あらすじ
病床で綴られた連作詩「疾中」や「ポラーノの広場」「ひかりの素足」など宮沢の18篇と、「環礁」「李陵・司馬遷」など中島の7篇を収録。周縁から文学の核心に迫った二人の世界。
月報=夢枕獏、古川日出男
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Posted by ブクログ
宮沢賢治はまるでジミ・へンドリックスのようだ。最盛期のジミは、自分の体内から自然と音楽が湧き出るように曲が作れたという。音楽を言葉に変えればまさに賢治がそうなのではないだろうか。
中島敦は、個人的には名人伝が最も好きな作品だけれど、本書への収録作品の中ではやはり悟浄出世だろうか。いや、どれも甲乙つけがたい面白さだった。
Posted by ブクログ
宮沢賢治と中島敦。
『東北・南洋・中国・韓国など周縁から文学の中心に迫った
純粋かつ豊饒なる作品世界』
という帯の解説。
中島敦は初めて読みました。
南洋の世界の『環礁』や日本占領時代の朝鮮の
『巡査の居る風景』。中国の故事を基にした、
『李陵・司馬遷』『弟子』『悟浄出世』『悟浄歎異』
独特の世界観は引き込まれる感覚や、心象の描きかた、
その土地の風俗や風景やにおいが濃密に描かれていて
面白いと思います。
宮沢賢治の童話と詩。特に詩の『春と修羅』と『疾中』は
声に出して読むと、ぞくぞくとする内容です。
また、『ひかりの素足』と『ポラーノの広場』は
不思議な感覚の童話です。これも引き込まれる感じを
強く受ける作品です。
Posted by ブクログ
「山月記」が好きなんだが、ほかの中島敦の作品も読みたくて手にとる。
表紙の色が大変綺麗。
南島エッセイ的なのと中国ものと。
内地、というのが日本のことだというのを理解するのにワンテンポ必要とした。
ある巡査の~は関東大震災での風評による朝鮮人虐殺の件が当事者の悲しみと怒りともに描かれている部分があり、しかもそれが言論統制により封じられていくという
結構日本に批判的だと思うのだがまだ昭和一桁代は発表が可能だったのだなあ。
悟浄さんのはとてもおもしろく読んだ。
万城目さんので悟浄出立ってのがあったと思うんだが、
そして大変おもしろかった覚えがあるんだが、
こっからか?
孔子のもおもしろかった。
各人の内側からの、語り、とゆーか、そーゆーところが好きだ。
やっぱ中島敦は好きだなー。
賢治さんは解説の「宮沢賢治は過剰である」の一言に
なんか非常になるほど~っと思わされた。
正直、嫌いではないが、理解不能な部分も多いので、
詩とか、そーゆーふうに解説されると、また味わいが違ってくるなあ、と。
狼森~とか改めて読んでみると意外とおもしろく、
あれ、こんな感じだったかなーっと。
私は雪渡りの子がメッチャ好きだ。