水木しげるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
水木しげるコミック昭和史1~8巻をまとめての感想
「虎に翼」見ている人はぜひ読んでほしい。1~8巻まであるけど、ちょっとボリューム的に心配な人はまずは7、8巻の戦争の終わりから戦後あたりからでもいいと思う。
ちょうどドラマでやっている時期とバッティングするのでNHKの朝ドラ「虎に翼」がちょうど戦前~戦後の時代を描いており、戦争に入ったタイミングで電子書籍のセールをやっていたために購入した。
ずっと読んでみたかった。戦時中と戦争後に国民がどういった生活をしてきたのか、また徴兵された人間はどのような環境におかれたのかを知ることができるという点では広く、色んな世代の人たちに読んでほしいと思う。
メッセージは徹底して反戦であり、また資本主義により国民の生活が引き絞られていくことに言及している。軍国主義のため日本中が貧乏だった時代で勇ましくあることした認められなかった。
”国”だけがあり”自分”はなかった。”自分”を持つこと、すなわち自我を持つことが許されなかったとすら描いてある。国にいじめられているみたいだったと痛烈に批判している。
またそういった日本をほしいままにしていた”軍部”がなくなったのは戦争で外国の力で倒されからだった。ここでも水木は”軍部”というものは外科手術をしなければいけない一種のガンだったとすら言っている。
昭和から平成となるタイミングで出版されたのだが、平成が終わったいまでも水木が作中で言っていることはそのままぴたりと当てはまる。
戦前戦後よりは豊かになったが一般人は心身ともに豊かではない。会社ばかりが豊かになり、一般人はストレスに苛まれている。本当に豊かなのか?競争による効率を重んじた人の商品化や使い捨て、画一性を求めることをやめたほうがいいとまで言い切っている。軍国主義こそ日本を巻き込む大きな不幸だった。
昭和の歴史とは大きな犠牲をはらって得た「もう戦争はしてはいけない」という大きな教訓の歴史だった。ふたたび過ちを犯してはいけない。水木しげるはこの言葉で締めている。ずっと水木しげるは戦争そのものの悲惨さを淡々と描き、戦後生活の困難さもフラットに描いている。だからこそ恐ろしさが足元に迫ってくるようだった -
Posted by ブクログ
不条理という言葉を調べると「必然的な根拠が不在であり、すべては偶然に基づくということ」とある。戦場とは何時も不条理の連続であり、そこにまともな理由や根拠などは存在しない。一年兵は毎日の様に先任兵に殴られる日々。食糧もなく飲み水も無い中で戦うのではなく生き延びるだけの兵士たち。名誉の為に、死に急ぐ上官に無理やり連れて行かれる魂。敵の兵力・物量に対して圧倒的に劣勢な状況に置かれても引く事を許されず、玉砕後に生き延びた兵に対しては当たり前の様に、再び下される死の命令。戦闘で死ねるのはまだマシな方かもしれない。危険を伴う陣地づくり、何も見つからない食糧集め、熱帯特有の流行り病に、極度の飢え。兵士は常に死と隣り合わせで、1人や2人が命の火を消したところで、それが日常と、誰もが徐々に無頓着になっていく人間の生死への感情。
漫画家の水木しげる氏と言えば、妖怪漫画の「ゲゲゲの鬼太郎」が有名ではあるが、ご存知の通り、先の大戦に於いて、南方戦線に参加し腕を失っている。その氏の書き記した戦記にはお馴染みのタッチで描かれる様々な人間臭い人間が登場する。誰しも兵士である前に人であり、恐怖も空腹も恨みも欲望も抱える。それら感情全てが戦場という、現代の日本からは想像もできない湿気と血の匂いに満ちた空間を渦巻いている。嫌な上官が死ねば「ザマァ見やがれ」と思う事も普通の精神状態の中で湧いてくる。
普段私自身は漫画をほぼ読まないので、書籍の文字からその場の風景や人間達を想像の中に創り上げていく。だが水木しげる氏の見せたかった世界は漫画でなければ凡そ戦争を知らない世代には伝わりきらない。本書が漫画であるのはある意味必然だ。鬱蒼と繁るジメジメしたジャングルに、手に届くほどの位置を舞う敵機。不意に腹を抉る敵の弾丸、吹き飛ぶ身体の一部に苦悩の表情。それらは我々の想像の遥か先にあり、正に死の直前に位置して目にしたものでしか正確に描けないのだと感じた。確かに戦争物の映画も迫力のある映像と音の力で凄惨さは伝わってくるが、漫画に登場する暗い背景に文字で記される歌声などは、よりリアルに人間の感情、そして初めに書いた様な不条理を、最も的確に鋭く読者の心に響いてくるのではないかと思う。
読み終わった後に、何かドロドロとした暗い汚水に足を踏み入れた様な、とても気持ちが良いとは言えない感情が全身を包む。それは筆者が戦場で体験した気持ち悪さとは比では無いだろうが、少しでもそれに近い感覚を読者に与えたかったのではないかと思う。そうした意味で、未来に繋いでいかなければならない一冊になる事も納得いく。 -
オカルト漫画の金字塔
「オカルト漫画」と言う言葉を聞けばこの「ゲゲゲの鬼太郎」を逐一連想する人が圧倒的に多いでしょう。この少年漫画、半世紀前にTVアニメ化されて、「クイズタイムショック(このクイズ番組、MBS系列で放映されていました「ダイビングクイズ」や「アップダウンクイズ」と共に「3大恐怖クイズ番組」と呼ばれていましたね)」と放映時間が重複していると言うデメリットにもかかわらず大ヒットしましたね。飛び飛びでしたが、僕も幼い頃にTVアニメでこの「ゲゲゲの鬼太郎」を見ていました。主人公の鬼太郎と言う男の子を筆頭に、「目玉おやじ」や「ねずみ男」などの個性的なキャラクターが盛り沢山でしたね。また、この当時は他にも、つのだじろう先生の「うしろの百太郎」や故・古賀新一先生の「エコエコアザラク」などの数多くの「オカルト漫画」が大ヒットしましたね。何と言いましても、「オカルトブーム」の立役者もやはりこの「ゲゲゲの鬼太郎」ですね。
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匿名
購入済み90年代に描かれたストーリー
湾岸戦争もヒトラーの息子であるダニエルの企みによるものですか。作画は昔と余り変わらず今風のかわいい女の子が描けなかったようだけどそれがかえって水木さんらしい。紙芝居のようなストーリー展開で読んでいて楽しくなります。
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Posted by ブクログ
漫画家水木しげるの88歳を記念して出版されたもので、エッセイや漫画で漫画家人生の集大成。美大に入ったのにそんなに上手く無い絵とか白土三平との逸話があったりと興味深い。40代直前の貧困の中で結婚し、その後10年で大人気漫画家になる。結構遅咲きだったんですね。漫画家ってこんな感じなのかな。随筆コミックの「余生」が最高に面白い。こんな余生最高です。
草の葉一枚一枚から茅葺屋根の家の異様に書き込まれた背景に書き込みの少ないスカスカな感じのキャラクターの奇妙なバランス。中学の頃この魅力に気付き、ストーリーを楽しむというより一コマをじっと見ていることが多かったものでした。その奇妙なアンバランスとは作者そのものを表していることがよくわかる一冊です。読んだあと自分も何か書かねばという気持ちにさせられます。大好きな漫画家。
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