水木しげるのレビュー一覧

  • ゲゲゲの鬼太郎(1)

    購入済み

    えぐられる

    失われた日本の昔。森、川、家。物語も古くさいけれども、僕らの世代には胸のなかにポカーンと開いた穴を更にえぐってもっともっと大きくして、虚しく、寂しい、そんな喪失感を味わわせるようなマンガ。
    胸がきゅんとなる。

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    2020年01月14日
  • 猫楠 南方熊楠の生涯

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     その昔、中一コースの付録、文庫サイズの冊子『知られざる大天才』で熊楠の名を知った。確か「くまくす」とルビが振られていたように思う。
     その後、稲垣足穂『少年愛の美学』や水木しげる短編『快傑くまくす』でさらに親しみを覚え、神坂次郎『縛られた巨人』にも手を伸ばした。
     バートン版『千夜一夜物語』の該博かつ下がかった訳注に接した時は「イギリスの熊楠!」と思ったものだ。
     
     『猫楠』の自由闊達な展開、これぞ八十代にして到達する境地(幽仙境)に外ならず。
     惜しむらくは、後年の昭和天皇が南紀白浜を訪れた際、熊楠を偲んで詠んだ御製が紹介されなかったこと(御製に個人名が詠み込まれることは極めて珍しい)。

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    2019年09月18日
  • 猫楠 南方熊楠の生涯

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    気にはなっていたけど、学者の一側面しか知らなかった南方熊楠という人は、こんなに痛快な人だったとは。それを水木しげるが描いて、猫が解説してる、なんて凄い漫画。終始、変態(ほめ言葉)しか出てこなかった。とても深く面白く人間を感じる内容でした。

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    2019年05月29日
  • のんのんばあとオレ

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    水木しげるの少年時代を綴った漫画。エッセイなどでよく出てくるのんのんばあが年は離れていても水木さんの友達のようでおかしい。ガキ大将をめぐる争いがすさまじく、よく死人が出なかったなと思う。水木さんが恋する女の子と常に悲しい別れになるのが切ない。昔は簡単に人が死んでいった。そういう時代に妖怪信仰があったのは自然なことなのだろう。水木さん一家も味わい深い。何度でも読み返したくなる名作。

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    2019年05月06日
  • 水木サンの幸福論

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    ものすごく波乱万丈な人生を生きてる水木しげる。

    "貧乏は人を卑屈にする"
    という言葉は印象的で、水木しげるにとってもそうだったのだなあ、と。

    あとがきで娘の悦子さんのお話が良かった。

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    2019年04月15日
  • 妖怪たちのいるところ

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    狐に化かされたような
    不可思議な部分もゆるせる
    大判でとても綺麗な妖怪絵です
    解説も 博学で読んでいて面白いです
    水木先生の絵は
    やっぱりすごいですよね
    まるで見てきたように描いてあるもんなぁ
    見てきたんだろうな~と思えるほどでした

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    2019年02月27日
  • ほんまにオレはアホやろか

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    水木しげる氏の自伝。

    マイペースな幼少期、軍隊へ入り、南国での死と隣り合わせの生活、帰国後の極貧生活…どの時代もなかなか大変そうなのに、腐ることなく、淡々とマイペースに生きる姿にあっぱれ…と感じました。本当にこの時代を生き抜いた人は強いなぁ。自分の悩みなんて小さいものに思えてくる。

    そりゃ朝ドラにもなるよね。
    観ればよかった!と今更思ったりして。

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    2019年02月17日
  • カランコロン漂泊記 ~ゲゲゲの先生大いに語る~

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    エッセイと漫画で綴られた水木しげるの半生。軍隊ではひたすら理不尽にビンタされ、片腕を失いながらも生還した水木さん。水木さんが畏敬の念をこめて「土人」と呼ぶ人たちとの交流も楽しい。単なる反戦でなく氏の描く戦争体験がリアルで、また切なくて、それがとても面白い。全体にまとまりには欠けるが、どの章も引き付けられる。

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    2019年01月24日
  • 貸本漫画集 化烏他 水木しげる漫画大全集

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    全集版の「化烏」。
    『化け烏』(水木しげる著)を最初に読んだのは、1975年。東考社の桜井文庫(A6版)である。
    文庫判の漫画本の最初は、1975年のこの本であり、このことは版元も自負していたので間違いない。75年初頭か前年に東京都国分寺市の東考社に、他のと合わせて3冊まとめて予約に行ったら、1冊何か貰った。新書判の『噂の武士』だったかもしれない。東考社は引越先が決まっていたので、できた本の奥付は埼玉県の新住所になっている。
    文庫版漫画は、すぐに二見書房が続き、翌年には大手の講談社や小学館そのほかが参入。当時は、作品はすでに定評のあるものを集成したものが主体で、つげ義春、あるいは大島弓子の少女

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    2018年08月10日
  • 補巻 媒体別妖怪画報集 水木しげる漫画大全集(3)

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    水木先生、聖ダンスタン(マザーグースと蹄鉄で有名 元鍛冶屋で、悪魔をやっとこかなんかでやっつけたらしい)書いてたんか。
     あと、本書所収の関係で、オプティカルなものが悪魔の持ち物だといふのを知ったのだが、「アゼザル」表記の他、間違ひがえらいことあるのは。えー。
     オグレに関して、「人間と同じ大きさ」とある。ねむり姫の旦那(母親がオグレ女)はそんな感じであった。あと鬼との関連も指摘してゐる(『妖精なんでも入門』刊行以来、オーガーを「鬼」と訳す本が何冊か出た)
     クーシ― 影男 うんうん。

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    2018年06月24日
  • ゲゲゲの鬼太郎(1)

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    鬼太郎に正義のヒーローを期待してはいけません(笑)
    自分を守るために戦うのと、あとは流れで戦う感じですね。
    鬼太郎の子供らしい(?)一面があちこちに見えますよ。
    水木しげる先生のユーモアが楽しめる1冊です。

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    2018年05月27日
  • 総員玉砕せよ!! 他 水木しげる漫画大全集

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    圧倒されて、私も「のん」さん同じような感想しか出ませんでした。こんなに抑えて抑えて描いてあるのに、迫力がありすぎて。

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    2018年05月22日
  • 普及版 屁のような人生 水木しげる生誕八十八年記念出版

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    「屍のような」と読み間違えて借りた。ちょっとかっこいいと思って。家に帰ってよく見ると「屁のような」だった。こっちの方が水木しげるらしい。

    京極夏彦は水木しげるの弟子か何かなの?ゲゲゲの鬼太郎の解説を書いたり、水木しげるの自宅のコレクション室の陳列を手伝ったり(笑)。京極夏彦も読んでみようかな。

    水木しげるの昭和史を読んで興味を持ったつげ義春を、この間読んでみたら、見事にわからんかった。
    でも水木しげるが語るつげ義春を読むと、やっぱりつげ義春を読みたくなってくる。
    腱鞘炎になって、石のようにサマーベッドに寝そべっていたら、すずめがつげ義春の体の上に巣作りを始めたって…。つげ義春は地蔵か何かだ

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    2017年11月08日
  • 水木しげるの遠野物語

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    水木しげるの遠野物語 小学館 

    原作柳田国男の聞き語りを
マンガで描き起こした新作
    妖怪絵巻

    素朴な民話そのままである
    無限に連なる起承転結の曖昧な
自然界を写し取った素直な表現である
    相変わらず絵がモノを言う奥深く
    読み方でそれぞれが自分なりに受け取れる

    義経時代の歴史から
地理あるいは地域の文化などの情報盛り沢山
    全部で119話
    原作にそって水木さん自身が
各地の現場を訪ねながら描いています

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    2017年08月19日
  • ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる漫画大全集(1)

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    点描画という言葉を知らずに読んでいました。
    髪の毛針、指鉄砲、ちゃんちゃんこ。独創的で摩訶不思議な戦い方と、独特な言い回しにハマりました。

    飛び飛びで読んでいたので、全巻読破はしていません

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    2017年07月26日
  • 水木しげるの古代出雲

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    島根に旅行に行って、出雲大社にも参拝して、出雲の歴史を肌で感じて、ちゃんと神話のことも勉強しようと思った。地元の本屋さんに並んでいたので購入。マンガだし分かりやすくて読みやすかった。入門編&水木しげるの熱い思いが込められた本だと思いました。

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    2017年03月05日
  • 猫楠 南方熊楠の生涯

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    世界に誇る民族・博物学者南方熊楠についての本です。
    すでに多くの伝記が書かれていますが、熊楠が言葉を越えた神秘の存在とコンタクトをとる世界観は、漫画という表現が一番ふさわしいのかもしれません。
    実際に18ヵ国語に通じていたと言われる熊楠ですが、この作品ではプラス猫語を操り、パートナーのトラ猫とのコンビが絶妙です。
    天才としての姿だけではなく、家族や自然を愛し苦悩する姿や、可笑し味に焦点をあてた作品です。

    ペンネーム 六

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    2016年12月22日
  • 完全版水木しげる伝(下)

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    昭和36年結婚式〜平成3年。巻末、水木しげる詳細年譜
    装丁裏側「あなたが今、貧乏だからといって落胆しとったらイカン。明日”金霊”が飛んで来るかもわからん。妖怪は、気まぐれですから。」
    上中下、三冊一気に読みきるのがよろしいかと思う。南方病やトペトロの葬儀のところは特に何度読んでもあきない。妖怪と会ったり、ヘンな像やマスクを買ったり、逐一興奮して鼻から息がフーンとでるのとか、ものすごく共感できて一緒にフーンと鼻息をだしてしまいます。そしてこの食欲にただただ脱帽。なんといっても、戦時自伝にありがちな思想の押し売りが一切無いところがすばらしいと思う。私の世代に妖怪好きが多いのは水木先生の功績であろう

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    2016年12月13日
  • 完全版水木しげる伝(中)

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    写真館中学3年、ビンタをくらっていた頃、復員後、マンガを書きはじめた頃まで。巻末には対談「幸福論2」
    装丁裏側「今の人は簡単なことで、やる気をなくしたり、あきらめたりする。水木サンを見習って、好きなことを一生懸命に続けていけば、モノになるハズです。アーメン。」
    南方戦線の事を書いた作品はどれも非常にズシンときます。そして復員後の様子も読むだけで人生の糧となる、、ハズ。

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    2016年12月13日
  • 完全版水木しげる伝(上)

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    「僕の一生はゲゲゲの楽園だ」の文庫化。
    (上)戦前編
    水木しげる写真館1歳から18歳、大変愛らしい。巻末には対談「幸福論1」
    装丁裏側に「毎日がつまらんと思う人は、この本を読むといいですよ。きっとフハッと驚いて、生きる意欲が湧いてきます。」という文に自著サインが添えられてます。いやほんとに、今まで水木先生の作品を読んでいるので驚きはしませんが、何度読んでもフハッとなりますし、生きる意欲も湧きますんです。生後1年目、関東大震災、のんのんばあエピソードからガスパンまで、あちこちで出てくるエピソードがきっちりした時間軸で纏まっていて良い。生きる事は大変だけど、ややこしことではないと、シンプルに考えら

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    2016年12月13日