森博嗣のレビュー一覧
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ネタバレ面白かった!前作・前々作は少し難解で、ついていくのが難しくなってきたぞ…と思っていたけど、今作は初期のWシリーズが思い出される面白さ。
二人でデートに行くの微笑ましい。
一族の血統による後継者を、「昔はそのようなルールを持ったグループ」があったとグアトが表現したのが印象的。
「個人が個人的としての権利を獲得する以前は、人類は家というグループで括られていた」「それが、いつの間にか家族になり、さらに、その家族も、いわゆるパートナーという最小単位になった。そのパートナーさえ、もう古くなりつつある。人間は孤独を愛しているようだ」とあり、この世界は完全なる個人主義のようだ。
現実でも、昔に比べて親族と -
Posted by ブクログ
「そう、間違ってはいない。うん、でもね、正しくしたいとか、間違いたくないとか、そんなことはどうでも良いんだね、この際」
「何が大事なのでしょうか?」
「いや、それがわからない - 自分を納得させることは、難しいね」
『彼女の最大の能力は、技術に関する先見性だといわれている。しかし、その意見は、見る角度が少しずれているのではないか。マガタは、未来を予測したのではない。彼女が未来を作ったのだ。だから、彼女が予測したとおりになるのは、むしろ当然のことだった。』
「人類が存続する価値を、博士はどうお考えなのでしょうか?」
「簡単なことです。生きることに価値があるのではなく、考えることに価値がある、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2023.06.audible
このシリーズ、本当に素晴らしい。
読み終わりたくない気持ちでいっぱいでした。
森博嗣さんの他の作品も探さなくては!と思っていたらWWシリーズも名前は違うけど、続きのようなものなのね。
安心しました。
ハギリ先生の他者の受け入れる気持ちを、
私もいつでも、何に対しても持っていたいと思いました。
生殖に関する新しい医療技術。キョートで行われる国際会議の席上、ウォーカロン・メーカの連合組織WHITEは、人口増加に資する研究成果を発表しようとしていた。実用化されれば、多くの利権がWHITEにもたらされる。実行委員であるハギリは、発表を阻止するため、武力介入が行わ -
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「特に書きたいことがあって書いているわけではない。
また、他者に言いたいことも、僕はそもそもない。」
森博嗣氏の名前は知っていたものの読んだことはなくて、たまたま本屋で見かけてエッセィなら入りやすいのでは?と購入してみた(表紙がなんかかわいくていける気がしたのもある)。
とても飄々と生きている人だなあという印象。必要以上に群れることが嫌なところはとても共感する。式をやめろはマジでそれである。
このエッセィたちから何かを受け取ろうとすることはあまり本意ではなさそうだけど、その飄々と変わりゆく世界を俯瞰する姿勢はなるほどなあと思うところがある。そういう視点もあるんだなあと興味深かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ森博嗣さんのwwシリーズ最新刊。
帯には「感染経路、潜伏期間、治療方法、すべてが不明。完全なる未知のウイルス。ロジが感染した新種のウイルスがもたらす、人類の新たな局面とは。」
wシリーズからこのwwシリーズまで、いつか現実はこうなるのだろうと思うほどリアルな世界観(実際ヴァーチャルの普及具合を見ると片足を突っ込んでいると思う)
wシリーズからwwシリーズは格闘シーンが多く、それだけでも楽しめるが、今回はマガタ・シキの登場シーンが多く、そうすると必然的に本質を突いた会話が多くなり、テンポも良く、とても面白かった。
ラストの展開も面白いが、百年シリーズ好きとしてはとても興奮する過程だった。