沙悟浄が答えを求めて彷徨い、三蔵一行に出会うところまで。人によって考えは千差万別。結局悟浄の悩みは考えるだけ無駄ということなのかな。

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    2025年05月10日