森博嗣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
森博嗣さんの作品はS&Mシリーズ以来じゃなかろうか。それも読んだ当時はそこまで内容を噛み砕く力もなかった時期だったので、今読み返したらもっと楽しめるかもしれない。
通勤電車で読むのに丁度良い長さの短編集。相変わらず文章の端々からもの凄い知性が、それも全く嫌味ではない知性が感じられて読んでるこっちまで頭良くなった気分になるというアホの発言。上に書いたS&Mシリーズの登場人物が出てくる話もあったりして、ああ自分はやっぱりお嬢様キャラが大好物だなあと西之園萌絵を見て思った。
個人的に好きなのは「彼女の迷宮」「誰もいなくなった」「キシマ先生の静かな生活」で、特に3つ目の作品は後半の文章 -
Posted by ブクログ
一般的に考えられている集中という言葉、それはいろんなところであるべきものもして出てくるけどそれって本当は物事をよくするために進める妨げになってません?て話。そして分散思考のすすめって感じだった。物事を進めるためにはいろんなことを少しずつコツコツと進めるほうがいいし、アイディアを発想するためには集中してないリラックスした状態の方がいいし、みたいな。
徹底してロジカルに話を進めていたのがとても印象が良かった。集中するなってわけではなくて集中と分散の状態どちらも必要みたいな論理だと思った。そこがタイトルから感じる印象との違いだった。結局そういうのって答えなんてないので自分で考えてやってくのが大事だよ -
Posted by ブクログ
ペガサスという新登場の(だよね?)人口頭脳とのやり取りから子供を産めるウォーカロンがいるかもしれないという情報を得て、ハギリ博士はアネバネと新護衛キガタを連れてインドの要人の館を訪れる。キガタが学習していく過程とか要人の娘の秘密とかデボラやオーロラの進化っぷりとか見ていると人との差が本当に曖昧になってきている。でも永遠に近い命を持てるようになっても未来を繋ぐ存在の子供を求めるのは「死」の概念を持つ人間特有なのか。今回事件が起こりその犯人が指摘されるというミステリ要素が軸になっていたのが意外。ウグイ前作で退場かー、と思っていたら後半から関わってきてなんか人間らしくなっていて嬉しい。