あらすじ
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人気シリーズ「乙女の本棚」第43弾は、文豪・中島敦×イラストレーター・しきみのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
わしらこそ彼等文字の精霊にこき使われる下僕じゃ。
文字の精霊についての研究を命ぜられた老博士ナブ・アヘ・エリバ。図書館や街中で調査を続ける彼のことを、精霊たちは決して見逃さない。
中島敦の名作が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは『猫町』、『詩集『青猫』より』、『押絵と旅する男』、『夢十夜』、『桜の森の満開の下』、『恋愛論』、『魔術師』、『夜叉ヶ池』を担当する大人気イラストレーター・しきみによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
文字の精霊によって人が支配される話は面白かった。絵がないと多分意味が分からなく読めかなったかも。石書で死んでしまった字を調べていた老博士、字の精霊の怖さを知る
でも字によって記憶力の低下、目が悪くなる、情報過多など現代でも字の精霊はいると考えてしまう。自分も字の精霊に囚われて目も悪くなり多くの時間を字に費やしている。。。
Posted by ブクログ
大好きな中島敦の文字禍がYA向けの本になっていたので読んでみた。初めはイラストが可愛らしすぎるかなと思っていたが、割とよかった。文字に支配されてる人間というテーマが今も昔も変わらないってのが興味深くて好き
Posted by ブクログ
中島敦の『文字禍』と素敵なイラストがコラボする、乙女の本棚シリーズ43巻です。
アッシリアのナブ・アヘ・エリバ博士は、アッシュールバニパル王から“文字の精霊”が引き起こす災いについて研究するよう命じられます。
研究の成果として文字の精霊が存在することを発見しますが、精霊の厄介さを知った彼は王に文字を使わないことを進言し軟禁状態となります。
この成り行きも文字の精霊の暗躍によるものとされましたが、博士には更なる災厄が待っているのでした…。
このような不可思議な物語を不可思議なイラストで彩った本書は、その世界観を増幅させている良書です。
特に文字の精霊は楔形文字を擬人化したような存在でとても素敵です。
乙女の本棚シリーズを手に取ったのは本書が初めてでしたが、今後も読んでみたいと思える一冊でした。
Posted by ブクログ
ただ知覚することと、文字を読むことによって注目するポイントが変わることの良し悪しをファンタジックに描いた話だった。
舞台がアッシリアでバビロニアのギルガメッシュ 王や死神エレシュキガルの名前が出てきてうれしかった。
しきみさんの絵もおじいさんは可愛らしく、文字の精霊は妖艶で良かった。
Posted by ブクログ
中島敦は絵本とは相性が良くない、かも知れない。
それでも、やっぱり興味深い物語だと思う。
文字というものの言い表せない力を感じることができるんよな
2025.9.15
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Posted by ブクログ
しばらく見ない間に、このシリーズとても増えててびっくり!嬉しい。
文字の精霊。文字を覚えることで起こる不具合。歴史とは在った事柄のことか粘土板の文字のことか。書かれていないことは存在しないということ。
面白い。
エンタメ小説はたくさん読んでても、文学作品はほとんど読んでいないので、このシリーズだけでも少しずつ読んでみよう。キレイなイラスト大好き。しきみさんのイラスト、ほんと好き。
Posted by ブクログ
ふとある芸人さんの本の内容を思い出した。
まったく本を読まない芸人さんの読書経験を綴った本であったが、「どうして単に文字が並んでいるを読むだけでシーンが頭の中に浮かぶのか、この仕組みは一体なんなのだ」…というようなことだったが、それもまた文字の精霊の力、ともすれば文章の精霊の力というものなのだろうか。
たしかに、なんでもない文字という記号の列だけで、見たこともない文明の街並みや老学者の様子が頭に浮かぶ。
それを元に、しきみ氏がこうしてイラストを添えている。
読書をする人間にとって、当たり前すぎることを、否、人間として生きるうえでも当たり前すぎることを、揺さぶられる短編だった。
…それも、文字を通しての体験というのがまた。
それを、誰かに伝える感想が、こうして文字打たれる形になるのもまた。
Posted by ブクログ
はい、アンサーレビューの『読まずにレビュー』第6弾です!(ドゴーン!)
*『読まずにレビュー』とは?
表紙と題名、作者のみを手がかりに本の内容を推理し、感想まで書いちゃう!という革命的レビューです!(先に表紙拡大して確認してみてね)
しかも今回は発売前に書いちゃいます!
挑戦は受けて立つ!( ゚д゚ )クワッ!!
(挑戦されてない)
はい中島敦さんの『文字禍』ですよ
まずもうね顔色が悪い!
確実になんかヤバい感じの風土病ですよ
おそらく中央アフリカですよ
水際対策必至ですよ
そしてタイトルは『文字禍』です
「禍」の意味としては「よろこばしくない事柄。不幸をひきおこす原因。災難。」てなことらしいんですが、あれ?なんか最近こんな言葉聞いたことあったような…
( ゚д゚)ハッ!
そう!「コロナ禍」です!
〈あらすじ〉
時は2070年、人類は新型文字ウィルスによって実にその7割が死に絶え絶滅の危機に瀕していた
新型文字ウィルスとは中央アフリカの奥地で発見された「文字」である
その「文字」を読むことで感染し、肌に文字が浮かびあがり、高熱と呼吸困難とたわ言により死に至る
また既存の「文字」と融合し変異を繰り返すことでワクチンの製造が非常に困難であり、世界中の高名な医学博士、薬学博士が日々研究を重ねるも有効な対策を見出せずにいた
そんな中、世界保健機構テコネノ・カツカレ事務総長は切り札を投入する
全人類の希望を背負い中央アフリカへと降りたった”言語学者”志木実の闘いが始まる!
2024年版「このSFがすごい!」1位の話題作です!
〈感想〉
まじ泣ける!
実とチームを組む個性豊かな面々が、みんな素敵なのよ!
わいが特に好きなのは落語家の三遊亭小円昇ね
ふだんはおちゃらけてるんだけど、決めるときは決める!かっこよ!
そして「文字ウィルス」の謎がもの凄かった!まさか中央アフリカからマチュピチュに繋がるとは!(ごめんちょっとネタバレ)
ただ、まだ謎は残ってるので、これは続編に期待かな
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズ。
文字を知った人間に対して、文字の精霊の及ぼす作用とは…?博士が調査した結果は、正直こじつけのようにも思えます。信じれは信じる程、深みにハマる博士。最後の展開に驚きました。うーん、偶然?それとも…?
今回も挿絵が素敵でした。エキゾチックな舞台にピッタリ。
Posted by ブクログ
あれ、なんか前に読んだときと印象が違うような気がするなあ。イラストに引っ張られているのかな。乙女の本棚としては、このテイストは正解なのだろうけれども、初老の読者にとっては、中島敦っぽくない感じがするんだよ。イラストなしで読むとどうなるか、試してみてもいいかもしれないな。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズから、中島敦さんとしきみさんのコラボ作品『文字禍』です。この作品、難しいっ!!
ストーリーは、アッシリアの碩学ナブ・アヘ・エリバ博士が「文字の精霊」に関する研究をすすめるうちに、文字がもたらす恩恵とともに災いにもたどり着く…。アッシュールバニパル王に進言するものの聞き入れてもらえず、悲惨な最期を迎えてしまうというもの…。
『…文字の無かった昔…歓び(よろこび)も智慧(ちえ)もみんな直接に人間の中に入って来た。…文字が普及して、人々の頭は、もはや、働かなくなったのである。』
なんか、この一文が刺さりました。文字に頼り過ぎているのかな…とか、思ってみたり…だけど、文字がない世界を想像できないんですよね…。悩ましいなぁ…。
Posted by ブクログ
アッシリヤの碩学ナブ・アヘ・エリバ博士が、「文字の精霊」が人間に及ぼす災いについて研究するうち、分析的思考や文字そのものへの否定にまで陥り、アッシュールバニパル王に進言するものの認められない。
やがて大地震で自家の書架が倒れ、"文字共の凄まじい呪の声"とともに落ちかかってきた書籍(当時の粘土板)の下敷きとなり、圧死してしまうという最期を迎える。
「文字ノ害タル、人間ノ頭脳ヲ犯シ、精神ヲ痲痺セシムルニ至ッテ、スナワチ極マル。」
文字を精霊に見立て、文字を学び言葉を手に入れた者たちはつぎつぎと狂わされる、とする見解には思わず頷かされるばかりだった。
文字を使っているだなんて思い上がりもいいところで、我々は文字の精霊に使われる下僕に過ぎないのだ。書籍に埋もれて死んでしまうというのも半ば本望では。