水木しげるのレビュー一覧

  • ねぼけ人生

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    境港の水木しげる記念館を訪問し、せっかくだからということで読んでみた。記念館で水木しげるの人生については一通り見ていたが、それでも幼い頃からの水木ファンとしては、長年の疑問が解けるうれしい本だった。

    まず何より、「ゲゲゲの鬼太郎」のルーツについて。戦前の紙芝居『ハカバキタロー』が元になったというのは何かで読んだことがあったが、どこまでそれを踏襲していて、どこからが水木御大のオリジナルなのかは定かでなかった。
    この本によれば、そもそも紙芝居というものは印刷をしない原本限り、そのため御大も「ハカバキタロー」を直接見たことはなく、話に聞いただけ。それも怪談の「飴屋の幽霊」のようなよくある話だったと

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    2025年12月04日
  • 水木サンの幸福論

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    幸福7ヶ条
    ①成功や栄誉や勝ち負けを目的にことをおこなってはいけない
    ②しないではいられないことをし続けなさい
    ③他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追求すべし
    ④好きの力を信じる
    ⑤才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ
    ⑥なまけものになりなさい
    ⑦目に見えない世界を信じる

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    2025年11月23日
  • 水木サンの幸福論

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    愉快で、人間としての器の大きさを感じる。
    水木さんのように生きたいけど、生きれない。
    また、普通の人が水木さんのようの生き方をしても上手くいかない気がする。水木さんは特別な特殊能力を持ったお方ですので、一般人が真似ができることではない。
    でも、水木さんのような生き方もある事を知っていると負担が少し軽くなると思う。

    鬼太郎と戦争体験のイメージの水木さんでしたが、YouTubeのインタビューや本書を読んで、水木しげるさんの魅力に気づき、すっかりファンになりました。

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    2025年11月19日
  • 総員玉砕せよ! 新装完全版

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    以前から知っている作品ではあったけれど、今年の夏こそ読むと決めて購入。
    水木しげる先生の緻密な絵から、戦争の無情さを感じました。ラストにかけての情景は目を逸らしたくなるほど。しかしこれが戦争であるのだと見せつけてくるようで。目を逸らしちゃダメだと強く思いました。
    漫画なので読みやすい。その分色んな情景が絵でダイレクトに伝わりやすい。

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    2025年11月05日
  • 総員玉砕せよ! 新装完全版

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    現場の兵隊達は米国と戦う意義、気力を失っている。しかし彼らは戦場にとどまらないといけない。そして追い込まれた結果、集団自害を選択した。その行動原理の大元を特定するのは困難である。選択肢を奪われた軍隊がせめてもの誇りを守るため切腹見たく死んで行ったか。また言語化するのが困難な同調圧力からであろうか?

    こんなにも死が身近にあるのにクーデターが起こらないのは大日本帝国の病理といったところでもあろう。

    本書を素に我々は生死の表裏を身にしめて実感することになる。これは単なる大衆漫画を越えた一種の哲学書であると言えるのではないか?


    以上リハビリの足しになればと書いた駄文である。

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    2025年10月03日
  • 戦争と読書 水木しげる出征前手記

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    徴兵されて戦場に行くとなれば、死というリスクが目の前にはっきりと現れてくる。戦争などなく、病気になる可能性はありながらも、多くの人は70年、80年を超えて長寿を全うできる(現在なら100歳を超えても元気な人は沢山いる)。戦争という暗い空気が世の中を支配している。そこに自分が20歳前後の若者で真っ先に戦争に連れて行かれる可能性がある年頃なら、戦場という大きな恐怖、国のために自らの命を捧げることへの意義、自分がこの世に生まれてきた意味など、凡ゆる考えが頭の中を巡っただろう。「ゲゲゲの鬼太郎」の作者として誰もが知る水木しげる氏も、この時期、その様な苦悩の中で生きていた。同氏の代表作としては、前述の妖

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    2025年09月21日
  • 総員玉砕せよ! 新装完全版

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    ネタバレ

    冒頭から終わりまで繰り返し流れる女郎の歌。「私はなんでこのようなつらいつとめをせにゃならぬ。これもぜひない親のため」「国のため」。戦死者を"尊い"犠牲になったと言う人もいるけど、尊いのは失われた命であって、人の死を、命を犠牲にしたことを美化してはいけない。

    舞台は昭和18年末のニューブリテン島。著者自身がモデルであろう、丸山の所属する支隊はココボからバイエンに上陸する。支隊のうち第二小隊は各分隊ごと雨の中で陣地構築をはじめるが、椰子の木を運んでいた小川がデング熱で死ぬ、正月用のブタを取りに行くため船に乗った境田がワニに喰われて死ぬ、魚取りで口に咥えた魚を喉に詰まらせて中山

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    2025年09月06日
  • 漫画で知る「戦争と日本」ー壮絶!特攻篇ー

    匿名

    無料版購入済み

    8月15日

    8月15日終戦なので割引セール価格でした。
    どれもふか〜いおはなしでしたね。
    もっともっと読みたいですよね。

    #アツい

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    2025年08月16日
  • のんのんばあとオレ

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    鳥取、境港市にある水木しげる記念館を訪れた際に購入。
    昭和初期の著者の少年時代をコミックエッセイにしたもの。
    水木さんが妖怪に造詣が深くなるきっかけとなった「のんのんばあ」との暮らし。初恋の女の子との死別や、友達が身売りされるのに助けてあげられないことへの無念、隣町の子どもたちとの戦争?など、現代ではなかなか考えにくいさまざまな経験が水木さんを作っていったことがわかる。
    身近な人々との心温まる交流の中で成長することで、水木さんが形作られていったのだなあと思う。
    また、ちょいちょい妖怪が出てきて水木少年とやり取りを交わし、現実なのか?空想なのか?分からなくなってしまう場面もある。
    また、「妖怪が

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    2025年08月15日
  • のんのんばあとオレ

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    こういうのこそ小学校の教科書にでもすればいいんじゃないか。学がなくてもきちんと物事が見えていて自分で考えて判断を下せるのんのんばあや、掴みどころのない香具師のようにも見えるけど大らかでユーモラスでキチンとした哲学を持っている父ちゃんのしげーさんにかける言葉が一々沁みる。悲しいこと辛いことがあっても、そんな大人たちの助言も聞きながら、大切なことを自分で拾い上げてそれを大切にできる人間の成長が見られて嬉しくなる。

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    2025年07月20日
  • 総員玉砕せよ! 新装完全版

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    最前線の兵士の目を通して、前の戦争の不条理さが伝わってくる。玉砕と伝えたからには、生き残る兵士がいてはならない、という理屈は、兵士一人一人の命をあまりにも軽視しすぎ。手段が目的となってしまった悲惨な状況に胸が痛む。

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    2025年07月12日
  • 総員玉砕せよ! 新装完全版

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    えげつない画力。ストーリー。
    人々が生きている描写と最後の累々とした人体の描き方とを描きわけたその画力で胸が打たれた。

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    2025年07月02日
  • 猫楠 南方熊楠の生涯

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    案内役の猫たちが、とぼけたいい味を出している。熊楠はロンドン時代から猫を飼っていたから、まさに適役。(猫と言えば、漱石を連想させるが、熊楠とは大学予備門で同級だったし、同じ時代のロンドンも経験していた)。
    破天荒なその生涯。その計り知れない学識。それに輪をかける(あるいは水をさす)ように、下品で猥雑なエピソード、そして数々の奇行。身のまわりも衛生的とは言い難かった(はっきり言うと、汚かった)。水木しげるの絵のタッチは、なぜかしらこれらによく合う。
    ここやあそこは話を盛ったかな。そう思って、途中から神坂次郎『縛られた巨人 南方熊楠の生涯』(新潮文庫)を併読するが、そこにもはっきりそう書かれてある

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    2025年05月08日
  • ゲゲゲの鬼太郎 スポーツ狂時代

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    鬼太郎が相撲と野球!?超能力を持つ鬼太郎なら敵無しだろうと思いきや、立ちはだかるのは一筋縄ではいかない難敵ばかり。というかまともな戦いは全然ない。とぼけた雰囲気はいつも通り、そして珍しい姿の鬼太郎が楽しめる一冊です。

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    2025年04月29日
  • ほんまにオレはアホやろか

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    随分前に読んだので詳細はすっかり忘れたけど、面白くて夢中で読んだのを覚えている。
    ネットでよく見る水木しげるエピソードの大半はこの本に乗ってると思う。
    本人の魅力がよく分かる。
    身近にいるのは勘弁やけど。

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    2025年04月28日
  • ゲゲゲの鬼太郎 青春時代

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    大人向け鬼太郎ストーリー。鬼太郎は恋人を作るし、猫娘は着飾り、目玉親父は女体に何の躊躇いもなく忍び込む。唯一いつも通りなのはねずみ男。愛憎劇を淡白で笑える結末へ仕立てる腕はさすが。いつもとちょっと違ったビターな味わいのある鬼太郎を楽しみたい方はぜひ。

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    2025年04月15日
  • わたしの日々

    kaz

    購入済み

    最晩年の作品

    雑誌掲載時に見た記憶が薄れてきたので購入して再確認。
    水木先生の達観や死生観、食物への執念がよくわかる。

    #憧れる

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    2025年04月10日
  • 総員玉砕せよ! 新装完全版

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    戦争の現場では、皆頭がおかしくなってしまうのだなと思った。本当に、国のために命捧げられますか。自分の命は重い、では他人の命は?

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    2025年01月25日
  • 総員玉砕せよ! 新装完全版

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    淡々と綴られる戦地での日常と、戦場ではなく日常の中で失われる命の描写がとてもリアル。
    本作にはごく普通の若者たちの非業な死がたくさん描かれており、平和が当たり前の現代では考えられない命の軽さに、戦争の異常性を改めて思い知らされた。
    戦争は虚しく、悲しい。
    戦争を知らない世代だからこそ、読まないといけない一切だと思いました。

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    2025年01月23日
  • 白い旗

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    タイトルでもある「白い旗」の主人公は遠戚にあたる叔父である。彼は水木氏の兄の友人であったらしい。
    水木氏の漫画に描かれているという話は聴いていたが、お正月に父の積読からそれを発見。しかも、彼が戦地から送った葉書のレプリカを父は作成し、栞として挟んでいた。
    これには、一般的には名の知られていない英雄が漫画化されている。
    戦争は確かに起こり、日本は負けた。
    その表裏にあるリアルなドラマ。
    奪われた時間。捻じ曲がる人生。
    この事実をきちんと知ることを次世代に繋げたい。
    幼い頃から娘には「ママンの課外授業」と題して感じて考える機会を与えた。
    流行らないジャンルかもしれないが、どうしても大事にしたい一冊

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    2025年01月04日