森博嗣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「意識というものが、ソフト的に構築されるものであり、経験と判断の積み重ねによる反応のシステム化にすぎない、いわば幻想といっても良いくらいの存在だということを、人間は受け入れざるをえなくなった。まだ、これは全世界、全人類には浸透してない。認めたくないだろうね、スピリットの存在を、単なる観察、あるように見えるだけの幻想だとは、信じたくない。人間がそれに抵抗するうちに、人間以外のものが、どんどん発展を遂げて、人間を凌駕していくことになる。人間が迷っているうちにね、人間以上のものになる。まあ、それもまた、自然淘汰かもしれない。悪くないよ、全然」
「ヴァーチャルで究極の幸せを手に入れることができる確かな手法が完成したのであれば、リアルのボディは重荷だと感じられる、ということかと」
人間は、自分の亡骸を自分一人で処理することができない。誰かに頼むしかない。リアルでは、そんな不自由な制約がある。
死んでも、不自由だということだ。
死は、自由を獲得するものではない。
「人間が幸せを感じるためには、不幸せな状態からの脱却であったり、少なくとも不幸せが想像できる状況が必要なんだろうね。だから、マイナス面をすべて排除してしまったら、幸せを感じられなくなる。空腹だから食事が美味い。食べ続けていたら、食欲もなくなる。平和すぎる社会には、鈍い幸せによって閉塞感が蔓延するはずだ」
どうすれば良いかな、と考える。
何をしてあげられるだろう、と悩んだ。
言葉はいろいろ思いついたけれど、どれもずれているように感じる。
まあ、言葉というものは、そんな程度のもの。
それに、人間って、だいたいずれているんだな。
生まれたときには、そうじゃなかったのに、成長するほどずれてくる。
本当の自分から、周囲に合わせ、社会に合わせ、少しずつずれていくんだ。
それに、ときどき気づいて、泣きたくなる。
だから、泣けば良い。
泣いている彼女を、僕は抱いていれば良い。
それだけのことか、と結論が出た。 -
Posted by ブクログ
シンプルな本である。
①まず面白がって最後まで書きなさい②他人の目線になって読み直してみなさい
そして小説はできあがる。
心構えとして「お金がほしい」というのは実にはっきりとして、そして純粋な動機だと思った。
我々はなんで、したいことをやらないのか。
たぶん、したいだけで、ほしくないからだ。
なっていたらいいなと思うだけで、なるも思わないからだ。
そして、実は自分の妄想で充足できる程度の願望だったりするのだ。
もし、あなたがスタジアム一杯を満たす人々の拍手がほしかったら
数千万円の印税がほしがっているのなら
手に入れにいくために、身体を動かそうということだろう。
いや、スケールの問題ではなく
おそらくは、乾いた欲望と、他人の関係なさと、他人がいることの絶対性を知っていることが
何よりも重要なのであろう。