水木しげるのレビュー一覧
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「僕の一生はゲゲゲの楽園だ」の文庫化。
(上)戦前編
水木しげる写真館1歳から18歳、大変愛らしい。巻末には対談「幸福論1」
装丁裏側に「毎日がつまらんと思う人は、この本を読むといいですよ。きっとフハッと驚いて、生きる意欲が湧いてきます。」という文に自著サインが添えられてます。いやほんとに、今まで水木先生の作品を読んでいるので驚きはしませんが、何度読んでもフハッとなりますし、生きる意欲も湧きますんです。生後1年目、関東大震災、のんのんばあエピソードからガスパンまで、あちこちで出てくるエピソードがきっちりした時間軸で纏まっていて良い。生きる事は大変だけど、ややこしことではないと、シンプルに考えられる1冊。 -
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昭和17年4月~
戦闘に次ぐ戦闘で、画面は賑やかだし盛り上がる所なんだろうけれど、ただただ虚しい。
この時、水木しげるは20歳か。まだほんの子どもだ。
30歳だと老兵扱いだったのか。
カミカゼをはじめたのは、ミッドウェーの友永隊長?
ミッドウェーで負けた時、そのことを正直に国民に知らせようと主張した軍人もいたんだ。
東条英機は人への信頼が無い人だったんだな。人を信じられない人が社会を作ろうとすると、こうなる。
政治なんてくだらないわ。
東条英機って安部みたいな人だったのかも。「バカヤロウ」と言われただけで、人を更迭する?というか、軍部より東条英機の方が強いじゃん。軍部の暴走はどうした。
昭和18年~ この時点で日本はぼろぼろなのに、どうしてさっさと降伏しなかったんだ。やめどきがわからなかったんだろうな。政治家はメンツを保たなければ死ぬ生き物だから、自分の代わりに一般国民を死に追いやったのか。
10月 学徒動員開始。兵役を猶予されていた学生も戦地へ送られるようになった。
……戦争するのに必要なだけの資源がないなら、最初っから戦争なんかするな。戦争を始めてから占領した所の資源やお金や人を使って…なんて、どうしてそんな皮算用で戦争をやろうとするかな。
死ぬと分かっていても、命令に諾々と従っていたのは何故なんだ?毎日のように上官から受け続ける虐待のせいで考える力が失われたから?そのように教育されていたから?逆らうと日本にいる家族に何が起きるかわからないから?
国民の生活を政府に握らせちゃいけない。
普通の人が自分の思うことを自由に話せなくなる前、人々は何をしていた?自分の自由が奪われていくのを黙って眺めていたの?
とにかく戦時中の日本には、戦争を遂行する能力がなかったようだ。能力がないのに何故始めたとも思うが、能力がなかったからこそ戦争に踏み込んでいったのかも知れない。
この戦争には大儀がなかった。
戦争の大儀なんて、あってないようなものではあるけれども、それでも信じられる建前は必要だ。
大日本帝国の起こした戦争の大儀は嘘の大儀だった。
だから、自分たちの行動を律するものが何もなかった。
人は嘘やごまかしには我慢ができない。その我慢できない感情を部下や侵略先の人々にぶつけたのか。
何故軍の中では虐待が横行していたのだろう?
恐怖で人の思考と行動を縛るためなら、軍人のやってることは現代のテロリストと同じだ。
水木しげるは、従軍慰安婦のいる場所を“ピー屋”と呼ぶ。そして、彼女たちを不幸な人と呼びながら同時に「聖なる人たち」などと言う。
古い人には、克服できない精神の壁があるように思える。それは人が時代に縛られる存在だということなのだろう。きっと私の中にもある。
時代が隔たると、どうしても超えられない心の壁がある。
オーストラリアも参戦してたんだ。 -
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「事実上の昭和は、関東大震災(大正12年(1923)9月1日 午前11時58分)から始まった。」から始まる水木しげるの昭和史。
共産主義アレルギーは、大正時代から続く、権力による弾圧によって大衆に広がったんだ。冷戦きっかけだと思ってた。
どうして政府は共産党をおそれたんだ?
天皇を中心とする国体の変革?私有財産の否認?
それにしても、治安維持法はやばいわ。この言論弾圧は理性ある人間のできることじゃない。
何もしてない人でも、「お上が敵視してる」という理由で、「悪人」と見なす人もいるんだ。それが共産主義アレルギーの正体?
芥川龍之介って、大正時代の人だったんだ!夏目漱石はさらに年寄りなのか。
田中義一は狂人だったの?その人よりさらにやばい軍部…。
どうして当時の政府は陸軍を制御できなかったんだ?どうして軍人があんなに力や影響力を持つことになった?
平の軍人は農家の次男以下の男性が多かったということは、経済的徴兵制度だったのかな。徴兵制で軍人の数が多くなったので、力をつけていった?軍に入った息子から、軍を賛美する便りを受けた農民たちが軍を支持するようになった?
昭和初期の政治家、暗殺されたりテロに遭いすぎやばい。どうしてそんなにまで政治に関わろうとしたんだろう?
それにしても、軍人や右翼や国粋主義者って、昔からろくなことをしてこなかったのね。
農村の窮乏がファシズムの引き金となった。
石合戦てなんだそりゃ。昭和初期に比べたら、今の子供たちなんて、心配になるほどおとなしいわ。
WWⅠは、日本も参戦してたんだ。
どうしてロシアあるいはソ連や中国にけんかを売ろうと思ったんだ?どうして資源もなくちっぽけな島国が、大陸の大国と互角に渡り合えると思った?
大正14年(1925)
一部の例外を除き25歳以上の成年男子すべてに選挙権を与えられる。
一部の例外って何だろ?この頃の投票率ってどのくらい? -
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去年は戦後70年の節目の年だったので、テレビや新聞・雑誌で、関連のドキュメンタリーや映画、特集記事などをかなりたくさん見ました。
「当時の記憶は辛くて、今までどうしても話す気になれなかった」と言っている人が日米ともにものすごく多いことに今更ながら驚きました。子供のころから「はだしのゲン」など、いくつかの戦争体験記を目にしてきましたが、それは勇気ある貴重な証言であり、実際は多くの人が語ることすらできずにいたことに今まで気づいていませんでした。
今回、この「カランコロン漂泊記」を読み、特に戦争中のことを書いたページに非常に感銘を受けました。
当時の名もなき兵士や名もなき犠牲者たちがどんな風に感じていたのかリアルに知ることができます。時間に制限のあるドキュメンタリーなどではカットされてしまうような、あるいは、単純に記録としては残っていないような市井の人たちの日々の様子がすごく伝わってきました。漫画だから拾えるエピソードがありのままの形で描かれているように思います。
南方に送られることが決まった時点で多くの人が「生きて帰れるわけがない」と思っていたこと、慰安婦の姿、「まじめに働いたら死ぬぞ」と言い合っていたこと、兵士たちが患ったさまざまな病気など、実際に体験した人にしか分からない小さなエピソードの数々こそが戦争の悲惨さをリアルに伝える貴重な資料となっていると思います。
「戦争論」については、正面から反論するのではなく、「当時の空気が思い出されてなつかしい」という一見肯定的な言葉でケムに巻きながらも、その思想の危うさを鋭く批判しているところはびっくりしました。
「この人、ただトボけているだけの人じゃないんだ!」と。
世の中には信望している主義主張を真っ向から批判したら、唾を飛び散らせて反撃してくる人もいますからね。
平和を訴える内容だけでなく、方法としても非常に考えさせられました。 -
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ネタバレ・シーッ。「あーっ、なんにもついてない」「女だもん」
・「べとべとさん先へお越し」
・「生活のことばかり考えてても面白くもなんともないだろうが」
・イボの妖怪。
・千種「泣くもんですか。田舎の汚い子に涙なんか見せるもんですか!」
・小豆はかり。「どうして小豆なんかまくの?」「それは俺にもわからん。そういう存在なのだ」
・「死んだら十万億土へ行くの。ちっとも恐くない。境港に来て、本当によかった」
・「あっお菓子の木だわ。わたしほんとうは茂さんよりズイボなのよ」
・ドーナツの木。
・「その悲しみは宝物だ。ええ思い出をもらったな」
・ゆかりの人の心に少しずつ魂が残る。その重たさを持ちこたえるくらい大きくなって大人になって。
・たたりものけの家で河童と根性較べ。
・「肩書きなんかはどうでもええ。人間に大事なのは中身だ。バラは他の名前で呼んでもええにおいがする」
・吉川美和。可哀そうなお化けに話しかける。
・石の悲しさ。今日のお空はいたずら。
・洞窟に石を返し、妖怪劇場。
・人買い。人売り。
・「美和ちゃんがあんなにいきいきしとるのはだれのおかげじゃとおもっちょるんですか!」
・海で現れた美和のお母ちゃん。
・「でもな茂。不幸の中にも何らかの幸せの芽はきっとあるはずだよ。眠くなければ一晩でも二晩でも起きてたらええ。わしはのびのびと寝させてもらうけん」
・「美和ちゃんはなあ、たたりものけだっておとなしゅうなくらいに優しい心の持ち主だけん、きっと幸せになれるよ。ああ。なってもらわんと困るが」
いい。しげーも。恋人たちも。友達も。のんのんばあも。お父さんもお母さんも。
201908再読。
前回読んだときと今回読んだ現在の違いといえば、親になったこと、6期鬼太郎にはまっていること、くらいだと思う。
なのにおそらく前回と同じ感動と、異なる感動を同時に憶えていると思う。
間違いなく共通しているのは、懐かしさの質。
たぶん水木サンの執筆時、ひょっとすると少年時においてすらノスタルジーの対象だったかもしれない田舎の風景。
原日本がどうとか言い出すと胡散臭いが、このへんにそれを感じたいと思っている。
今回は親になって。
しげーの父親の良さがますますわかってくる。
いいのはきっと断定する口調かな。
さらにもう少し分析すると、少年の頃の世界の見え方が既にかなり多面的であることを、漫画は描いている。
ガキ大将を巡る戦争、家の生活、余所から来てはまたいなくなる女の子、ゆるやかにつながる共同体のメンバー(もちろんのんのんばあも)、趣味から夢へとなる画業、といったストーリー自体もそうだが、意外と水木しげるの漫画全体に言えることだけれど、単純なモノローグ視点ではない。少年の主観を軸にしつつ他者の視点を採用している。それが絶妙なところで、少年の想像が及ぶ程度の範囲に留められているからこそ、少年の理解の及ぶ範囲での群像劇、となっている。このあたりたぶん巧妙に作りこまれているのだと思う。 -
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水木しげるの“妖怪千体説”を基に、古来より語り継がれてきた様々な妖怪の特徴、出没地域、参考文献などといった詳細な情報をコンパクトにまとめた妖怪事典。水木しげる先生の作品や画集では判らなかった元となる資料や、どこまでが創作された情報なのかも明記されているため、大人向けだけど初心者向け。そして文庫版というハンディサイズな点も手を出しやすいポイント。ただし、内容はあくまで初心者向けの資料集という体なので、単純に水木しげる先生の妖怪画を楽しみたい人は別の『日本妖怪大全』をお薦めする。
『妖怪ウォッチ』や『ゲゲゲの鬼太郎』などから妖怪に興味を持ち始めたけど、何から読めばいいのかと悩んでいる人には、まずこれを薦めたい。 -
購入済み
ポケットに神秘を
殺人鬼どもは神秘などは信じず、人間なんて只の物だということを証明するかのように人を殺す(らしい)。
彼らの存在は、人が人生を美しく見るためには、心のどこかで僅かでも神秘を信じている必要があるということを、逆説的に証明しているかのようだ。このマンガを読んでそう思いました。 -
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水木しげるが20歳やそこらの青年であり、
戦地へ赴く直前の手記に荒俣氏が解説を加えた一冊。
世間一般に知られたる水木氏のどこかとぼけたような達観は感じられず、
日々自分の価値観が変わっていっているような葛藤がそのまま記されている。
それにしても現代視点で見たときには、とても20歳が書き記したとは思えないような深い思索の跡がみてとれる。語彙も大変に豊かである。
これが往時の標準的な青年の姿であるならば、
現在の若者が幼稚化しているという論に逆らうことはできない。
荒俣氏の、手記の解説に留まらず「日記」という形態についての研究や水木氏がなぜゲーテを愛読していたか、を時代背景をもとに読みとく第2章も読み応え抜群。
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