水木しげるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2010年ni大ヒットした「ゲゲゲの女房」。こっちは水木しげる御大の自叙伝です。奥様の書かれた本とはまた違った味わいがあって、僕はこっちのほうがどちらかというと好きなのですが…。
2010年に大ヒットした『朝の連続テレビ小説』の『ゲゲゲの女房』。当然僕は物語は二の次で女房を演じる松下奈緒さんが目当てで見ていましたがドラマのできそのものは非常によろしゅうございましたね。それはさておいて、こっちは水木しげるの自伝的エッセイ集です。この本はずいぶん昔。確か、高校生ぐらいのころに一度読んで、今回この記事を書くためにもう一度読み直してみたのですが、こういう人生もいいというのかなんというのか。
ほのぼのとしたタッチで自分の人生をつづっていますが内容は結構壮絶な人生です。水木御大の少年時代をつづった「学校も仕事もままならない」という箇所で当時勤めた会社がどうしても勤まらなくてクビになるときに会社の社長から
「親を呼んでこい!!」
とまでいわれたことや、戦争に行ったときにボルネオでマラリアにかかったり、爆弾に被弾して左腕を失ったことや復員しての極貧生活、そしてマンガでの成功が描かれています。
僕はこれをなぜかとあるビジネス書と一緒に読んでいますが、なぜかこれでいいんだとさえ思っています。 -
Posted by ブクログ
前半は、戦後から高度成長期の間、収入を得ることが困難で、相当苦労したこと。そして後半は、鬼太郎が売れ出した後の話が描かれている。
戦後の日本は、皆が貧しく腹を空かす時代であった。著者も例外なく、食べ物を求め、右往左往したことが描かれている。
鬼太郎がテレビ放送されてからは、収入も安定したようで、よく海外に行っている。戦時中滞在していたラバウルに行き、現地で亡くなった戦友の供養と当時知り合った原住民との交流など、計十数回行ったようだ。また、戦後の彼は、戦時中とは違う、別の意味で珍し体験をしているようだ。いずれにしても「幸せいっぱいです」と描かれている。 -
Posted by ブクログ
NHK朝の連続ドラマ『ゲゲゲの女房』も先週の100回を超えるあたりから、やっと何十枚も溜っていた質札を元に戻せるくらい収入が安定し、ようやく水木家にも貧乏神が去っていく兆しがみえてきたようです。
つまり、すたれていく貸本屋マンガから時代は週刊マンガ誌へと移行、一部のマニアの間でしか読まれていなかった俗悪な貸本マンガ家の水木しげるも、何十万部という雑誌に掲載されるやいなや一気に読者層の拡大を得て人気沸騰、例のあのサンデーVSマガジンの火花を散らす闘いの鍵みたいな存在と目されていたようですが、でも、その狭間に「少年ブック」や「漫画王」や「少年」や「ぼくら」や「少年画報」や「少年クラブ」という月間マンガ誌の時代があって、マンガもさることながら付録についてくる忍者の極意を書いた巻物やなんかも楽しみのひとつだったと私の父などは言いますが、調べてみると、この月間というスタイルが時代のニーズに合わなくなって60年代後半にほとんど休刊や週刊誌との合併に追い込まれています。
ただ、わずか10年前後しかない月刊誌の時期だったとしても、どうして水木しげるの活躍できる余地がなかったのか不思議です。
それにしても、あの伝説の青林堂によるマンガ誌「ガロ」の長井勝一をモデルにした嵐星社発行のマンガ誌「ゼタ」の深沢洋一(演じるはわが村上弘明!)や、東考社による貸本マンガからインディーズ出版を極貧のなかで貫徹した桜井昌一をモデルとする北西社の戌井慎二(俳優は梶原善)、このふたりのような地位や名声や富を求めないマンガへの無上の愛と、マンガをみる確かな目がなければ今のこのマンガの隆盛も広汎な才能の開花もなかったような気がします。
ところで、『ゲゲゲの鬼太郎』や『悪魔くん』だけが水木しげるではないと知っていても、なかなかその他のハードなものに手が伸びないのが水木ファンではない普通のマンガ愛好家というものでしょうが、それは絶対に惜しいと断言できます。
というのは、彼の戦記物は同種の娯楽的に書かれたものと比べても告発的な体験者によるものと並べても、まったく異質な肉体的な水木しげるという個別な人間的なものにあふれたもので、それは、何も戦争の無意味さを訴えたり、もちろん格好よさを吹聴したりするわけではなく、ただあるがままに自ら経験した惨めさ汚さ空腹さ痛さ苦しさを書き表し、勝ち戦も負け戦もないただ死へと向かうだけの行進でしかなく、その残酷な現実と向かい合うためには天皇陛下万歳とかお母さんとか言ってはいられず、幾分は半狂乱気味にでもなって、森の精霊や石と遊んだり純朴な現地の人と交流したりしなきゃやってらんないとばかりに、戦争の真っ只中にありながら戦争そっちのけで、せっかく戦争で南島に行ったのだからと、ちゃっかり生来の妖怪趣味を活かしてちゃんと南洋編を編纂してくるあたりやはり水木しげるという人はとことん只者ではありません。
願わくば、水木しげるの戦記マンガを読んで、一人でも多くの方が戦争を生理的に嫌悪する感性と肉体を持たれんことを!
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