水木しげるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第二次世界大戦にまつわる短編集。
さすが、水木作品のクオリティの高さ。
戦争体験しているからこその実際の戦場の厳しさと、水木センセイのユーモア漂う軽やかさが絶妙にブレンドされている。
「敗走記」
奇跡の生き延びた兵士に下される日本軍の軍隊としての不条理
「ダンピール海峡」
日本国旗を守りきることを使命とされた兵隊の悲劇
水木さんのあとがき
「南方の入道雲をみると、いつも「これが最後…」と何回も思ったことがある。このダンピール海峡を渡った兵隊の気持ちを(なんともいえない気持ち)「ダンピール海峡」という作品にした」
「レーモン河畔」
戦場の美女が無事に救われる
水木さんのあとがき
「明日死 -
購入済み
すごい
水木しげる先生は漫画家だとずっと思っていましたが、漫画家であり画家でもあるということを初めて知りました!
しかも10代半ばの頃から…。普通の中学生くらいの年の子はまず描かないんじゃないかというほどの色彩に驚きました!
水木先生の絵画の展示会なるものがあれば(私の住む地域に)、必ず拝見させていただくでしょう!
日常についても面白かったです、楽しくてあっという間に読み終えてしまった…! -
Posted by ブクログ
90歳になってフルカラーの漫画がかけるのは脅威。
肩の力がぬけていながら、きちんとクオリティーが保ていている
内容も、飄々として、水木センセイ節も健在。
楽しく、軽やか、決して巨匠然として上からモノをいうことのない。
このブレないスタンスが、いくつになってもフレッシュな状態にしていたのですね。
まさか、この数年後に亡くなるなんて想像もつかない現役ぶり。
散歩の途中でハンバーガーが食べたくなってマックに入ったり
深大寺の鬼太郎ショップでちゃんちゃんこ買ったり、若者と遜色のない身軽さ。
歳をとってもうなされる戦争の状況。
一生つきまとうトラウマの過酷さ。
どんなに歳をとっても、自分の書き -
Posted by ブクログ
妖怪ファン、水木ファンを自認している私なんだが、実際に彼の作品に触れた機会は、その殆どが幼少期に限定される。それ、ファンちゃうやんって話だけど、好きなもんは好きなんだから、ファンという立場を貫くことにする。そんな、なんちゃってな私は、本作を読むのも今回が初めてだったりする。当然、のんのんばあという存在と、彼女がしげさんに与えた影響も知ってはいたのだが、今回読んでみて、ばあのイメージがだいぶ違っていたことを知った。もっと偏屈なばあを勝手に思い描いていたから、ちょっと意外というか、勝手に違和感を持ってしまった。でも、なるほどしげさんに大きな影響を与えただけはあり、不思議な気配のある、魅力的な女性だ
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購入済み
えぐられる
失われた日本の昔。森、川、家。物語も古くさいけれども、僕らの世代には胸のなかにポカーンと開いた穴を更にえぐってもっともっと大きくして、虚しく、寂しい、そんな喪失感を味わわせるようなマンガ。
胸がきゅんとなる。 -
Posted by ブクログ
その昔、中一コースの付録、文庫サイズの冊子『知られざる大天才』で熊楠の名を知った。確か「くまくす」とルビが振られていたように思う。
その後、稲垣足穂『少年愛の美学』や水木しげる短編『快傑くまくす』でさらに親しみを覚え、神坂次郎『縛られた巨人』にも手を伸ばした。
バートン版『千夜一夜物語』の該博かつ下がかった訳注に接した時は「イギリスの熊楠!」と思ったものだ。
『猫楠』の自由闊達な展開、これぞ八十代にして到達する境地(幽仙境)に外ならず。
惜しむらくは、後年の昭和天皇が南紀白浜を訪れた際、熊楠を偲んで詠んだ御製が紹介されなかったこと(御製に個人名が詠み込まれることは極めて珍しい)。