水木しげるのレビュー一覧
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えぐられる
失われた日本の昔。森、川、家。物語も古くさいけれども、僕らの世代には胸のなかにポカーンと開いた穴を更にえぐってもっともっと大きくして、虚しく、寂しい、そんな喪失感を味わわせるようなマンガ。
胸がきゅんとなる。 -
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その昔、中一コースの付録、文庫サイズの冊子『知られざる大天才』で熊楠の名を知った。確か「くまくす」とルビが振られていたように思う。
その後、稲垣足穂『少年愛の美学』や水木しげる短編『快傑くまくす』でさらに親しみを覚え、神坂次郎『縛られた巨人』にも手を伸ばした。
バートン版『千夜一夜物語』の該博かつ下がかった訳注に接した時は「イギリスの熊楠!」と思ったものだ。
『猫楠』の自由闊達な展開、これぞ八十代にして到達する境地(幽仙境)に外ならず。
惜しむらくは、後年の昭和天皇が南紀白浜を訪れた際、熊楠を偲んで詠んだ御製が紹介されなかったこと(御製に個人名が詠み込まれることは極めて珍しい)。 -
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全集版の「化烏」。
『化け烏』(水木しげる著)を最初に読んだのは、1975年。東考社の桜井文庫(A6版)である。
文庫判の漫画本の最初は、1975年のこの本であり、このことは版元も自負していたので間違いない。75年初頭か前年に東京都国分寺市の東考社に、他のと合わせて3冊まとめて予約に行ったら、1冊何か貰った。新書判の『噂の武士』だったかもしれない。東考社は引越先が決まっていたので、できた本の奥付は埼玉県の新住所になっている。
文庫版漫画は、すぐに二見書房が続き、翌年には大手の講談社や小学館そのほかが参入。当時は、作品はすでに定評のあるものを集成したものが主体で、つげ義春、あるいは大島弓子の少女 -
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「屍のような」と読み間違えて借りた。ちょっとかっこいいと思って。家に帰ってよく見ると「屁のような」だった。こっちの方が水木しげるらしい。
京極夏彦は水木しげるの弟子か何かなの?ゲゲゲの鬼太郎の解説を書いたり、水木しげるの自宅のコレクション室の陳列を手伝ったり(笑)。京極夏彦も読んでみようかな。
水木しげるの昭和史を読んで興味を持ったつげ義春を、この間読んでみたら、見事にわからんかった。
でも水木しげるが語るつげ義春を読むと、やっぱりつげ義春を読みたくなってくる。
腱鞘炎になって、石のようにサマーベッドに寝そべっていたら、すずめがつげ義春の体の上に巣作りを始めたって…。つげ義春は地蔵か何かだ -
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昭和36年結婚式〜平成3年。巻末、水木しげる詳細年譜
装丁裏側「あなたが今、貧乏だからといって落胆しとったらイカン。明日”金霊”が飛んで来るかもわからん。妖怪は、気まぐれですから。」
上中下、三冊一気に読みきるのがよろしいかと思う。南方病やトペトロの葬儀のところは特に何度読んでもあきない。妖怪と会ったり、ヘンな像やマスクを買ったり、逐一興奮して鼻から息がフーンとでるのとか、ものすごく共感できて一緒にフーンと鼻息をだしてしまいます。そしてこの食欲にただただ脱帽。なんといっても、戦時自伝にありがちな思想の押し売りが一切無いところがすばらしいと思う。私の世代に妖怪好きが多いのは水木先生の功績であろう -
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「僕の一生はゲゲゲの楽園だ」の文庫化。
(上)戦前編
水木しげる写真館1歳から18歳、大変愛らしい。巻末には対談「幸福論1」
装丁裏側に「毎日がつまらんと思う人は、この本を読むといいですよ。きっとフハッと驚いて、生きる意欲が湧いてきます。」という文に自著サインが添えられてます。いやほんとに、今まで水木先生の作品を読んでいるので驚きはしませんが、何度読んでもフハッとなりますし、生きる意欲も湧きますんです。生後1年目、関東大震災、のんのんばあエピソードからガスパンまで、あちこちで出てくるエピソードがきっちりした時間軸で纏まっていて良い。生きる事は大変だけど、ややこしことではないと、シンプルに考えら
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